面接の入室・退室マナー 入室前から退室後まで直前チェックリストつきで解説

面接の入退室マナーを入室前の準備から退室後の建物を出るまで完全解説。ノック3回の意味、コートを脱ぐタイミング、後ろ手厳禁の理由、失敗したときのリカバリー法まで、採用現場の視点で具体的に紹介します。

面接の入室・退室マナー 入室前から退室後まで直前チェックリストつきで解説

面接の入退室マナー 入室前から退室後まで完全解説

就職・転職の面接で最も緊張する場面のひとつが、入室と退室の瞬間です。面接官が最初に目にするのは自己PRでも志望動機でもなく、ドアを開ける前後の立ち居振る舞いです。採用担当者は「この人と一緒に働けるか」を、入室から数秒で判断し始めることが少なくありません。

一方で、入退室のマナーは事前に流れを把握して練習しておけば、誰でも確実に身につけられます。このページでは、入室前の準備から退室後の振る舞いまで、面接官の視点を交えながら解説します。

入退室マナー 直前チェックリスト
面接に行く前に確認しておきたい10項目
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面接官が入退室で見ているポイント

採用担当者が入退室で確認しているのは、マナーの暗記度合いではありません。「緊張しながらも相手に敬意を示そうとしているか」「基本的な社会人マナーを理解しているか」という姿勢そのものです。マイナビ転職が2025年9月に中途採用担当者352人を対象に実施した調査でも、入室時にチェックするポイントとして表情・挨拶・姿勢が上位に挙がっており、マナーの細かい作法よりも「暗い雰囲気」「声が小さい」「視線が泳ぐ」といった印象面の要素が評価に影響しやすい実態が浮かびます。

つまり、手順を多少間違えても、丁寧に振る舞おうとする態度があれば大きく減点されることはありません。ただし「無表情」「声が出ていない」「姿勢が崩れている」という三拍子がそろうと、それだけで「暗い人」という第一印象を与えるリスクがあります。

面接会場に入室する前に準備すること

入室のマナーは、部屋のドアを開ける前から始まっています。以下の点を事前に確認しておきましょう。

到着時間は5〜10分前を目安に
遅刻は論外ですが、早すぎるのも企業に準備の手間をかけます。受付を済ませて待機室に案内される時間を踏まえ、建物到着は10分前、受付は5分前を目安にするのが一般的です。

コートは建物に入る前に脱ぐ
コートを着たまま受付や面接室に入るのはマナー違反です。建物のエントランスに入る前に脱ぎ、裏地を外側にしてたたんでから腕にかけて持ちましょう。雨の日は傘の水滴を外でしっかり落としてから入館します。

待合室ではスマートフォンをしまう
待機中にスマートフォンを操作する行為は、採用担当者や社員の目に触れることがあります。電源を切るかマナーモードにし、バッグにしまった状態で静かに待つのが基本です。

入室前にトイレで身だしなみを確認
受付後、案内される前にトイレで以下をチェックしておくと安心です。

  • 寝ぐせ・髪の乱れがないか
  • 目ヤニ・歯への食べ物のはさまりがないか
  • ヒゲの剃り残しがないか(男性)
  • 化粧の崩れ・濃すぎないか(女性)
  • スーツの汚れ・シワがないか
  • ストッキングの伝線がないか(女性)
  • 靴の汚れがないか

トイレで社員と鉢合わせすることもあります。慌てず軽く会釈をするだけで十分です。

面接会場に入室するときの流れとマナー

名前を呼ばれてから着席するまでの手順を順に解説します。

1. ドアを3回ノックする

名前を呼ばれたら「はい」と返事をし、面接室のドアの前に立ちます。ノックは3回が基本です。手をグーにして第二関節で「トン・トン・トン」と、面接官にはっきり聞こえる程度の音で叩きましょう。ドアがあらかじめ開いている場合はノック不要です。

なお、集団面接では先頭の人のみノックし、2人目以降はそのまま入室するのがマナーです。

2. 「失礼します」と言ってから入室する

「どうぞ」と声がしたら、ドアを開ける前に「失礼します」とはっきり言ってからドアを開けます。「失礼します」はドアを開ける前に言うのがポイントで、ドアを開けながら言うのはマナーとして雑な印象を与えます。入室したら面接官のほうへ向き直り、軽く会釈をします。

3. 面接官に背中を向けずにドアを閉める

入室後は、面接官に完全に背中を向けない斜めの体勢でドアを閉めます。後ろ手でドアを閉めるのはマナー違反です。両手でドアノブを持ち、音を立てずに静かに閉めましょう。ドアが閉まったことを確認してから面接官のほうに向き直ります。

4. 「よろしくお願いします」と挨拶してお辞儀をする

ドアを閉めたら姿勢を正し、面接官に向かって「本日はよろしくお願いいたします」と言いながらお辞儀をします。お辞儀の角度は30度が目安で、1〜2秒静止してから頭を上げると丁寧に見えます。挨拶とお辞儀は同時でなく「言葉を発してからお辞儀」の順番が基本です。

