自己PRでクレーム対応経験をアピールするときのコツ

自己PRにおいてクレーム対応をアピールするなら、クレーム対応の能力や実績ではなく、自分の人間性や特徴に焦点を当ててアピールしましょう。アピールのコツを理解していれば、クレーム対応の経験は企業からも高く評価されるので就活を有利に進める武器になります。

自己PRでクレーム対応経験をアピールするときのコツ

クレーム対応は就活の自己PRで評価される?

クレーム対応経験をさらっと述べる男性

就活の自己PRは学生たちにとって悩みのタネとなりますが、「クレーム対応」が就活の自己PRにおいて評価されるのではと注目されています。クレーム対応の経験のある学生は多くありませんし、またクレーム対応にはビジネスパーソンに必要な要素が多く詰まっているというのがその理由です。

しかし、アピール方法を間違ってしまうと自己本位で響かない自己PRになってしまうリスクも伴います。クレーム対応を正しくアピールするための自己PRとはどのようなものでしょうか。

クレーム対応が就職活動で評価される理由

クレーム対応が就職活動で評価される理由は、クレーム対応に求められる要素は、社会人に求められる資質が多く詰まっているからです。そのため、「クレーム対応が上手」であるだけでなく、「クレーム対応の経験がある」だけでも、社会人としての特性をそれなりに期待できます。

たとえば、クレーム対応では顧客の話をしっかり聞き、そして相手の気分を害さずに自分側の事情や都合を伝える必要があります。時には問題点を整理し、改善案を上司と相談して相手に伝える、実行するなどの過程もあります。これらは社会人としての仕事の姿勢そのものと変わりません。

また、クレーム対応においては強いストレスにさらされることになりますから、責任感や忍耐力なども問われます。ストレス耐性や根気強さは今の若い社員に欠けていると言われるだけに、これらの特性を持った学生を企業は高く評価するでしょう。

それだけクレーム対応には新卒の社会人として魅力のある要素が詰まっていますから、企業も評価するしかないのです。

クレーム対応経験を男らしく語る男性

クレーム対応を自己PRで使う時は、あくまでエピソードとして使う

クレーム対応を自己PRとして使う際に注意しなければならないのは、あくまでエピソードとしてクレーム対応の経験を話すことです。

「自由に自己PRをお願いします」と問われたときに、「私はクレーム対応が得意です」と回答するのは、たとえ事実であったとしても企業が求めているものとは違っています。

企業が欲しいのは、「今後一緒に働きたいと思える人」であり、「クレーム対応の達人」ではありません。その部分の即戦力が欲しければ中途採用が経験や実績を考えても適切です。新卒に求められるのは、「クレーム対応の能力」ではなく「クレーム対応の過程で見える人間性」であることに注意してください。

そのため、自己PRとしては「自分の人間性(特徴)を表す内容」で、その人間性を裏付けるエピソードとしてクレーム対応の経験を使ってください。

クレーム対応を自己PRで活用する際のポイント

クレーム対応を自己PRで活用する場合、ちょっとしたポイントに注意して作るだけで説得力がまるで違ってきます。

クレーム対応そのものをアピールしない

間違ったクレーム対応経験のアピールをする男性

「クレーム対応を100件しました」「クレーム対応の責任者でした」「クレーム対応が得意です」といったアピールは、能力を示すものですが、その人の人間性に関するアピールではないため新卒採用の自己PRとしては不適切です。「責任感」「コミュニケーション能力」など、企業が新卒人材に求める能力を中心にしてアピールしましょう。

クレームにまつわるエピソードは具体的に書く

ただ「この時クレーム対応をしました」だけではアピールとしてはほぼ意味がありません。どういう問題が生じてクレームがあったのか、そのクレームを解決するためにどのような対応をしたのか、そしてその結果どうなったのかという要素をエピソードの中に詰めて説明しましょう。

仕事でクレームを活かせるビジョンを語る

クレーム対応をアピールしたい人は、クレーム対応に考えが縛られてしまう傾向がありますが、新卒社員でクレーム対応に回される人はほとんどいません。そのため、クレーム対応を通して伝えたかった自分の個性や特徴が、どのような仕事の中で活かされるのかビジョンを語る必要があります。「クレーム対応で磨いたヒアリング力を活かし、相手の希望を引き出し、その解決のために最大限努力をする営業になりたいです」のような形を考えてみましょう。

