派遣社員が履歴書を書く時の疑問を一挙解決
派遣社員が履歴書を書くとき、正社員の転職や新卒とは書き方が異なる部分があります。「派遣元と派遣先はどう書き分ける?」「複数の派遣先がある場合は?」「在職中の書き方は?」など、疑問が多い方も多いのではないでしょうか。
このページでは、派遣社員ならではの履歴書作成のポイントを、正社員との違いの整理から具体的な記入例まで順番に解説します。
履歴書を書くにあたって派遣社員と正社員の違いを知ろう
派遣社員として働いている・または働いた経歴がある人が履歴書を書く際には、まず派遣社員と正社員の違いを理解しておくことが大切です。雇用形態の違いが、そのまま職歴の書き方の違いにつながります。
正社員は企業の正規の社員・派遣社員は派遣会社から企業に派遣されている
正社員は企業・会社と直接雇用契約を結んでいる人材です。一方、派遣社員は派遣会社(派遣元)と雇用契約を結び、派遣先の企業で就業するという形態をとります。つまり、実際に働く場所(派遣先)と、雇用契約を結ぶ会社(派遣元)が異なるのが派遣社員の特徴です。
この雇用形態の違いが、履歴書の書き方に直結します。正社員なら「〇〇株式会社 入社」と1行で書けますが、派遣社員の場合は「派遣元(派遣会社)への登録」と「派遣先(就業先)での就業」を区別して記載する必要があります。
派遣社員には契約期間があり、更新がなければ職場が変わる
登録型派遣の場合、派遣先ごとに契約期間が設けられており、同じ派遣先で長期間勤めるためには企業から契約更新されなければなりません。 そのため、派遣社員のキャリアは「複数の派遣先を渡り歩く」形になりやすく、履歴書に記載する就業先の数が多くなることがあります。
ただし、派遣社員は契約期間が決まっているため、複数の派遣先があっても転職回数が多いと思われることはありません。 正直に記載することが重要です。
派遣の種類によって履歴書の書き方が変わる
一口に「派遣社員」といっても、種類によって書き方が異なります。
| 派遣の種類 | 特徴 | 退職時の書き方 |
|---|---|---|
| 登録型派遣(有期雇用) | 最も一般的。派遣先ごとに契約期間あり | 「派遣期間満了につき退職」 |
| 常用型派遣(無期雇用) | 派遣元と無期雇用契約。正社員・契約社員として登録 | 「派遣期間満了」は使わない |
| 紹介予定派遣 | 直接雇用を前提に一定期間派遣で就業 | 直接雇用に移行した旨を明記 |
派遣社員として働いた経歴は履歴書に記入するべきか
派遣経験は立派な職歴です。派遣社員だけでなく正社員として働いた期間がある場合でも、履歴書の職歴欄に派遣期間を省略して正社員期間だけを記入すると、採用担当者に空白期間があると判断されることがあります。派遣社員・正社員として働いた期間の両方を記入してください。
また、省略することで経歴に空白が生じ、採用担当者に不要な疑念を抱かせるリスクがあるほか、最悪の場合は経歴詐称と判断される可能性もあります。
アルバイト・パート経験は原則として記入不要
アルバイトやパートは一般的に「職歴」とは扱われないため、履歴書への記載は不要です。ただし例外があります。応募する企業の仕事内容とアルバイトの仕事内容が近い場合は、職歴欄にアルバイト経験と業務内容を記入して経験をアピールするとよいでしょう。
短期・単発の派遣経験が多い場合の扱い方
短期・単発の派遣経験は必ずしも記載する必要はありません。ただし、経歴に空白期間があると誤解される可能性がある場合、また継続的に就業していたことをアピールしたい場合は、記載しておくとよいでしょう。
個別の派遣先を省略し「〇社の企業に派遣社員として就業」「短期・単発の〇〇(業務内容)を複数経験」のようにまとめて記載することも可能です。
派遣社員の履歴書の書き方と職歴・在職中・志望動機の記入例
派遣社員の履歴書作成で特に迷いやすいのが「職歴」「在職中の表記」「志望動機」の3つです。それぞれポイントと記入例を解説します。
派遣社員の「職歴」の書き方ポイントと記入例
派遣社員の職歴は次の点を押さえて記入します。
- 派遣元(派遣会社)の会社名と登録年月を記載する
- 派遣先(就業先)の会社名・業種・業務内容を記載する(派遣先であることが分かるよう文頭を1字下げると読みやすい)
- 「入社」「退社」ではなく「就業」「派遣期間満了につき退職」と書く
- 複数の派遣先がある場合、各先ごとに「派遣期間満了につき退職」と書かず、最後にまとめてよい
【記入例①】派遣元1社・派遣先1社の場合
令和○年△月 株式会社●●(派遣元)に登録
令和○年△月 ▲▲株式会社に派遣社員として就業(経理職)
令和○年△月 派遣期間満了につき退職
【記入例②】派遣元1社・派遣先が複数の場合
令和○年△月 株式会社●●(派遣元)に登録
令和○年△月〜令和○年△月 ▲▲株式会社に派遣(一般事務)
