ゲーム業界の志望動機の「地に足のついた」書き方ポイント・例文

ゲーム業界の志望動機は、ふわっとしたものが多いとよく言われます。ゲームが好きで熱意のある人が多く志望するのですが、企業については十分に調べずにイメージで作成していることが多いです。地に足のついた志望動機を作成するために必要なことを紹介します。

ゲーム業界の志望動機の「地に足のついた」書き方ポイント・例文

ゲーム業界の志望動機は簡単なようで難しい

最近の就活生の間で、人気が高い業界のひとつがゲーム業界です。スマホなどを使って多くの人がゲームに触れて親しんでいることや、大企業も多くなってきたこともあって、一昔前と比べるとゲーム業界は就職先としても良い印象を持つ人が増えています。

最近の若い人は好きなことを仕事にしたいという傾向が強いこともあり、ゲーム業界への就職を希望する人は後を絶ちません。しかし、実際には非常に狭き門であり、就職できても成功できるかは未知数です。

履歴書などに書くゲーム業界への志望動機は簡単そうですが、実は内定を取れるレベルになると相当難しいと言わざるを得ません。どのような志望動機を作れば良いのか考えてみましょう。

ゲーム業界の志望動機は何故ふわっとした内容が多いと言われるのか

スポーツゲームに夢中になる男性

ゲーム業界の志望動機では、「ふわっとした内容が多い」とよく言われます。これは、「ゲームが好きだから仕事にしたい」という志望動機や、「ゲーム業界ならどこでもいい」という考えで就職活動に臨んでいる人が多いからだと考えられます。

もちろん、こういった志望動機の全てが悪いのではありませんが、企業側としてはしっかりと企業のことを調べた上で入社を希望しているのか疑わしいものが多いと感じています。

どんな企業に対しても言えるような一般的な内容や、ゲームが好きだという自分の事情ばかりを話して企業に関する話が一言もないような内容の志望動機が多いので、地に足のついていない「ふわっとした」印象を与えてしまうのです。

そのような志望動機だと、競争倍率の高いゲーム業界では内定を勝ち取ることは難しいでしょう。地に足のついたゲーム業界の志望動機を作成するためには、企業研究をしっかり行うことが求められます。

ゲーム業界の志望動機で考えなければならない4つのポイント

ゲーム業界の志望動機で考えなければならない4つのポイント

ゲーム業界の志望動機ではどんなことを考えて書けば良いのでしょうか。ここで、ゲーム業界の志望動機で、考えなければならないポイントを確認しましょう。

1.なぜゲーム業界で働こうと思ったのかを明確にする

ゲーム業界の志望動機を考える場合、ゲームを趣味や娯楽としてではなく、どうして仕事にしたいのかについて必ず言葉にしましょう。「ゲームが好きだから」「どんな仕事でもゲームに関わりたい」だけでは説得力がありません。

2.ゲーム業界の志望動機は「ゲーム好き」をメインにすべきではない

ゲームに熱中する女性

ゲーム業界は、特に若い人にとっては親しみのある業界であり、「ゲームが好き」ということで就職を希望する人が多いのが特徴です。しかし、現場の人に言わせると「ゲームが好き」なのは当たり前で、仕事でゲームを扱うことは全くの別物であると言います。そのため、志望動機を考える上では、ゲームが好きは志望動機のメインにするべきではありません。

また、ゲームが好きだとしても、それはどのようなゲームなのか、また企業に関係のある内容なのか、そういった点も考える必要があります。ゲームが好きなことは良いのですが、それは企業が応募者を採用する理由にはならないのです。企業が採用するためには、どういう情報を提供したらいいのかを考えてみる必要があります。

3.ゲーム業界内でなぜその企業を選んだのかを明確にする

ゲーム業界には数多くの企業があり、互いにしのぎを削っています。それは別のいい方をすると、どのゲーム会社も同じではないということです。

自社の特徴に磨きをかけ、他の企業との差別化をはかっていますから、その中で一つの企業を選ぶなら、当然その特徴について知っておかなければなりません。志望動機では企業の特徴と自分との関わりを考えて、入社を希望する理由を語る必要があります。

4.企業に対してどのような貢献が(したい)できるかを語る

企業は営利組織ですから、ただゲームが好きで働いてくれればいいとは考えません。企業は従業員に貢献を求め、組織に対して何をしてくれるのかを知りたいと思っています。ゲームの製作に関わることができるスキルや営業能力、企画力など、自分の特徴から企業へどのような貢献ができるのかを志望動機で語りましょう。

