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自己PRで「慎重」をアピールするならポジティブに表現する

自己PRで慎重をアピールする学生は少なくないのですが、その内容や伝え方にネガティブな雰囲気があると、慎重というよりも心配性や消極的という印象になりやすいです。ポジティブで企業に響くアピールをするためのコツをまとめています。

「慎重」なことは就活の自己PRになる?ならない?

就職活動を行う学生にとって、避けては通れないのが自己PR。しかし、自分の強みをアピールするように言われても困ってしまうという就活生は少なくありません。特におとなしいタイプの人にとっては、なかなか表に出せる長所は見つけにくいものです。

おとなしい人の自己PRの項目で多く目にするのが「慎重」というフレーズですが、これは就活の自己PRで使うときにはテクニックが必要な題材になります。企業に響き、社会人としてのポテンシャルを感じさせるような自己PRにするにはどうしたらいいか考えてみましょう。

自己PRの題材にもなる「慎重」とはどのような性質か

「慎重」をアピールする以上は、慎重さがどのような性質を持っているのかよく考えてみる必要があります。ただ「おとなしい」「口数が少ない」「新しいことにチャレンジするのが苦手」というマイナス面を覆い隠すための言葉として使っているようでは、効果的にアピールすることはできません。

慎重というのは、「注意深く、軽々しく行わないこと」を意味します。社会人にもなれば、そのひとつひとつの決定により大きなお金、多くの人が動くということも少なくありません。だからこそ、ひとつひとつの判断、言葉、行動には慎重さが求められるのは間違いありません。

企業は慎重な人を好みます。ただし、慎重のポジティブ面を強調しているのか、それともマイナスイメージを隠すために慎重という言葉を使っているのかは注目して見ていると考えた方が良いでしょう。多くの志望者を毎年見ている採用担当者の目はそうそうごまかせません。

「慎重」という言葉から企業が求めているものをよく考えよう

「慎重」という特性を自己PRするにあたって、学生の多くは「いかに慎重だったか」をアピールします。しかし、就職活動は慎重さコンテストではありませんし、どのくらい慎重なのかについてナンバーワンを決めるような場でもありません。

ですから、「慎重」な性格を自己PRするのであれば、「慎重である」ことに加え、「その慎重さがどのように仕事の中で活かされるか」をアピールする必要があります。慎重さの程度はあまり関係がありません。

企業が求める人材像や、職種上求められる特性などを踏まえて、この人の慎重さはビジネスで活きると感じさせることが大切です。そのためにも、エピソードなどは慎重さによって問題を解決したり、危機を回避できたという内容が好ましいでしょう。

「慎重」をアピールする自己PR例文

実際に「慎重」を打ち出した自己PRの4つの例文を見ながら、受ける印象を確認しましょう。自己PRの各例文で企業に与える印象は違ってくるので、自己PR文を考える際の参考にしてください。

「慎重」を使った自己PR例文1

私の長所は、「失敗やトラブルなどのリスクを考えて行動できるところ」です。

居酒屋のアルバイトをしていましたが、ある時にお店で、ビールの飲み放題を学生が入りやすい夕方早い時間帯だけ導入することが検討されていました。私はその時、店長の提案に他のスタッフたちが賛同する中で、「長時間の滞在や、悪酔いする人が増えて店の雰囲気が悪くなり、後の時間帯に響く」と反対しました。残念ながらその意見は聞き入れられませんでしたが、私の指摘した通りになり、その後は店舗のミーティングで私の意見は尊重されるようになりました。

貴社においても、周囲の意見に流されず、自身の目に映るリスクをしっかり見つめて、物事を慎重に判断していきたいです。社会人としての責任を果たすべく、慎重さを武器にがんばります。よろしくお願いします。

慎重を武器にした自己PRの例文ですが、自己PRの主題を「慎重」とはせずに「リスクを考えて行動できる」にしているところがポイントです。このように絞り込んで表現することで、「融通が利かない」などのネガティブな印象よりも、ポジティブな印象が強く残るようになります。

エピソードでも、周囲に流されずに自分の意見を述べたことを通し、芯のしっかりした人だという印象を与えることができるでしょう。わかりやすくまとまっており、良い自己PRになると思います。

「慎重」を使った自己PR例文2

私の強みは「慎重であること」です。

私は損をしたくない人です。そのため、買い物や旅行の際には、必ず徹底的に調べるという癖があります。しっかり調べれば、より安く、よりよい商品やサービスを受けることができますし、また当日の時間も節約して効率的に動くことができます。そういった性格だったため、学校のゼミでもゼミで旅行やフィールドワークがあれば、調査要員として周囲に頼りにされていました。

この慎重さを活かし、仕事でもできる限り事前に準備をして仕事でも効率を高めていきたいです。よろしくお願いします!

