就職するときの履歴書の書き方の基本とポイント

就職する時の履歴書の基本的な書き方や、サイズによる違いなどをご紹介します。また、自己PRや志望動機、趣味や特技をどのように盛り込むべきか、封筒の書き方や手渡しするときなど履歴書を書くときのポイントや注意点を解説し、採用担当者が特に見ている点についても解説します。

就職するときの履歴書の書き方の基本とポイント

履歴書づくりは就活の第一歩

就職活動が始まるとまず立ちはだかるのが履歴書という関門です。アルバイトとは全く違う書き方をしなければならないこのたった一枚の紙で、自分の未来が決まってしまうと言っても過言ではありません。
気を引き締めて臨みたいところですが、実際どのようなところに焦点を当てて書けば良いのでしょうか。今回は、就職活動における履歴書について説明していきます。

就職する時の履歴書の書き方の基本

就職活動中の男子大学生

履歴書の失敗を無くすため始めに印鑑を押す

まず、履歴書を書き始める時は押印から始めましょう。全て書き終えた後に押印で失敗してしまわないように、先に押印しておく事で安心して取り掛かる事ができます。この時、曲がったり、朱肉が薄すぎたり濃すぎたりしないように気を付けてください。なお、シャチハタはスタンプとみなされ、印鑑ではありませんので注意してください。きちんと朱肉を付けて使うものを用意しましょう

学校指定の履歴書を使うのが無難

履歴書は市販のものではなく「学校指定の履歴書」を使いましょう。学校の生協などで販売しています。市販のものでもいいという企業もあるようですが、学校指定の履歴書にこだわりがある企業も多くあるようなので、ここは学校指定のものを使っておいた方が無難と言えるでしょう。

履歴書のサイズと種類の選び方3つのポイント

採用担当者のことを考えて履歴書を作る

履歴書を読んでくれる採用担当者の事を考え、読みやすく丁寧な字を心がけてください。上手い下手ではなく、丁寧である事が大切です。枠の中に必要事項を記入する際に、全体のバランスを考えてから書き始めてください。最初の文字が大きすぎて最後が書き切れなかった、といった事がないようにしましょう。文字の間隔や大きさもレイアウトとして重要です。

履歴書は企業から指定がなければ手書きにする

履歴書はPCで作成しても良いとする企業もありますが、多くの企業は手書きを推奨しています。人となりが見えるのは手書きだと考える企業が多いようなので、指定がないようであれば手書きで作成した方が良いでしょう。この時、黒のボールペンを使ってください。消せるボールペンや鉛筆は使わないでください。修正液は使えないため、間違えた場合は最初から書き直しましょう。

履歴書に書く日付は和暦か西暦で統一する

日付は全て和暦、または西暦で統一します。外資系企業やIT企業では西暦での統一をおすすめします。職務経歴書など、他の応募書類を同時に提出する場合には、そちらとも和暦、西暦を揃えてください。履歴書を記入した日付は、郵送であれば投函日、手渡しであれば当日の日付を記入します。前もって書いたからといって、その日の日付を書いてしまわないようにしましょう。数字は算用数字(1,2,3~)を使います。

履歴書の写真サイズは4×3㎝

履歴書に貼り付ける写真は、主に4×3㎝です。あらかじめ規定を確認しておき、写真屋さんで撮影してもらいましょう。スピード写真は悪印象を与えてしまうため避けるべきです。写真は万が一剥がれてしまった時のために備えて、裏に氏名、学校名を記入し、曲がらないように気を付けて最後に貼ります。

就活で好印象な証明写真の撮り方4つ

履歴書に書く住所は省略せず正しい表記で記入する

住所は「丁目」「番」「号」を使って正しく書きましょう。また、電話番号は昼間でも繋がる携帯電話の番号と、もしあれば固定電話の番号も記入しておくと良いでしょう。もし出られなかった時のために留守番電話サービスを活用してください。連絡先の欄が二枠設けられていて、自分の連絡先が一つしかない場合は下の欄には「同上」と記載してください。

履歴書に書くメールアドレスは出先でも確認できるものを用意

企業からのメールをチェックする就活生

メールアドレスはPCのものを書きます。Gmailのように、出先でも確認できるものが良いでしょう。

履歴書の学歴欄は正式名称で記入する

学歴の欄には学校名を書きますが、この時省略をせずに正式名称で書くように注意してください。(例:高校→高等学校)中学校卒業以降を記載し、卒業見込み年度までを忘れずに記入しましょう

履歴書の学歴はいつから?応募種別による書き方

基本的にアルバイトは職歴に含まれないので書かない

学歴の欄には続けて職歴を書く事がありますが、アルバイトは職歴には含まれないので注意が必要です。職歴の下にはなし、と書き、改行して右下に「以上」と記載します。

アルバイトは職歴の欄には書けませんが、学業のほかに頑張った事や取り組んだ事の欄があれば、サークルや部活などと同じ扱いで書く事ができます。アルバイトでの努力をアピールしたい場合はそこに記入すると良いでしょう。

