まず確認:専門学校は履歴書の学歴欄に書けるか?
専門学校の学歴を履歴書に書こうとしたとき、「そもそも学歴として認められるのか」と迷う人は少なくありません。結論からいうと、都道府県知事の認可を受けた専門学校(認可校)であれば、学歴欄への記載が可能です。認可を受けていない無認可校は学歴として認められないため、記載できません。
採用担当者の立場からすると、学歴欄を見る目的は「応募者がどのような教育を受け、何を学んできたのかを把握すること」です。記載漏れや誤った記し方をすると、教育背景を正確に伝えられないだけでなく、場合によっては学歴詐称とみなされるリスクもあります。書き方の細かいルールを押さえたうえで、漏れなく正確に記載しましょう。
専門学校の認可基準とは
文部科学省が定める専修学校設置基準に基づき、専門学校(専修学校専門課程)として認可を受けるには、主に以下の条件を満たす必要があります。
| 基準項目 | 内容 |
|---|---|
| 就業年限 | 1年以上 |
| 年間授業時数 | 800時間以上(夜間学科は450時間以上) |
| 常時生徒数 | 40人以上 |
認可校は学校名に「専門学校」という名称を使えますが、無認可校はこの名称を使えないため、「○○学院」「○○スクール」「○○アカデミー」などの名称になっていることが多いです。在籍・卒業した学校が認可校かどうか不安な場合は、学校の公式サイトや在学証明書などで確認しましょう。
履歴書の学歴欄に記載できない学校がある
高校・大学・専門学校以外にも、世の中にはさまざまな教育機関が存在します。「通っていた語学スクールは学歴に書けるのか」「職業訓練校は?」といった疑問を持つ人は多くいます。
無認可の専門学校
前述のとおり、都道府県知事の認可を受けていない学校は、たとえ「専門」や「スクール」という名称がついていても、学歴欄には記載できません。採用担当者の側からすると、無認可校が学歴欄に記載されていると、確認作業が発生するだけでなく、書類選考の判断に迷いが生じます。無認可校で学んだ内容や取得した資格は、学歴欄ではなく「資格・免許欄」や自己PR欄で紹介するのが適切です。
予備校・語学スクール・職業訓練校などの各種学校
予備校・語学スクール・民間のプログラミングスクールなどは、原則として学歴としては認められず、学歴欄への記載はできません。海外大学に併設された語学スクールも同様です。
ただし、ハローワークが実施する「公共職業訓練(ポリテクカレッジ等)」については、訓練修了を職歴・学習歴として記載することが推奨される場合もあります。通った機関の性質に応じて、記載箇所を適切に選びましょう。
履歴書への専門学校の書き方で迷いやすいポイント
高校卒業後に専門学校へ進学した場合はもちろん、大学卒業後に専門的なスキルや資格を得るために専門学校へ入学したケースなど、専門学校の扱いについて迷う場面はさまざまです。よくある疑問を整理します。
専門学校は必ず学歴欄に書かなければならない?
認可を受けた学校に入学・在籍した事実がある場合は、必ず学歴欄に記載する必要があります。記載漏れは学歴詐称とみなされる場合があり、入社後に発覚すれば懲戒・解雇の対象になり得ます。
面接で資格について質問すると、「専門学校で取得した」という答えが返ってくることがあります。しかし履歴書の学歴欄にその専門学校が記載されていない場合、「なぜ書かなかったのか」という疑問が生まれます。故意でなくても、採用担当者の側では記載漏れと経歴詐称の区別がつきません。専門学校での学びを資格欄でアピールするなら、学歴欄への記載は必須です。
大学を卒業した後に専門学校へ通った場合も記載は必要か
大学卒業後に専門学校へ入学した場合も、学歴欄への記載が必要です。在学期間中・卒業後を問わず、認可校に在籍した事実は学歴欄に時系列で記載します。
大学卒業後に専門学校を卒業した場合、最終学歴はどうなる?
最終学歴とは「最高学歴」、つまり学歴上の水準が最も高い学校の卒業・修了を指します。教育機関の水準は「大学院→4年制大学→短大・専門学校・高専→高校」の順とされているため、大学卒業後に専門学校を卒業しても、最終学歴は大学卒業のまま変わりません。
大学在学中に専門学校を卒業した場合はどう書く?
大学在学中に専門学校も修了したケースでは、時系列に沿って「大学入学→専門学校入学→専門学校卒業→大学卒業」の順に記載します。最終学歴は大学卒業です。採用担当者の立場では、時系列が整理されているほど経歴を把握しやすくなります。並び替えは厳禁です。
専門学校名はどのように書く?