ゲーム業界の志望動機の例文

ゲーム業界の志望動機について、例文を見ながらより具体的にどんな書き方が良いのかを考えてみましょう。ここでは3タイプの例文を紹介していきます。

ゲーム業界の志望動機の例文1

ゲーム業界の志望動機の例文1

私は子供の頃から、ゲームではあまり遊んだことがありません。親がゲームに反対する人で、自分もゲームについてはあまり良い印象はありませんでした。

しかし、高校生くらいになって、最近のゲームはただのエンターテーメントではなく、様々な教育や体験を目的としたものが増えていることを知りました。私もパソコンのタイピングやプログラミングなどを、ゲームを通して学ぶようになり、ゲームに対する偏見が修正できました。

私は室内にこもってゲームをするのはあまり良いとは思いませんが、ゲーミフィケーションによる教育や、様々な体験や娯楽を提供できる可能性に魅力を感じています。貴社の製品は特に知識が学べる専門的な作品が多く、学びながらも職業体験や学習ができる特徴をもっていて、「ゲーム業界ならここしかない」と思いました。

私はゲームを通して、現実の生活が豊かになるお手伝いをしたいです。ゲームの営業や企画を通し、貴社と共に新しい価値を提供していけたらと思います。

例文1の修正点

この志望動機例文は、内容は良いのですが、志望動機を問われていますので、最初に答えるべきことはゲームへの印象ではなく志望動機です。最後にある「ゲームを通して、現実の生活が豊かになるお手伝いをしたい」を冒頭にもってきた方が良いでしょう。

また、全体的に「ゲームが本当に好きなのかわからない」という点が見られるので、できるだけネガティブな情報は伏せておいた方が良いでしょう。志望動機としては良くとも、実際の仕事の段階では製作に携わっている人たちとの衝突が無いかを企業側に心配される可能性があります。

ゲーム業界を選んだ理由や、企業の特徴と自分との関連付けはよくできていますので、志望動機を書く目的や志望動機らしい書き方などに注意しながら修正すると、より魅力的な志望動機になります。

ゲーム業界の志望動機の例文2

ゲーム業界の志望動機の例文2

私が貴社を志望する理由は、ゲーム開発の全てを自社でできるからです。

私は昔から大のゲーム好きで、中学の頃から自作のゲーム作りに励んでいました。そして、良いゲームを作るためには、シナリオライターやプログラマー、グラフィックデザイナー、作曲家など、様々な要素が必要で、そしてそれを総合的に考えることができる演出力が必要だと感じました。

演出を学ぶために、大学在学中は演劇サークルに入り、様々な演劇を見たり行ったりし、脚本や演出も担当しました。

貴社の作品は非常に演出にこだわりがあり、感情移入がスムーズにできると感じています。最新の技術を取り入れてより高い没頭感を生み出している●●は、私が近年プレイしたゲームでも最高の作品だと思っています。

私は貴社がそのような演出力を持つのは、ゲーム開発の要素を全て内製しているからだと思います。私はゲームデザイナーを志望していますが、演出面に磨きをかけ、他社では真似のできないゲームを作っていきたいと考えています。

例文2の修正点

この志望動機の例文では、自分の経験から企業の長所をとりあげて、自分と関連づけています。ゲーム開発を実際にしてきたというアピールは、比較的即戦力も期待されるゲーム業界ではとても有効ですので、もしも入れられるようなら積極的に使っていきましょう。

この例文での修正点としては、ゲーム業界を選んだ理由らしきものが「ゲームが好き」くらいしか見つけられないことです。「演出をしたいならゲームじゃなくても良いのではないか」と思われることもあり得ます。

また、注意しなくてはならないのは、「貴社がそのような演出力を持つのは、ゲーム開発の要素を全て内製しているからだと思います」という内容です。Webサイトなどのインタビューで企業の代表者がそのように話しているなら良いのですが、自分のイメージである場合、違っていたらそれだけで評価を落としてしまいます。

「地に足がついた内容」と、「ふわっとした内容」を分けるのは、事実に基づいた内容なのかということです。イメージばかりで事実と違う内容を主張すると、どんなに聞こえは良くとも企業には良い評価をもらえないので注意してください。

ゲーム業界の志望動機の例文3

ゲーム業界の志望動機の例文3

私が貴社を志望したのは、最新技術を積極的に導入している国内有数の企業だからです。

近年のゲームは、VGやVRなどの映像技術や音声処理技術、またプログラムの高速化やクラウド対応、ネットワーク対応、セキュリティなど様々な技術を必要とする先端技術の集積体だと言っても過言ではありません。私は大学でVRについて学びましたが、その技術を磨きあげ、さらに社会に役立てる上で、ゲーム業界に大きな可能性があると感じましたし、中でも貴社は最新技術の活用に貪欲で、さらにゲームを出発点に、様々なサービスを提供している企業であることに魅力を感じました。