履歴書の資格欄には正式名称で記入する

取得した資格に関してですが、これらは全て正式名称で書きます。「英検」は「実用英語技能検定」といったように、略称では書かないようにしてください。また、英検3級など、就職に有利にならないレベルと考えられる資格は書かないようにしましょう。

応募先の企業を履歴書で書くときは「貴社」とする

面接や、面と向かって企業の方々と話す時には企業の事を「御社」と呼びますが、履歴書などの書面上では「貴社」と書かなければなりません。志望動機などで間違えて書かないように注意してください。

履歴書サイズは指定が無ければA4でもB5でもどちらでも良い

履歴書のサイズに関しては、どのサイズでも指定がなければ問題はありません。履歴書にはA4サイズとB5サイズの二通りがあります。A4サイズはA3を2つ折りにしている「A3判」または「A判」と呼ばれるものです。そしてB5サイズはB4を2つ折りにしている「B4判」または「B判」と呼ばれるものです。

これらにはそれぞれ特徴があり、大きさよりもその内容で選ぶべきだと考えられます。書くべき項目が違っていて、資格欄が広かったり、志望動機欄が狭かったりするのです。就活の場合は主にA4サイズが使われますが、サイズによって履歴書の通過率が変わる事はありませんので、自分が使いやすいと感じる方を選びましょう。

履歴書を入れる封筒には忘れずに「履歴書在中」と記入する

履歴書を入れる封筒も重要です。封筒は定形外を使用します。「~部御中」「~様」という書き方を間違えないようにしてください。「~部」だけでは失礼にあたりますし、「~部行」は偉そうにとられてしまいます。封筒の左下には赤字で「応募書類在中」と書き、赤い枠で囲みましょう。書留は相手がわざわざ受け取らなくてはならないため、避けましょう。

履歴書を送る封筒の色・サイズ・宛名などの正しい書き方

封筒に書く社名は略称を使わず、添え状を同封する

住所は都道府県から記入し、社名は(株)などの略称は使わないようにしましょう。裏面の左下に自分の住所と氏名を記入します。面接のために履歴書のコピーを手元にとっておきましょう。志望理由や自己PRなどを盛り込んだ「添え状」と呼ばれる挨拶状のような紙を一枚入れておくと、相手に好印象を与える事ができます。

就職活動用の履歴書を書く時のポイント

履歴書の書き方をレクチャーする企業のOB

就職活動用の履歴書を書く時には、自分が大切にしたいと考えているポイント、そして相手が知りたいと考えているであろう事に力を入れて書くと良いでしょう。

企業研究の結果を深く掘り下げて書く

まず、企業研究をいかに深くしたかどうかを採用担当者に伝えるかがポイントのひとつです。志望動機には、他社ではなくその企業ではなくてはならない理由を細かく、具体的に書かなくてはなりません。OB、OG訪問で得た経験を書くのは好印象を与えるため、なるべく詳細を積極的に書きましょう。

自分の強みが応募する企業に還元されることをアピール

志望動機は、応募する企業が求めているのがどういった人材なのかを、きちんと理解して書きましょう。受け身の姿勢は悪印象を与えてしまうので、あくまでも自発的に動くスタンスでいる事をアピールする事を心がけましょう。企業の研修制度に惹かれた、などの言い方も、企業にとって利益を与える存在としての魅力に欠けてしまいます。自分のもたらす成果が企業へ還元されるのだという事を念頭に置いた書き方をするべきです。自分の強みやアピールポイントを志望動機に繋げられるとなお良いと言えます。

趣味や特技は面接で話すことを前提に記入すると話が弾む

趣味や特技は、単に自分の好きな事を書くのではなく、採用担当者に伝えたい事を決めてから書きましょう。その事によって、もし面接で趣味や特技について聞かれても、話が弾むようになりますし、自己PRにもなります。

履歴書に書くべき特技や趣味や得意科目とNGなもの

自己PRはポイントを絞り企業に貢献できることを伝える

また、自己PRにおいては過去の自分の短所などを盛り込む必要はありません。あくまでもアピールできるポイントを絞り込みましょう。そのポイントが企業にとって、どのように貢献できるのかを考えてください。将来どうなりたいか、という展望まで書けるとなお良いでしょう

自己PRの使い回しは避け企業毎に具体的なアピールを用意する

自己PRの使い回しは説得力に欠けるため避け、具体的な経験に基づく自己PRを作り、企業ごとに内容を変えてそれぞれに適したものにしましょう。長所と短所を自分でじっくりと考え、履歴書に書く上でしっかりと理解しておく事で、面接で聞かれても戸惑わずに答える事ができるようになります。

全体に言える注意点は、頑張った、多い、少ない、などの抽象的な言葉は避けるようにするという事です。履歴書においては、具体的な数字やエピソードが求められています。

自分が専攻した学業の専門用語は避け伝わりやすい言葉で記入する

学業で頑張った事記入する欄では、自分の専攻内容は採用担当者にわかりやすいように書きましょう。専門用語の羅列や回りくどい言い回しは悪印象を与えてしまいます。結論から書き始め、誰が読んでもわかりやすいようにしましょう。研究の目的や過程、成果、苦労した事や工夫した事など、相手に特に知ってほしい事のみを掻い摘んで書いてください。

