自己PRで調整力があることを確実に伝える書き方と例文

自己PRでの調整力というテーマは企業ウケも良いアピールです。しかし、調整力という言葉や、企業のニーズ、アピールの仕方をしっかり考えていないと全く伝わらない独りよがりな内容になってしまいます。調整力があることが伝わり、自己PRが魅力的に見えるにはどうしたら良いか紹介します。

自己PRで調整力があることを確実に伝える書き方と例文

自己PRで「調整力」を使うなら工夫が必要

就職活動の自己PRでは、応募者それぞれが自分の能力や特性をアピールする必要がありますが、その中でも「調整力」を使ったアピールは少し工夫が必要なテーマです。

調整力がビジネスにおいてとても重要な能力であることは疑う余地がありませんが、個人の考えている調整力と企業の求める調整力が違っていたり、またイメージは合っていても自己PRの中で調整力が十分に伝わらないことがあります。調整力を使った自己PRがしっかり相手側に届くように、どのような工夫が必要なのか考えてみましょう。

自己PRしたい「調整力」ってどんな能力?

意見の違う二人に協力を求める男性

改めて「調整力」という能力について考えてみましょう。調整力は当然「調整する力」となりますが、この時の調整とは、「ある目的に向かって関係者の利害を整えて協力させること」だと言うことができます。

ビジネスにおいて求められるのは、「ある目的に向かっていく」調整力であり、その場の人の意見をとりあえずまとめているというのは少し違います。自己PRの視点では、この目的にあたる部分のアピールがないために、本当に調整力があるのかが読み取れないエピソードが多いので注意が必要です。

調整力は「関係者の利害を整え、協力させること」としていますが、目的と利害関係が同じであれば人は互いに協力した方が効率的ですから協力し合います。しかし対立する意見や考えがあると協力がうまくできません。自己PRでは、この対立の構図もうまく描き出して、状況を伝えるように工夫が必要となります。ビジネスにおける調整力の意味をよく考えてみると、それだけでも伝えるべき項目は見えてくるのです。

調整力が企業で求められている理由

新卒でも転職でも、企業は調整力のある人を求めています。その理由を理解しておくと、エピソード選びもより考えやすくなります。

コミュニケーションの多様化とスピードアップが求められているから

昔は物事を調整するとなると、直接会って話すか電話で約束を取り付けていくかしか方法がありませんでした。しかし、現在はコミュニケーションの方法は直接の対話や電話だけでなく、SNSやメールなど様々になっています。多くのコミュニケーションツールを適宜使いこなすことによって、従来よりもずっと早く調整ができるようになっており、古いコミュニケーションスタイルでは調整のスピードが追いつかない場合も多いのです。

一人でできる仕事が減ったから

組織単位で仕事する

昔はひとつの仕事全体を一人の人が受け持つことは決して珍しいことではありませんでしたが、現在は仕事の質や大きさが変わり、多くの関係者の中で仕事をすることが多くなりました。多くの人が参加するほど多くの考え方や利害の衝突が起こりますので、うまく調整して協力し合う体制を作ることが必要になってきています。調整力はリーダーシップのひとつの要素とも言えるでしょう。

自己PRでリーダーシップをアピールするなら周囲との関わりを大切に

自己PRで「調整力」をアピールする例文

調整力をアピールする自己PRの例文を見て細かい部分を確認してみましょう。紹介する例文は3つあります。

「調整力」をアピールする自己PRの例文1

調整力をアピールする自己PRの例文1

私のウリは調整力だと思っています。

中学、高校とバスケットボールをしてきましたが、個人で競うより、チームで目標を達成することにやりがいを感じます。チームプレーがうまく決まって得点をした時は、個人で得点をした時より嬉しさを感じます。

大学では特にアルバイトに注力する中で、バイトリーダーとしてシフトの調整を行ってきました。皆の事情を聞きながら、人数が足りない日は入れる人を探してお願いをして入ってもらうようにしました。その分、余裕のある日には休んでもらうなどバランスを意識してきました。

