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奨学金が返済できないときの対応・奨学金制度のおさらい

奨学金の返済期間や返済額、口座変更や支払いを猶予してもらう方法などを紹介します。第一種の無利子奨学金と第二種の有利子奨学金、それぞれ借りられる金額など奨学金の基本もおさらい。アルバイトで学業ができず退学する学生もいる昨今。どのように奨学金を借りるのが賢い選択なのでしょうか。

奨学金とは学生を対象とした低金利の貸し出し制度

今や、学生の2人に1人が借りている奨学金ですが、奨学金の返済ができず、学業と仕事の両立に苦しみ志半ばで中退する学生も少なくありません。2016年安倍晋三首相が、大学生らを対象とした返済不要の給付型奨学金について、2017年より導入する方針を表明しました。

奨学金とは、経済的に余裕がなく進学が難しい学生を対象として、低金利で資金を貸し出す制度です。奨学金といっても、国や都道府県が行う公的なものから、民間が行うものまで多岐に渡ります。国が主体となっている奨学金制度を設けている団体は、「日本学生支援機構」です。

また、奨学金には返済の必要のない「給付奨学金」と卒業後に返済義務のある「貸与奨学金」があります。返済義務のある貸与奨学金には無利子と有利子があります。

給付型奨学金

給付型奨学金については自治体や企業がやっていることが多く、給付金額や給付条件は異なります。複数の団体から採用をされると、学生生活にかかる金額全て奨学金で賄える可能性もあります。団体から学校あてに募集している場合もあるので、学校に確認してみましょう。

民間の給付型奨学金の一例

・公益財団法人日本国債教育支援協会(JEES)
・公益財団法人電通育英会
・公益財団法人青井奨学会
・一般財団法人ジェイティ奨学財団
・公益社団法人コカ・コーラ教育・環境財団

なお、民間の他に、大学独自で給付型奨学金や特待生などの奨学制度を持つ大学もありますので、志望する大学や学部に奨学金制度が設けられていないか調べてみることをおすすめします。

貸与型奨学金

「日本学生支援機構」を例に挙げて、貸与型奨学金の説明をしましょう。日本学生支援機構は、奨学金貸与事業や、奨学金の貸付事業など、総合的に学生支援事業を行う組織です。返済義務のある貸与型ですが、「第一種奨学金」と「第二種奨学金」があります。その違いは以下の通りです。

第一種奨学金

貸与型で無利子の奨学金です。国公立の学校に通学する場合の奨学金の金額を見てみましょう。

大学

自宅通学:月額30,000円または45,000円
自宅外通学:月額30,000円または51,000円

短期大学

自宅通学:月額30,000円または45,000円
自宅外通学:月額30,000円または51,000円

大学院

自宅通学:月額50,000円または88,000円
自宅外通学:月額80,000円または122,000円

高等専門学校

1~3年生
自宅通学:月額10,000円または21,000円
自宅外通学:月額10,000円または22,500円
4・5年生
自宅通学:月額30,000円または45,000円
自宅外通学:月額30,000円または51,000円

専修学校(専門課程)

自宅通学:月額30,000円または45,000円
自宅外通学:月額30,000円または51,000円

次に、私立の学校に通学する場合の奨学金の金額を見てみましょう。

大学

自宅通学:月額30,000円または54,000円
自宅外通学:月額30,000円または64,000円

短期大学

自宅通学:月額30,000円または53,000円
自宅外通学:月額30,000円または60,000円

高等専門学校

1~3年生
自宅通学:月額10,000円または32,000円
自宅外通学:月額10,000円または35,000円
4・5年生
自宅通学:月額30,000円または53,000円
自宅外通学:月額30,000円または60,000円

専修学校(専門課程)

自宅通学:月額30,000円または53,000円
自宅外通学:月額30,000円または60,000円

大学院の場合は、修士課程と博士課程で奨学金の金額に違いがあります。

大学院

修士課程相当の場合:月額50,000円または88,000円
博士課程相当の場合:月額80,000円または122,000円

採用条件は厳しく、高い学力が必要です。家計収入の上限もあります。ただ、諸条件に当てはまらなくても、震災などで被災した学生など特例が認められる場合は、受けられることがあります。

第二種奨学金

貸与型で有利子(金利・年3%)
ただし在学中は利子が加算されず。卒業後、返済時から加算されます。

学生本人が以下に該当する場合に奨学金が受けられます。

家計収入の上限もありますが、給付型奨学金と大きく異なるのは金利があるということ以外に、金額が月額万、5万、万、10万、12万円から選択できるということです。

有利子なので、自分の卒業時の返済能力をよく考えて金額を決める必要はありますが、実際のところ、経済的に厳しい家庭においては、3万や4万程度の奨学金では焼け石に水状態となる可能性があるため幅広い金額から選択できるのは非常に助かります。

奨学金の返済について知っておきたいこと

奨学金の返済期間はどれくらい?

