履歴書の休学経験の書き方マイナスイメージを与えないポイント

履歴書に休学をはじめとした、通常とは異なる学歴を記入する必要がある就活生にとって、その書き方は悩ましい問題です。志望企業にできるかぎりマイナスイメージを与えないための、履歴書への休学経験の書き方のポイントを例文を交えて解説します。

履歴書の休学経験の書き方マイナスイメージを与えないポイント

履歴書に休学について明記する必要はある?

履歴書の学歴欄の書き方は、大学を4年で卒業した場合は順を追って学歴を書き並べればよいだけなので、特に迷うことはないと言えるでしょう。一方で、何らかの理由によって大学を4年でストレートに卒業することができず、休学を経験する人は少なくありません。

休学経験について、「履歴書でどのように触れればよいのだろうか?」、もしくは「そもそも明記する必要はないのだろうか?」といった迷いを抱えて、履歴書を記入する手が止まってしまっている就活生もいるのではないでしょうか。

結論から言うと、休学については履歴書に必ず明記する必要があります。休学について触れていなければ、留年したとみなされてしまっても仕方がありません。

履歴書への基本的な学歴の書き方

履歴書への学歴の基本的な書き方の例のイラスト

市販の履歴書にも、企業独自に作成しているエントリーシートにも、必ず学歴の記入欄は存在します。休学経験を書く際のポイントを紹介する前に、まずは履歴書への学歴の基本的な書き方についてまとめます。

書き出しは「学歴」とする

履歴書の学歴欄の一行目は、中央に「学歴」と記入します。次の行から、学歴を列挙することになります。

「中学校卒業」から記入する

一般的に、小学校や中学校入学といった情報は履歴書には不要です。中学校の卒業年度から書き始めるようにしましょう。

入学した年、卒業年度を正確に記入する

当たり前のことですが、入学・卒業年度は慎重に確認のうえ正確に記入しましょう。間違えて記入してしまうと、留年や休学の経験がないのに在学年数が通常よりも長いといった、つじつまの合わない履歴書になってしまいます。

また、和暦(昭和、平成など)と西暦のどちらを使用すべきか悩む人も多いですが、履歴書においては特に決まりはありません。ただ、一枚の履歴書の中で、和暦と西暦が混在しているような事態は避けて、必ずどちらかに統一するようにしてください。

西暦から和暦に変換する際に、年号の間違いは多発します。年号早見表が履歴書に付属されていたり、ウェブ上で公開されていたりするので、利用することをおすすめします。

学校名は正式名称を記入する

中学・高校は省略せずに「中学校」「高等学校」、大学の学部や学科も、たとえ名称が長かったとしても正式名称を記入します。

最後は「以上」で締める

学歴をすべて書き終えたら、最終学歴の次の行に右寄せで「以上」と記入します。職歴でも同様に忘れずに書いてください。

履歴書への休学理由の書き方のポイント

人によって、大学を休学する理由はさまざまです。休学の理由によって、履歴書への書き方も異なってきます。そこでここでは、よくある休学理由を取り上げて、休学理由別の履歴書への書き方のポイントを解説します。

体調不良による休学

体調不良による休学の記入例

体調不良による休学は、誰しも起こり得ることであり、やむを得ない事情と言えます。「体調不良により1年間休学」といったように事実をシンプルに記入するとよいでしょう。具体的に病名まで記入する必要はありません。

もしも面接で面接官から休学について問われても、焦る必要はありません。ここでも堂々と「体調不良により、1年間休学して治療に専念いたしました。現在は完治しております」と答えましょう。履歴書と同様に、詳しい病名を答える必要はありません

体調不良による休学で最も大切なのは、志望企業に不安感を与えないことです。「この応募者は体調が安定していないのではないだろうか?」や「入社してもまた体調を崩して休職してしまうおそれがあるのではないだろうか?」といった不安を少しでも感じさせてしまうと、マイナスポイントになりかねません。現在は完治し、健康に問題がないということを伝えましょう

なおもしも完治しておらず、持病と付き合いながら働くことになり、企業側の理解も必要になってくる場合は、その事実を正直に伝える必要があります。その場合は、履歴書に記入するのではなく、面接官や人事担当者と直接対話することが不可欠です。

経済的理由による休学

経済的理由による休学の記入例

経済的理由から休学を余儀なくされた場合は、正直に「経済的理由により1年間休学」と履歴書に記入します。学生にとって、家庭の経済的な理由は自分ではどうしようもないことであるため、就活においてマイナスポイントにはなりません

また、休学中にアルバイトなどで学費を稼いだ経験を好意的にとらえる企業は多いでしょう。面接では、卒業への意志の強さと行動力、これから社会に出て働いてお金を稼ぐということへの意欲をしっかりと伝えるとよいでしょう。

ボランティア活動による休学

ボランティア活動による休学の記入例

日本国内で大規模災害が起きたときに現地に赴いてボランティア活動に従事する学生は少なくありません。また、大きな使命感を持って、青年海外協力隊といった海外におけるボランティア活動に参加する学生も数多くいます。