社会人になれば仕事でたくさんの調整があると思いますが、ひとつひとつしっかりこなして社員の皆さんが気分よくお仕事に打ち込めるよう努力します。

例文1の改善点

調整力をアピールしている自己PRでは、この例文1のようなものを多くみかけます。

最初の段落で、自分のアピールを行っていますが、ここで注意してほしいのは「思っています」という書き方です。謙遜しているつもりだとは思いますが、アピールの場ですので謙遜せずに言い切ってしまう方が評価されます。「思います」は自信がなく見られますので注意しましょう。

続く段落で中学、高校でのバスケットボールの経験を話していますが、調整力というテーマからは関係がない話題です。調整力をチームワークと混同している時に起こりやすいミスです。

大学時代のアルバイト経験から、調整力に関係するエピソードを話していますが、イメージできない内容ではないものの、件の調整力がどのように発揮されているのかわかりません。より具体的な状況の描写を意識する必要があります。

最後の一文も、全体的に調整力に関する具体性がないために、どのようにしっかり調整をこなしてくれるのか今ひとつわかりません。具体性がないまま、体裁だけを整えた自己PRにならないよう気をつけましょう。

「調整力」をアピールする自己PRの例文2

調整力をアピールする自己PRの例文2

私のウリは調整力にあります。

大学時代に行っていたファストフード店で、バイトリーダーとしてシフトの調整を行っていました。年内でも特に忙しいクリスマス時に、学生アルバイトもパートさんもみんな休みの希望を出していて、店舗の人数が不足する事態がありました。

私は店舗のアルバイトスタッフ全員に声をかけて入れる人を探し、それでも不足していたので店長からシフトに入った人に対してボーナス支給の条件を引き出しました。また、他店舗から応援をお願いできないかエリアマネージャーと直接掛け合いました。様々な調整の甲斐あって、何とか人員を確保して忙しいクリスマスの日を乗り切ることができました。

私は調整は人当たりをよくするだけでなく、可能性を考えることだと思っています。仕事で起こる様々な調整も、考えの枠を大きく広げながら対応し、顧客と貴社の利益に貢献していきたく存じます。

例文2のポイント

最初の例を修正して、具体的な内容を多く盛り込んだのが例文2です。

エピソードでは、問題と達成するべき問題が示されており、その解決のために奔走した様子が伝えられています。その結果、人員を確保し忙しい日を乗り切ったという成果も明確で、非常にわかりやすい内容となっています。

最後のまとめでも、調整力を示すだけでなく、調整に対する考え方を示すことで調整力が高いことをアピールすることができています。このような流れの上で、最後の一文を読めば、仕事の中でどのような調整をしてくれるのかイメージしやすいでしょう。

「調整力」をアピールする自己PRの例文3

調整力をアピールする自己PRの例文3

私は周囲の意見を聞き、バランスを取ることができます。

大学生の時に、イベントサークルの副代表をしておりましたが、スキー合宿を行う際に、幹部メンバーの意見が衝突してしまったことがありました。あるメンバーはスキーを中心にしたスポーティなプログラムを提案し、あるメンバーはスキーよりも食事や温泉などを中心に旅行のようなプログラムを提案しました。

私はこうした中で、幹部だけで決定せず、サークル全員からアンケートを取ろうと提案し、どちらもそれなりに人数がいたので、行き先は同じにして、2つの参加スタイルを認めて合宿を行うことになりました。

私はこうしたwin-winになる調整を、仕事の中でも行っていきたいです。調整力に磨きをかけて貴社に貢献して参ります。よろしくお願いします。

例文3の改善点

調整力をアピールする例文ですが、少し気をつけた方が良いのが例文3です。

ポイントは、「調整」についての理解がやや不足しているという点です。エピソードで話されている内容が調整にあたるのか、聞き手によって意見が分かれる可能性があります。アンケートは互いの意見を聞いての提案ではありますが、利害の調整などではない別の選択肢です。結果的にどちらの意見も採用されるようになりましたが、これは調整の結果ではありません。

自己PRで言わんとしていることと、エピソードの内容とに相違がある場合は、どんなに有能だとしても評価は微妙にならざるを得ません。自分が言わんとしていることが、エピソードを通して本当に表現されているのかを必ず確認してください。

