履歴書で専門学校の学歴をアピールする書き方

履歴書に専門学校を学歴として記載するにあたって、悩みやすいポイントが多々あります。専門学校は学歴に記載する必要があるのか、大学卒業後が専門学校を卒業した場合、最終学歴はどのようになるのかなど、迷いやすいポイントをわかりやすく解説します。

履歴書で専門学校の学歴をアピールする書き方

まずは専門学校の定義をおさえよう

そもそも専門学校とはどのような学校のことを指すか、理解できていない人が多いのではないでしょうか。履歴書の学歴への専門学校の書き方を考えるにあたって、まずは専門学校の定義を考える必要があります。

専門学校とは、文部科学省によって「多岐にわたる分野におけるスペシャリストを養成するために、実践的な職業教育、専門的な技術教育を行う教育機関」として定義されている「専修学校」の一つです。

専門学校の定義を描いたイラスト

一般的に考えられている専門学校とは、専修学校のうち、授業時数・教員数や施設・設備などの一定の基準(専修学校設置基準等)を満たしている場合に、都道府県知事の認可を受けて設置された学校のことを指しています。無認可である場合は、「専門学校」を名乗ることはできません。

履歴書の学歴欄に記載できない学校がある

高校や大学、専門学校以外にも、学校はたくさん存在します。「今通っている●●スクールも履歴書の学歴欄に記載したほうがいいのだろうか?」、「語学スクールは学歴として認められるのだろうか?」といった疑問を解消するために、学歴として認められない学校、つまり履歴書の学歴欄に記載できない学校を挙げて解説します。

無認可の専門学校

無認可の専門学校の例

専門学校の定義で述べたとおり、都道府県知事による認可を受けた専門学校は、履歴書の学歴に書くことができます。つまり反対に言えば、無認可校である場合は、履歴書の学歴欄に書くことはできないということです。

予備校や語学スクールなどの各種学校

予備校や語学スクールなど各種学校の例

予備校や語学スクール、職業訓練学校といった各種学校は一般的に学歴としては認められておらず、そのため履歴書の学歴欄に記載することもできません。海外の大学に併設されている語学スクールもまた、学歴としては認められません。

履歴書への専門学校の書き方で迷いやすいポイント

高校卒業後に専門学校へ進学した人以外にも、大学を卒業して社会人になってから、専門知識を学んだり資格を取得したりするために、専門学校へ入学する人は少なくありません。

いざ履歴書の学歴欄を記入するにあたって、専門学校の扱いについて悩む人は多いです。履歴書の下句歴欄への専門学校の書き方について、迷いやすいポイントを挙げて解説します。

履歴書の学歴欄に専門学校は必ず書かなければならない?

認可を受けた学校に入学し、中退もしくは卒業した場合は、必ず履歴書の学歴欄に記載しなければなりません。記載漏れがあれば、学歴詐称とみなされて最悪の場合、入社後に解雇となるおそれがあります。

たとえば面接において、資格欄に記入した資格について「この資格は独学で取得したのですか?」と問われることがたびたびあります。その際に、もしも専門学校で学んで資格を取得したにもかかわらず、履歴書の学歴欄へ専門学校を記載していなかったらそれは重大な記載漏れ、つまり学歴詐称となります。

履歴書への記載について、特に迷いどころの多い専門学校については認可・無認可をはじめ、きちんと確認のうえ、漏れのないように記載しましょう。

大学を卒業した場合も履歴書に専門学校を記載する?

「認可を受けた専門学校に入学した経験がある場合は、履歴書の学歴に書く必要がある」ということはご理解いただけたでしょう。ここで多くの人が疑問を持つポイントがあります。

「私は大学を卒業し、社会人になってから専門学校に通っていた時期があるけれども、その場合も専門学校を履歴書の学歴欄に書く必要があるのだろうか?」という疑問です。結論としては、大学卒業者であっても、専門学校へ入学した場合は、履歴書の学歴欄に書く必要があります

大学卒業後に専門学校へ入った場合の最終学歴とは?

「大学卒業後の専門学校の学歴を履歴書に書いた場合、最終学歴が専門学校とみなされるのだろうか?」ということも、多くの人が持つ疑問です。

最終学歴とは、最高学歴のことを指します。つまり、大学卒業後に専門学校へ入学したとしても、最終学歴が専門学校に変わることはなく、最高学歴である大学卒業が最終学歴となります

大学在学中に専門学校を卒業した場合はどのように書く?