面接官が複数いる場合は、真ん中の人に視線を向けるのが一般的です。

5. 椅子の横に立って自己紹介をする

指定された椅子の横まで移動して立ちます。面接官から「大学名と名前をお願いします」などと促されたら、「○○大学○○学部の○○と申します。本日はよろしくお願いいたします」とゆっくり落ち着いて名乗りましょう。

6. 促されてから「失礼します」と言って着席する

「どうぞお掛けください」と言われたら、「失礼します」と一礼してから着席します。促される前に勝手に座るのはNGです。着席姿勢は背もたれに寄りかからず浅く腰掛け、背筋を伸ばします。足を組むのは避け、女性は足をそろえて、男性は軽く開いた状態で膝に手を置きましょう。

カバンはイスの横に置き、コートはその上に畳んで乗せます。傘がある場合は、持ち手が面接官のほうを向くようにカバンの横に置きましょう。

面接官が後から入室してくるパターン

企業によっては、応募者が先に面接室に通され、面接官がその後から入室するケースがあります。この場合、面接官が入ってきたタイミングで立ち上がり、「本日はよろしくお願いいたします」と挨拶しながらお辞儀をします。着席している最中に面接官が入ってきても、あわてず立ち上がれば問題ありません。

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面接会場から退室するときの流れとマナー

面接が終わったからといって気を緩めてはいけません。採用担当者の立場から見ると、退室時に態度が崩れる応募者は「入室時のマナーが付け焼刃だった」という印象を与えます。最後まで丁寧に行動することが、面接全体の評価を安定させます。

1. 座ったままでお礼を述べる

面接官から「これで終わりです」と告げられたら、まず座ったままの状態で「本日はお忙しい中ありがとうございました」とお礼を述べて一礼します。面接官が複数いる場合は、全員に視線を向けてお礼を伝えましょう。

2. 立ち上がり、椅子の横でお辞儀をする

立ち上がり、椅子の横に立った状態で「それではよろしくお願いいたします」と言いながらもう一度お辞儀をします。床に置いたカバンとコートを手に取ります。

3. ドアの前で向き直り最後のお辞儀をする

ドアまで歩いたら、面接官のほうに向き直って姿勢を正し、「失礼いたします」と言って最後のお辞儀をします。これが面接官に見せる最後の姿ですので、落ち着いて面接官の顔に視線を送り、丁寧に頭を下げましょう。

4. 静かにドアを閉めて退室する

入室時と同様に、面接官に背中を向けない体勢でドアを開け、部屋の外に出たらドアのほうに向き直って静かにドアを閉めます。面接室の前に関係者がいる場合は、軽くお辞儀をしてその場をすみやかに離れましょう。

退室後〜建物を出るまでも気を抜かない

面接の場は、建物を出るまで続いています。廊下やエレベーターで社員や面接官と鉢合わせることは珍しくなく、採用担当者が退室後の様子を目にすることもあります。

採用現場では、「面接が終わった瞬間に態度が変わった」という印象が選考の判断材料に加わるケースがあります。具体的には、エレベーター前でため息をついたり、廊下でスマートフォンを開いたり、知人への報告電話をかけ始めるといった行動が見られることがあります。スマートフォンやイヤホンは建物を出て距離を取ってから使うようにしましょう。

見送られる場合は、別れ際に姿勢を正してお辞儀をしながらお礼を伝えます。エレベーターまで見送られた場合は、乗り込んだあともドアが閉まるまでお辞儀を続けるのがマナーです。

入退室で失敗してしまったときのリカバリー法

ドアを強く閉めてしまった、ノックを忘れた、荷物を落としたなど、入退室で失敗してしまうことはあります。採用担当者の立場から見ると、失敗の内容より「その後どう対応したか」のほうが印象に残りやすいのが実情です。

失敗した直後に「失礼いたしました」と一言添えて、落ち着いて次の動作に移ればそれで十分です。過度に謝り続けたり、失敗を引きずって表情が暗くなるほうが面接官には気になります。社会人になっても想定外の事態は起きるものであり、「その場で冷静に対処できるか」を無意識に見ていることもあります。深呼吸して気持ちを切り替え、面接本番の質疑応答に集中しましょう。

面接マナー完全ガイド 入退室から服装まで 当日チェックリスト付き

面接の入退室は最初から最後まで評価の一部

入退室のマナーは、覚えるべき手順は多くありません。ポイントを整理すると、「発言は自分から・行動は指示されてから」を意識するだけで大半の場面は対応できます。

面接官が見ているのは手順の完璧さよりも、表情・声・姿勢から伝わる「一緒に働けるか」という印象です。入室で好印象を作ってから面接に入ると、その後の質疑応答でも緊張が和らぎやすくなります。手順を頭に入れたら、声を出して一度練習してみることを採用担当者の立場からもおすすめします。建物を離れるまで気を緩めない意識が、面接全体の評価を底上げします。