自己PRしたいのに「調整力」を台無しにしてしまうのは目的が欠如しているから

目的のための調整

調整力を中心とした自己PRでは、つい「調整をした」というコミュニケーションの部分に話の大部分が流れていきがちですが、実は調整で欠かせないのは「目的」です。

調整は、ある目的に向かって状況を整えていくこととも言えます。とりあえず穏便にまとめることではありません。そのため、目的を示さない、あるいは目的が曖昧なまま調整をした様子を語っていくと、何のための調整だったかがわからなくなってしまいます。

面接では、面接官から後で「何のためにその調整をしたの?」と聞かれる可能性があります。その時に、自分が考えている調整の目的が違っていた場合には、「調整する力が無い」と判断されてしまいます。調整を語るなら、調整に関するエピソードの中で目的に関することが十分に伝わるかどうか、必ず確認するようにしてください。

自己PRの基本的な書き方

自己PRには基本的な書き方がありますので、その方法に則って作成すると読む側も読みやすくなりますし、セルフチェックもしやすくなります。

最初に簡潔に趣旨(結論)を伝える

最初に、簡潔に趣旨(結論)を伝えます。自己PRを問われているので、最初に自己PRの答えになる内容を簡潔に伝えましょう。最後に答えるつもりで、自己PRに該当しないアピールをここで延々と続けると「質問の意図を理解していない」と思われてしまいますので注意してください。

エピソードは問題解決の流れを意識する

趣旨に続いてのエピソードは、ビジネスへ適用できる強みがあることを示すためにも、できるだけ問題解決型のエピソードを選びましょう。結論になっている強みを自慢したり、誰かからそう言われていることを主張するのではなく、エピソードを通し、相手に強みを納得してもらうようにします。

ここで言う問題解決型というのは、問題(課題)が明確にあり、それを解決(達成)したエピソードです。エピソード中には必ず「問題」と「解決のための行動」、そして「得られた結果」を入れるようにします。このようにすることで、仕事におけるあなたの行動や考え方も見えてくるからです。

最後はまとめと貢献意欲をアピール

エピソードの紹介が終わったら、最後は簡潔に内容をまとめ、企業に入って行いたいことを語ります。「ビジョンを語る」と表現されることもありますが、正確には自身のビジョンではなく、「企業や顧客に対する貢献のビジョン」です。

たとえば、「日本でオンリーワンのエンジニアになりたい」ではなく「オンリーワンのエンジニアとして企業の問題解決に貢献したい」とした方が企業の印象は良くなります。

自己PRをなぜ行う必要があるのか

自己PRをなぜ行う必要があるのか

就活で自己PRはなぜ行うのかというと、企業は「一緒に働きたい人」を探しているからです。

「一緒に働きたい人」とは、「企業のことを理解し、企業に貢献しようとしている人」であり、「性格や特徴が企業に合っている人」と言えます。採用担当者個人の単純な好き嫌いではなく、企業という組織としての観点で選考していることを理解する必要があります。

一緒に働きたい人の特徴・ビジネスマンが目指すべき理想像

選考過程で自己PRが必ず出てくるのは、応募者が自分についてアピールする中で、多くの情報を得ることができるからです。企業が何を求めているかをよく考えて、自慢話に終わらないアピールをする必要があります。

すなわち、「企業への理解を示す」必要がありますし、「企業への貢献意欲を示す」必要があります。また「性格や特徴が企業に合っている」ことを示す必要があります。「この企業で働きたいと考えている」ことが本当に伝わるようにするには、こうした条件を満たしていることが必要なのですが、これらを揃えていない「自分語り」の自己PRがあまりにも多いので、自己PRの作成時には注意しなくてはなりません。

自己PRしたい調整力は伝え方を工夫しないと上手く伝わらない

ビジネスの現場では、調整力が問われるシーンも多いため、企業も調整力がある人材を期待しています。就活の自己PRでも、調整力は強力な武器になりますが、伝え方を工夫していかないと上手く伝わらず、さほど評価されません。ポイントをしっかり確認しながら、伝わる自己PRを作成しましょう。