サービス残業は当たり前じゃない!違法ということを認識しよう

毎日遅くまで残業しているのに残業代は出ていない、これがサービス残業です。日本ではサービス残業が当たり前のように溢れています。違法性はないのでしょうか?またサービス残業がなくならない理由は何なのでしょうか?詳しく説明します。

サービス残業は当たり前じゃない!違法ということを認識しよう

サービス残業とは労働者が企業に対しサービスで行う残業のこと

既定の労働時間を超えて労働することを残業(または時間外勤務、超過勤務)といいます。残業には大きく分けて2種類あり、1つは労働基準法によって定められた「1日8時間」「週40時間」の範囲を守り、企業の就業規則で定められている所定労働時間を超えて働くこと、これが法定内残業、もう1つは労働基準法によって定められた「1日8時間」「週40時間」を超えて残業すること、これが法定外残業です。

法定内残業の場合、割増賃金は発生しませんが、法定外残業の場合、25%の割増賃金が発生します。そして法定外残業をしているのに割増賃金が支払われず、労働者が企業に対しサービス、つまり無料で残業を行うことをサービス残業と呼んでいます。

サービス残業を強要するのは違法

サービス残業を迫る上司

労働基準法の37条では使用者(企業)が労働者の労働時間を延長し、労働時間外に働かせたり、または休日に労働させた場合において使用者には割増賃金を支払う義務があることを明記しています。これに反した場合の罰則としては、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

ごく当たり前のように毎日サービス残業をしている人も少なくありませんが、サービス残業は決して当たり前ではなく、企業側の明確な違法行為なのです。「サービス残業は違法」ということを企業側はもちろん、労働者側もしっかり認識しなければいけません。

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サービス残業がなくならない理由

違法にもかかわらず、サービス残業がなくならない理由は何なのでしょうか。考えられる理由をいくつか紹介しましょう。

会社側と労働者側、双方のサービス残業に関する認識不足のため

サービス残業がなくならない理由の1つに、会社と労働者双方の認識不足が挙げられます。本来、労働基準法では1日8時間 週40時間を超える労働は残業代を支払ったとしても原則認められていません

喜んで残業する上司

残業が存在するのは使用者と労働者との間でサブロク協定が結ばれているからです。これは、時間外労働に関する労使協定で、企業は労働基準法36条に基づいて法定労働時間を超える時間外労働を社員にさせる場合、労働組合などと書面による協定を結んで労働基準監督署へ届け出ることが義務付けられているというものです。

協定が結ばれると、その契約の範囲内であれば残業させることが認められます。しかし、あくまで原則禁止されているものを使用者、労働者合意で一定時間認めている例外ですから、“サブロク協定があればどこまでも残業していい”ということでは決してありません

ですが、そこを都合の良いように曲解して労働者にサービス残業を強いる企業が後を絶ちません。そしてまた労働者側も、サービス残業は当然だと受け入れてしまっている現状も問題です。さらに、未だに勤勉は美徳という価値観や労働観が蔓延する世の中では、どうしても長時間労働を避けられなくなっています。

能力主義、成果主義を謳う裁量制を採用している企業でも、実際は成果のみで評価していることは稀であり、長時間労働することが美徳と考えている経営陣は多いのです。評価されたい労働者は進んでサービス残業することはあれど、現状に納得いかず自分の意志で変えようとすることはほとんどないのです。

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会社側によるコストカットのため

法律に違反していると知りながら、社員にサービス残業をさせている会社もあります。その理由は社員が無料で会社に対しサービスするというものなので、基本的に会社は残業代を払う必要がなく、コストカットできるからです。社員にサービス残業をさせるこおで、ただで労働力を確保できるのです。

早朝出勤や仕事の持ち帰りもサービス残業になるため

これも認識不足ということにつながってくるかもしれませんが、社員が無意識のうちにサービス残業をしてしまっていることもあります。早朝出勤をしたり、仕事の残りを家に持ち帰ってやるなども残業とみなされます。

サービス残業問題解決のためにできること

サービス残業を繰り返していると疲労やストレスは蓄積し、そのまま放っておくとうつ病などの心の病になってしまったり、最悪の場合、過労死してしまう可能性も。そのような事態を防ぐためにはどうすれば良いのでしょうか。

サービス残業から解放されるにはまず労働基準監督署に相談する

サービス残業から解放されるために取る対策として、まず管轄の労働基準監督署に相談しましょう(匿名でも相談可)。しかし大抵の場合、労働基準監督署はすぐに動いてくれるわけではなく、「まずはご自分で会社に残業代の未払い請求をしてみてください」と言われます。

サービス残業について相談する部下の女性

労働基準監督署がすぐに動いてくれない理由として、労働基準監督署の仕事は違反をしている会社を正すことであり、警察と同様、違反の証拠がなければ動くことができないのです。「あなたが自分で請求⇒会社が支払うことを拒否⇒労働基準法に定められている賃金を未払い」ここで初めて労働基準法違反の疑いが出てくるわけです。請求を自分で行ってようやく労働基準監督署が動くことができるのです。

未払いになっているサービス残業代の請求方法を知り、正しく請求する

サービス残業をすることで未払いになっている残業代を請求する方法は、大きく分けると2つのやり方があります。

1.すべて自分で請求する

お住まいの地域や労働基準監督署の担当の人がどのような人かにもよりますが、大抵は大筋の請求方法は教えてくれるので「あなたが自分で請求⇒会社が支払うことを拒否⇒労働基準法に定められている賃金を未払い⇒法律違反の疑い⇒労働基準監督署の調査」の流れで進めていくのもアリです。請求方法は以下の手順です。

未払い残業代請求の手順

STEP1.残業代を計算する(計算書の作成)
STEP2.インターネットで請求書(内容証明郵便)の作り方を見て雛形を作成する
STEP3.作成した請求書と計算書を郵便局から発送する

この場合のメリットは、労働基準監督署の調査が入り、未払いのサービス残業代を受け取ることが出来た場合、法律事務所など専門家に依頼をすると費用として掛かる分まで全額自分のものとして回収できることです。反対にデメリットとしては、書類作成の手間がかかることです。

2.専門家に依頼する

未払い問題に強い弁護士に依頼することのメリットは、面倒な書類作成を含め、サービス残業代の計算もすべて任せられることです。デメリットとしては、成功報酬として回収額のいくらかを支払わなければならないこと(費用が掛かること)です。どのくらいの費用が掛かるかは専門機関によって各々違いますので利用する時はよく比較の上、決めたほうがいいでしょう。

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サービス残業は違法だという意識を労働者側も強く持つべき

サービス残業は、現代の社会に溢れています。使用者たちの理不尽な言い分や無知のせいもありますが、それを仕方ないと甘んじて受けてしまう労働者側にも問題がないとは言えないのです。

今回紹介したサービス残業がなくならない理由を知ったうえで、辛い状況から脱するための対策を講じましょう。サービス残業は違法だという意識をしっかり持って、声を上げる勇気を持つことが大切です。