履歴書に退職予定が書かれていると企業にとってありがたい

履歴書に退職予定を記入すべきかどうかについて、悩んだことがある人は多いでしょう。働きながら転職活動をしている人に向けて、履歴書に退職予定を明記すべき場合と、その書き方のポイントについて解説します。

履歴書に退職予定が書かれていると企業にとってありがたい

履歴書の「退職予定」とは何を意味する?

学生の身分で行う新卒の就活と、在職中に行う転職活動では、提出が求められる書類や履歴書の書き方に違いがあり、検討すべき事項も増えます。履歴書に「退職予定」を記入すべきか否かという問題も、検討すべき事項の一つです。

そもそも、履歴書に記入する「退職予定」とは何を意味しているかご存じでしょうか。退職予定とは文字通り、在職中に転職活動を行っている人が、現在働いている会社を退職する予定のことを指します。通常、履歴書の職歴欄に記入します。

履歴書に退職予定が書かれていると企業側はどう思う?

入社志望者の中には、履歴書に退職予定を明記している人と、していない人がどちらもいます。企業側としては、履歴書に退職予定が書かれている場合、どのように思うのでしょうか。

急募の際は退職予定が書かれているとポイントが高い

ルーペで拡大した履歴書の退職予定日時にサムズアップしているイラスト

企業が新入社員を採用する際は、一般的にその人の持つスキルと会社への適性が重要視されます。この事実は、たとえ欠員補充などの急募であっても基本的に変わることはありません。

そのうえで、採用する企業側に立って考えてみましょう。思いがけない欠員が出て、一日でも早く新入社員を迎えたいような状況に陥っているとします。求人募集にほとんど同じスキルと適性の志望者がいて、一人は在職中で退職の目途が立っておらず、もう一人は一ヵ月後に退職する予定になっている場合、どちらを採用したいと考えるでしょうか。

会社というものは通常、退職の意を伝えた翌日に退職できるものではありません。後任の選定や引継ぎなど、退職の意を申し出てから数ヵ月かかることが多いです。急募の場合、退職の予定が立っている志望者を優先的に採用したいと企業側が考えるのはごく自然なことです。

つまり、急募の場合は、履歴書に退職予定を明記しておくとポイントが高くなる可能性があると言えます。

履歴書に出社可能日も明記されているとありがたい

出社可能日を書いた履歴書をバックに、鞄を持って手を前後に伸ばすスーツ姿の男性のイラスト

企業が採用活動をするうえで、新入社員が入社できる日の目途を立てることはとても重要です。急募の際はなおさらのことです。

転職活動をしている人のなかには、次の会社で働き始めるまでに休養期間を挟みたいと考えている人は多いでしょう。退職予定はあくまで現在勤めている会社を退職する予定のことなので、企業側は退職予定すなわち「その翌日から出社可能である」とは通常考えません。

もしくは、一日も早く出社してほしいと考えている状況で、退職予定のみ明記されている場合は、「●月●日に退職予定ということは、その翌日から出社可能ですか?」といった少し意地悪なアプローチを企業側から面接で受けるおそれもあります。

志望者本人の都合のためにも、新入社員の入社予定を立てたい企業のためにも、退職予定とあわせて出社可能日を履歴書に明記することをおすすめします。

退職予定は面接で尋ねたい

新入社員の候補者の退職予定は企業側にとって、重要な情報であることがおわかりいただけたと思います。しかしながら、履歴書に退職予定が明記されていないからといって、不利になるということではありません。

企業側としては、「履歴書に退職予定があらかじめ書かれていると助かる」というのが本音ではあっても、どちらにしても採用活動中のしかるべきタイミングで、志望者に直接尋ねたいと考えているはずです。

二次面接や最終面接など、採用が濃厚になってきた段階で、「それでは、入社が決定したとして、いつ頃から出社可能ですか?」といった質問を投げかけられた経験を持つ人も多いのではないでしょうか。

履歴書に退職予定を明記していてもしていなくても、面接で企業側と直接対話し、調整していくことが求められています。場合によっては、「あと半月、入社を早められないでしょうか?」といった相談を企業側から受けることもあるでしょう。

履歴書に退職予定を書くべきケースとは?

