履歴書の特記事項欄は仕事の熱意を伝えるためにある

履歴書の特記事項欄に何を書けばよいのか、理解できている就活生は少ないのではないでしょうか。特記事項欄を空白のままにするのは避けるべきなのか、何かを書くならどのような内容を書くべきなのかなど、特記事項に関する悩みやすいポイントを解説します。

履歴書の特記事項欄は仕事の熱意を伝えるためにある

履歴書の特記事項欄とはどのようなものなのか

一般的な履歴書のフォーマットには、特記事項欄が存在します。項目の名称は「特記事項」、「その他特記事項」、「特記事項(本人希望など)」、「通信欄」などさまざまです。特記事項ではなく、本人希望欄だけが存在する履歴書フォーマットもあります。求められている内容はほとんど同じと言ってもよいでしょう。まずは、履歴書の特記事項欄とはどのようなものなのかについて解説します。

特記事項の意味とは

特記事項とは、特筆すべき事項という意味です。履歴書の特記事項は、履歴書の他の項目で記入したことは別に、特別に伝えておきたい内容を簡潔に記入するために存在します。

履歴書の特記事項は何のために存在するのか

履歴書の特記事項は、もちろん採用活動を行う企業側にとって貴重な志望者に関する参考情報となります。しかしながら「本人希望欄」という名称のフォーマットがあることからもわかるように、特記事項欄は主に志望者のためにあると言えます。

履歴書のメインテーマである志望理由や自己PRに書く内容ではないものの、企業側に伝えたいことや、希望勤務地などの入社後に取り計らってもらえるとうれしいことを伝えられる貴重な通信欄であるということです。

たとえば面接の際に、「勤務地は関東を希望しています」と志望者が自ら話題にするのはなかなか難しいはずです。もし履歴書の特記事項に記入していれば、面接官のほうから「関東での勤務を希望されていますね」といった話題を出してくれるかもしれません。

このように考えると、履歴書の特記事項できちんと自分の思いや希望を伝えておくことは、大変重要であるということが実感できるのではないでしょうか。

勤務希望地が書かれた履歴書にサムズアップする年配の男性のイラスト

履歴書の特記事項は必ず書くべきなのか

「志望動機や自己PRなど、それぞれの履歴書の項目で伝えたいことは伝えているのに、特記事項も必ず書かなければならないのだろうか?」と考えている人も多いのではないでしょうか。

就活中は、履歴書を何社分も並行して用意するのが大変です。できれば労力は減らしたいと考えるのは自然なことですが、特記事項も記入必須の項目であるのかどうか、確認していきましょう。

履歴書の項目はすべて記入する

結論としては、特記事項も他の項目と同様に必ず記載しなければなりません。履歴書のフォーマットに存在している項目はすべて記入し、空欄を作らないという姿勢が基本であることを覚えておいてください。

特記事項が何もない場合も空欄にしない

特記事項が何もない場合の記入例

せっかく履歴書に特記事項欄があるのに、何も書くことがないというのはもったいないことですが、「どうしても書く内容が思い浮かばない」という人もいるでしょう。特記事項に何も書きたい内容がないと言う場合であっても、空欄にするのはよくありません。

「特になし」もしくは「貴社規定に準じます(履歴書のフォーマットに「本人希望欄」と書かれている場合)」と記入しておくとよいでしょう。「特になし」と履歴書に記載することは失礼ではありません。空欄では記入漏れと見分けがつかないので、埋めておくことが大切です。

履歴書の特記事項に書くべき内容

それでは、履歴書の特記事項に書くべきなのはどのような内容でしょうか。「こんなことを書いたらずれているかな?」、「他の志望者は自分の希望なんて履歴書に記入していないのでは?」など、不安に思う就活生は少なくありません。履歴書の特記事項に書くべき内容を具体的に挙げていきます。

希望する勤務地や配属先

希望する勤務地や配属先、職種などは、特記事項に必ず記載すべきです。特記事項欄で伝えた希望は必ずしも叶うものではなく、入社後の配属を決める一つの参考資料程度に扱われます。それでも、自分の希望を知っておいてもらうのは重要です。

「入社後数年は〇〇部で経験を積んでもらいたいが、適性を見てあなたの希望する〇〇部へ異動するキャリアパスもあります」といった説明をしてもらえるかもしれません。

勤務希望地の記入例

持病を抱えている場合は知っておいてもらった方が安心できる

持病があるのはめずらしいことではありません。持病があれば必ず勤務先に伝えなければならないというわけではありませんが、勤務先に知っておいてもらったほうがよかったり、何か取り計らいが必要であったりするような持病がある場合は、特記事項に明記しておきましょう。以下のように書くとよいでしょう。

