面接で成功体験を聞かれた時の答え方と就活中に使える例文

面接で成功体験を問う企業は多く定番の質問です。面接官から成功体験について聞かれた際には自慢できるような成功経験は必ずしも必要ではありません。むしろ、ささやかな成功経験でもそれまでの過程で努力したことなどにポイントを絞り、魅力的にアピールすることが重要です。

面接で成功体験を聞かれた時の答え方と就活中に使える例文

面接で成功体験を聞かれたらなんて答えるのが正解?

就職活動や転職活動の面接において「あなたの成功体験を教えてください」という質問は定番です。

この質問は面接官としては、応募者の能力や考え方、人間性が見える非常に効率の良い質問なのですが、応募者側からすると非常に対応に困るもの。誰もが自慢できるような成功経験を持っているわけではないため、いざ本番では何を話そうかと悩んでしまう人も多いです。

しかし、成功体験を聞かれて困る人の多くは「成功体験」が不足しているのではなく、正しい答え方を知らないことが問題の根本になっています。まずは面接中、企業が成功体験について質問してくる意図や目的を理解し、その上でアピールポイントを絞り込むことが大切です。

面接で成功体験を聞くのは何のため?

面接を行う採用担当者の男性

就活の面接では「成功体験を教えてください」という質問はよくある内容ですが、どうして成功体験を聞くのかというと、その人の実績が知りたいのではありません。それならば書類に書けば十分です。

あえて面接の場でそれを問う理由は、仕事や物事に対する取り組み姿勢や考え方、人間性などが見えやすいからです。他にも「失敗談」や「学生時代に力を入れたこと」など面接では様々な質問をされますが、それらも同様です。「成功体験」はその中でもポジティブな話として、応募者側も気分良く話すことができるためによく用いられています。

企業は成功体験そのものが知りたいのではないため、そのことに注意して答え方を工夫する必要があります。

面接で成功体験を語る時は「掘り下げ質問」に注意!

面接で成功体験について聞かれる時、注意したいのが「掘り下げ質問」です。

掘り下げ質問というのは、その内容についてより詳しく突っ込んだ質問をするものです。「どうしてそういったアイデアになったのですか?」「成功と失敗を左右するものがあったとしたら何だったと思いますか?」など、その出来事についてより深い理解と考察が必要な内容が問われることがあります。

当日に追加でされる質問ですから、事前にすべての質問を想定することはできません。しかし、自分が説明したいエピソードについて深く考える中でこうした掘り下げ質問に対して対応力がついていきます。逆に誰かに内容を考えてもらった場合などには、こうした掘り下げ質問に備える意味で、その内容をよく考える時間を作りましょう。

成功体験がない人はどうすればいい?

「成功体験がない」ということが気になってしまう人も多いでしょう。しかし企業側は成功体験そのものよりも、その内容から伝わってくるものに注目しています。

自慢できるほどの大きなものではなく、ささやかな成功体験だとしても、その「過程」をいかに魅力的に、そして企業が求める人材像に合わせて表現できるかが大事です。

「自分の成功体験について魅力的だと感じられない」ことが成功体験について困る人には多く見られますが、ポイントを意識して作成していけば、見違えるような素晴らしい内容になることも多いのです。

就職エージェントからアドバイスを受ける就活生の女性

難しいと感じる場合は、就職課や就職エージェントなどを利用して一緒に考えてもらうのもひとつの方法です。面接で有効な成功体験エピソードを作るには見せ方を工夫する必要があります。そのためには、第三者の客観的な視点は非常に頼りになりますので上手く活用しましょう。

面接中に成功体験を聞かれたときに答える3つのこと

面接で成功体験について話す場合、「成功体験に関するエピソード」「具体的な取り組み」「そこから学んだこと」については最低限触れる必要があります。

1 成功体験に関するエピソード

成功体験に関するエピソードは、できるだけ5W1Hに基づいて、聞き手に状況が理解しやすいように話します。状況が伝わってこそ、その成功体験の大きさがわかりますし、そのための取り組みとして行なったことの価値が伝わるからです。こういった説明能力も面接を通して見られていると意識しましょう。

2 成功体験で行った具体的な取り組み

企業の面接を受けている女性

エピソード内でテーマとなった内容について、その成功のために何を行ったのか、努力したことなどを具体的に説明します。成功体験を実績だけで語ればただの自慢となりますので、どのように自分が関わり、何を行った結果が成功に結び付いたのか論理立てて説明してこそ、採用側の知りたい「あなたの姿勢や考え方」が伝わります。

3 成功体験から学んだこと

成功体験を問う理由のひとつとして、応募者がその成功から何を感じ、学んだのかを知りたいという意図があります。これは企業で一緒に働く上での人間性と同時に、仕事上期待できる特性についても見られますから、しっかり準備しておきましょう。

面接で語る成功体験エピソードの選び方

成功体験を語る上で注意したいのが、どういったエピソードを選ぶかです。これについては新卒採用と中途採用で少々違いがありますので気を付けてください。

新卒採用が選びたい成功体験エピソード

新卒採用の場合は、成功体験は直近の学校生活におけるものをエピソードとして使うようにしてください。高卒なら高校生、大卒なら大学生の間にあった出来事から成功体験を話すようにします。あまりにも学生生活や仕事と離れた内容は、社会人としてのイメージが湧きませんので避けた方が無難です。

