知っておきたい面接応募での電話マナー
WEB応募が一般化した現在でも、面接日程の調整や合否の連絡は電話で行われることが多く、電話のやりとりは就活・転職活動において避けて通れません。メールやSNSに慣れた世代にとって電話は緊張感を伴う場面ですが、採用担当者の立場から見ると、電話のやりとりは応募者の第一印象を形成する重要な機会のひとつです。
「声しか伝わらない電話だからこそ、言葉遣い・テンポ・態度が丸ごと出てしまう」という感覚を多くの採用担当者が持っています。対面面接が始まる前から印象が作られていることを念頭に置いておきましょう。
この記事では、電話をかける場面・受ける場面・折り返す場面ごとに、採用担当者に好印象を与えるためのマナーと会話例をまとめています。
面接をお願いする時の電話マナー

アルバイト応募や面接依頼のために自分から電話をかける場合は、準備から通話終了まで一連のマナーがあります。「とりあえずかけてみよう」で始めると、担当者に連絡内容が伝わらなかったり、肝心な確認事項を聞き忘れたりするリスクが高まります。
電話をかける前に準備すべき4つのもの
以下の4点を手元に揃えてから電話をかけてください。これらがないまま担当者と話し始めると、情報の聞き漏らしや確認不足が起きやすくなります。
電話前に準備すべきもの
- 応募先の求人要項(どの求人への応募かを確認するため)
- メモ用紙と筆記用具(面接日時・場所・持ち物などを記録するため)
- スケジュール帳・カレンダー(日程のダブルブッキングを防ぐため)
- 担当者名のメモ(事前に求人要項で確認できる場合は書き出しておく)
採用担当者の立場から見ると、「どの求人への応募ですか?」と聞いたときに「少し待ってください」と沈黙が続く応募者は、準備不足の印象を与えます。複数の職種を募集している企業への応募では特に注意してください。また、面接日程は頭の中だけで覚えようとせず、必ずメモを取ることが鉄則です。
電話をかけるべき時間帯

電話をかけるタイミングは、準備と同じくらい重要です。相手が忙しい時間帯や営業時間外に電話をかけることは、相手の業務を妨げる行為です。
一般的に電話をかけてよい時間帯は10時〜11時と14時〜15時とされています。始業直後(9時台)・昼休憩(12〜13時)・終業間際(17〜18時)は避けるのがマナーです。
飲食業界の場合はランチタイム(11時半〜13時半)とディナータイム(17時〜20時)が最も忙しい時間帯になるため、この時間は避けてください。また、電話をかける場所も重要で、電波が安定している静かな場所から連絡するのが基本です。電車内や人通りの多い場所からかけると、背景のノイズが気になるだけでなく、「マナーの配慮ができていない」という印象を与えることもあります。
電話でのやりとりの流れと会話例
電話では、まず自分から名乗り、担当者への取り次ぎを依頼します。接続されたら、改めて名乗り直してから用件を伝えます。「今お時間よろしいでしょうか」と一言確認してから本題に入るのが丁寧な対応です。
伝えるべき内容と確認すべき内容は以下のとおりです。
伝える内容
- 自分の名前(所属大学名や現職情報も添えると丁寧)
- どの求人を見ての応募か(媒体名・求人名)
- 応募の意図・要件
確認すべき内容
- 面接の候補日時
- 面接場所・アクセス(初めての企業の場合)
- 持参するもの(履歴書・筆記用具など)
日程については面接候補日をいくつか提示されるケースが多いので、事前にスケジュールを確認しておき、できるだけ1日空けられる日を念頭に置いておきましょう。筆記用具の持参は言われなくても必要なので、確認リストから外して構いません。
重要事項は必ず復唱して確認する

