「入社後やりたいこと」をカッコよくアピールする方法

入社後やりたいことを企業が就活生に聞いてくることがありますが、その時に答えに窮するようではその本気度を疑われかねません。面接官に「入社後やりたいことは何ですか」と聞かれたとき、企業側が思わず心を奪われてしまうようなカッコイイ回答をするためのノウハウを例文を交え紹介します。

「入社後やりたいこと」をカッコよくアピールする方法

入社後やりたいことはカッコよくアピールしたい

新卒の就職活動では、面接やエントリーシートで「入社後やりたいこと」について聞かれる場面があります。しかし、しっかり考え切れていないと、「入社後やりたいことと言われましても…」という気持ちになってしまうものです。

回答に困ってしまうのは当然と言えば当然ですが、事前に入社後のことまで考えておくことは企業に対して志望の本気度を示す上でも大切なことですし、実際企業選びのためにも大切なことです。

入社後やりたいことはどのように考えたらよいのか、カッコよくアピールするための方法について確認してみましょう。

企業側が思わず心を奪われてしまう「入社後やりたいこと」の答え方

心奪われた面接官

企業側が思わずこの人材は取りたいと心を奪われてしまうような「入社後やりたいこと」をアピールするにはコツがあります。

入社後にやりたい具体的な仕事とビジョンを語る

「入社後やりたいこと」は、具体的な仕事と将来のビジョンを語るのがコツです。まず、自分が希望している仕事について具体的に調べ、「営業職として新規開拓に取り組んでいきたいと考えます」と、その仕事内容を語ります。

その後、「私たちと顧客だけの関係でなく、顧客間のネットワークを作り、そこから新しいビジネスが発生するような仲介をしていきたいと考えています」など、そこから発展したビジョンを語れると説得力が増します。具体的な仕事とビジョンの間に関連性が見られない場合は評価されませんので、よく考えながら整合性を考えましょう。

社員が気づいていない企業の価値を気づかせる

仕事を通して、企業の社員すら気づかなかったような企業の価値に気づかせるようなビジョンを持っている人は高く評価されます。たとえば、食品メーカーにおいて「温度管理や保冷技術を応用して、農業分野への応用に取り組んでみたいと考えています」と既存事業の現実的な応用を考えてみるようなことです。

入社後やりたいことを自分のスキルとのマッチングでアピールする

学生時代に身に着けたスキルが、職場で活かされるということをアピールするのもひとつの方法です。「シンガポール留学中に、英語だけでなく華僑の人々を通し中国語も身に着けました。海外営業でも、特に御社のアジア展開に関わっていけたらと考えています」と、自分のスキルがやりたい仕事のマッチングができると、採用側も入社後の活躍イメージがわきやすいです。

「入社後やりたいこと」を考える手順

ノートにアイデアを書き込むスーツ姿の男性

入社後やりたいことをカッコよくアピールするために準備をしましょう。入社後やりたいことを考えるための手順を簡単に紹介します。

1.しっかり企業研究をする

まずは企業についてしっかり調べ、自分がやりたい仕事を探しましょう。業種に関することや、企業理念、IR情報などはよく確認しておくとヒントになりますし、OBOG訪問なども有効です。

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2.採用後、自分が働く姿を具体的にイメージする

採用された前提で、自分がどのような部署でどのような仕事をしているのか具体的に考えてみます。できるだけ正確にイメージをするためにも、事前の企業研究をしっかり行いましょう。

3.仕事を続けていく中でのビジョンを考える

自分が働くイメージができたら、その仕事を続ける中でどのような貢献や展開が考えられるか、自分に見える範囲で考えてみましょう。それが会社にとってプラスになるものであることが大切です。

「入社後やりたいこと」の回答例文

やりたいことを考えるスーツ姿の青年

「入社後やりたいこと」について例文を見ながらポイントを確認しましょう。

入社後やりたいこと(プログラマー)

私が御社に入社してからやりたいと考えているのは、「技術教育」です。私はプログラミングの現場に常に携わりたいと考えています。現状、経験値のあるプログラマーがSEやプロジェクトマネージャーとなって現場の最前線でコードを書くことは少なくなります。しかし、それでは現場のレベルが一定以上に上がらないと危惧しています。熟練の技術を後輩たちに効率よく伝えつつ、企業としてのノウハウの蓄積を図れるような教育に携わっていきたいと考えています。

この例では、「プログラミングに常に携わりたい」とプログラマーとして志望したことを暗に示しつつ、キャリアの中で直接コード(プログラムの文章)を書けない立場に昇進するのではなく「教育」をする立場に携わりたいとアピールしています。技術の伝承やノウハウの蓄積が企業にとってもプラスになるということをアピールすることで、企業活動への貢献を考えており頼もしく映ります。

