内定の報告をお世話になった人にするときのマナーと注意点

内定報告をする際には、社会人の第一歩としてビジネスマナーに則った報告をすることが重要です。先輩や教授、恩師などお世話になった方に内定報告をするときのマナーやポイント、メールや手紙で伝える場合に使える参考例文をチェックして、失礼のないスマートな報告をしましょう。

内定の報告をお世話になった人にするときのマナーと注意点

内定をもらったらお世話になった人に報告しよう

就活の努力の結晶として採用通知書や内定通知書を受け取ると、いよいよ社会人になるのだと実感がわいてくるもの。就活は終わり、新しく社会人としてのスタートが始まります。

社会人であれば、何かの結果を出すために協力してくれた関係者の方にお礼をするのは当然のことです。先輩や大学の教授、恩師など、自分が就活中お世話になった人に内定報告をかねて、ぜひお礼の連絡をするようにしましょう。

しかし新卒の場合、内定をもらうのは人生で初めてという人がほとんどですから、内定報告の文章の書き方や方法がわからない方も多いものです。ぜひ内定報告の手順についてしっかりチェックしておきましょう。

内定の報告はそもそも必要なの?

ガッツポーズをとる就活生の男女

お世話になった人たちとはいえ、内定の報告がそもそも必要かと言われれば、必ずしも必要であるわけではありません。実際、タイミングを逃したりして報告できない例も多くあります。しかし、できることならやっておいた方が良いことは間違いありません。

就活中に協力をしてくれた人たちは、やはり関係者としてあなたの就活の結果に関心を抱いています。その結果が良いものであれば、なおさら報告をして喜びを分かち合うと良いでしょう。そのようにすることで、その後にわたっても良い関係を続けることができます。

逆に報告を怠ったことによってその後の関係も希薄になるようなら残念なことです。良い報告を迷惑に感じる人はいませんから、ぜひ報告を行ってください。

内定の報告は誰にするべき?

内定の報告は、お世話になった方みんなにするのがベストです。

  • 友達
  • 両親
  • 親戚
  • 内定先の人事担当者
  • OB訪問などでお世話になった先輩など
  • 学校の教授
  • 学校の就職課の人
  • 研究室・ゼミの就職担当の人
  • ハローワークの担当者
  • その他アドバイザーになってくれた人

全員に内定の報告をするのは大変なことですが、それだけ多くの人に協力いただいて就職を決めることができたと考えると感激も感謝もひとしおです。できるだけ多くの方に感謝の気持ちをお伝えすると良いでしょう。

内定報告の手段は?

内定の報告の手段には特に決まりはありません。今はメールやSNSを通して連絡するという方法も盛んに行われていますので、特段問題はありません。ただ、簡単に済ませているという印象を与えたくない場合には、直筆の手紙などを送るのも良いでしょう。

メールによる内定報告の場合

パソコンからメールを送信する女性

最も丁寧な方法としては、まずはメールなどの簡便な方法で連絡し、後日約束を取り付けて直接会って報告することです。特に目上の方などにしっかり連絡したい場合にはこのようにすると良いでしょう。直接会うのが難しい場合は、電話でしっかり伝えてください。

手紙による内定報告の場合

お礼状に拝啓と書く

手紙を出す場合には、手書きでお礼状を書きます。ワープロソフトで作成して印刷するという方法もできますが、やはり気持ちを込めるという意味でも手書きが良いでしょう。
季節の挨拶など慣れない言い回しも多くなりますが、それも勉強です。手紙は時間がかかるものですが、それだけ気持ちが伝わる報告の仕方です。

内定の報告もビジネス文書としてマナーを守ろう

たとえ学生だとしても、内定を得られるようであればもう半分は社会人です。内定報告もひとつのビジネス文書と考えて、ビジネスシーンに相応しくない連絡をしましょう。内定報告の際のマナーとして気をつけるべきポイントを確認します。

1 できるだけ早く連絡する

どんなケースであっても情報は鮮度が命です。先方はあなたの就活の結果を心配していることもありますので、早めに報告をするとよいでしょう。メールや電話などの手段は速報性が高いので、相手に迷惑にならない時間にできるだけ電話で宝庫億すると良いでしょう。

2 誤字脱字に注意する

就活でお世話になった方にお礼状やお礼メールを出す際には誤字脱字にも注意してください。当然のことですが、先方の名前や企業名、役職などが間違っていると大変失礼になります。ビジネス文書だと思って、ある程度の緊張感を持って作成することが大切です。

報告手段別・内定報告のマナー

親しい人やお世話になった方に内定報告をする際、メールと手紙それぞれで注意すべきポイントやマナーとは?

メールの場合の内定報告マナー

内定の報告やお礼をメールで送る場合には、内容がわかりやすいように件名に工夫をしましょう。

メールは多い人だと一日に100件以上を処理することもあり、件名で処理する順番を判断している場合も少なくありません。「内定のご報告とお礼(学校名・学部名・氏名)」などの件名はわかりやすく、件名を見ただけで開きたくなります。逆に内容がわからないメールだと読み落とされる場合もありますので注意しましょう。また、定型を守ることで読みやすくなります。

メール署名のサンプル

また、メールの最後には署名を入れるようにしましょう。これはビジネスシーンにおける常識です。必ず自分の名前や所属、連絡先等の情報をつけて連絡してください。

手紙の場合の内定報告マナー

ボールペンを使って手紙を書く手と修正テープ禁止のイラスト

手紙でお礼状を出す際には、しっかり手紙の体裁を整えて書くことが大切です。季節の挨拶や手紙の出だしと結びを揃えることなどしっかりと気を配って書いてください。

また、基本的には手書きで書くようにします。間違えてしまった場合は、手間はかかりますが修正テープなどで修正せずに最初から書き直すようにしてください。封筒の宛名などにも注意して、ビジネスマナーに則って出しましょう。