「現在働いている会社を退職する予定の人は、必ず履歴書の職歴欄に退職予定を記入しなければならないのか?」という疑問を持ったことのある人は多いでしょう。実は、転職活動をしている人全員が、必ず履歴書に退職予定を書かなければならないというわけではありません。どのようなケースが、履歴書に退職予定を明記すべきであるのかについて解説します。

有期雇用で契約満了日が決まっている場合

有期雇用で契約満了日が決まっている場合の記入例

派遣社員や契約社員といった有期雇用で働いており、契約満了日がすでに決定している場合は、現在働いている会社の退職予定が確実にわかっていることになります。

退職予定がわかっていることを企業に知らせてデメリットになることはまずないので、契約満了で退職予定が確実になっている人は、履歴書に明記しておくべきです。

退職予定が確実になっている場合

退職予定が確実になっている場合の記入例

これは、転職活動で志望企業から内定を得ようが得まいが、一身上の都合により、退職がすでに決まっているという場合です。「自分の中で決心している」という状態ではなく、現在働いている企業との合意が得られている場合のみです。

なお、この場合は「なぜ内定も得られていないのに退職を決めているのか?」といった趣旨のことを、面接で問われる可能性があります。「余程急いで退職したい事情があるのか?」「現在働いている企業でうまくいってないのか?」といった疑問を持たれるおそれがあるということです。

余計な詮索をできるだけ受けたくないという人は、あえて履歴書に退職予定を書かなくてもよいでしょう。面接で問われた際は、「自己都合により●月●日に退職予定です」とさらっと事実を答えれば問題ありません。履歴書に書いても書かなくても、退職予定についてはいずれ聞かれるはずです。

履歴書で退職予定を伝えるべきではないとき

退職予定を履歴書に書くべきではないパターンも存在します。退職することがはっきりと決まっていない時がこれにあたります。

退職予定について会社の合意を得られていない

在職中の会社から、退職予定についての合意を得られていない段階で、履歴書に記載すべきではありません。退職予定が履歴書に明記されていれば、採用活動を行っている企業としては当然、現在勤めている会社から合意を得た決定事項であるととらえます。

たとえ自分の頭の中で、「必ずこの日に退職する」と固く決心していたとしても、会社の合意をきちんと得られるまでは、「退職日は未定」の状態であるということを心得てください。

退職の引き止めでしつこい手法から上手く回避する断り方

退職予定が二転三転する

予定が二転三転する男性と、それを聞いていい加減にしろ(That's enough!)と言う男性のイラスト

在職中の会社との話し合いで、いったん退職予定が決定していたにもかかわらず、さまざまな事情で退職予定が延びてしまうということは実はめずらしくありません。引継ぎの時間が足りなかったり、会社から「どうしてもこの日までいてほしい」と依頼されたりするパターンです。

いくら会社から依頼されても、「一度決定したことだから」とはねのけて退職予定を絶対に動かさないという自信があるなら問題ありませんが、退職予定が変更する可能性が少しでもある場合は、履歴書には書くべきではないでしょう。

退職予定がわからないことよりも、一度伝えた退職予定が二転三転してしまうほうが、採用活動をしている企業に対して大きな迷惑をかけるうえ、自身に対する企業からの信用を失うことにつながります。

退職が未定でも問われた場合は正直に答える

在職しながらの転職活動において、退職予定がわかっている人はそれほど多くないでしょう。なぜなら、入社したい企業の内定を獲得した時点で、現在働いている企業に退職の意を伝えるという転職活動の進め方が大多数を占めるからです。

そのため、企業側から面接で退職予定を問われた際は、正直に答えて全く問題ありません。ただ、「わかりません」や「未定です」と答えるのではなく、「内定をいただきました折には、すみやかに会社に退職の意を伝えます。現在抱えている業務の引継ぎがございますので、退職まで内定後二ヵ月程度必要になるのではないかと考えております」といったように伝えるとよいでしょう。

業務の引継ぎをせずに退職するような無責任な人を雇用したいと考える企業はまずないので、「業務を引き継ぐ期間が必要」と言われて悪い印象を持たれることはありません。むしろ、現在働いている会社で責任ある業務を任されている人物として評価されることもあるかもしれません。

仕事の引き継ぎのコツ後任者が困らないバトンの渡し方

履歴書への退職予定の書き方

履歴書の職歴欄への退職予定の書き方について、見本を以下にお示しします。自己都合での退職が決定している在職中の転職活動で、退職予定、出社可能日ともに明記するパターンの例として、ご確認ください。

なお、退職予定を書くにあたって、退職理由もあわせて記入するか否かについては、特に決まりはないのでどちらでもよいでしょう。有期雇用の契約満了であれば、そのまま明記しておくとわかりやすくてよいでしょう。

【職歴】平成25年4月〇〇株式会社 入社 東京本社営業部配属 平成30年8月 現在に至る(一身上の都合により平成●年●月●日退職予定)出社可能日:平成●年●日以降、就業可能です。

企業側の立場に立って履歴書の退職予定を記入しよう

履歴書に退職予定を明記する義務はありませんが、採用する側の立場に立って、求めていると考えられる情報を自ら開示することは、志望者としての気遣いの一つと言えます。

履歴書への退職予定の書き方や、面接での退職予定の伝え方によっては、うまく運べば「気遣いができて、かつ誠実で仕事に対する責任感のある人物」として評価をアップさせることが期待できます。退職予定の伝え方一つをとっても、求められている情報をわかりやすく伝えるための努力をしましょう。