このようなポジティブな理由からの休学については、就活でのアピールポイントとして履歴書に記入することをおすすめします。学歴欄で該当年度に休学と記入のうえ、改行をして「1年間、青年海外協力隊の一員として、○○国にて▲▲のボランティア活動に従事」と明記すると効果的です。

学歴欄に記入するだけではなく、履歴書の自己PR欄にもさらに具体的にどのようなボランティア活動に従事し、何を学んだのかを記入すると、目的意識を持った意義のある休学であることを、志望企業に印象づけることができるでしょう。

留学やインターンへ参加するための休学も同様です。休学中にどのような活動をして、何を得ることができたのかを自己PR欄にわかりやすく記入し、面接でもすらすらと話ができるように準備しておきましょう。

ボランティア経験を自己PRで上手に伝える7つのポイント

履歴書の学歴欄への休学についての記入例

病気による休学の悪い記入例

履歴書の学歴欄へ休学について記入する際の、良い例と悪い例を下記に挙げたのでご覧ください。違いがおわかりでしょうか?両記入例の太字部分が異なる部分です。

休学について履歴書に正直に記入することは不可欠ですが、大々的な書き方をする必要はないということです。良い記入例では、入学後の出来事の一つとして3年次に1年間休学したという事実を淡々と記しています。

一方、悪い記入例では、入学や卒業と同列にして年度も含めて休学について明記しています。また、具体的な病名と入院したという事実まで述べていますが、ここまで詳しく休学について説明する必要はありません。休学は自己PRのようにあえて注目してほしい事項ではないので、事実をさらりと記すのみにとどめることをおすすめします。

履歴書の学歴欄への休学についての記入例

【良い記入例】
平成〇年4月 ●●大学●●学部●●学科 入学
3年次に体調不良により1年間休学(現在は完治)
平成〇年4月 ●●大学●●学部●●学科 復学
平成〇年3月 ●●大学●●学部●●学科 卒業

【悪い記入例】
平成〇年4月 ●●大学●●学部●●学科 入学
平成〇年4月 ●●大学●●学部●●学科 休学
難治性喘息により入院(現在は完治)
平成〇年4月 ●●大学●●学部●●学科 復学
平成〇年3月 ●●大学●●学部●●学科 卒業

休学以外のイレギュラーな学歴の履歴書への書き方

浪人

浪人の記入例

休学以外にも、通常とは異なる学歴は多々あります。イレギュラーな学歴を履歴書にどのように書くべきかをまとめました。

浪人をして大学に入学した場合は、特に記入する必要はありません。高校の卒業年度と大学の入学年度の間に1年のブランクがあることに企業側が気づいたとしても、「浪人したのだな」と理解してもらえるはずです。

転籍・編入

転科の記入例

休学以外にも、通常とは異なる学歴は多々あります。イレギュラーな学歴を履歴書にどのように書くべきかをまとめました。

大学に入学後、学部や学科を変更(転籍)した場合は、入学と卒業の間に転籍の年度を追加して、「●●学部 転学部」、「●●学科 転学科」と記入しましょう。転校や編入も同様に記入します。

留年

留年の記入例

休学以外にも、通常とは異なる学歴は多々あります。イレギュラーな学歴を履歴書にどのように書くべきかをまとめました。

留年についても、浪人と同様に履歴書に明記する必要はありません。履歴書からはできるかぎりネガティブな要素を排除すべきです。大学の卒業に5年かかっていることがわかれば、企業側は「何らかの理由で留年したのだろう」と考えます。ただ、面接で理由を問われれば答えられるよう準備をしておく必要はあります。

留年した学生が就活に臨むときの心構え

中退

中退の記入例

中退は正式な学歴として認められませんが、履歴書の学歴欄に記入することは必須です。年度と学校名を明記のうえ、「中途退学」と記入しましょう。履歴書に中退理由を記入する必要はありませんが、面接で問われる可能性は高いので、説明できるように準備をしておくべきです。

中退した時の履歴書の学歴はどう書くの?前向きな中退理由の書き方

休学経験は履歴書に正直かつシンプルに書こう

シンプルに記入した履歴書を掲げる男性

休学経験は、履歴書に正直かつシンプルに記載することが重要です。隠したり、誇張したりすることは避けましょう。

まず、休学の理由を簡潔に説明しましょう。例えば、健康上の理由、家庭の事情、留学、就職活動のためのブランク期間など、具体的な理由を記載しましょう。ただし、過度に詳細を記載する必要はありません。必要最低限の情報を記載することで、採用担当者に理解してもらえます。

次に、休学期間の期間を明確にしましょう。具体的な日付や期間を記載することで、採用担当者が把握しやすくなります。

最後に、休学中に取り組んだことや、得たスキルや経験がある場合は、それも記載しましょう。例えば、留学中に語学力を向上させた、自己啓発書を読んで自己成長に努めた、就職活動のために資格を取得した、といったことがあれば、それをアピールすることができます。

以上の点を踏まえて、休学経験を正直かつシンプルに記載しましょう。休学は決してマイナスの要素ではありません。むしろ、学びや成長の機会となった経験をアピールすることで、採用担当者に良い印象を与えることができます。