自己PRでクレーム対応を用いた例文

自己PRでクレーム対応を用いる場合の例文をいくつか見てみましょう。

自己PRでクレーム対応を用いる場合の例文1

私の強みは接客業のクレーム対応で鍛えてきたコミュニケーション能力です。

ショッピングモールの健康食品店でコスメを中心に担当していましたが、ある時にお客様から「使っていたら肌がかぶれた」とクレームがありました。多くのクレームは使用上の注意を守らないことや、事前にパッチテストをしっかり行わなかったことが原因なのですが、まずはお客様が納得できるようにクレームの内容を聞いていました。クレームをしっかり聞いてまずは謝罪し、確認するべきポイントを伝えた上で正しい使い方をお伝えすることができました。若干納得いかない感じがあったのですが、その日は無事に終了しました。後で上司に報告した際に、お店からには非は無いけど、怒らせたり誤解をさせたことについて謝罪しようということで商品をいくつかお詫びとして送付しました。後日、このお客様が来店なさり、クレームへの対応が良くて嬉しかったと感謝されました。

コミュニケーションができれば、多くの問題は解決すると思いますので、相手によって無理だと壁を作ったりせず、しっかりコミュニケーションを取れる社会人になりたいです。よろしくお願いします。

自己PRでクレーム対応を用いる場合の例文1の評価good

自己PRでクレーム対応をアピールする例です。一見良くできているようにも思えますが、細かい部分に気を遣うことができればもっと良くなります。

たとえば、この例では「クレーム対応で鍛えられたコミュニケーション能力」とありますが、クレーム対応で鍛えただけではないはずです。「接客のアルバイトで鍛えられた」の方が正確ですし、その中でクレーム対応のエピソードを語ることで「おっ」と興味を引きます。最初のままだと、クレーム対応をしたことはわかりますが、そこでコミュニケーション能力が鍛えられたことがピンと来ません。

また、このエピソードは「クレームに上手く対応した」ことはわかるのですが、上司が気が利く人であることは伝わっても、応募者がどんな人なのかがあまり伝わってきません。アピールするべき主人公は自分ですので、応募者自身が活躍する内容にしましょう。

最後の締めくくりも、仕事の中でのビジョンが少し曖昧で、「コミュニケーションができれば~」のくだりも唐突な印象を受けます。企業研究をしっかり行い、自分が仕事の中で活躍しているイメージをまずは作ってみてください。

自己PRでクレーム対応を用いる場合の例文2

私は自分の働く場所に強い責任感を持ち、主体的に考えることができます。

居酒屋でバイトリーダーをしていましたが、店長が本社での打ち合わせのために不在のタイミングがありました。その時にお客様から新人のアルバイトの接客態度に対してクレームがあったのです。私はバイトリーダーで、店長が不在の時間帯の責任者という立場でしたから、私が対応しなくてはとお客様とお話しました。

お客様の怒っていらっしゃる内容はごもっともで、一通りのお話を伺った後に本人を連れてきて一緒に謝罪し、お許しをいただきました。また、クレームの声などで店内のお客様の楽しい時間が奪われたと思い、その時間帯のお客様の席を回りながら謝罪し、一人あたりドリンク1杯を無料にしました。無料にした分は、私のアルバイト代から肩代わりしようと思いましたが、後日店長に「よくやった。これでむしろお店のファンは増えたはずだ」と褒めていただきました。

私は会社のために、お客様のためにと思って主体的に行動することが、社会人として大事なことだと思っています。貴社に入っても、自己本意ではなく、与えられた立場に責任感を持って主体的に働いていきたいと思います。

自己PRでクレーム対応を用いる場合の例文2の評価excellent

自己PRでクレームを用いた例です。クレームがあった場合、アルバイトの立場では対応するべきか悩んでしまいますが、この例では主体的に対応したことで良い結果に結びついています。

責任感がある様子が「私が対応しなくては」という一言からも見えてきますし、また自分なりに考えてドリンクをサービスしたりと動いている様子も気が利き、機転と行動力があることが感じられます。実は企業はアピールされた内容以外にも、エピソードを通して見える人間性に期待を寄せていますので、こうした活躍が表現されていると評価も高まります。

