保育士の自己PRでアピールしたい鉄板ポイントと書き方

保育士への就活で、自己PRについて悩む人が多くなっています。普段自分をアピールすることに慣れていない人が多いためですが、ノウハウを知っていると効果的なアピールが効率的に作れます。考え方や内容の型まで、様々な情報を紹介します。

保育士の自己PRでアピールしたい鉄板ポイントと書き方

保育士になりたい人で自己PRが苦手な人は多い

保育士は社会的なニーズも非常に高まっていて、注目が集まる職業ですが、保育士を志望する人が困るのが就職活動における「自己PR」です。子供が好きで、接するのは得意だけど、自分をあえて売り込んでいくことには慣れていないという人が多く、書き方がわからなかったり、面接やエントリーシートでどう自分を表現したものかと悩んでしまう人が多いです。保育士になりたいと考えている人がスッキリと自己PRを作れるよう、基本的なノウハウや考え方に関する情報を紹介します。

保育士を目指すのための自己PRで知っておきたいアピールポイント

保育士を目指す上で、定番とも言えるアピールポイントを紹介します。意外性で差別化するよりも、有効なアピールポイントをしっかり強調した方が評価されます。

責任感があること

保育士の仕事は、両親の留守中に大事な子供を預かることです。仕事の重要性をしっかり理解し、責任感のある仕事をすることが求められます。「真面目」「誠実」など様々な表現がありますが、責任感があることをアピールしてもらえると採用側も安心できます。

自己PRで責任感を強調するには「個」を出せ!例文あり

体力があること

保育士の仕事は体力仕事と言っても過言ではありません。たくさんの子供たちと一緒に遊び、また時には背負い、子供たち以上に頭も体も使ってこそ保育ができますので、体力がなければ務まりません。そのため、体力を重視する園は多いです。特に女性は体力面で不安視されることも多いため、部活動をしていたなど体力をアピールできるなら積極的にアピールしましょう。

自己PRで体力を効果的にアピールできる3つのコツ

子供が好きなこと

歩み寄る幼児に両腕を広げる笑顔の保育士

保育士になる上では、子供が好きというのは大前提であることが多いですが、アピールしてはいけないということもありません。ただし、子供が好きというだけでなく、エピソードを通して具体的に保育をしている様子が浮かぶようにすることが大切です。「地域の子育てサークルでボランティアをしていた」「幼児教育に関する市民講座などに積極的に参加している」など子供が好きで、向上心を持って学ぼう、活動しようとしている様子などは評価されます。

優しい性格であること

優しい性格も保育士としてのアピールポイントになります。ただし、「優しい」というのはその意味するところが様々ですので、もう少し具体的にすることがポイントです。「よく気づく」「イライラしない」「面倒見が良い」など、別の表現を考えてみて、自分のアピールしたい点が上手く表せるように考えましょう。

自己PRで「優しさ」を使ってうまくアピールする方法

保育士になりたい人の自己PRの例文

例文を見ながら、保育士を志望する自己PRの印象を考えてみましょう。考えるべきポイントは、有効なアピールポイントがしっかり強調されているかどうかです。

保育士を志望する自己PRの例文1

私が保育士になりたいのは、子供好きだからです。

子供の教育に関わりたいと思い、短大で幼児教育について学びました。幼稚園教諭も免許はありますが、今は親が共働きの家庭も多く、より幼少期からしっかり大人が手をかけて教育することが大事だと思い、保育士として就職を考えるようになりました。子どもたちの健やかな成長は社会の礎として、そして大人たちの喜びや働きがいにもなります。

私は子供が大好きですから、仕事の中で多少つらいことがあっても大丈夫だと考えています。子供たちと一緒に成長して、子供たちに好かれる保育士になりたいと思います。よろしくお願いします。

この例文1の自己PRは、評価が難しい自己PRの典型例です。

評価が難しい自己PRの典型例

子供好きをアピールする応募者は多いですが、どう子供好きで、どうそれが仕事に活かされるのかがわからない人は多いです。この例文1もそのような自己PRとなっています。

短大で幼児教育を学び、幼稚園教諭の免許も持っていることから、知識や能力は一定水準が期待できますが、あくまで理屈であり、本当に子供好きな面が伝わってこないのです。そのため、「採用したいけど大丈夫だろうか」という判断をされる可能性が高いです。

「子供が大好きだからつらいことも大丈夫」というアピールも根拠が薄いため、現場に厳しさを感じている園の担当者であるほど首をかしげることになりかねません。熱意や本気度を伝えるためにも、自分の内面が出ているエピソードを心がけましょう。

保育士を志望する自己PRの例文2

私は体を動かすことが大好きです。週末はヨガのスタジオに通い、また月に数回は地域のジョギングサークルの活動に参加しています。

今の子供たちは、体力や運動能力のある子とない子の差が激しくなっていると言います。運動をする環境が無かったり、親に運動習慣があるか無いかが重要になっていると思います。私は小学校から部活動などで体を動かしてきて、体力も自信がありますし、病気がちだった体も強くなりました。何より、運動を通してたくさんの友達ができたので運動が大好きです。子供たちにも体を動かすことの喜びや、運動を通して友達と仲良くなれることを伝えていきたいです。