内定報告で使える参考例文

内定報告を受けた時、お世話になった人に内定報告を知らせるメールや手紙で使える例文をいくつか見てみましょう。

お世話になった方々に送るメール

新卒採用試験結果のご報告(学校名・学部名・名前)

〇〇様

大変お世話になっております。
■■大学 ■■学部の ●●と申します。

先日はご多用の中、就職のご相談のお時間をいただき、誠にありがとうございました。

〇〇様のご協力をいただき、株式会社■■より内定通知を本日いただくことができました。

最終面接の際も、〇〇様のアドバイスが大変役に立ち、平常心で面接を乗り切ることができました。本当にありがとうございました。

まだまだ未熟ではございますが、今後も研鑽を続け、早く一人前の社会人になりたく存じます。今後ともお力添えを頂けますようお願い申し上げます。

重ねて、心よりお礼申し上げます。
誠にありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■■大学■■学部 ●●●●
Eメール■■@■■.jp
電話00-0000-0000
携帯電話000-0000-0000
〒000-0000 ▲▼県■■■0-0-0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

内定の報告では、件名ですぐにそれとわかるように書きます。
また、話し言葉では「内定をもらいました」と言いますが、「内定のご連絡をいただきました」とした方が丁寧に聞こえます。ただの報告で終わらず、一言でも助言などへのお礼を具体的に入れるようにしましょう。

お世話になった方に手紙でお礼状を書く場合

内定のご連絡をいただきました

拝啓

初夏の候、○○様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。

先日は、私の就職に際し、貴重なご助言・ご支援をいただきまして誠にありがとうございました。おかげさまで、株式会社○○○様から内定をいただきました。
心から感謝申し上げます。

まだまだ学校生活も残っておりますが、しっかりと卒業研究に打ち込み、卒業後は社会人として自覚を持って一生懸命働きたく存じます。

今後とも、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

まだまだ暑い中ではございますが、〇〇様のご健康をお祈りいたします。

敬具
平成○年○月○日 〇〇大学 〇〇学部 〇〇〇〇

追伸:先日の相談の席では、奥様からも非常によくもてなしていただきました。奥様にもよろしくお伝えくださいませ。

手紙の場合には「拝啓」と「敬具」のような頭語・結語の決まりがあったり、時候の挨拶などもありますので、しっかり調べて書くようにしましょう。ひとつの教養として覚えておくのがベストです。

手紙の宛先となっている方以外にも関係のある方に言伝を頼みたい場合などは、上記のように追伸を加えると良いでしょう。そして、手紙の際には必ず日付を入れるようにしてください。

【番外編】内定先の企業(の担当者)に送るお礼メール

内定のご連絡、誠にありがとうございました(学校名・学部名・名前)

○○株式会社
人事部 ○○様

○○大学○○学部○○学科の○○○○です。

本日は、内々定のご連絡をいただき誠にありがとうございました。

第一志望であった御社からの内々定をいただき、心から嬉しく思っております。 今から入社の日が待ち遠しいです。

入社までの短い間ですが、しっかり準備して入社後には期待に沿うことができるように努力してまいります。

今後の予定など、ご連絡がございましたら下記連絡先までお願いいたします。

今後ともご指導のほどよろしくお願い致します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
××大学××学部 ○○○○
Eメール××@××.jp
電話00-0000-0000
携帯電話000-0000-0000
〒000-0000 △▽県□□□0-0-0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

相手先の企業名や部署、役職がわかっている場合には、必ず文頭に入れます。
また、内定先企業へのお礼になりますので、入社に向けての意気込みや、内定を喜んでいる様子を伝えると印象が良くなります。

ひとつ注意したいのが署名の連絡先です。学校のメールアドレスなどを利用して就職活動をしていた場合には、卒業と共に連絡ができなくなる可能性もあります。個人用の連絡先を準備し、その連絡先に連絡してもらえるようお願いしておくとよいでしょう。

内定報告書を提出して学校へのお礼を

内定の報告では、大学に出す内定報告書を求められることもあります。内定報告書とは、個人的に内定の報告をするものとは別に、学校に対しての報告書類のことです。大学側が今後の就職活動支援の参考にするために用いるであるため、求められる内容を記載する必要があります。

内定報告書の提出先は大学にある就活課やキャリアセンターです。内定報告書では内定をもらった企業に関してどのような面接や試験内容であったのかを報告します。また、入社を決めた動機なども、後輩たちが悩んだ際の参考になるため求められることがあります。その他、就職活動で準備したことやうまくいったこと、予想とギャップがあったことなどを質問項目に回答します。

お礼としての内定報告ではありませんが、学校には大変お世話になっているはずですので、そのお礼としてしっかり協力するのがベストです。

内定の報告は社会人としての第一歩

内定の報告は社会人のビジネスマナーとしては当然のことでもありますが、慣れないものですので躊躇してしまう面も多いものです。しかし、しっかり報告することで協力してくれた方々との関係も強固なものとなり、個人の社会性を高めるためにも良い機会です。

内定報告は言うなれば社会人としての第一歩です。ビジネスマナーに則った内定報告をすることで、気持ちも引き締まり、また改めて多くの人に支えられての内定であることに感謝の気持ちが湧いてくるでしょう。

内定と内々定の勘違いしがちな2つの違い