履歴書への家族構成の正しい書き方ポイント

履歴書の家族構成欄の書き方に戸惑った経験を持つ就活生は多いのではないでしょうか。採用可否に影響を与えることもある履歴書の家族構成欄の書き方と、企業に良い印象を与えるためのポイントについて例文を交え解説します。

履歴書への家族構成の正しい書き方ポイント

なぜ履歴書に家族構成を記入する必要があるのか?

近年は、個人情報保護といったプライバシーの観点から、家族構成を記入する欄が存在しない履歴書のフォーマットも増えてきていますが、従来通り履歴書への家族構成の記入が求められることも少なくないのが現状です。まずは、なぜ履歴書に家族構成を記入し、志望する企業に情報を伝える必要があるのかについて解説します。

前提としては家族構成を知らせる義務はない

履歴書の家族構成欄の必要性を論じるにあたって、まず前提として厚生労働省が掲げている公正な採用選考のための指針があるので、就活生のみなさんは一読しておくことをおすすめします。

厚生労働省は「公正な採用選考の基本」として、①応募者に広く門戸を開くこと、②本人のもつ適性・能力以外のことを採用基準にしないことの2点を定めています(注1)。つまり、本来は採用選考への応募者に対して家族構成を問うことは、企業側に許されていません。

そのため、規定のエントリーシートや履歴書フォーマットがない場合は、家族構成欄の存在しない履歴書を選んでも問題ありません。しかしながら、家族構成欄のある履歴書を規定のフォーマットにしている企業も少なくありません。そのような場合のためにも、なぜ企業が応募者の家族構成を知りたいのかについて、就活生は理解をしておく必要があると言えるでしょう。

応募者の身元を明らかにするため

新入社員を採用するにあたって、応募者本人の適性や能力をもとに採用可否を判断するとはいえ、身元がはっきりしない人よりも身元が明らかで家族構成まで問題なく把握できる人を採用したいと考えるのは、企業側にとって当然のことであると言えます。

そのため、企業が指定する履歴書フォーマットやエントリーシートに家族構成欄が存在する場合は、プライバシーの観点から記入を拒否するという選択肢はまずないと考えてください。

扶養家族の有無を確認するため

家族のイラスト

配偶者や子どもをはじめとした扶養家族の有無は、採用後の給与における手当に関わってきます。そのため、企業側が履歴書の家族構成欄によって最も事前に確認しておきたいのは、応募者の扶養家族の有無であると言えるでしょう。

採用後の勤務形態や業務内容の検討材料にするため

履歴書の家族構成欄は、その内容上、新卒採用時よりも転職活動時のほうが企業側はより重視していると言えます。原因として考えられるのは、新卒採用を受ける際に、結婚している就活生は男女ともにごく少数であり、さらに年齢的にも可応募者本人が介護をする必要がある家族を抱えている可能性が低いため、家族構成欄の情報の重要性が低いということです。

反対に、特に結婚後に転職活動をする際は、企業側が家族構成についてとても気にしていることを、面接などを通して実感することが少なくないでしょう。結婚している場合、子どもや扶養家族の有無、要介護者の有無などにあわせて、勤務形態や任せられる業務内容を検討する必要があるからです。

履歴書の家族構成欄の書き方とポイント

一人暮らし専用の家族構成欄のフロート図

家族構成欄のフロート図

履歴書の家族構成欄の基本的な書き方はいたってシンプルです。家族構成欄の正しい書き方と、記入するにあたって気を付けるべきポイントをご紹介します。

家族構成欄の記入に本人は含まれるのか?

履歴書の家族構成欄を記入するにあたって、はじめに多くの就活生が頭を悩ますポイントが、「本人を記入する必要があるのかどうか」についてです。結論としては、履歴書の家族構成欄に本人を記入する必要はありません。

家族構成欄には同居している家族全員を記入する

履歴書の家族構成欄には、同居している家族全員を記入します。また、たとえ血のつながりがない人であっても、同居している場合は基本的に家族構成欄に記入する必要があります。

一人暮らしの場合の家族構成はどのように記入する?