こちらは「慎重」を強みとして取り上げている内容ですが、少し「慎重」のイメージとは離れるかもしれません。この内容なら「計画的」などの表現の方がしっくり来るでしょう。

全体的にアピールとしては悪くないのですが、言葉の選び方に注意が必要です。「徹底的に調べる癖」と言ってしまうと良くないものに聞こえてしまいますので「徹底的に調べる習慣」の方が良いでしょうし、「調査要員」ではなく「事前調査の担当者」などの言い方の方が聞こえが良いでしょう。言葉の選び方で印象は大きく変わりますし、また言葉から見える人間像も変わってきます。

「慎重」を使った自己PR例文3

私は大学時代に、ファストフードのお店でアルバイトをし、キッチンの担当をしていました。

長い時間開いているお店でしたので、シフト制での勤務となっていました。特に朝と昼の需要が高いため、早朝からのシフトの場合には大量の仕込みをこなさなければなりません。私はマニュアルを守り、正確な仕込みをするようにいつも努力していました。できるだけムダを出さないようにすることが大事だと研修でも聞いていたので、その一点に特に注意して行っていたため、他のアルバイトよりも食材のロスが少なく、社員の方からも評価していただいていました。

経理の仕事を志望していますが、慎重にマニュアルを守り、正確な作業を通して貴社に貢献できたらと考えています。よろしくお願いいたします。

こちらも「慎重」を題材にしている自己PRですが、なかなか自己PRの内容が出てこないため、何を話そうとしているのかを読み手は探すことになります。これだけでマイナス評価をされる場合もありますので注意しましょう。

ここでは、しっかり仕事をしている様子は伺えますが、慎重さに該当する特徴を探すのが難しいです。冒頭に「慎重」の表現がないことも合わせて、特徴がつかみにくく、説明で損をしています。

締めでは自身の特徴が仕事でどのように活かせるかをしっかり書いており、仕事で活躍するイメージが持ちやすいだけに、ちょっともったいない内容になっています。

「慎重」を使った自己PR例文4

私の長所は慎重な性格にあります。

私はずっとサッカーをしてきて、ポジションは常にディフェンダーでした。攻撃も好きなのですが、リスクを予測して先回りをして対処するディフェンスが、より性格的に合っていると思います。

高校3年生になり、私がキャプテンとしてディフェンスの中心になってから、チームの失点が1試合平均1.1点下がったと監督が話していました。ディフェンスはボールを取ることではなく、失点のリスクを下げるためにするもの、勝つためにするものだと私は常に周囲に言ってきました。失点を避けるためのリスク管理には周囲との協力が欠かせず、勝つためにはリスクを冒して攻めなければならない時もあります。それをマニュアルではなく、状況に応じて判断することを意識してサッカーをしてきました。

私は培った慎重さを活かして、貴社でも頑張りたいと思います。ルート営業は信頼関係が大事だと言いますので、信頼に関するリスクコントロールをしっかりし、必要な時には積極的に関わるようにもしていけたらと思います。よろしくお願いします。

慎重さを用いた自己PRですが、この自己PRは慎重さにおけるネガティブさを打ち消しているところに特徴があります。慎重な性格が守りに向いていて、危機管理を常に考えられる性質を持っていることに加え、リーダーシップや積極性なども見える内容です。

また、営業で「慎重」という性質はマイナスになる場合も多いのですが、「信頼に関するリスクコントロール」という言葉でうまくまとめており、押したり引いたりを上手に行う営業を行ってくれそうな期待感が持てるようになっています。慎重さ以外にも見どころのある人として評価されることでしょう。

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自己PRしたいあなたの「慎重さ」とは何を意味しますか?