大学に通いながら、同時に専門学校でも学び、在学中に専門学校を卒業するという努力家の人もいるでしょう。その場合、履歴書の学歴欄には、時系列に沿って大学入学→専門学校入学→専門学校卒業→大学卒業と記載することになります。言うまでもなく、最終学歴は大学卒業となります

大学在学中に専門学校で学んだ例

履歴書への専門学校名はどのように書く?

都道県知事の認可を受けて設立された専修学校でなければ「専門学校」を名乗ることはできませんが、専門学校であっても学校名に「専門学校」を入れていない学校があります。たとえば、●●学院や○○アカデミー、▲▲学園といった独自の学校名です。

このように、認可を受けた専門学校であるにもかかわらず学校名に専門学校が入っていない場合は、履歴書の学歴欄にそのまま記入するとわかりにくいという問題があります。無認可の各種学校と見分けがつかないということです。

履歴書の学歴欄へは、学校の正式名称を記載するのがルールですが、専門学校であることをわかりやすく伝えるためにも、「学校法人 専門学校 ●●学園」といったように、「専門学校」をプラスして記載しても問題ありません。企業側としても、専門学校と明記されているほうが「何の学校なのか?」と考えずに済みます。

大学中退後に専門学校を卒業した場合の履歴書への書き方は?

「大学に入学してみたものの、学ぶ内容に興味が持てない」、「大学で学ぶうちに、他のことに関心が移っていった」といった理由で、大学を中退して専門学校に入学し、学びなおしたという経験を持つ人もいることでしょう。そのような場合、履歴書の学歴欄にはどのように記載すればいいのか、また悩ましい問題と言えます。履歴書の学歴欄への書き方について解説します。

大学の中退理由の書き方

大学に入学したものの中退した場合であっても、履歴書の学歴欄に書く必要があります。大学入学の次の行に、「中途退学」と記載します。その際に、次の行に中退理由を書いておくことをおすすめします。何も書いていなければ、面接で理由を問われるか、単位がとれなかったりするなどマイナスの理由で中退したととらえられても仕方ありません。

理由は、「進路変更のため退学」と書くのが一般的と言えるでしょう。専門学校へ入学しなおすということは、進路や学びたい内容などの目的がはっきりしているはずなので、企業に悪い印象を与えることはないはずです。

大学を中途退学して専門学校に進路変更した場合の例

専門学校でどのような専門分野を学び、知識や技術を身に着けたのか、また大学入学後になぜその分野に興味を持ち、進路変更を決意するに至ったのかについては、面接でしっかりと説明できるように準備しておきましょう。

中退した時の履歴書の学歴はどう書くの?前向きな中退理由の書き方

最終学歴は専門学校卒業になる

最終学歴とは、最高学歴のことを指すと解説しましたが、大学中退後に専門学校を卒業した場合の最終学歴は、「専門学校卒業」となります。中退は事実として履歴書の学歴欄に記載すべきですが、学歴としては認められないからです。

履歴書の学歴欄への専門学校の書き方例

それでは、履歴書の学歴欄に専門学校をどのように書くか、見本例をお示しします。履歴書への書き方で悩む人が多い、大学卒業後に専門学校へ進んだ場合を例にとったので参考にしてください。なお、大学以前の学歴は省略しています。

大学卒業後に専門学校へ入学した場合は、時系列に沿って履歴書の学歴欄の最後に記載します。最高学歴である「大学卒業」が最終学歴になるからといって、時系列を並び替えて、大学卒業を履歴書の学歴欄の最後に記載してしまうと誤りになるということです。

大学卒業後の専門学校学歴を記述した履歴書のイラスト

履歴書に正しく記載して専門学校をアピールにしよう

まず、学校名を正確に記載することが重要です。略称や通称を使わず、正式名称を使用しましょう。また、所属学部・学科も記載することで、その学校で何を学んだのかが明確になります。学部・学科によっては、その分野での専門性が高いことがアピールできるため、具体的に記載することが重要です。

卒業・修了年月日を正確に記載することで、その学校での学びを一定期間行ったことが伝わります。また、学校の卒業・修了要件を達成したことがわかるため、その分野での知識や技術を習得していることがアピールできます。

学校での活動や成果を具体的にアピールすることで、自分自身のスキルや経験をアピールすることができます。例えば、学校の研究発表会やコンテストに出場したこと、学内での活動やサークル活動などを記載することで、自己PRを高めることができます。

また、専門学校で取得した資格や免許がある場合は、それを具体的にアピールすることで、その分野での専門性やスキルをアピールできます。

以上のように、専門学校をアピールするためには、履歴書に正確に記載することが大切であり、学校名や所属学部・学科、卒業・修了年月日、学校での活動や成果、取得した資格・免許などを具体的にアピールすることが重要です。