一人暮らしの場合は、住民票の世帯主がどのようになっているかによって、履歴書の家族構成欄の書き方が変わります。

  • 住民票の世帯主が本人になっている場合

一人暮らしをしていて、住民票の世帯主も本人にしている場合は、基本的には履歴書の家族構成欄を記入する必要はありません。

ただ、緊急連絡先として実家の父母などを挙げている場合は、関係性をわかりやすく企業に伝えるために、任意で実家の家族構成を記入するのも一つのアイデアと言えるでしょう。

  • 住民票を実家から移していない場合

特に大学生に多いのが、住民票を実家から移しておらず、父親が住民票の世帯主になっているというパターンです。この場合は、実家の家族構成を書きます。世帯主から順に書いていくといいでしょう。

職業欄はどのように記入する?

履歴書に、家族構成欄と合わせて職業を記入する欄がある場合は、「会社員」や「自営業」といった必要最低限の情報を記入します。具体的な勤務先の企業名など、必要以上の個人情報を記入する必要はありません。なお、母親が主婦であり勤めていない場合は、「無職」もしくは「主婦」と記入すればよいでしょう。

同居家族に要介護者や幼い子どもがいる場合は明記する

同居する家族に要介護者がいる場合は、家族構成欄にその旨を明記する必要があります。そのことで採用を敬遠する企業がないとは言えませんが、要介護者を家族に抱えてそのような企業に就職した場合、遅かれ早かれ勤務を続けるのが難しくなったり無理が出てきたりすることになるでしょう。

要介護者がいることを家族構成欄に明記しておくことで、採用後の勤務形態について企業側があらかじめ検討することができるでしょう。これは、幼い子どもがいる場合も同様です。子どもの年齢を明記しておくことで、急な病気などで早退や欠勤の可能性があることについての心積もりを企業側がすることができます。

例のように世帯主を筆頭にして記入する

履歴書の家族構成欄は、世帯主を筆頭にして記入します。実際にどのように履歴書へ家族構成を記入したらよいのか、見本を示します。三世帯同居家庭を例にしたので参考にしてみてください。

三世帯同居の履歴書の家族構成欄の記入例

【家族構成】
佐藤一郎(父) ●歳
花子(母) ●歳
正男(祖父)●歳
良子(祖母)●歳
次郎(弟) ●歳

覚えておきたい続柄の基本

続柄の図解

続柄についてきちんと理解できている自信がある人は少ないのではないでしょうか。日常生活において、続柄を記入する機会はそれほど多くなく、履歴書の家族構成欄を記入する段階でとまどってしまう就活生もいるでしょう。ここでは、知っておくべき続柄の基本について説明します。

続柄とは?

一般的に続柄と言えば、住民票の世帯主を起点にした、世帯主と同居家族の関係性を意味します。履歴書の家族構成欄においては、「あなたとの続柄」つまり応募者本人(あなた)を起点にした同居家族との関係性を記入することになります。

義理の家族

続柄は基本的には戸籍謄本に従って記入します。義理の兄弟・姉妹の場合は、「義兄」、「義姉」と記入します。また、養父をどのように記入するべきかというのは悩ましい問題かもしれません。養父の場合であっても養子縁組をしている場合は「父」と記入することになります。

「叔父・伯父」、「叔母・伯母」の違い

「叔父・伯父」、「叔母・伯母」の違いに頭を悩ませる人は多いでしょう。「伯父」とは、自分の親の兄、「叔父」とは自分の親の弟に当たります。「叔母・伯母」についても同様です。「叔母」は自分の親の姉、「伯母」は自分の親の妹に当たります。これらの使い分けは続柄の基本となるため、間違えることがないようにしっかりと覚えましょう。

履歴書には自己アピールにつながるような家族構成欄を書こう

面接風景

履歴書の家族構成欄は事実を明記すればよいので、アレンジを加えたり奇をてらったりするものではありません。しかしながら、家族構成欄をしっかりと記入することは、企業側に安心感を与える一つの要素となります。

要介護者の存在などを事前に明らかにすることで、良識のある信頼のできる人物であるということを伝えることができます。面接などでも実際に勤務をしはじめた後のことを具体的に話し合い、その企業で応募者が働いている姿を企業側にイメージしてもらうことも可能になるでしょう。

企業の採用面接は、履歴書やエントリーシートに記入された情報をもとに進められます。家族構成欄を見て、家族との関係性などに話が及ぶこともあるでしょう。特に転職者の面接においては、配偶者や子どもの存在を家族構成欄で明らかにすることで、結婚や子どもの誕生を機に「一家の大黒柱としてこれから一層仕事に励みたい」といった意気込みにつなげることも可能です。

このように、履歴書の家族構成欄をもとに企業と綿密にコミュニケーションをとり、信頼を得て採用につながるような自己アピールをしましょう。

参考文献