慎重という言葉はやや抽象的な言葉ですので、人によってイメージするものが様々です。だからこそ、自己PRする時は、自分が表現したい「慎重さ」について別の表現でも考えてみましょう。その作業を自己分析にひとつ加えるだけで、自分の慎重さや特性がより具体化されていきます。

よく考えて行動できる

慎重な人の中には、自分の言葉や行動が周囲に影響を与えることを知っているからこそ、軽々しい発言や行動をしない人もいます。よく考えて行動できるという思慮深い人は、管理職や企画職などにおいて非常に有能になれる可能性があります。

リスク管理能力がある

慎重な人は、ある行動や発言から生じる可能性があるリスクに敏感であるとも言えます。リスク管理には、常識や直感、経験など様々な要素が必要ですが、それらを備えているとも考えられます。特に法務や総務などのバックオフィスで働く人に求められる特性です。

落ち着きがある

慎重であることは、一時的な気持ちの高低に流されずに物事を決定したり判断できるという「落ち着き」にも結びつきます。即断即決もひとつの理想ではありますが、考えるべきことに抜けがないか、勢いや感情で物事を決定していないか、落ち着いて判断できる慎重さは大事にしたいものです。

自己PRするときは「慎重」の持つマイナスイメージにも注意

人間の長所の多くは、短所と表裏一体です。そのため、「慎重」をアピールした際には、ネガティブに捉えられてしまう可能性もあります。慎重をアピールする際には、ポジティブな面を強調し、ネガティブな要素はできるだけ回避できるように工夫しましょう。

挑戦心がない

慎重であることは、なかなか新しいことをしないということでもあります。そのため、社内改革などの際には動きが重く、また新しい企画などの提案などに弱い面があるとも考えられます。こうしたネガティブさを出さないためには、「慎重」と表現するよりも「物事を注意深く考えて、計画的に行動する」などと言い換えた方が良いでしょう。

融通が利かない

慎重な人は、時には新しいことに対して頑固、融通が利かないように見える場合もあります。注意深さから多くのリスクが見えてしまうがために、イケイケな人と比較するとなかなか動いてくれないように見えるのです。「慎重」なだけでなく、行動力もあるところもアピールするのが有効です。

消極的である・心配性である

慎重な人というのは、発言や行動が目立ちにくく、また発言なども心配事が主になってくるために「消極的」「心配性」のイメージがつきやすいものです。ネガティブ面に偏らない「視野の広さ」を示すことが、これらのマイナスイメージの回避につながります。

「慎重」を自己PRで用いる際のポイント

慎重は、ネガティブなイメージが見え隠れすることがあるものの、優れた特性であることに間違いはありません。慎重であることを自己PRする場合には、次のような点に注意しましょう。

結論を先に述べる

ビジネス文書では、内容を理解しやすいように結論を先に述べるようにします。その後に続くエピソードで、慎重さが確認でき、かつ問題解決のために慎重さが発揮されている様子を示しましょう。

エピソードは具体的に書く

慎重であることをしっかり伝えるためにも、どのような状況だったのか具体的に説明しましょう。「慎重に判断しました」と言ったから慎重さが伝わるのではありません。慎重という言葉を使わずに、状況や様子などを表現することで、自分の慎重な様子が見えるようにするのが有効です。

慎重さと仕事が紐づくようにする

慎重であることが、仕事において活きるという内容であってこそ企業にとっては魅力的に映ります。慎重であることに加え、仕事にどのように使えるのか具体的にイメージして提案してみましょう。

自己PRで「慎重」を用いるならポジティブに使おう

「慎重」という言葉は、責任感があり、物事に対して注意深く判断し、最善の結果を得るために努力する人物像を表します。この特性をポジティブに使うには、自分自身や周りの人々にとって良い結果を生み出すために、注意深く判断し、行動するという強みをアピールすると良いでしょう。

例えば、自己PRで「私は慎重な性格で、業務においては細心の注意を払って、的確かつ迅速な判断を行います。常に最善の結果を目指し、責任感を持って行動することで、周りの人々から信頼を得てきました。また、単独作業だけでなく、チームプレイやコミュニケーションも大切にしており、協力して目標達成に向けて努めています。」というように、自己の決断力や責任感の強さをアピールしつつ、チームワークも大切にできるという点も加えると、より魅力的な自己PRになるでしょう。