履歴書の学歴欄は正式名称での記載が原則です。専門学校の場合、学校名に「専門学校」という文言が入っていないケース(「○○学院」「○○アカデミー」など)もありますが、認可校であれば正式名称のままで問題ありません。
ただし、学校名だけでは専門学校と判別しにくい場合は、「学校法人○○学園 ○○専門学校」のように「専門学校」を付記しても問題ありません。採用担当者が「何の学校か」を確認する手間を省ける、という意味でも丁寧な記載といえます。学科・コース名も省略せず、「○○専門学校 ○○科 ○○コース」のように記載しましょう。
大学中退後に専門学校を卒業した場合の書き方
大学入学後に進路変更を決意し、中退して専門学校へ入り直したケースは、採用現場でも珍しくありません。この場合の学歴欄への記載方法を整理します。
大学中退は学歴欄に必ず記載し、理由を簡潔に添える
大学を中退した事実は、学歴欄に記載しなければなりません。中退を省略すると経歴詐称になります。大学入学の次の行に「中途退学」と記載し、可能であれば次の行に理由を一言添えましょう。
専門学校への進路変更が理由であれば「進路変更のため中途退学」と書くのが一般的です。面接での追加質問に備えて、「なぜその専門分野に興味を持ったのか」「専門学校でどのような知識・技術を習得したのか」を具体的に話せるよう準備しておくことが重要です。
大学中退の記載がなく、専門学校の入学年が大学入学の直後になっているケースで、面接時に事実が判明するというケースは少なくありません。採用担当者は学歴の年月を照合しながら読んでいるため、空白期間や矛盾は見逃されにくいです。中退は必ず記載したうえで、ポジティブな理由を添えるほうが、隠すよりもはるかに好印象です。
大学中退後に専門学校を卒業した場合の最終学歴
大学を中退し、その後に専門学校を卒業した場合の最終学歴は「専門学校卒業」です。大学中退は在籍の事実として記載しますが、卒業していないため最終学歴には算入されません。
履歴書の学歴欄への専門学校の書き方例
状況別の記載例を以下に示します。年月は西暦・和暦のどちらでも構いませんが、履歴書全体で統一することが必須です。
【ケース①】高校卒業後に専門学校へ進学した場合
| 年月 | 記載内容 |
|---|---|
| ○年3月 | ○○県立○○高等学校 卒業 |
| ○年4月 | ○○専門学校 ○○科 入学 |
| ○年3月 | ○○専門学校 ○○科 卒業 |
【ケース②】大学卒業後に専門学校へ入学した場合
| 年月 | 記載内容 |
|---|---|
| ○年4月 | ○○大学 ○○学部 ○○学科 入学 |
| ○年3月 | ○○大学 ○○学部 ○○学科 卒業 |
| ○年4月 | ○○専門学校 ○○科 入学 |
| ○年3月 | ○○専門学校 ○○科 卒業 |
※大学卒業が最高学歴のため、最終学歴は「大学卒業」。時系列は並び替えず、そのまま記載する。
【ケース③】大学中退後に専門学校を卒業した場合
| 年月 | 記載内容 |
|---|---|
| ○年4月 | ○○大学 ○○学部 ○○学科 入学 |
| ○年○月 | 進路変更のため中途退学 |
| ○年4月 | ○○専門学校 ○○科 入学 |
| ○年3月 | ○○専門学校 ○○科 卒業 |
※最終学歴は「専門学校卒業」。大学中退は必ず記載する。
履歴書に正しく記載して専門学校をアピールにしよう
学歴欄を正確に書くことは、専門学校での学びを採用担当者に正しく伝えるための土台です。そのうえで、専門学校で培った専門性をアピール材料に変えるためのポイントを整理します。
学校名・学科・コース名は正式名称で略さないことが最も基本のルールです。「○○専門学校 情報処理科 システムエンジニアコース」のように学科・コースまで書くことで、採用担当者は何を学んだかを一目で把握できます。
在学中・卒業見込みの場合は「卒業見込み」と記載します。「在学中」は主にアルバイト応募などで使われる表現で、就職活動の履歴書では「卒業見込み」が正しい書き方です。
専門学校で取得した資格・免許は資格欄に記載します。学歴欄での学びと資格欄の記載が連動していると、専門性の高さが採用担当者に伝わりやすくなります。
専門学校での研究・実習・コンテスト実績などは自己PR欄や志望動機欄で補足することで、学歴欄の情報だけでは伝えきれない実践力をアピールできます。応募先の職種・業務と関連する内容があれば、具体的なエピソードを添えましょう。
最後に、履歴書提出前の確認に使えるチェックリストを用意しました。すべての項目にチェックを入れてから提出しましょう。



