貴園は地域でも有数の広い園庭があり、また体を動かすプログラムが多い園だと伺っています。良い環境の中で、たくさん体を動かせる保育がしたいと思い、ここしかないと思いました。よろしくお願いします。

自己PRと志望動機は基本的に別物ですが、両方を問われない限りは、この例文2のように一緒に回答することも可能です。

この例文2では、自己PRの「体を動かすことが好き」が、そのまま「この園を選んだ理由」にもなっていることがわかります。明確な基準をもって就職活動を行い、園を選んだ姿勢や、また実際に運動についての多くの経験や知見があることが高く評価されるでしょう。

評価される自己PR

何より、考えや行動に一貫性があり、本当に体を動かすことが好きなのだと感じられる内容です。きっと子供たちと一緒に体を使って共にしてくれるだろうと期待でき、評価されます。

保育士を志望する自己PRの例文3

私は手先が器用で、趣味で雑貨やアクセサリーを作っています。

子供の頃から図工が得意で、ちょっと得意になって高校の時に手作りのアクセサリー教室に通うようになり、制作物の幅も広がっていきました。学園祭やフリーマーケットで販売した時に、お客さんに喜んでもらえて感想を頂いたときは本当に嬉しかったです。

思えば、図工が得意になったのも私が幼少の頃、保育園で先生がよく絵を書かせたり、様々な制作活動をさせてくださったからだと思います。昔のアルバムには、幼い私が得意満面で作品を掲げている写真がたくさんありました。

私は保育士になったら、特技を活かし、制作活動などでたくさん園児たちに貢献したいと考えています。また、園生活が楽しくなるようにいろんな小物を作っていけたらと思っています。よろしくお願いします。

この3つめの自己PRは、自分の特徴的な能力についてアピールしている例です。

工作指導する保育士と園児

前半だけを見ると、「他の仕事も選べたのでは?」と思うかもしれませんが、後半まで聞けば、より幼少の頃にそのルーツがあり、保育士としてその能力を発揮したいと考えるようになったのだろうとわかります。

制作の質は、子供の教育だけでなく保護者の満足感など、様々な面で効果がありますので、園としてもぜひ欲しい人材だと思ってもらえるでしょう。一見、保育士と関係ないように見える強みをアピールするときはこの例文3のように仕事のどこで活用できるかを具体的に考えることが大切です。

保育士の自己PR作成時の注意点

保育士の自己PR作成時の3つの注意点

保育士になるために自己PRを作る場合、有効なアピールポイントをしっかり強調するためにも、次のような点に注意しましょう。

企業や園をどう呼ぶかに注意

ビジネスシーンでのやり取りでは、書類上は「貴社」、面接など口頭では「御社」のように呼ぶのがマナーとなっています。しかし、保育園を指す場合には「貴園」「御園」と呼びます。口頭で「御園(おんえん)」はいいにくいため、「そちらの園」などでも大丈夫です。「そちらの園で働けることになれば、子供たちと密接に接しながら苦手なことへの挑戦を助けたいです」のように使います。

ネガティブな情報は必要ない

優しく、奥ゆかしい人格の人が保育士志望者には多いですが、ネガティブな情報をあえて自己PRに挟む必要はありません。「私は大人と接するのは苦手ですが子供と接するのは得意です」というアピールは、「大人と接するのが苦手」がひっかかって内定を出しにくくなります。短所は働きながらでも克服していくことができますから、あえてこの時点で言う必要はありません。

複数のネタを盛り込まない

採用してほしいという気持ちが強すぎて、あれもこれもアピールしてしまう人がいますが、原則としては自己PRひとつにつき、1つのテーマで伝えるようにしてください。複数のネタを盛り込んでも、内容が浅くなるだけで、説明も不十分で真実味が出てきません。ひとつのネタを掘り下げることで、その人の人格や能力についてたくさんの情報を読み取れますので心配は無用です。

保育士になるための自己PRの基本的な流れについて

自己PRの基本的な流れ

自己PRは自由に自分のことをアピールして良いですが、基本的な話の流れはほぼ決まっていると言っても過言ではありません。

最初に結論を述べる

ビジネスの世界では、質問に対してまずは回答をすることが求められます。細かい説明は後にして、まずはシンプルに結論を述べるようにしましょう。「私は動物が大好きです」などのシンプルなものでも全然構いません。

結論を深めるエピソードを述べる

最初に自分のアピールポイントを述べますが、それで自己PRは終わりではありません。最初に述べた回答に対して「本当にそうだ」と納得してもらい、かつ自分の考え方や行動などの内面を知ってもらうためにエピソードを用意して伝えます。

