自己PRでゼミの活動を企業に響くように書くコツ

自己PRでゼミでの活動をアピールしたい就活生は多いものです。しかし、よくあるテーマだけに、正しいアピール方法を知らないと埋もれてしまい印象に残りません。効果的なアピールとするために必要なポイントを紹介しています。

自己PRでゼミの活動を企業に響くように書くコツ

就職活動の自己PRでゼミ活動をアピールするのは良くないの?

就職活動の自己PRで悩む学生は多いものです。目立った経歴や、人が羨むようなエピソードが無いという場合には、学校での活動に白羽の矢が立つのも珍しくはありません。そんな時によく使われるのが学校のゼミでのエピソードです。しかし、多くの人がゼミでの活動を語るため、いまひとつ印象に残らないという声もあります。

就職活動の自己PRでゼミについて話すのは決して悪くないですが、上手にアピールするにはちょっとしたコツが必要になります。上手なアピールのためのポイントを学んでみましょう。

ゼミが自己PRで良くないと言われる理由

メガネを持って嫌がるような顔をする男の人

就活の自己PRでゼミをアピールしてもいまひとつ印象に残りにくい、ゼミが自己PRで良くないと言われる理由は、大きく分けて2つあります。

ゼミで同じテーマの人が多く、埋没する

最もポピュラーな理由が、多くの人がゼミをテーマに話すために埋没してしまうことです。ゼミが就活前に変えられるわけではないので、仕方のない部分はあります。そのため、切り口の部分で勝負をかける必要があります。

上手なゼミのアピール方法を知らない人が多い

ゼミをアピールする上で、相手に合わせた上手なアピール方法を知らない人が多いのも自己PRで良くないと言われる理由です。自己PRなのに自分よりもゼミのPRをしていたり、ゼミでの研究活動の意義を語っているだけの内容はかなり多いものです。頑張った人であるほどゼミの内容を語りたがる傾向も強く、失敗しやすいので注意が必要です。

ゼミを自己PRでアピールする場合のポイント

ポイントを伝えるように指を見せる男の人

ゼミについて自己PRするときに埋没しないで上手にアピールするために、自己PRでゼミをアピールする際に大切なポイントについて考えていきましょう。

アピールするべきはゼミのことではなく自分のこと

ゼミの活動内容や教授の情報、またゼミの研究内容については自己PRで求められている部分ではありません。就活に来た学生に、企業はスーツのブランドを尋ねないのと同じです。評価するポイントは本人ですから、本人の特性をアピールするべきであり、ゼミでの活躍は話のネタでしかありません。

アピールするポイントはビジネス目線で

就職活動の自己PRは、企業が採用を決定するための情報を提供しなくてはなりません。そのため、自己PRは自由にアピールするのではなく、企業が欲しい情報を提供していく必要があります。ゼミの活動を通して「リーダーシップ」「コミュニケーション力」「行動力」「判断力」などビジネスシーンでも使える様々な特徴をアピールしましょう。

自己PRでリーダーシップをアピールするなら周囲との関わりを大切に
自己PRでコミュニケーション能力の高さを思わせるポイント

ゼミの実績は脇役だけど大切にする

ゼミそのものをアピールのメインに実績を持っていくのは良くないですが、全く実績が無いのも良くありません。ビジネスでは常に結果が求められますから、エピソードの中で結果が伴っているものは企業に安心感を与えます。強調する必要はありませんが、ゼミの活動から有意義な結果が生まれたのなら必ず記載するようにしましょう。

自己PRでゼミの活動をテーマにした例文

自己PRでゼミの活動をテーマにした例文をいくつか挙げます。例文ごとに、受けた印象や改善点などを考えてみてください。

自己PRでゼミの活動をテーマにした例文1

いいムードでコーヒーを飲む社員

私はチームのムードメーカーになることができます。

その特徴が最も出たのが、大学時代のゼミでのエピソードです。毎年、都内の他大学と集まって合同でゼミの研究発表会を行っています。私達の研究チームは、取り組み始めは早かったのですが、残り2ヶ月という所で重大な見落としが見つかり、それまでの研究内容を放棄せざるを得なくなりました。もう今年は欠場しようかというムードの中、私は明るく振舞い、周囲にできると言い聞かせました。とは言え、言葉だけではどうにもなりませんから、私はできる方法が無いか、担当教授や先輩たちに何度も聞いて回りました。そして、似たようなテーマの先行研究から、1点だけ焦点を変えてやってみることを提案し、メンバーも納得してくれました。最初は気分良くはできないメンバーもいましたが、研究が進み、思わぬ発見があったことで学会発表をするだけの価値があると教授がコメントしてくれた所からチームのムードは非常に良くなりました。