面接日時・場所・持参物など重要な情報は、必ず復唱して確認しましょう。電話では聞き間違いが発生しやすく、思い込みで処理してしまうと当日に問題が起きることがあります。
会話例
担当者「面接は×月×日の17時からはいかがでしょうか」
応募者「×月×日の17時からですね。かしこまりました。何か持参するものはありますか?」
担当者「履歴書と印鑑をお持ちください」
応募者「履歴書と印鑑ですね。かしこまりました。それでは×月×日17時にお伺いします。お忙しいなか、ありがとうございました。失礼いたします」
通話の締めくくりには感謝の言葉を添え、自分から電話を切らずに相手が切るのを待ってから電話を終了させるのがマナーです。相手がまだ話しかけようとした瞬間に通話が切れてしまうことを防ぐためです。
面接の後にかかってくる電話の応対マナー
面接の合否連絡は電話で来ることが多いですが、企業から突然かかってくる電話への対応にもマナーがあります。準備なく電話に出ると、動揺して要点を聞き逃すことも珍しくありません。
電話を受けるときの基本マナー
企業からの電話に出る際の第一声は「はい、〇〇でございます」が基本です。プライベートの電話でよく使う「もしもし」はビジネスの場では不適切とされており、採用担当者から「マナーがない」と判断される可能性があります。
騒がしい場所や電波の悪い場所にいる場合は、「恐れ入りますが、静かな場所に移動しますので少々お待ちいただけますか」と一言断ってから移動しましょう。雑音の中で要件を聞き取ろうとして聞き間違いが生じるよりも、移動を申し出る方が印象は良いです。
電話の内容は必ずメモを取り、重要な情報(日時・場所・指示事項)は復唱して確認してください。あいまいに聞き流すと後で困ります。聞き取れなかった場合は「恐れ入りますが、もう一度お聞かせいただけますか」と丁寧に聞き返して問題ありません。
不合格の連絡を受けたときの対応
不合格の場合は「今回は残念ながらご縁がなかった」という趣旨の言葉を告げられます。ここでふてくされたり怒ったりすることは避け、「お忙しいなか、選考していただきありがとうございました。またの機会があればぜひよろしくお願いいたします」と丁寧に締めくくりましょう。採用業界は意外と狭く、後日同じ担当者と別の文脈で縁がつながることもあります。
採用通知を受けたときに確認すべきこと
採用の電話では、その場で必ず以下の2点を確認してください。
出勤初日の日付と当日の持ち物です。出勤希望日を事前に伝えている場合でも、最終的な日程を口頭で確認して復唱することが大切です。また、入社前に準備が必要なものがある場合は詳しく聞いておきましょう。スケジュール帳をいつも持ち歩いていると、こうした確認がスムーズに進みます。
面接応募での電話の折り返し方マナー

企業から着信があったのに出られなかった場合、折り返しの電話には特に注意が必要です。採用担当者は複数の応募者に連絡している立場であり、折り返しが遅いと「積極性がない」「レスポンスが遅い」という印象を与えることがあります。
折り返すタイミングと時間帯
着信に気づいたら当日中に折り返すのが基本です。ただし、企業の営業時間外(夜間・早朝)は避け、前述の適切な時間帯(10時〜11時、14時〜15時)を意識してください。夕方に着信に気づいた場合でも、18時前であればすぐに折り返すのが望ましいです。
翌日以降の折り返しになる場合も、翌営業日の午前中を目安にします。2〜3日放置することは避けてください。
担当者が不在であれば改めて折り返す旨を伝える
担当者に取り次いでもらえない場合は、そのまま終わらせず折り返す旨を伝えておきましょう。「お忙しいところ失礼いたしました。では、あらためてかけ直させていただきたいのですが、何時ごろがお手すきでしょうか」と次の連絡タイミングを確認しておくとスムーズです。
留守番電話にメッセージが残っていた場合
留守電を確認した後は必ずかけ直してください。「また改めてお電話します」というメッセージが残っていた場合も、受け身で待つのではなく自分からかけ直すのがマナーです。多くの応募者に連絡している担当者は忙しく、折り返し予定を忘れてしまうことがあります。
折り返す際の第一声は「先日お電話いただきました〇〇と申します。先ほどはご連絡に出られず申し訳ありませんでした」と謝罪から入るのが丁寧です。
外出先から折り返す場合もその旨を伝える
電車の中など電話が難しい場所でかかってきた場合は、一度取ってから「申し訳ありません。ただいま外出先でして、折り返しお電話してもよろしいでしょうか」と伝え、適切な場所に移動してからかけ直しましょう。無視して後でかけ直すよりも、一度取って状況を伝えておく方が誠実な印象を与えます。
面接後に電話がかかってこないときの電話マナー

