面接でマスクはNG?着けてもいい?現在の正しい判断基準
「面接でマスクを着けたままでいいのか、外すべきなのか」——この迷いは、就活生・転職者を問わず多くの方が抱えています。
結論から言うと、現在の面接において、マスク着用はマナー違反にはなりません。2023年3月に厚生労働省が「マスク着用は個人の判断に委ねる」という方針を示して以降、面接の場でも着用の有無は各自の判断に委ねられています。ただし、「着用してもよい」と「着用するのがベスト」は別の話です。状況に応じた判断と、着用する場合のマナーを正しく理解しておくことが大切です。
この記事では、採用担当者の視点を交えながら、現在の面接でのマスク対応の基本ルール・状況別の判断・着用する場合のコツを解説します。
自分の状況に合わせた対応を確認しておきましょう。以下から当てはまる状況を選んでください。
面接でマスクをつけるデメリット——それでも外さない選択をする前に
マスク着用がマナー違反でないとはいえ、面接においてはいくつかのデメリットが生じます。採用担当者の立場から見た実態として、これらを正しく理解した上で判断することが重要です。
表情が伝わりにくく、非言語コミュニケーションが制限される
人のコミュニケーションにおいて、言葉以外の情報——表情・口元の動き・笑顔のタイミング——は大きな意味を持ちます。採用担当者は面接を通じて、志望者が「どんな人か」を書類では測れない角度から確認しようとしており、そのためには顔全体の表情が重要な判断材料になります。
マスクをつけていると、豊かな表情が半分以上隠れてしまいます。「この学生は感じがいい」「話していて気持ちがいい」といった第一印象を伝えるチャンスが、着用によって狭まることは確かです。面接官が積極的にマスクを外す要望を出す場合がある背景には、こうした非言語情報の重要性があります。
声がこもり、聞き取りにくくなる
マスクを着けると声がくぐもりやすく、滑舌のよさや声量が十分に伝わらなくなることがあります。特にプレッシャーのかかる面接では、声が小さくなりがちです。マスクによるこもりと緊張による声量の低下が重なると、面接官が「何を言っているのか聞き取りにくい」という状況が生まれやすくなります。
採用現場では、声が聞き取りにくいことで面接官が聞き直しをするケースがあり、テンポが崩れて双方にとって話しにくい雰囲気になることも指摘されています。
「熱意が伝わりにくい」と感じられる場合がある
採用担当者の立場から見ると、特別な理由がないにもかかわらずマスクを着用したまま面接に臨む候補者に対し、「なぜつけているのか」という疑問が浮かぶことがあります。理由の説明なしに着用していると、緊張や気後れからくるコミュニケーション回避と誤解されるケースも皆無ではありません。着用するなら、必ず一言添えるのが鉄則です。
マスクを着用したまま面接に臨む場合の5つのポイント
体調不良・アレルギー・企業の指示など、やむを得ずマスクを着用したまま面接を受ける場面はあります。その場合でも、以下のポイントを押さえることで採用担当者に好印象を残すことは十分可能です。
① 入室時に必ず一言断る
マスクを着用したまま面接室に入る場合は、着席してすぐ「本日は体調不良(または花粉症の症状があり)のため、マスクを着用させていただいております。失礼いたします」と簡潔に伝えます。この一言があるかないかで、面接官の受け取り方は大きく変わります。
採用担当者の視点では、状況を自ら説明できる人は「コミュニケーション能力が高い」「気が利く」という印象を与えます。断りもなくマスクのまま座っている場合と比べると、評価はまったく異なります。
② 声をワントーン上げ、ゆっくりはっきり話す
マスクによる声のこもりを補うため、普段より少し大きめの声で、母音を意識してはっきりと話すようにしましょう。「あ・い・う・え・お」の口の動きを意識するだけで、滑舌は明確に改善されます。早口になるほど声が聞き取りにくくなるため、意識的にテンポを落として話すことが重要です。
③ 目元・眉の表情を意識的に使う
口元が隠れている分、目と眉で表情を補います。うなずきを大きめにする、目を合わせる時間を意識して確保する、眉を動かして感情を表現する——こうした非言語の工夫がマスク着用時の印象を左右します。採用担当者の多くは「目元でその人の熱意が伝わってくる」と話すことがあり、目力を意識することは面接全体のアピールにもつながります。
④ 清潔感のあるマスクを選ぶ
マスクも面接における身だしなみの一部です。汚れやくたびれた使い古しのマスクは避け、新しいものを用意しましょう。色は白の不織布マスクが最も無難で清潔感があります。薄いベージュやグレーも許容範囲内ですが、濃い色・柄入り・ウレタン素材のものは避けるのが賢明です。
また、面接会場への移動中に汚れることもあるため、予備のマスクを1〜2枚バッグに入れておき、面接直前に新しいものに替えると安心です。
⑤ 外したマスクは机の上に置かない
本人確認などの理由でマスクを一時的に外すよう求められた場合、外したマスクはマスクケースまたは自分のバッグにしまいます。机やテーブルの上に置くのは不衛生な印象を与えるためNGです。顎にかけたまま(いわゆる顎マスク)の状態も、感染対策の観点から避けるべきとされており、採用担当者に清潔感のない印象を与えます。
外し方は、ゴム紐の部分を持って丁寧に行い、「失礼いたします」の一言を添えると丁寧な印象を与えられます。