私は目標達成を諦めず、周囲を盛り上げていく姿勢を社会に出ても貫いていきたいと思います。私と同じチームになったメンバーがみんなエネルギーを受けられるように、頑張っていきたいです。よろしくお願いします。

ゼミの活動をテーマにした場合には、この例のような書き方を心がけましょう。

まず、最初に自分のPRしたいポイントを明確にします。「ムードメーカーになれる」がポイントで、その後のエピソードでも明るく振る舞った様子が伺えます。

エピソードの内容は、ただゼミの活動を紹介するのではなく、ゼミの活動の中での「目的」を明確にします。ここでは「他大学と合同でのゼミの研究発表会」がそれにあたります。そして「問題」として「研究内容の放棄」があり、そして「解決方法」としての「応募者の活躍」があります。具体的には「励まし」と「代替案の模索」です。そして結果、「学会発表をするだけの価値ある内容の作成」と「良くなったムード」が得られたという内容になっています。

思わぬ失敗により落胆することは社会でも十分に考えられますし、こうした場面でこのように動ける社員がいれば、企業としても心強いのは間違いありません。メンバーにエネルギーを与えてくれそうな人材として、採用側も高く評価してくれるでしょう。

自己PRでゼミの活動をテーマにした例文2

私は問題を前にして、いつも最良の方法を考える力があります。

私は民法のゼミに所属し、ゼミ長をしていました。ある時に、テレビで話題になっている汚職事件をテーマにして、ゼミ合宿で模擬裁判をすることになりました。この事件に関する議論が普段のゼミの時間では終わらなかったため、教授が面白いテーマということで合宿のメイン行事としたのでした。

しかし、教授が注目しているほどメンバーたちはテンションが上がっていませんでしたし、就活準備や公務員試験や司法試験のための予備校に通うメンバーからは次々と合宿不参加の連絡がありました。

私はせっかくのゼミ合宿を盛り上げたいと思い、一人一人に参加を促しました。その際に、「それぞれの役割分担を与えて、体は運べないとしても何かを全体に残すこと」を依頼しました。また、ゼミの公開行事として動画を撮影し、後日インターネット経由で閲覧できるようにしました。結果、参加者は微増でしたが、熱の入った議論が展開され、動画を見直しながら欠席したメンバーも後で議論に入ってくるようになりました。教授も新しい試みに満足気でした。

社会でもこの時のように、いつも問題の前で思考を停止せずに、何ができるのかを考えて行動するようにしたいと思っています。よろしくお願いします。

この例はゼミを題材にしたアピールとしていますが、少々わかりにくい印象があります。「問題を前にしていつも最良の方法を考える力がある」とアピールしていますが、このエピソードの中では「それが最良である」ことを示す内容がありません。そのため、幾分大げさに見えてしまいます。

エピソードの内容からは本人の優秀性や気の利く部分が感じられて良いのですが、アピールしたいポイントがどこにあるのか、明確なものが伝わりにくくなっています。ゼミのエピソードは、展開がわかりやすくなっていますが、それに安心して肝心の導入(結論)の部分をおろそかにすると、自己PRとしてはわかりにくくなりますので注意してください。

また、最後でも「問題の前で思考を停止せずに~」とありますが、暗に「問題があると他の人は思考停止する」と言っているようにも聞こえるのであまり印象が良くありません。その表現を聞いた人がどう思うのか、そこまで注意して表現を考える必要があります。

自己PRでゼミの活動をテーマにした例文3

男性の表情

私は大学時代に一番ゼミでの活動を頑張りました。

私のゼミは、民俗学のゼミで、各地を巡って実際に現地の人や環境に触れ、様々な生活習慣や文化的習慣などを研究します。大学の担当教授もこの道では非常に名前の知られた教授で、深い洞察と博識にいつも驚かされています。私はゼミの活動を通して、日本は狭くて広い国だということを感じるようになりました。多様な生活環境と、それを土台に長年かけて培われてきた生活の知恵や風習には感嘆せずにはいられません。

