履歴書は手書きが必須というわけではない
履歴書は手書きでなければならないのか。以前はそのような考え方もありましたが、現在ではパソコン作成が主流になりつつあります。採用担当者553人を対象にした調査(2024年)では、「パソコン作成が好ましい」と回答した人が約68.7%と多数派を占め、「手書きが好ましい」は約20.8%にとどまりました。
ただし、指定がない場合でも手書きが完全に不要になったわけではありません。企業から指定がなければ、手書き・パソコンのどちらを選んでも問題なく、作成方法そのものが合否を左右する決定的な要因になるケースは多くないのが実情です。 応募先の業種・社風・提出方法に合わせて適切な方を選ぶことが大切です。
履歴書の手書きとパソコン作成それぞれのメリット・デメリット
手書きとパソコン、それぞれの特徴を正しく理解したうえで選択しましょう。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 手書き | 個性が出やすい。丁寧に書いた文字から熱意・誠実さが伝わる。本命企業へのアピールに有効 | 作成に時間と手間がかかる。書き間違えると最初から書き直し。悪筆だと逆効果になる可能性あり |
| パソコン | 文字が均一で読みやすい。作成・修正が効率的。データを使い回せる。パソコンスキルのアピールになる | 手書きを重視する企業では評価されにくい場合がある。使い回しのミス(志望動機の入れ間違いなど)に注意が必要 |
手書きした履歴書の場合
手書きの履歴書を評価する採用担当者の多くは、「文字の書き方から仕事の丁寧さを見ている」「応募にかける真剣度合いがわかる」という点を重視しています。文字そのものの美しさより、一文字一文字丁寧に書かれているかどうかが見られているようです。 時間に余裕があったり、特に志望度が高い企業だったりする場合は、手書きで熱意を伝える選択肢も有効です。
パソコン作成した履歴書の場合
パソコン作成の最大のメリットは効率性です。一度作成してしまえば、名前や学歴などの基本情報はそのままに、応募要件に合わせて内容を調整するだけで短時間で別の企業の履歴書も作成できます。 また、事務職などパソコン操作が求められる職種では、読みやすく整えられた履歴書そのものがパソコンスキルの証明にもなります。 ただし、使い回す際に志望動機や日付の更新を忘れるミスが起きやすいため、提出前の確認は必須です。
履歴書は手書きかパソコンかを選ぶ際の基本的な考え方のパターン
企業の履歴書に対するスタンスは、大きく3つのパターンに分かれます。応募先がどのパターンに近いかを見極めて選択しましょう。
パターン1.手書きで書くのが常識
ハローワークや紙媒体の求人誌など昔ながらの手法で採用活動を行っている企業や、歴史のある老舗企業、家族経営の企業などは、手書きのほうが好まれる可能性が高いといえます。こうした企業の多くは「履歴書は手書きで作成するもの」という認識が根付いており、直筆の文字から人柄を推し量ろうとする傾向があります。
手書きの場合は、次の点に注意しましょう。
手書きの履歴書のチェックポイント
・文字は丁寧に気持ちを込めて書かれているか
・誤字や脱字はないか
・熱意や志望度は感じられるか
・修正液・修正テープを使っていないか(書き間違えたら書き直す)
パターン2.パソコンで作るのが望ましい
インターネット上の転職サイトに求人情報を掲載している企業や、ホームページから応募を受け付けている企業は、パソコンで作成した履歴書でも問題ない可能性が高いです。 特に、IT系企業や外資系企業では手書きで履歴書を作成することは非効率と捉えられがちで、建設業界・自動車業界・アパレル業界なども同様にパソコンでの作成が好まれる傾向にあります。 このような企業に手書きの履歴書を提出すると「今どき手書きは非効率」という印象を与え、書類選考を通過できない可能性もあるため注意が必要です。
パターン3.どちらでも構わない
必要事項が正確に記載されていれば、手書きでもパソコンでも評価に差がないというスタンスの企業も多くあります。このタイプの企業では、作成方法よりも内容の充実度が評価の軸になります。迷った場合は、提出方法(Web・郵送・持参)と応募先の業種を参考に判断しましょう。
履歴書を手書きにするかパソコン作成にするか迷った時の見極めポイント
どちらにすべきか迷ったときは、以下の基準で判断すると整理しやすくなります。下の簡易診断ツールも活用してください。
Web提出・メール添付ならパソコン、持参・郵送なら手書きが基本
最も分かりやすい判断基準は提出方法です。Web上で提出する場合やメール添付の場合は、基本的にパソコンでの作成が前提です。持参や郵送が求められている場合は手書きが無難とされる傾向がありますが、業種によって異なります。
応募先企業の業種・社風で使い分ける
手書きの履歴書が好まれる企業のタイプ
・歴史のある老舗企業・大手企業
・公的機関・公庁関係
・社員の年齢層が高い企業
・パソコンスキルが不要な業種(飲食・介護・小売など)
・ハローワークや紙媒体で採用活動を行っている企業
パソコンで作成した履歴書が好まれる企業のタイプ
・IT関連・Web開発・システム系企業
・外資系企業
・スタートアップ・ベンチャー企業
・社員の平均年齢が若い会社
・建設・自動車・アパレル業界
パソコンスキルが求められる業種では、手書きの履歴書をスキャンしたデータを送付することは絶対に避けましょう。パソコン作成の履歴書を提出することそのものがスキルのアピールになります。
本命企業はどちらが好ましいかを事前に電話などで確認してみるのも有効な方法です。確認のついでに、求める人物像や職場の雰囲気などの情報を得られることもあります。
以下の診断ツールで、あなたの状況に合った選択肢を確認してみましょう。
履歴書の手書きとパソコン、アルバイトに応募する場合はどうすればいい?