アルバイト経験を生かせるように自己PRとしてまとめる

アルバイトの経験を自己PRとして役立てたい場合は、アルバイトを通して自分が変わった点を採用担当者に伝える必要があります。社会人に近い立場で人と接する事ができた経験をアピールすると良いでしょう。その経験が社会人になってからも役に立つという事をまとめてください。自分の志望する業種、職種において、そのアルバイトで培った経験がどのように活かせるかを研究し、自己PRとしてまとめます。

趣味も特技もアルバイトの経験も、面接に繋がる自己PRの一環であるという事を忘れずに書きたいところです。

履歴書の職歴にアルバイト経験を書く時の書き方

企業の採用担当者は履歴書のここを見ている

面接官がみているポイントを解説する大学教授

採用担当者は何か引っかかるところがないかと思いながら履歴書を見ています。ですから、趣味や特技の欄も前述の通りもちろん自己PRとしてとらえています。熱心に何かに打ち込める人なのだな、という判断材料の一つになり得ます。仕事に活かせる特技であればなお良いでしょう。面接では実際に会話のきっかけになるでしょう。

また、ゼミで学んだ事についてもチェックしています。特に理系は専門的な知識が問われますので、入社してからの業務においてそれを活かす事ができるかどうかを履歴書の段階であらかじめ見極めています。

採用担当者は履歴書から応募者の考え方を知りたい

採用担当者は応募者の考え方についても厳しく目を光らせています。社風に合っているか、自分の考え方をすぐに見直す事ができる柔軟性を持つ人間かどうか、自分を過大評価していないかどうかなど、履歴書からは様々な事がわかります。

これまでどのような苦労を経験し、その上でどのような創意工夫をして乗り越えてきたのかという自己PRは採用担当者の目に留まるところなので、しっかり書いておきたいところです。粘り強さや、入社してからも仕事に対してその努力を見せてくれるかどうかが見極められています。

履歴書の印鑑の押し忘れや日付の記入漏れはビジネスマナーを疑われる

内容が見づらい書き方をしている履歴書は、大量に応募されてくる書類の中で相手にとってとても迷惑です。印鑑の押し忘れや日付の記入漏れはビジネスマナーの基本ができていないとみなされます。文体の乱れは自然と仕事への期待も低くなってしまい、履歴書としては良い出来とは呼べないようです。

全体的に空白が多すぎると志望度が低いと思われてしまいます。しかし、だからといって書き込みすぎているのもまとめるのが下手なのかと思われてしまいます。適度な文章量を心がけましょう

履歴書に印鑑の押印は必要ある?それとも必要ない?

就職活動で履歴書を企業に持参する時のマナー

履歴書を手渡しする就活生

履歴書は、汚れたり折れたりしないように必ず白い封筒に入れて持参しましょう。履歴書はクリアファイルに入れ、封筒そのものもクリアファイルに挟み、折れないように細心の注意を払います。封筒は提出を求められた時にすぐに対応できるように取り出しやすいところに入れておきましょう。手渡しの場合は、宛名や添え状はいりません

左下に赤字で「履歴書在中」と書き、四角く枠で囲みましょう。なお、封筒の中身が履歴書だけではない場合は「応募書類在中」と書いてください。裏面には自分の住所と氏名、提出する年月日を和暦で書いてください。封にのり付けをする必要はありません。

面接官に直接渡す時は、封筒から取りだして渡します。その際は読みやすい方向で渡し、「本日はよろしくお願いします」と一言添えましょう。

履歴書に記入する日付は面接する当日のものです。書き忘れには注意してください。また、履歴書のコピーを取っておく事で事前準備がはかどるでしょう。

履歴書を持参して手渡しするときの基本マナー!封筒や添え状は必要なの?

就職活動用の履歴書は自分の分身、時間をかけて丁寧に書こう

履歴書は就職活動において非常に重要な役割を果たします。あなた自身をアピールするための貴重なツールであり、面接の前段階である書類選考において、あなたの第一印象を決定づけるものとなります。

そのため、履歴書は自分自身の分身とも言えます。あなたの経歴やスキル、能力、人物像など、自分自身を正確かつ魅力的に表現する必要があります。また、履歴書は他の応募者との差別化にもつながります。同じ職種に応募している人がいた場合、自分が他の人とどのように違うか、何が自分の強みかを示すことができるように書くことが重要です。

そして、履歴書を作成する際には、時間をかけて丁寧に作成することが大切です。書類選考においては、履歴書を通して自分自身をアピールすることができるため、その内容や表現方法は非常に重要です。また、履歴書は自分自身をアピールするためのものであり、面接官に興味を持ってもらうための入口となるため、内容が薄っぺらだったり、書き方が雑だったりすると、印象が悪くなってしまいます。

したがって、履歴書作成にあたっては、時間をかけて丁寧に作成し、自分自身を正確に表現するように心がけましょう。また、専門的な書類作成のスキルがない場合は、履歴書の書き方やポイントなどを学ぶために、就職支援サービスや書籍などを利用するのも良いでしょう。