中小企業の志望動機の上手な書き方のポイントと参考例文

中小企業を受ける際に志望動機をどう書くべきかで困る就活生がいます。中小企業での就活は大手企業と比べて特殊な特徴がありますので、それを踏まえた上で志望動機を作成することが大切です。また、熱意のない志望動機は採用担当者に見透かされるため、一社一社丁寧に作り内定につなげましょう。

中小企業の志望動機の上手な書き方のポイントと参考例文

中小企業の志望動機ってどう書くのが正解?

昨今の就職活動は非常に大変であり、多数の企業を受ける人が多くなっています。その中では、大手企業と同じく中小企業や自営業を営んでいるお店を受ける方もいるでしょう。中小企業の面接で志望動機を聞かれた場合に、どう答えるべきか困ってしまうという就活生も多いです。

その理由は人によって様々ですが、中小企業の求めている人材像をつかみ損ねている、また中小企業の面接官が知りたいことについて適切に応えられていないことが主な原因です。
これから中小企業を受けようか検討している学生や転職活動中の社会人は、中小企業の立場についてよく理解した上で、志望動機をいま一度考えて直してみましょう。

中小企業の選考は大企業とここが違う

中小企業の採用活動は大企業とは異なります。まずは中小企業の選考について、大企業と違う面を確認していきましょう。

1 中小企業は企業研究をしたいと思っても情報が少ない

ネットで検索する女性

中小企業は人材採用のための情報公開や、自社の商品やサービスの情報公開のためにかける資金や人手が不足しているところが大半です。そのため、探しても得られる情報が大手企業と比べると圧倒的に少ない傾向にあります。

2 中小企業は採用に至るまでの選考ステップが少ない

中小企業の場合、採用活動に割くことができる人員も時間も多くはないため、どうしても選考ステップは大手と比べて少なくなります。いきなり役員面接というケースも珍しくありませんし、場合によっては人事・採用担当者が社長ということもよくあります。

3 そもそも中小企業は採用枠が少ない

募集はかけるものの、実際に採用する予定数はそれほど多くないというのも特徴です。そのため、しっかり準備した人や条件の合う人でなければ内定を得るのは難しいと考えてください。

中小企業が求める人材像

中小企業を志望するなら、中小企業が求める人材像を理解しておくことも、志望動機を練る上で非常に重要なことです。

1 長い間活躍できる将来性がある人材

肩に設計図をのせる青年

新卒採用だとしても中途採用だとしても、中小企業が求人をする時というのは、それだけ長期に渡って活躍してくれる人材を求めているということになります。一次的に雇うだけであれば派遣社員やアルバイトで十分である中、正社員を求めるのであればそれは将来の企業の中軸を担うことを期待されています。

2 すぐに戦力になる人材

中小企業はいつも人手が足りませんので、理想的には何かの分野で即戦力になれる人材を求めています。もちろん、成長力は十分に加味して考慮はしますが、すぐに使える目途がある人の方が有利になります。特に中途採用の場合、業務上計算できない人については敬遠されることも多いです。

3 考え方や人柄が似通っているフィーリングの合う人

フィーリングの合う人

中小企業では社員数が少ないため、様々なタイプの人間を抱えるような余裕はありません。そのため、考え方や人柄が似通った人が多くなる傾向があり、フィーリングの合わない人は長く勤めるのが難しいために敬遠される傾向があります。

4 本当にその企業で働きたいと思っている人

中小企業の採用担当者は、多くの人が大手企業の選考を受けている傍らで「すべり止め」の感覚で中小企業を受けていることを知っています。「いかに応募者が本気なのか」を確認するために、意地悪な質問をしたり圧迫面接のようになることもあります。逆に、能力やスキル、経験が伴わない人であっても、本当にそこで働きたい気持ちが通じれば採用になることも少なくありません。

中小企業側の「なぜ弊社を志望したのですか?」に込められた意図

中小企業の面接においては、「どうして多くの企業の中から弊社を志望したのですか?」というような質問があります。卑屈な感じのする質問ですが、これには企業側の意図があります。

1 志望動機を確認するため

志望者を選別

最大の理由は、いわゆる志望動機の確認です。応募者がどうしてこの企業で働きたいと考えたのか、その理由を純粋に知りたいと考えています。

2 他に受けている企業の有無を判断するため

「確かにたくさんの企業があり、いくつかの企業の選考を受けてはおりますが~」のような回答をするなら、他の企業を受けていることがわかります。また、志望する理由がありきたりで「自社でなければならない理由」がないなら、他企業の存在があることを伺い知ることができます。

3 どこで企業を知ったのか募集媒体についての情報を得るため

求人においてはいくつかの媒体を通して募集をかけるのが普通ですが、中小企業の場合はより効果的な求人のために、何を通して企業を知り、そして応募に至ったのかを知りたいと思っています。そのため「なぜ弊社を志望したのですか?」という質問を通し、どこで情報を取得したのかを確認することがあります。「求人サイトで御社の求人を拝見しまして」など、何気ないところから情報収集をしているのです。