入社後やりたいこと(営業職)

私は貴社に入社することができたら、海外での販売拠点を持っている企業を中心に新規営業を行っていきたいと考えています。貴社の主力商品である○○は国内では一定の知名度があり、海外でも通用する商品だと感じています。実際、外国人の友人たちの中でも非常に好評でした。販路の開拓は、海外の潜在顧客にとっても御社の事業にとってもメリットが大きいため、営業活動を通してその筋道を探っていきたく考えています。

営業職というと決まった商品を販売することだけを考えてしまいますが、この例文では営業活動を通して事業を大きく展開させるビジョンを持っています。自身の思い込みだけではないことを、実際の外国人の反応を通しても確認していますし、面白い試みだと感じてくれるでしょう。企業として海外展開を断念したという過去がないなら、好感をもって受け入れられることでしょう。

企業側が「入社後やりたいこと」を問う理由

ステップアップを考えるスーツ姿の男性

企業側が「入社後にやりたいこと」を聞くのはやはり理由があります。その理由をしっかりわかっていないと、「夏のボーナスで大学時代の友人と海外旅行に行きたい」などトンチンカンな回答をしてしまうことがあるので気をつけましょう。

志望意欲を見たいから

「入社後やりたいこと」を問う最大の理由は、志望意欲を見るためです。本気で企業を志望しているなら、その企業について詳しく調べ、その中で自分が働くイメージを具体的に持っているはずです。何となく営業活動をしているという程度ではなく、どのような立場でどのような商品をどのように販売しているのかといった、具体性のある回答ができるくらいに企業に入った自分のことを考えられているかということです。

現在は離職率が高い時代ですが、新卒採用のために企業は時間もお金も多くを投資して人材を確保しようとしています。志望意欲が低い人は入社後にすぐにやめてしまい、コストが回収できないリスクがあるため、振り分けるために質問をしているのです。

仕事への価値観を知りたいから

「入社後やりたいこと」というのは、具体的な仕事の内容である場合もあれば、まだ抽象的だとしても「仕事を通してどのようなことをしたいのか」というビジョンである場合もあります。「御社の海外展開にチャレンジしてみたい」といったビジョンが明確に見えれば、海外志向やチャレンジ精神が旺盛な人材だということがわかります。

企業への理解度を見たいから

「入社後にやりたいこと」がわかれば、それが自社の事業内容や社風とマッチするのかどうかはすぐにわかります。積極的に新規事業に取り組んでいくことを社風としている企業において、「現存の事業の質を高めるところに貢献したい」と言えば、悪いことはないですがプラスの評価はあまりされないでしょう。企業への理解度が、入社後にやりたいことの内容には色濃く出るのです。

「入社後やりたいこと」をアピールする時の注意

ダメ出ししている雰囲気のスーツ姿の年配の男性

「入社後やりたいこと」をアピールする時は、ただ声高に叫んでも届きません。必要な注意を確認しましょう。

企業の経営方針を踏まえて考える

どんなに自分が大事だと思っていても、企業がすでに撤退を決定している分野でビジョンを語ってはいけません。できるだけ企業が今後力を入れるところにマッチしている方が好感をもって受け入れられやすいです。

間接部門に絞り込んだアピールは控える

人事や財務などの間接部門は専門的な枠でもあり、希望する人もそれなりに多いです。しかし、実際にはかなり採用枠が少ない(年によってはゼロの場合もある)ため、やりたいこととして取り上げても枠に入れてもらえないことがあります。

プライベートの話をしない

企業が入社後やりたいことを尋ねるのは、当然採用に関しての情報を集めるためですので、興味本位で尋ねているのではありません。自分のプライベートや企業外の活動をアピールしないように注意しましょう。

「入社後やりたいこと」は聞かれる意図を理解して事前に具体的に考えておこう

やりたいことを書いたボードを持つスーツ姿の男性

「入社後やりたいこと」という質問は、就活の際によく出されるものですが、即興で思い浮かぶのは難しいものです。この質問の意図をしっかり理解し、事前に具体的な考えを持っておくことが重要です。

あいまいな回答や、企業の意図を理解していない回答はマイナスの評価となり、志望意欲を軽く見られる可能性があります。企業研究をしっかり行い、自分がその企業で働く姿や、仕事を通じてどのように貢献できるのか具体的に考え、魅力的な回答を準備しましょう。

自分の将来のビジョンや目標、興味関心のある領域について考え、それが企業の価値や目標と一致していることを示すことも重要です。具体的な例や実現したいプロジェクトなどを挙げて、自信を持ってアピールしましょう。