アルバイトに応募する場合も、基本的な考え方は正社員・転職と同じです。特に指定がない場合は手書きが無難ですが、応募する職種によって使い分けることをおすすめします。
売上集計や書類作成などパソコンスキルが求められる職種(事務・経理補助など)の場合はパソコン作成がベストです。一方、手書きのPOPやメニュー作成がある小売・飲食店に応募する場合は、あえて手書きを選ぶことで丁寧さや字のきれいさをアピールする効果があります。
履歴書を手書きする時はボールペンか万年筆を使おう
手書きで作成する場合は、必ずボールペンか万年筆で記入します。鉛筆やシャープペンシルは消せるため使用不可です。インクの色は黒または濃紺の1色のみ。赤や複数色を使うのは常識を疑われる原因になります。
もし書き間違えても修正液を使うのはNG
書き間違えた箇所に修正ペンや修正テープを使うのは絶対に避けてください。そもそも改ざんできないことを証明するためにボールペンを使っているため、修正液の使用は本末転倒です。また修正箇所はひと目で分かり、採用担当者に良い印象を与えません。どれだけ書き進めた後でも、書き間違えたら必ず新しい用紙に最初から書き直すのが原則です。
履歴書の書き方で気をつける基本ポイントをチェックしよう
作成方法(手書き・パソコン)に関わらず、履歴書の書き方の基本を押さえておくことが重要です。「常識がない」と思われてしまうと、内容を最後まで読んでもらえないこともあります。以下のポイントを必ず確認してください。
- 履歴書の提出日(郵送日・持参日・Web提出日)を正確に書く
- 名前は丁寧にはっきりと書く
- 証明写真は3ヶ月以内に撮影したものを使う
- 連絡の取りやすい電話番号を書く
- 学歴は高校(入学)から書く
- 職歴は入社・退社歴をすべて書く(アルバイトは原則不要)
- 免許・資格は自己PRにつながるものを選んで書く
- 志望動機は自分の言葉で表現する(使い回しに注意)
- 趣味・特技は仕事に役立ちそうなものだとなお良い
- 本人希望欄には譲れない条件があれば書く(「貴社の規定に従います」でも可)
各項目の詳しい書き方については、以下のページも参考にしてください。
履歴書と共に提出する添え状や職務経歴書はパソコン作成がおすすめ
履歴書の作成方法は企業によって異なりますが、一緒に提出する添え状や職務経歴書については、パソコンで作成するのが基本とされています。
添え状はビジネス文書の一種であり、手書きは避けるのが一般的です。また、履歴書が法律上「私文書」として扱われるのに対し、職務経歴書は「ビジネス文書」という位置づけのため、こちらもパソコン作成が望ましいとされています。
添え状は一度パソコン作成すると複数の企業に使うことができる
添え状は「履歴書・職務経歴書を送付するので確認してください」という内容の書類です。企業ごとに内容を大きく変える必要がないため、日付・宛先・担当者名のみ変更して使い回せます。一度テンプレートを作成しておくと、その後の応募がスムーズになります。
自由形式の職務経歴書はパソコン作成のほうが個性をアピールしやすい
職務経歴書には決まったフォーマットがなく、自分でレイアウトを工夫できる唯一の書類です。表や箇条書きを活用して見やすく整えることで、スキルや実績を効果的にアピールできます。基本情報は使い回せますが、自己PR欄は応募企業ごとに内容を調整することをおすすめします。
履歴書は手書きかパソコンか事前に確認してから書こう
結論として、履歴書は企業の指定がある場合はそれに従い、指定がない場合は提出方法と応募先の業種・社風を参考に判断するのが基本です。採用担当者の約7割がパソコン作成を好む傾向がある ため、迷ったらパソコン作成を選ぶのが現実的な選択といえます。
いずれの方法を選んでも、最終的に評価されるのは書類の「内容」です。手書き・パソコンどちらで作成しても、誤字脱字なく丁寧に仕上げること、志望動機や自己PRを応募先に合わせてしっかり書くことが採用担当者の心を動かす最大のポイントです。

