現在、〇〇病の治療のため定期的に通院しておりますが、業務に支障はありません。通院先:〇〇病院

持病を抱えている場合の記入例

転居の予定がある場合

勤務地が確定している企業に応募し、なおかつ自分が現在住んでいる場所が勤務地から遠い場合は、特記事項欄にて転居の意志を示しておくとよいでしょう。

「現在〇〇県在住ですが、内定をいただいた際には、通勤可能圏内に転居致します。」といった簡潔な文章で転居するつもりであることをはっきりと伝えましょう。

転居予定の記入例

連絡がとりやすい曜日や時間帯

在職中に転職活動をしている人は、仕事中は電話に出られないのが普通です。特記事項欄に連絡がつきやすい曜日や時間帯を記載しておくと、採用担当者は連絡する時間の参考にできます。

ただ、「平日の18時以降」などは、志望先の企業も業務時間外であることが多いです。昼休みや電話に出られそうな時間帯をなんとか見つけて、一般的なオフィスアワーの範囲内でも設定しておく気遣いが必要と言えます。

履歴書には資格欄が存在していますが、取得済みの資格しか記入できません。「せっかく入社後に役立つ資格を取得するために勉強しているのにまだ書けない」と残念に思った経験がある人もいることでしょう。

そのようなときに、特記事項欄を活用するのがおすすめです。勉強中の資格を記しておけば、企業側の目に止まり印象がアップするかもしれません。履歴書に記入するからには、「何が何でも試験に合格して必ず資格を取得する」という強い意志を持って勉強しましょう。

なお、この場合の資格とは、あくまで志望企業の業務に関連があるものを指します。取得を目指している資格であっても、志望企業の業種や希望している職種に無関係のものや、趣味で勉強しているものは、企業側に何の関係もメリットもないので記入する必要はありません。

可能な勤務開始日(転職の場合)

新卒とは異なり、転職者の場合は「いつから勤務を開始できるか」が重要な伝達事項になります。特記事項として可能な入社時期の目途を伝えてくれると、企業側としては大変助かるというのが本音でしょう。

日にちまで確定している必要はなく、〇月中旬といった目安となる時期を示しておくだけで十分です。特記事項に記載した時期をもとに、実際の入社日程については面接で話し合うことになるはずです。

自己アピール、伝えておきたい特技や経験など

ボランティア経験や留学経験など、自己PR欄に書かなかった話題でアピールポイントになりそうな特技や経験を簡潔に記しておくとよいでしょう。

履歴書の特記事項に書くべきではない内容

履歴書に特記事項に伝えたいことをしっかりと記入しておくことは大切ですが、書くべきではない内容も存在します。たとえ「本人希望欄」という項目名であったとしても、希望する給与額や福利厚生について書くのはNGです。

給与額、福利厚生の希望を書くのはNG

履歴書の特記事項の書き方の例

実際に履歴書に特記事項を記入するにあたって迷うことがないよう、書き方の例を下記に示します。

履歴書の特記事項欄の書き方で重要なのは、箇条書きで簡潔に記入するということです。特記事項は決して長々と文章で記入する項目ではありません。「大学で学んだ〇〇の知識を生かしたいため、〇〇部を希望致します」といったように、希望する理由まで記す必要はありません。冗長な文章で良い印象を与えません。

その他特記事項(本人希望など) ・配属先:マーケティング部を希望致します。・勤務地:関東を希望致します。・資格:●●資格取得のため勉強中です(〇年〇月受験予定)。

履歴書の特記事項でしっかりと意思表示をしよう

履歴書の特記事項を具体的に書くことで、希望職種などについてしっかりと意思表示をしておくことがとても大切です。「履歴書に希望を書くなんてあつかましいと思われるのでは?」と不安に感じる人もいるかもしれませんが、それは間違いです。

入社後に希望が通るか否かはまた別の問題になりますが、意思表示をすることで、希望する部署や職種で働くことへの熱意が伝わりやすくなります。また、少しでも知っておいてもらうとプラスになるかもしれない情報は、自己PRとして特記事項に書くといった積極的な姿勢も評価につながるかもしれません。特記事項をできるだけ効果的に活用することでライバルから一歩リードしましょう。