返済期間については第一種・第二種同様になります。
奨学金の総額と割賦方法に応じて決まり、総額216万円の場合、返済期間は14年(返済回数168回)になります。

奨学金を受けた体験談

私は、受験時の1月、震災により自宅が半壊の被害を受け、特例として私立の入学金と1年分の学費免除、さらに無利子の奨学金を自宅外通学で月額6万円程度(現在では自宅外通学は64,000円)借りることができました。


先日ようやく十数年の月日を経て完済することができましたが、無利子とはいえ長い道のりでした。支払いプランは選べるので月払いを8,000円弱、ボーナス払いを月50,000円×2回という支払い方法を選択していましたが、無利子でもボーナス月など返済は大変なものがありました。

無利子の奨学金でもこのように大変な思いをしているので、有利子の奨学金となるとさらに負担は重くのしかかるのではないでしょうか。

奨学金の繰り上げ返済はできる?

奨学金は借金ですから、繰り上げ返済も当然できます。第二種の場合、有利子ですから、繰り上げ返済することで全体の利息を節約することができます。また、早く返済することにより返済完了時に保証料の一部が戻る場合もあります

第一種の場合は、繰り上げ返済をすることで報奨金がもらえる場合があります。ただ16年度以前に貸与開始した方が対象で、繰り上げ返済した金額の5%が報奨金として支払われるという仕組みとなっています。11年度以前の方は10%になるそうなので、大きいですね。ただ、期間が対象内であっても、奨学金残額によっては報奨金対象とならないことがありますので、注意をしてください。

奨学金の口座変更の方法は?

都合により口座を変更する場合は、日本学生支援機構に連絡をすると、書類を送ってもらえます。手続きは銀行でする必要がありますが、もし遠方にいるなどの理由で銀行に行けない場合、返信用封筒に切手を貼り、書類に印鑑を押し、身分証明のコピーを同封しその旨伝えれば、直接銀行に出向かなくても済む場合もありますので、詳しくは銀行に問い合わせてみてください。

奨学金を親や祖父母が肩代わりすれば贈与税がかかる?

2013年4月にスタートした「子や孫への教育資金の一括贈与制度」が人気を集めています。これは、子や孫へ教育資金を贈与する場合、1,500万円までなら非課税となる制度です。

それを聞いて子供がすでに負っている奨学金を、おじいちゃんおばあちゃんに肩代わりしてもらうことができるのでは?と思う方が多いのではないでしょうか。例えば500万円程度奨学金の残金がある方なら、課税されることなく一括で奨学金を返済してもらえるかもしれないというのは、夢のような話ですね。

ですが実際、残念ながらこの場合は該当しないのです。教育資金の一括贈与制度は、必要な時に教育資金を出せる仕組みであり、奨学金のようにすでに借りている子供の借金を祖父母が肩代わりできるわけではありません

ただし、暦年贈与の年間110万円まで贈与税がかからない贈与は可能ですので、どうしても援助をしたい、あるいはしてもらいたいのであれば相談してみるのも良いのではないでしょうか。まだ奨学金を借りていない場合は、一括贈与制度で奨学金を借りずに祖父母に大学の学費などを出してもらうことは可能です。

対象になるかどうかは、その「支払先」によって異なるため、以下に主なものを記載します。

一括贈与制度の対象となるもの

一括贈与制度の対象とならないもの

奨学金を滞納した場合、返済できない場合

日本学生支援機構で借りた奨学金が返済できないといって無策でいれば、3か月の滞納で年3%から年5%にも延滞金が上乗せされてしまいます。
ただ、督促があったからといって、慌てて消費者金融などで急場をしのごうとしてはいけません。消費者金融は年利5%どころか十桁を余裕で超えてきますので、自転車操業を繰り返して借金が膨れ上がるだけが関の山です。

ではどうするか。

日本学生支援機構には、以下のような制度があります。

「減額返還」:奨学金の月々の返済を半額にする
「返還猶予」:奨学金の月々の返済を待ってもらう
条件:年収300万以下であること

これらの制度の詳細や、申請手順については日本学生支援機構のHPでチェックしてみてください。

奨学金の猶予申請に必要な書類や審査に通る理由の例文

奨学金の返済に困らないよう借りる金額は必要最低限にしよう

とにもかくにも安倍総理が宣言した、返済不要の給付型奨学金が待ち望まれている状況ですが、今後奨学金を借りようと調べている学生の方にとっては、奨学金は大きな希望である反面、今後長く足かせとなっていく重石ともいえます。

奨学金制度利用の際に大切なことは、「自分の返済能力以上の金額を借りない」ということです。そのためにはシビアに金額を算出し、それに応じて生活プランを考える必要があります。「何とかなる」と軽く見てはいけません。

ここで紹介した種類や返済できなかった時の対応方法など奨学金制度に関する知識を一通り頭に入れて、学校卒業後余裕を持って返済していけるような金額を借りるようにしましょう。