ホテル業界は採用担当者の目を引く志望動機が重要
ホテル業界といえば、サービス業の中のサービス業と言っても過言ではなく、多くの就活生から人気の高い業界です。観光・レジャー産業の中でも、特に洗練された雰囲気や気配りが求められ、海外からの訪日客が増える中で外国語の対応も必要性が増しています。
ハイスペックが要求されるホテル業界では、それだけ優秀な志望者が集まり、人気ホテルになるほど内定を勝ち取るのも簡単ではありません。その中で目を引く志望動機が作れるかどうかは、選考の結果を大きく左右すると言えるでしょう。ホテル業界で効果的な志望動機について考えてみましょう。
ホテル業界の仕事の特徴
「ホテル業界で働く」ということに漠然と憧れを抱いているという人も少なくないですが、ホテルで働くと言ってもその働き方は様々であり、また他の業界や業種には見られないような特徴もあります。ホテル業界の仕事を具体的にイメージし、志望動機に落とし込むことがまず大切です。
ホテルの仕事の種類は様々ある
ホテルで働くと言っても、イメージされるフロント業務やベルボーイ、ドライバー、レストランのフロアスタッフや調理スタッフ、清掃員、ベッドメイク係、経理事務など様々な仕事があり、ホテルそのものが一つのオフィスのように機能しています。その中で自分がどのような仕事を担当したくて志望しているのかを明確に考えることが大切です。
24時間365日ホテルは稼働している
基本的にホテルは24時間、年中無休で営業しているものです。そのため、従業員たちはシフト制の中で仕事をすることになり、休日や祝日も安定しないこともしばしばです。心身ともに負担もある仕事であることを理解しておく必要があり、生半可な気持ちでは務まらないことを覚悟するべきです。
ホテルはお客様が中心になる仕事である
サービス業の中でも、ホテル業界は特にお客様を中心にした仕事運びが求められます。ホテルの役割は、「いかにお客様が良い時間を過ごせるか」を追求することであり、ホテルのスタッフが満足できる仕事をすることではありません。考え方も好みも十人十色のお客様一人ひとりをしっかりと見ながら、最良のサービスを常に求める姿勢が必要です。
ホテル業界の志望動機の書き方例文
ホテル業界の志望動機について、実際に例文で確認してみましょう。まずは良くない志望動機の書き方例文から紹介します。
ホテル業界への志望動機の良くない例文
私が御社を志望した理由は、人に接することが好きで、特に海外の人と多く接することができる仕事であると感じたからです。
日本における訪日客は年々増加しており、日本特有の文化や、高度なサービスを受けることを楽しみにしている人も多いと聞いています。日本のおもてなしの心が海外でも喜ばれていることを非常に誇らしく思いますし、私も日本人としてそのおもてなしの心に磨きをかけ、多くの外国人の方々に日本で良い思い出を作っていただきたいと考えています。
Webサイトを拝見いたしまして、御社でなら、私がやっていきたい仕事ができると感じ、志望するに至りました。どうぞよろしくお願いいたします!
この例文は、実際によくある例です。ホテル業界への就職を希望するにあたって、「人に接することが好き」であることや「海外の人に多く接することができる」ことを理由にする人は多く、それ自体が悪いわけではありません。
ただ、それが言いっぱなしになってしまい、深堀りされていないために伝わるものが弱くなってしまっています。続くエピソードも、聞きかじった情報でしかなく、少しインパクトに欠ける面があります。
また、どうしてホテル業界を選んだのか、このホテルを選んだのかに対する答えも漠然としています。外国人向けのサービス業ならどこででも使えるような内容になっているため、ホテルで働きたいという気持ちが今ひとつ伝わりにくくなってしまっています。
では次に、良い志望動機の書き方例文を確認しましょう。
ホテル業界への志望動機の良い例文
私が御社を志望した理由は、英語力を活かしたおもてなしで、訪日客に素敵な旅行体験を過ごしてほしいと思ったからです。
私の家では、4年に1度、家族で海外旅行に行きますが、いつも旅先のホテルのホスピタリティに感心しています。現地の言葉が話せない地域に行った時もありましたが、日本語で話しかけてもらえただけで急に緊張が解けて楽な気持ちでくつろぐことができました。
世界的に、日本語は難しい言語と言われるからこそ、理解できる英語などの言語でもてなすことで、楽な気持ちになってもらい、旅の時間をより良いものにしてもらいたいと思います。ホテルは旅の拠点であり、旅の中で最も楽な気持ちで過ごせる場所だからこそ、働き甲斐がありますし、御社は海外の旅行者にも配慮した掲示やWebサイト作りなどノウハウが充実しており、魅力的に感じられました。
留学経験で培った英語力で、海外からの訪日客に安心と楽しさに溢れるホテル体験をしていただけるよう頑張りたいです。よろしくお願いいたします。