面接前の事前確認——マスク着用を伝えるタイミングと方法
体調不良や特別な理由があってマスクを着用したい場合、事前に企業へ確認・連絡しておくと当日の流れがスムーズになります。
日程調整のメールで確認する場合
面接日程の調整メールへの返信時に、マスク着用についてあわせて確認するのが最もスマートなタイミングです。以下のような一文を添えるとよいでしょう。
お世話になっております。○○(氏名)と申します。面接のご案内、ありがとうございます。日程につきまして、〇月〇日〇時より参上いたします。
一点確認させていただきたいのですが、現在体調不良のためマスクを着用したまま面接に伺うことは可能でしょうか。貴社のご方針がございましたら、お知らせいただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
当日、電話で事前に伝える場合
急に体調が悪くなるなど、事前に連絡できなかった場合は当日電話で一言伝えることも選択肢です。
お忙しいところ恐縮です。本日〇時よりご面接のお約束をいただいております〇〇と申します。採用ご担当の〇〇様にお取次ぎいただけますか。
(取次後)お世話になっております。〇〇と申します。昨日より体調が優れず、他の方にうつしてしまっては申し訳ないため、本日はマスクを着用させていただいてよろしいでしょうか。ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。
採用担当者の視点から見ると、事前に丁寧に連絡をしてきた候補者に対しては、それ自体が「誠実で周囲への配慮ができる人」という好印象につながります。黙って当日を迎えるより、一言あるかないかで評価が変わることを覚えておきましょう。
当日、入室後に伝える場合
事前確認が取れなかった場合は、入室後に着席してすぐ、以下のように伝えます。
本日はお時間をいただきありがとうございます。〇〇と申します。恐れ入りますが、本日は体調不良のためマスクを着用させていただいてもよろしいでしょうか。失礼いたします。
面接でマスクを着けるべきか外すべきか——状況別まとめ
| 状況 | 推奨される対応 |
|---|---|
| 体調に問題なし・企業からの指示もない | 面接本番は外す(移動中・待合室は着用) |
| 風邪・インフルエンザ・花粉症などの症状がある | 着用OK。入室時に一言断る |
| 企業からマスク着用の指示がある | 必ず従って着用する |
| 健康上の理由でつけられない/外せない | 事前に企業へ連絡・相談する |
| オンライン面接(自宅から参加) | 外して臨む(表情が伝わりやすくなる) |
| オンライン面接(共有スペースから参加) | 着用のまま可。状況を一言伝えると丁寧 |
面接でのマスクに関するよくある質問(FAQ)
Q1:面接官がマスクを着けていたら、自分も着けたままでいいですか?
面接官がマスクを着用していても、自分の対応は別に判断するのが原則です。「面接官が着けているから自分も着けたまま」という判断は必ずしも正しくありません。面接官が着用しているのは企業の方針や感染対策上の理由の場合もあります。自分に体調上の問題がない場合は、外して臨んだ方が表情・声が正確に伝わります。迷う場合は「マスクを外した方がよろしいでしょうか?」と確認するのが最も丁寧です。
Q2:マスクを外すよう言われたら、どう対応すればいいですか?
「失礼いたします」と一言添えてから、ゴム紐の部分をつまんで外しましょう。外したマスクはその場でマスクケースまたはバッグにしまいます。机の上に置くのは不衛生なためNGです。顎に下げる(顎マスク)も避けてください。本人確認が終わったら面接官から再着用を促されることが多いですが、アナウンスがない場合は「マスクを着用してもよろしいでしょうか」と確認すると丁寧です。
Q3:布マスクやウレタンマスクは面接に向いていますか?
布・ウレタン素材のマスクはカジュアルな印象が強く、ビジネスの場である面接には不向きです。不織布素材の白いマスクが最も清潔感があり無難です。感染防止効果も高いため、面接に持参するなら不織布を選びましょう。また、自分の顔のサイズに合ったものを選ぶことも重要で、サイズが合っていないと隙間が目立ちかえって清潔感を損ないます。
Q4:面接の途中でマスクを外していいですか?
「着用したまま面接を開始したが、面接官の許可があれば外したい」という場合は、「よろしければマスクを外してもよろしいでしょうか?」と尋ねるのがマナーです。自己判断でいきなり外すのではなく、一言確認する姿勢が丁寧な印象につながります。
まとめ:マスクの判断力が、あなたのTPO感覚を示す
現在の面接において、マスク着用は絶対NGでも絶対OKでもありません。「状況を正しく読んで、相手への配慮と自分の意思を言葉で伝えられるか」——その判断力と表現力が問われています。
採用担当者の視点では、マスクの有無そのものよりも、「マスクをつけているなら一言断りを入れているか」「声や表情でカバーしているか」「事前に確認を取っているか」といった行動の質の方がずっと重要です。体調管理も含めて万全な準備で面接に臨み、マスクに関する判断も含めてTPOを正確に読める就活生・転職者として、採用担当者に好印象を残しましょう。

