私は貴社のゲームや様々なサービス提供の際の、VRを始めとする映像技術に携わって、より臨場感のある映像をプレイヤーや顧客に提供していきたいと考えています。貴社が世界一の映像技術をもった企業になれるように、私も世界一の技術者を目指して頑張りたいと思います。よろしくお願いします。

例文3のポイント

この例文では、ゲーム技術に焦点があたっており、特に企業に最新技術を求めるという姿勢がハッキリしていることが特徴です。最近の商用ゲームは、最新技術のオンパレードと言っても良いほどに様々な技術が使われています。ゲーム業界が一般的なIT企業や機械メーカーに先んじている部分もあり、それだけ高い技術力を持っていることを評価されるなら、企業にとっても誇らしく嬉しいことでしょう。

さらに、応募者自身の技術面での強みにも触れ、入社後のビジョンとしても技術者として自分を高めて企業に貢献することを明言しており、首尾一貫したわかりやすい志望動機となっています。

ゲーム業界ではゲームそのものや自身のゲーム体験に焦点が当たることが多いですが、だからこそ技術面などに注目してみると、他の応募者とは一線を画す、特徴的な志望動機になって企業の印象に残りやすくなります。

ゲーム業界の志望動機の説得力を高めるためにやっておくと良いこと

ゲーム業界の志望動機の説得力を高めるために、事前に行っておくと良いことを紹介します。ここに挙げたことを実践し、魅力的な志望動機作りに役立てましょう。

業界研究や企業研究を詳細に行う

企業研究を行う就活生

業界研究や企業研究を詳細に行っておくと、それだけ実際の仕事や会社の状況についてイメージがしやすくなりますので、リアリティのある志望動機を作成しやすくなります。

企業のWebサイトはもちろん、採用のためのページや上場している大手ならIR情報などにも有用な情報がたくさんあります。また、リリースしている実際の作品を実際に調べてみて、どのようなゲームが多いのか、どのようにマネタイズしているのかなど考えてみるのも良いでしょう。

インターンシップに参加する

ゲーム業界では、インターンシップ制度を導入している会社も少なくありません。インターンシップを通して実際のゲーム業界の仕事を体験し、ゲーム製作や販売の裏側を知ることができます。「ふわっとした」志望動機ではなく、地に足のついた志望動機を作りたいなら、時間のある時にインターンを探し、応募してみると良いでしょう。

ゲーム業界は楽しいだけでなく、納期を守るために非常にハードなスケジュールで仕事を行うことも少なくない業界です。実際の職場を体験できる経験は、自分のイメージだけで志望することによるミスマッチを減らす点でも重要です。

インターンシップに参加する目的7つを大学生に紹介

実際にゲームの製作に関わってみる

アプリ開発のサイトをPCで開く

最近はゲーム製作用のソフトや無料ツール、教本が充実していますので、実際に自分でゲームを作ってみることも以前と比べると簡単になっています。実際にゲームを製作してみると、どのような仕事が必要で、どういった点に注意が必要なのか、また一人だけで作れるものは少ないなど、具体的な状況や必要とされる能力なども見えてきます。

ゲーム業界は未経験の人でも働ける?

ゲーム業界は未経験の人でも働ける場合があります。特に、エンターテインメント業界に興味がある人や、ゲームが好きな人にとっては、魅力的な職種として認識されていることが多いです。

ただし、ゲーム業界には専門的な知識やスキルが必要な職種もあります。例えば、プログラマーやデザイナーなど、技術的な知識や経験が求められる職種があります。そのため、未経験の人でも入社することができる企業もあれば、事前に学習や研究をしてから応募することが望ましい企業もあります。

また、ゲーム業界は常に進化しているため、常に新しい技術やトレンドに敏感であることが求められます。そのため、自己学習能力や自己開発能力が高い人が求められる傾向にあります。

ゲーム業界で働くためには、自分自身がどのような職種に興味を持っているのか、またその職種に必要なスキルや知識が何かを理解し、努力や学習をしてから挑戦することが大切です。

ゲーム業界の志望動機は企業の事業内容と結びつけて具体的に書こう

ゲーム業界の志望動機

「ふわっとした」志望動機が多いと言われるゲーム業界ですが、自分のイメージばかりで企業そのものに関心が低いため、内容の薄い志望動機になっているケースが多く見られます。

「地に足のついた」志望動機を作成するためには、ゲーム業界やゲーム作品に対する自分のイメージだけでなく「事実を元にした具体性」が大切です。しっかり業界研究や企業研究を行い、確かな事実に基づいて、その企業の事業内容と自分の考えや経験をうまく結びつけながら、志望動機を組み立てていきましょう。