転勤を理由に転職を選んでも大丈夫?体験談7

転勤の辞令を断って転職した人の体験談をご紹介しています。転勤の辞令はある日突然やってきます。心構えはあったとしても、転勤する意味はあるのか考えてしまう人が増えています。これからの人生において、転勤の辞令を理由に転職を選択するのは得策かどうか考えてみませんか。

転勤を理由に転職を選んでも大丈夫?体験談7

転勤をきっかけに転職するのはあり!

会社に入社する時に転勤を受け入れることが条件だったなら、「○○へ転勤してもらいます」と突然言われても従うのがルールです。しかし、近年、仕事とプライベートの調和を大切にするライフワークバランスの概念が叫ばれ、仕事一筋の人生に疑問を投げかけています。

転勤は、子供の転校、妻の仕事キャリアの断念など、自分だけでなく家族の生活スタイルも大きく変えてしまいます。転勤を受け入れることで出世が望める時代ではありませんし、終身雇用の制度も形骸化となっています。自分の仕事がAIに取って代わられる可能性がある今、将来の保証はないに等しいです。

今は昔と比べ、転職がそう難しくはありません。少子高齢化が進み、この先も労働人口が減り続けることが分かっていますので、売り手に風が吹いているのは確かです。労働条件は多少落ちるかも知れませんが、慣れ親しんだ環境に長くとどまり、落ち着いた生活を送りたいと思うのは、近年の傾向と言えます。

転勤をきっかけに転職を考える人が増えているのは、転勤の意味のとらえ方や転勤に対する考え方が変わってきているからです。転勤を命じられて転職を考えたとしても、必要以上に罪悪感や不安を覚えなくても大丈夫です。

転勤をきっかけに転職を選んだ理由

芝生の上に寝そべるスーツ姿の男性

寄せられた体験談で語られた転勤をきっかけに転職を選んだ理由は、「地元に残りたかった」「将来が見えない会社だった」「好きな会社じゃなかった」「他にやりたいことが見つかった」でした。これらは、誰もが少しは心の中に秘めている思いでしょう。

特別な事情でなくても、転職を選んでいいのです。今の仕事にまい進する気持ちが薄れているなら、このまま続けてもいい仕事はできません。それは、会社にとっても自分にとっても不幸な事です。転勤辞令を受けたなら、転職をする理由より、むしろ転勤を受け入れる理由を考えてみるべきです。

転勤を断って転職するならまず冷静になろう

転勤辞令を受け入れる意義が薄れてきているとはいえ、短絡的に転職を決めるのは早計です。3週間後に異動してと言われても、まずは落ち着いて自分の気持ちを整理してください。突然の転勤辞令に動揺し、不安定な気持ちのまま転職を選択しても、いい結果につながりにくいです。

なんだかんだ言っても転職は人生において大きな決断になります。このまま転勤を受け入れて働き続けるメリットは何だろうと、じっくり自分と向き合うのがいいでしょう。もちろん転職が必ず成功するとは限らないことも考慮してください。どちらを選択するにせよ、これまで自身を磨く努力を怠ってきたのなら、どちらも思い通りならないことは言うまでもありません。

転勤をきっかけに転職をした体験談

ここからは、寄せられた転勤をきっかけに転職をした体験談をご紹介していきます。転勤から転職に至った事情がこと細かく分かります。自身の事情と照らし合わせて考えてみてください。

地元に残りたかった

トットちゃん(34歳 事務職)


東京へ転勤

入社して半年が経ったころ、同業者との吸収合併の話が持ち上がりました。私が働いていたところが吸収される形であったため、翌年の1月には東京への転勤を求められました。6月には東京へということだったため、半年後には辞めるか転勤かでした。

考える時間は1ヶ月ほどでしたが、働き始めて間もないこと、地元に残りたいという思いが当時は強かったため、辞める決断をしました。吸収合併のため、元々は転勤などなく異例でした。

5月末に退職をし、そこからすぐに就職活動をしましたが、当時は新卒で入っていたため、年齢的にも若く7月には新しい会社が決まりました。外郭団体への就職だったので、結果的にいい職場に入れて満足でした。

初めての転職活動でどうしようという思いもありましたが、年齢とあくまでも退職理由が会社都合ということをアピールし、プラスに捉えてもらえるように面接に臨みました。

この会社に先はないと思った

とまてぃ(26歳 営業職)


入社1年経ってから転勤の辞令がありました。辞令から実際転勤までは約3週間しかありませんでした。入社前から全国転勤があることは知っていましたが、こんなにタイトなスケジュールだと思ってはいなかったです。

またその転勤転居の際に人事部が社宅の手続きをミスり、働きながら引っ越しの作業もしながら自分たちで物件探しなどに追われて精神的にもきていました。本当に本部の人間は適当なのだなと思い、先が見えなかったので転職を決意しました。

転職したことは後悔していません。転職活動で大変だったことは、SPI(適性検査)を勉強し直さないといけなかったこと、短期間でどれだけの会社と接触できるかという時間との戦いでした。

実家を継ぐ長男だから転勤はできない

エル=ローライト(29歳)