私は学生時代に培った研究する力を生かして、仕事の中でも深い洞察を持って頑張っていきたいと思っています。どうぞ宜しくお願いします。

自己PRでゼミでの活動を扱おうとした場合に、良くあるNG例です。

本人はしっかりと自己PRをしたつもりでも、この内容を見てみると応募者がどういう人かはあまり伝わってこないのがわかりますし、また「研究する力」もどの程度のものなのかわかりません。ましてやビジネスパーソンとしての可能性は悪い意味でまったく未知数です。

ゼミをテーマにして伝えるとき、ゼミの紹介や研究内容などは企業にとってはそこまで興味の範疇ではありません。相手が聞きたいことを考えずに、自分が伝えたいことを伝えようとすると、このように「きれいにまとまった失敗」をしますので気をつけてください。

ゼミを扱うなら自信を持って自己PRを作成しよう

ゼミを題材にして自己PRを作成するのであれば、ぜひ「埋もれてしまう」などとネガティブにならずに自信を持って作成してください。

自己PRにおいてゼミの活動をアピールするには、まず自分がどのようなゼミに所属しているのかを明確にし、そのゼミで学んだことや取り組んだことを詳しく書くことが大切です。また、企業が求めるスキルや能力との関連性を明確に示し、そのスキルや能力をどのように身につけたのかを具体的に表現することも必要です。最後に、自分自身がゼミ活動に取り組んできた姿勢や価値観を表現し、その姿勢や価値観が将来の仕事でどのように活かせるかをアピールすることが重要です。

そもそも自己PRは何のためにするのか?

腕を組む男性社員

企業は志望者に自己PRを求めるのが定番になっていますが、その理由は応募者が「一緒に働きたい人であるか」をチェックするためです。企業に合う性格、すでに入社している社員や同期として入社する応募者たちと上手に関係を作り、互いに良い刺激を与えつつ切磋琢磨できる人材かを見ています。

そのため、自己PRのポイントが違っていると、アピールしてもあまり意味がありません。

過去の実績や自分の資格、能力を語っても、なかなか良いアピールとは受け取られません。能力や資格は就職してからもついてきますが、人間性の部分はなかなか変えられないという考えが企業にはあります。そのため、企業は人格や雰囲気が自社に合う人を探していると言っても良いでしょう。

自己PRで失敗しないために大切なことは、相手についてしっかり考えることです。企業が求めている人材や、自分が社内の人とのコミュニケーションに負担が無いのか、しっかり考えることが大切です。その上で、何をアピールするべきかを考えてみましょう。

ゼミの自己PRにおけるエピソードの書き方

就職活動に向かって明るくみる学生

自己PRのエピソードの書き方には、基本的な形があります。自己PRを書く時は、基本にのっとって書くようにしましょう。

最初に結論を述べる

ビジネスの世界では、質問に対してまずは回答をすることが求められます。シンプルに結論を伝えることからエピソードをスタートしましょう。ここではゼミについての情報は必要無く、純粋に自分自信の強みをアピールしてください。

結論を深めるエピソードを述べる

ゼミについて触れるのはここからです。最初に述べた結論を立証し、さらに企業に納得感をもたせるためのエピソードを伝えていきます。ここでゼミでの出来事が活躍します。

ただし、ビジネス目線で考えていくことが大事ですので、エピソードの中の要素として「目的」「課題・問題」「解決策としての行動」「結果」がしっかり含まれていることが大事です。ゼミの活動はこうした要素が必ず含まれているはずですので、考えるのは難しくないでしょう。

まとめと展望を述べる

自己PRの最後に、もう一度伝えたい自分の特性をアピールして、それが仕事の中でどう使えるのかをアピールしましょう。また、企業に入ったら何がしたいのかなど展望を語るようにします。相手がビジネスシーンであなたの活躍をイメージできたら、良い評価になると考えて間違いありません。

自己PRでゼミを題材にするならポイントをしっかり確認しよう

自己PRでゼミを題材にする場合、まずは企業の求める人材像をしっかりと把握し、自分の経験やスキルと照らし合わせることが重要です。具体的にどのようなプロジェクトに参加し、どのような役割を果たしたか、その過程でどのような課題や困難があったかを具体的に挙げ、その中で自分がどのように取り組み、解決したかを丁寧に説明することがポイントです。また、ゼミでの活動を通じて得たスキルや成長した点もアピールすることで、企業に自分の価値をアピールできます。最後に、自己PRは自分自身をよく知り、自信を持ってアピールすることが大切です。