令和○年△月〜令和○年△月 ◆◆株式会社に派遣(営業アシスタント)
令和○年△月 派遣期間満了につき退職
【記入例③】守秘義務がある派遣先がある場合
令和○年△月 株式会社●●(派遣元)に登録
令和○年△月 某大手IT会社に派遣社員として就業(業務内容は守秘義務により記載不可)
令和○年△月 派遣期間満了につき退職
守秘義務がある場合は「某○○業界の企業にて○○職として勤務。業務内容は守秘義務により記載不可」などと明記するのが適切です。面接でも話せない場合は、その旨を丁寧に伝えましょう。 守秘義務の有無が不明な場合は必ず派遣元に確認してください。
派遣社員の「在職中」の書き方ポイントと記入例
現在も派遣社員として働きながら次の仕事を探している場合は、職歴欄に「現在在職中」または「現在に至る」と記入します。
「現在在職中」の記入例
令和○年△月 株式会社AB(派遣元)に登録
令和○年△月 CD株式会社に派遣社員として就業(事務職) 現在在職中
「現在に至る」の記入例
令和○年△月 株式会社AB(派遣元)に登録
令和○年△月 CD株式会社に派遣社員として就業(事務職)
現在に至る
以下のツールで、自分の状況に合った職歴の書き方パターンを確認できます。
派遣社員の「志望動機」の書き方ポイントと記入例
派遣社員から正社員を目指している場合の志望動機は、「なぜ正社員を目指すのか」「派遣経験で培ったスキルをどう活かすか」を前向きな言葉で表現することが大切です。「安定しているから」という本音は伝わっても、採用担当者にやる気や向上心は伝わりません。派遣時代の具体的な経験・実績と、応募先企業への貢献イメージをセットで書きましょう。
派遣経験のスキルをアピールする志望動機例
「派遣社員として複数の企業で営業事務・カスタマーサポートに携わり、環境が変わっても素早く対応できる適応力と、Excelを活用したデータ管理スキルを培いました。貴社の〇〇事業において、これまでの経験を即戦力として活かしつつ、正社員として長期的に貢献していきたいと考えております。」
応募先企業の特徴に合わせた志望動機例
「派遣社員として語学スキルを活かした業務に携わる中で、グローバルな環境でのビジネスに強い関心を持ちました。貴社の海外展開プロジェクトに自分の経験とスキルで貢献できると確信し、正社員として腰を据えて取り組みたいと思い応募いたしました。」
派遣社員として働いた詳細は履歴書でなく職務経歴書に記入しよう
派遣社員として多くの現場で経験を積んでいる場合、すべての詳細を履歴書に書こうとすると欄が埋まりすぎて読みにくくなります。履歴書には「派遣会社名・派遣先・期間・満了」の基本情報のみ記載し、詳細な業務内容や実績は職務経歴書にまとめるのが基本です。
「職務経歴書」とは何か、なぜ派遣社員に重要なのか
職務経歴書は社会人としてのキャリアやスキルをアピールする役割を持っています。決まったフォーマットはありませんが、職歴・業務内容・保有資格・成果・自己PRなどをA4用紙1〜3枚程度にまとめます。
派遣社員の場合、履歴書だけでは経験の詳細を伝えるスペースが足りません。プロジェクトの具体的な内容・担当業務の成果・習得したスキルなどは職務経歴書に記載することで、採用担当者に経験値を正しく伝えることができます。
職務経歴書の作り方のコツ
職務経歴書はパソコンでの作成が一般的です。見やすさが最も重要なポイントで、以下の点を意識して作成しましょう。
- 時系列・キャリア別・プロジェクト別など、アピールしたいポイントに合わせた構成にする
- 箇条書きや表を活用して、ひと目で内容が把握できるようにする
- 余白や改行を適切に使い、詰め込みすぎない
- 自己PR欄は応募企業ごとに内容を調整する(使い回しはしない)
派遣社員の履歴書はポイントをおさえた書き方をしよう
派遣社員の履歴書作成で特に注意すべきポイントをまとめます。
- 派遣元と派遣先を明確に区別して記載する:正社員として誤認されないよう「〇〇株式会社に派遣社員として就業」と雇用形態を明記する
- 「入社・退社」ではなく「就業・派遣期間満了につき退職」と書く:正社員の書き方と混同しないよう注意する
- 職歴を省略しない:空白期間と誤解されるリスクがあり、場合によっては経歴詐称と見なされる
- 守秘義務がある派遣先は社名を伏せて記載:「某○○業界の企業」と表記し、守秘義務がある旨を明記する
- 詳細は職務経歴書で補足する:履歴書はシンプルに保ち、業務実績や具体的なスキルは職務経歴書で詳しく伝える
- 嘘は書かない:虚偽の記載は選考通過後に発覚した場合、内定取り消し・解雇につながる可能性がある
派遣社員としての経験は、多様な職場への適応力・即戦力としてのスキルという強みになります。正直かつ具体的に書くことで、採用担当者に自分の実力を正しく伝えましょう。





