中小企業を受ける際の志望動機のポイントと例文

中小企業は応募者の本気度を志望動機から感じたいと思っています。中小企業を受ける際の志望動機について、例文を見ながらポイントを確認してみましょう。

1 志望動機で条件面ばかりを語るのはNG

条件ばかり評価する応募者

中小企業の志望動機でNGな例文1

御社を志望した動機は、安定した業績のある企業であり、完全週休2日制を実施していたり、福利厚生の面でも大手企業と遜色なく、むしろそれ以上の労働環境を提供していると感じたからです。仕事もプライベートも大事にしたい私にとっては、非常に好ましい環境の中で働けると思ったからです。

大手企業の採用試験を受ける際には、このような回答をする人はほとんどいませんが、中小企業相手になるとこのような条件面について話す人が増えます。

「中小企業は正直な人が好き」というイメージを持っている人が多いのかもしれませんが、中小企業の求める「正直」や「率直」というのは、その企業や仕事に対するイメージについてのことであり、条件面のことではありません。もちろん、「正直なやつだな」という印象を与えるとは思いますが、同時に「失礼だな」とも思われてしまいます。

何が問題なのかというと、仕事に関するビジョンがまるで見えず、職場で会社のために貢献する様子がまるでイメージできないことです。そういった人を採用する余裕は中小企業にはないということをしっかり認識する必要があります。

2 志望動機はわかりやすく伝える

中小企業の志望動機でNGな例文2

私は大学時代に人口知能の研究をしておりましたが、主にニューラルネットワークの研究を続けておりました。各インプットに対する重みづけをどのようにすることで、より最適解を生み出すことができるのか、それに対してベイジアンフィルタを用いてできるだけ人間の判断に近づけるようにと様々な試行錯誤を繰り返してきたことは、きっと御社の中でも生かされると考えています。中小企業ならではのフットワークの軽さをより際立たせるために、私の知識や技術が活用できればと考えております。

専門的な知識がある、即戦力を発揮できる人材が求められる中小企業ではありますが、過度な売り込みは悪印象を与える場合もあります。また、この場合は「何ができるか」が話の主題になっており、質問である「志望動機」に対する回答がわかりにくくなっています。

質問に対して、結論を先にして、補足の説明をしていくのはビジネス対話の基本ですので、この場合は「人工知能の知識や技術で貢献できると考えたからです」という内容を先頭に持ってくるようにしましょう。

加えて、上記の内容では、この企業においてその人工知能の活用方法があるのかが見えません。しっかり企業研究をしてきた上での発言なのか真意が見えない点も気になります。

また、採用担当者が「ニューラルネットワーク」や「ベイジアンフィルタ」といった専門用語を理解できるかもわかりません。相手にとってわかりやすい言葉で説明を意識することが大切です。

3 この企業で働きたい熱意を伝える

ファイトポーズする女性

中小企業の志望動機でOKな例文

御社を志望したのは「食料品の生産を通して地域に貢献している企業だと感じているから」です。地元の食材にこだわり、地域の人の口や体質に合う商品づくりを続けている様子を、私も幼い頃から実際にこの目で見て舌で体感してきました。今は多くの輸入食品がある中で、食生活の形も欧米型に変わり、その結果体を壊している人も多くいます。

御社のように地産地消の生活を促進し、健康に貢献し、また食育の分野でも多くのことを伝えられるような会社で働きたいと考えていました。大学時代にマーケティングを学んでおりましたので、御社の商品をより多くの食卓へ届けることができるのか、一生懸命一緒に考えていきたく存じます。

中小企業の場合、公開されている情報が少ない分、企業に関する情報をいかに持っているかによって志望の本気度がある程度見えてきます。地元で商品を多く口にする機会があっただけでなく、「食育の分野」にも触れていることによってしっかり企業研究をしていることが見えます。

また、自分の仕事に関するビジョンとして「地産地消の生活を促進し、健康に貢献し、また食育の分野でも多くのことを伝えられる」ということが見え、「大学時代にマーケティングを学んでいた」ということで、戦力になりそうな分野も見えています。後は面接時のマナーや素行上の問題がなければ、十分に良い印象を与えることができるでしょう。

中小企業の志望動機は本気度をしっかり示そう

中小企業の場合は選考ステップも採用枠も少ないため、一回一回が勝負で挽回の機会はほとんどありません。また、情報が少ないためにその本気度が問われることになります。

本気だとしてもポイントをしっかり押さえた志望動機を作らないと、良い印象を残すことができず、希望する企業からの内定を得られないこともあります。しっかり準備して、希望する企業の内定を勝ち取りましょう。