この例文では、「訪日客へのおもてなし」と「英語力を活かしたい」という二つの動機が軸となってエピソードが展開されています。海外での自分の経験から、理解できる言語の重要性を語っているので説得力がありますし、自身が目指すサービスのあり方が明確に表現されています。
最後に、留学をしていたことにも軽く触れており、英語でのコミュニケーションについて一定以上の能力があることが期待できることも良い評価につながるでしょう。
なお、ホテルを呼ぶ場合も基本的には「貴社」や「御社」と呼んで構いません。会社としてではなく、ホテル単体を指して話す場合には「貴ホテル」という呼び方もできます。
ホテル業界の志望動機を書く時にアピールするべきこと
ホテル業界の志望動機では、アピールするべき項目はほぼ決まっています。志望動機を書く時は、それを外さないようにするのが大切です。
接客業が好きであるということ
ホテル業界は、多くの人と接することが連日休みなく続くことになりますので、接客が好きでなければ務まりません。そのため、接客することが好きであることをしっかり伝えていく必要があります。ただ「人と接するのが好きです」と言うだけでなく、エピソードを通して思いが伝わるように志望動機の書き方を工夫しましょう。
どうしてホテル業界やそのホテルを選んだのか
接客のできるサービス業はたくさんありますが、その中でどうしてホテル業を選んだのかについても説明が必要になります。これもできればエピソードの中で話せると共感してもらいやすくなります。また、数あるホテルの中でどうして志望先のホテルを選んだのかについても志望動機の中で伝えましょう。
ホテルの仕事を通して何を成したいのか
ホテルの仕事はただ機械的にお客様を迎え、もてなすことではありません。ホテルで働くことによってそれ以上の価値を生み出してこそ、ビジネスとしての意味が出てきます。自分がホテルで働きながら、お客様や社会に対してどのような価値を提供したいのか、何を成していきたいのかビジョンを志望動機で表現しましょう。
ホテル業界の志望動機の注意点
ホテル業界の志望動機を書く時には、注意しておくべきポイントもあります。忘れないように、書いている途中で何度か振り返るのがいいのでしょう。
ホテル業界への志望動機では特にビジネスマナーに注意しよう
ホテル業界はサービス業の中でもトップクラスにマナーに注意を払っている業界です。そのため、エントリーシートや面接での志望動機の回答も、ビジネスマナーに則った答え方を意識しましょう。最初に結論を話すことや、明瞭に話すこと、手書きなら丁寧に字を書くことなど、ちょっとしたことにしっかりと気を遣うことが大切です。
ホテル業界への志望動機は汎用的な内容にならないようにする
ホテルには様々な種類のホテルがあり、ホテルによって経営方針もターゲットにしている層も、体験してほしいと思っている時間の形も全然違っています。また、同系列のホテルだとしても、立地などによって性格が異なることがあります。「日本のおもてなしの心を伝えたい」というようなどこにでも使えるような汎用的な内容よりも、より地域やホテルを絞り込んで「尖った」志望動機を作ってこそ担当者の目を引くようになります。
ホテル業界への志望動機では過剰な自己アピールをしない
就活生の中には、外国語ができることをアピールしたいがために「私は大学生の時に英語のスピーチコンテストの関東大会で1位になったことがあります」のようなアピールをしがちですが、求められているのは自己PRではなく志望動機ですので、文脈に合わない過剰なアピールは禁物です。志望動機の中でさりげなくアピールする程度にとどめないと、肝心の志望動機がぼやけてしまいます。
ホテル業界の志望動機はポイントを明確にアピールしよう
ホテル業界は、多くの応募者が競う人気のある業界の一つです。そのため、志望動機を曖昧にしたり、一般的な表現でまとめるだけでは、他の応募者と差別化ができず、採用担当者にアピールすることができません。
そのため、ポイントを明確にアピールすることで、自分自身がこの業界で働くことに熱意や興味を持っていることを伝えることが大切です。明確な志望動機を伝えることで、採用担当者が求める人物像や業務に向き合う姿勢、企業文化への適合性などをアピールすることができます。
また、ホテル業界は、お客様に対して高品質なサービスを提供するために、多様な職種やスキルが必要な業界です。自分がこの業界で働くことに熱意を持っている理由を、具体的なポイントを明確にアピールすることで、自分のスキルや経験を生かし、業務に貢献する姿勢をアピールすることができます。
そのため、ホテル業界に興味を持っている理由を具体的にアピールすることが、志望動機を効果的に伝えることに繋がり、採用担当者にアピールすることができると言えます。