面接後に連絡がない場合、一定期間を過ぎたら自分から問い合わせることができます。問い合わせのタイミングと言い方については注意が必要です。
目安として面接後2週間が経過しても連絡がない場合は、問い合わせても失礼にあたりません。それ以前に「合格の際のみ連絡します」「○週間以内に連絡します」と言われていた場合は、その期限を過ぎてから問い合わせましょう。
繁忙期で連絡に手間取っているかもしれない
担当者が多忙な時期は、採用通知の連絡が後回しになることがあります。1か月以上連絡が来ないケースも稀にあります。問い合わせる際は責める口調にならないよう「その後の選考状況をお確かめしたくご連絡いたしました」程度の表現にとどめましょう。
選考に時間がかかっているかもしれない
応募者数が多い場合や採否の判断に迷いがある場合は、選考結果の確定が遅れることがあります。多くのケースでは面接から2週間以内に結論が出ますが、状況によってはそれ以上かかることも珍しくありません。問い合わせのタイミングとして「面接から○週間が経ちましたが」という事実ベースで伝えると、担当者も対応しやすくなります。
面接の断り方や日程調整の電話マナー
採用辞退や日程変更の連絡は、できるだけ早く行いましょう。決まった後に「やっぱり辞退します」と言うよりも、早めの連絡の方が相手への負担が少なく誠実な印象を与えます。
採用辞退の際は「採用のご連絡をいただきましたこと、誠にありがとうございました。誠に恐縮ではございますが、熟慮の結果、今回は辞退させていただきたく、お電話いたしました」と伝えるのが一般的です。理由を細かく説明する必要はありませんが、感謝の言葉は必ず添えてください。
日程調整の場合は「誠に申し訳ないのですが、その日程ではお伺いが難しい状況でして、もし可能であれば×月×日はいかがでしょうか」と、代替案をセットで伝えると印象がよくなります。変更の連絡だけで終わらず、次の候補を提示することで「対応する意欲がある」という姿勢が伝わります。
よくある質問(FAQ)
企業への折り返しはメールでも大丈夫ですか?
電話での着信に対してメールで返信するのは基本的に避けるべきです。企業側が電話をしてきたのは「電話で話したい内容がある」という意図があるためです。メールで対応すると、相手の意図に沿えていないとして印象が悪くなることがあります。どうしても電話が難しい場合は、メールで「電話に出られず失礼しました。〇時以降でしたらご連絡いただけますでしょうか」と状況を伝える程度に留め、できるだけ電話でのやりとりに移行するようにしましょう。
電話をかけたら担当者名がわからなかった場合はどうすればいい?
留守番電話に担当者名がなく、求人要項にも記載がない場合は「採用担当者様はいらっしゃいますか」と伝えれば問題ありません。取り次いでもらってから担当者の名前を確認し、以後の連絡ではその名前を使うようにしましょう。
聞き取れなかったとき、何度も聞き返しても大丈夫ですか?
必要であれば聞き返して構いません。「恐れ入りますが、もう一度お聞かせいただけますか」と丁寧に伝えればよいです。あいまいなまま理解したふりをして後で間違いが発生する方が、採用担当者の手間を増やすことになります。特に日時・場所・持ち物など重要な情報は、聞き取れたと思っても念のため復唱して確認することをおすすめします。
「了解しました」と「承知しました」は使い分けが必要ですか?
採用担当者への電話では「承知しました」か「かしこまりました」を使うのが正しい敬語です。「了解しました」は同僚や部下に対して使う表現であり、目上の人やビジネスの相手に対して使うと軽い印象を与えます。就活生の電話で「了解しました」を使う人は多く、採用担当者の中には気にする方もいます。意識して言い換えておきましょう。
電話で面接に応募するときでもマナーを大切にしよう
電話での対応は、面接本番が始まる前から採用担当者の印象を形成しています。声のトーン・言葉遣い・準備の有無・折り返しのスピード……こうした要素のすべてが、応募者の人となりを伝えるものです。採用担当者の立場から見ると、電話の段階からスムーズに対応できる人は「仕事の現場でもきちんと連絡が取れる人物」として好印象を持ちます。
今回紹介した時間帯・会話例・折り返しのルールを把握した上で、実際に声に出して練習しておくと当日の緊張が和らぎます。完璧な敬語よりも「誠実に話そうとする姿勢」が伝わることが大切です。



