「うちでは犬を2匹飼っていますが、実はうち1匹は我が家で飼っている犬の2代目です。私は兄弟がいなかったため、遊び相手はいつも犬のコロでした。子供を生み、数年して亡くなった時にはずっと泣いていましたし、頑張ってお墓を作り、30日間は毎日子犬と一緒に墓参りもしました。自分が子犬の親代わりだと思って、運動させたり、食事をあげたり、ブラシをかけたりと毎日頑張っています。この子犬が無事に嫁ぎ、子供を作るのを待ち遠しく思っています。」

のように、具体的にエピソードを語り、結論の内容を補強しましょう。自分の体験から話したり、数字が入れられるなら数字を入れるとリアルになります。

まとめと展望を述べる

最後に、もう一度伝えたい自分のアピールを述べ、そしてその強みが仕事の中でどのように活かされると思っているのか、また強みを生かしてどのような仕事をしていきたいのか展望を語りましょう。

「犬は愛してあげると本当によく言うことを聞くようになります。子供たちも、愛情を受けて育つほど素直に育ちます。子犬の世話を甲斐甲斐しくするように、子供たちにも甲斐甲斐しく接していきたいです」

のようにアピールすると、「面倒見も良さそうだし、保育士として活躍してくれそうだ」と好印象を得ることができるでしょう。

自己PRネタが浮かばない時は失敗から学んだことをアピールしよう

考える男性

失敗から学んだことをアピールすることで、自分自身が成長意欲のある人材であることをアピールすることができます。失敗をプラスに転換し、自己成長に繋がったことを具体的に説明することで、採用担当者に自分自身のポジティブな姿勢や成長意欲をアピールすることができます。

失敗から学ぶ姿勢は、今後の仕事においても非常に重要なものです。何か新しいことに取り組む際には、必ずしも成功するとは限りません。失敗することもあるでしょう。しかし、その失敗を反省し、自分自身の成長のために何ができるのかを考え、次に同じ失敗を繰り返さないようにすることが大切です。失敗から学ぶことで、自分自身のスキルアップやキャリアアップに繋がります。

例えば、過去に自分が失敗した経験があった場合、その失敗がどのような結果につながったのか、どのような反省をしたのか、そしてどのように改善したのか、具体的に説明することが大切です。また、失敗から学んだことが自己成長に繋がったことをアピールすることも重要です。例えば、失敗から学んで自分自身のスキルアップを図ったり、同じ失敗を繰り返さないための方法を見つけたりしたことを説明すると良いでしょう。

最後に、失敗から学ぶ姿勢をアピールすることは、採用担当者から見ても非常に魅力的な要素です。採用担当者は、自分自身のスキルアップや成長意欲を持っている人材を求めています。失敗から学ぶことができる人材は、自己成長意欲やポジティブな姿勢を持っていることが多いため、採用担当者から高い評価を受けることができます。

企業が自己PRを求める理由

保育士の職に限らず、企業は志望者に自己PRを求めることが多いです。自己PRを求める理由は、企業の中で「一緒に働きたい人であるか」をチェックするためです。それは職務を遂行する上での能力のみならず、考え方や行動の仕方などを知るために自由度の高い内容で出題しているのです。

そのため、自己PRを行うとしても、方向性を間違ってしまうと何のアピールにもなりません。

「私は筋力トレーニングが大好きで、ベンチプレスで120kgを上げることに成功しました」という自己PRをしたとしても、それを通して「一緒に働きたい」と思えなければ「へえ~、すごいですね」で終わってしまいます。

自己PRで失敗しないために大切なことは、相手についてしっかり考えることです。園や会社の仲間として一緒に働くならどういう人が良いのか、親や地域の人とのコミュニケーションを必要とする仕事だからこそどういった人材であるべきか、様々な角度から考えてみましょう。

保育士になりたい人は自己PRのポイントを意識しよう

保育士になりたい人が自己PRを作成する際には、まず自分自身がどのような保育士になりたいのかを明確にすることが重要です。保育士には、子どもたちの成長や発達を促す役割があります。自己PRの中で、自分自身の保育士としての強みや、子どもたちが抱える課題を解決するための能力や経験、人間力をアピールすることが求められます。

また、自己PRの中で、自分自身が子どもたちとどのような関係を築きたいのか、保護者や職場のスタッフとのコミュニケーションにどのような工夫をするつもりなのか、自己成長に繋がる取り組みや学習計画についても具体的に説明することが重要です。

さらに、自己PRにおいては、自分自身の保育士としてのビジョンや目標を明確にし、それを達成するための行動計画や取り組みを具体的に説明することも大切です。これらの取り組みが、自分自身が保育士として成長していく上での道標となり、採用担当者に自分自身の成長意欲やポジティブな姿勢をアピールすることができます。

保育士になりたい人は、自分自身がどのような保育士になりたいのかを明確にし、自己PRの中で具体的な実績や経験、ビジョンや目標、成長意欲やポジティブな姿勢をアピールすることが大切です。