職探しに歩く男性

転職、4回目にしてやっと入れたホワイト企業でしたが、入社2年目で神奈川から長崎に転勤して欲しいと言われました。自分は仕事の要領が悪く足を引っ張っていたタイプでした。上司に逆らう事もしばしばありました。その腹いせだったのでしょうか?私に転勤をして欲しいと言われました。

有余は3週間程だと言われました。求人には転勤無しと書かれていたし、自分は実家を継ぐ長男でしたので、転勤はとてもじゃないけどできないと思いました。仕方が無く3週間の間にハローワークに通い仕事を探すことにしました。

すると、同じような職種があったのでさっそく履歴書を送り面接に行きました。元々、好きじゃない上司だったから、転職をするのも良い機会だと思っていたのは確かでした。面接で転職する事情を話したら面接官はこう言ってくれました。

「神奈川から長崎に転勤はひどいなぁ~キャリアもあるんだから、来週からでもうちで働いてくれるかい?」涙が出るような一言でした。

今は前の会社に比べて給料も上がり、良い転職ができ満足しました。3週間で決めろと言われたのが自分の中でプレッシャーになり、気持ちに余裕が無い事が一番大変でした。

潮時だと思いました

あの(38歳 無職)


アパレル店勤務の時に辞令がありました。その店舗に勤務2年弱経った頃だと思います。もともと地域限定契約で、異動があると言うことは入社前には聞かされていなく、入社後に他の先輩から聞かされました。

なんとなく勤務歴が長くなるごとに転勤の危機は感じていましたが、1か月前には辞令が出て、あまり会社にこだわりがなかったので辞めどきだという思いにしかならず、悩むこともありませんでした。

拒否することもできたのでしょうけど、辞退することはない他のスタッフに代わりに辞令がいくこともわかっていたので、居づらくなる思いもありました。

転職は簡単なものではありませんでしたが、資格がなくても経験を買われる職業だと思っているので、不安はありませんでした。

年に2回の転勤は許容範囲外

しんのす(44歳 営業職)


腕組みする会社員

30歳で入社した会社は、最初は居心地が良く仕事も楽しかったのですが、入社3年目に、本社転勤の辞令が下りてきました。同時に昇進もしたので、気持ち的には悪くありませんでした。

入社前に転勤の可能性は告げられていたので、不満もなく、2か月後には、予定通り本社で勤務していました。そして、本社勤務の2か月後、事件が起きました。

経営の悪化で上層部が入れ替わります。社風がガラッと変わり、リストラと業務負担の拡大で、社員の負担は相当でした。当時、私は尊敬していた部長に、よく愚痴を聞いてもらったのですが、その部長が徐々に鬱になっていく姿は、とても心が痛みました。

そして、私に再度、辞令が下りてきます。もとの支社へ異動です。うっすらと頭にあった退職が、この時に決意が固まりました。30歳で入社することができ、給料も良かった会社ですが、辞めた現在に至っては、もっと早く辞めておくべきだったと感じています。

幸い、退職した私を迎えて入れてくれる付き合いのあった会社がありましたので、その後の転職先には苦労せずに済みました。年収はかなり下がりましたが、居心地の良い会社なので、ここで頑張ってゆきたいと思っています。

転職成功!

キティ(25歳)


私は入社1年もたたないうちに転勤が告げられました。期間も3ヶ月ほどしかなく、もともとその会社に入った決め手が転勤が少ないことだったので、かなり驚き落胆しました。身体的にも精神的にもきつい仕事であり、何より時間が不規則で残業代が出ないのが不満ではありました。

転勤を告げられたときから転職を考え始め、今では時間も規則的でやりがいのある仕事に就けて満足しています。

入社1年目ということもあり、転職活動は不利ではないかと思いましたので、ハローワークに通い、自分の良さを上手く相手に面接で伝えられるよう面接の練習は徹底して行いました。資格は割と持っていた方なので、そこを自分の強みにし、自信を持って転職活動に挑みました。

転職は失敗でした

ヒロ(42歳 販売職)


面接で経験を聞かれる男性

入社5年目に、埼玉県から福島県に転勤を命じられました。辞令があってから転勤までの期間は2週間です。入社面接時に、転居が伴う転勤があると説明があり、自分自身も了承しましたが、転勤の辞令がある前から、法律関係の仕事に興味があり、社会保険労務士の資格取得の勉強をしていたので、思い切って退職して転職することを決めました。

資格も取れて転職活動しましたが、未経験だとなかなか採用して頂けずに苦労しました。当時、29歳でしたが、企業が求めるのは、未経験で資格有りより、経験有りの資格無しの方を求めていると実感しました。

結局、年収が半分程度の企業に就職しましたが、転職をしたことを後悔しています。転職は、経験有りの職種で探すのが一番です。

転勤を理由に転職する人は多い

転勤を言い渡されたら、転職することを選択肢の一つとしても良いでしょう。転勤を断り、転職を決意したことで、それまでより良い環境で働くことができている人も少なくありません。今回体験談を寄せていただいた人のほとんどが、転勤命令を機に転職し、新しい職場に満足しているという意見でした。

転勤に少しでも戸惑いがあるなら、転職の道を選ぶことも新たな道が開けるきっかけになるかもしれません。思い切って行動してみましょう。