エピソード内での活躍の様子を見ても、入社後には任されたポジションで主体的に頑張ってくれそうだと期待されるでしょう。

バイトリーダーを就活の自己PRで上手にアピールするコツ

自己PRでクレーム対応を用いる場合の例文3

私はクレーム対応が得意です。

大学生になってから、3年間コールセンターでアルバイトをしていました。時折、クレームの電話もいただくのですが、マニュアルに沿ってしっかり対応することを心がけていたら、苦手意識もなくなりました。

3年間で30件ほどはクレーム対応をしたと思いますが、8割以上の方は納得していただくことができたと思います。言いがかりとしか思えない方も2割ほどいたと思うのですが、そこに関しては仕方ないと思っています。

私はクレーム対応で培ったコミュニケーション能力を活かし、営業の分野で貴社のお役に立ちたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

自己PRでクレーム対応を用いる場合の例文3の評価poor

最後に、典型的なNG例についても見てみましょう。ここまで読んできたなら、どこがどうNGなのか一読するだけでもわかるはずです。

まず、「クレーム対応が得意」という自己PRは、クレーム対応が予定されていない限りは効果的なアピールではありません。アピールするなら、最後にあるように「コミュニケーション能力」にした方がスッキリします。

エピソードの内容も、クレーム対応の実績を語るものであり、本当に得意なのかもわかりません。また、就活で求められている自己PRと相違があることからも、コミュニケーション能力にも疑問符が就きますし、また「そこに関しては仕方ない」と自分の判断で語っているところにも不安を感じます。自分の考えを語るのは悪くありませんが、自分の行動や結果を自己評価するのは良い印象を持たれません。結果をどう考えるかは、あくまで聞いた側です。

自己PRでコミュニケーション能力の高さを思わせるポイント

ポイントを知らずに書くと、このような文章になってしまいがちです。自己本位にならず、企業の求める形で自己PRを作成できるように意識しましょう。

クレーム対応の自己PRでは相手の立場もあった方が良い

クレーム対応の経験を企業が高く評価するのは、接客の過程で相手への接し方が見えてくるためです。

クレーム対応のエピソードでは、相手の立場を考慮しない対応は、あたかもクレームの主を悪者のように話してしまいます。そして、それに対して「いかに自分が理路整然と正しい対応をしたか」を語ってしまいがちです。これらは全て、クレーム対応としても社会人としても好ましい姿勢ではありません。クレームが生じるのは店や企業側にも落ち度があった可能性が高く、その性質上、武勇伝のように語るべきではありません。

客観的に、また俯瞰してクレームの生じた流れを把握し、相手の怒りを買ったり、気持ちを害さずにいかにスマートに対応できたかが人事担当者にとって気になるポイントです。そのため、相手の立場や心理的な部分の描写などがしっかりあると、より臨場感のあるエピソードになります。書き方の参考として覚えておくと良いでしょう。

自己PRの作成の型を覚えておこう

自己PR作成パターンの図

自己PRを作成する際には、基本的な型を意識していると書きやすくなります。上手に型に当てはめることでよりいっそう自己PRが引き立ちます。

最初に結論を述べる

ビジネスの世界では、まず結論を述べて質問や設問に回答します。クレーム対応そのものではなく、自分の個性や特徴をアピールするところから自己PRをスタートさせましょう。

結論を深めるエピソードを述べる

クレーム対応は、続くエピソードの中で語っていくようにします。エピソードは、最初に述べた結論を立証し、さらに企業に納得感と期待をもたせるために伝えます。具体的な表現をすることによってリアリティをもたせることで、クレーム対応の中で発揮された能力を期待させることができます。

ビジネス目線で考える必要がありますので、クレーム対応における「課題・問題」「解決策としての行動」「結果」が含まれているか確認しながら作成しましょう。

まとめと展望を述べる

最後に、もう一度伝えたい自分の特性をアピールして、それが仕事の中でどう使えるのかをアピールして終わります。企業側もビジネスシーンでの応募者の活躍がイメージできると、それだけ採用後の配属などもしやすくなります。

クレーム対応での自己PRはそのままアピールしないのがコツ

クレーム対応は特殊な経験であり、企業にとっても評価をしやすいエピソードです。しかし、あくまで売り込むのは応募者という一人の人間ですので、クレーム対応の能力や実績、経験を売り込んではいけません。

クレーム対応を使った自己PRは、クレーム対応をそのままアピールせずに自分の特性をアピールするべきです。ポイントをしっかり確認しながら、企業にとって魅力的なアピールにしましょう。