中途採用が選びたい成功体験エピソード

面接で質問に答える就活生のイラスト

中途採用の場合には、成功体験は社会人としての就業経験の中から話すようにしてください。中途採用者というのは、ある程度戦力が求められますので、戦力になるかどうかを見られています。その中で学生時代のエピソードなどを話すのはアピールとしても弱く、適切な話題が選べないコミュニケーション能力に問題がある人と映りますので注意しましょう。

また、たとえ個人的な成果だとしても、自己中心的な内容に聞こえてしまわないように気を付けてください。

面接での成功体験についての文例

それでは、成功体験エピソードの文例を見ながら、成功体験から面接官に伝えたいことポイントを確認していきます。

新卒採用の場合の成功体験エピソードの文例

サークル活動での成功体験

私は大学時代に軽音楽のサークルに入っていました。担当の楽器はギターだったのですが、私が最も成功したのは実はライブのプロデュースです。

年間にサークルとして6回のライブイベントの企画がありますが、昨年はそのすべてにプロデューサーとして参加し、回を追うごとに参加者を増やすようになりました。直近の回では、昨年の倍にあたる170人の集客に成功しました。

私が力を入れて行ったのは、イベントごとに参加するバンドの紹介映像を作って動画サイトにアップし、SNSで積極的に情報の展開をすることです。学内外の関係者を巻き込みながら多くの人にイベントの周知とバンドの魅力を伝えることができたと思っています。

また、イベントの会場やコンセプトも毎回違ったものにしました。会場にお金をかけるのは難しいと周囲に反対されましたが、ポケットマネーから一時敵に費用を捻出したり、周囲の説得に取り組んだ結果、結果的に魅力ある会場や演出によって集客が増え、収支としてもプラスになりました。

こうした経験を通し、何でも見せ方が大事だということを学びました。バンドや楽曲が変わらなくても、見せ方ひとつで人の印象は変わります。見せ方が悪ければいいものも光らないので、良い見せ方を常に意識するようになりました。

御社でもぜひ、商品やサービス、会社の良いところをうまく外部に表現できたらと考えております。

大学生のエピソードの定番となるサークル活動の成功体験について語った例文です。ポイントになるのは、「年に6回」「昨年の倍にあたる170人の集客」と具体的な数字が出ていることです。

また、どうしてそのような成功に結びついたのか、そのためにハードルとなったもの(会場にお金をかけることへの反対)についても触れています。一本調子な成功談ではなく、ハードルをどのように超えたのかという内容があることで共感を得やすく、ビジネスの場での活躍も期待できそうな内容となっています。

中途採用の場合の成功体験エピソードの文例

営業における成功体験

私は前職では企業向けのインターネット回線の営業をしておりました。
社内で一位になるなど自慢できるような成功体験はありませんが、毎年安定して営業目標を達成し続け、一定の評価を得ていたと自負しております。

5年間勤めましたが、半期ごとに営業目標が設定されます。私は5年間、10回連続で営業目標を達成することができました。毎回の営業目標は前回成績をもとに設定されますから、常に期待以上のパフォーマンスを見せたことになります。

私が意識していたのは不動産屋巡りです。同僚たちは基本的に企業に直接営業に行きましたが、私は乗り換えではなく新規の獲得に相手を絞りました。そのための取り組みとして、不動産屋を巡るようにしたのですが、新規のテナント出店があれば好条件で回線を提供するから紹介してほしいと言って回りました。今は業種問わずインターネットがほぼ必須となっていることから、営業エリアに新規の会社やお店が増える中で、年々紹介が自動的に増え、営業成果に繋がりました。

営業は技術も大事ですが、着眼点も大事だと思います。御社で採用された際には、どのような形で営業活動ができるかを検討しながら、成果で貢献できたらと考えております。

上記の回答例では、前職の営業活動における成功体験のエピソードを扱っています。

ポイントとしては、成果に関してのアピールが明確であることです。「10回連続で営業目標達成」ということが簡単ではないことは社会人なら理解しやすく、「毎回の営業目標は前回成績をもとに設定されますから、常に期待以上のパフォーマンスを見せたことになります」とその実績の意味についても魅力ある言葉でアピールできています。

握手をするビジネスマン達

同僚の営業活動と比較するエピソードの内容や最後の内容から、この人は営業マンとして「着目点」を大事にしているということが伝わり、また企業における活躍も想像しやすいのではないかと考えられます。また、謙虚な人柄も伝わってきます。

面接の成功体験はアピールポイントを整理して魅力的に伝えよう

面接の成功体験を問われた際に大事なのは、成功体験における実績ではなくその過程です。そこに能力や姿勢・考え方、人間性、企業が評価したいポイントが現れるからです。

成功体験の実績や内容にこだわりすぎず、自分の成功体験を掘り下げて、魅力的に表現できるようにすることが、面接で成功体験を聞かれた場合の回答では大切です。少なくとも、自分が聞いて魅力的に感じるくらいにはブラッシュアップしましょう。

内容が伝わるような話し方やアピールポイントに気を付けることはもちろん、成功した話ですから、自信をもって堂々と話すようにしてください。

面接で「辛かったこと」を質問する企業の意図と回答例4つ