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自己PRの書き出しポイントは短い言葉で言い切るのが理想

自己PRの書き出しは、就活をするときにとても重要なポイントになっています。伝えたい内容を伝えつつ、インパクトある内容にするにはどうしたらよいでしょうか。就活ならではのポイントを踏まえて、自己PRの書き出し作成のノウハウを紹介します。

自己PRの書き出しがわかってくると自己PRが一気に進む

学生が就職活動に臨む際、ほぼ必須課題となっているのが自己PRですが、その自己PRの書き方について悩む人は多いです。自己PRの中でも、特に書き出しの部分、自分はどういう人なのかを述べる部分で悩むという話もよく耳にします。

自己PRは書き出しが決まればそれを足がかりにして一気に進むことも少なくありません。多くの作業が必要な就活の時期、時間を大切にするためにも自己PRの書き出しについて基本的なことを学んでみましょう。

書き出しを考える前に何のための自己PRかを考えて逆算すること

自己PRの書き出しを考える前に、まずどうして自己PRが求められているのかを考えてみてください。エントリーシート(ES)でも面接でも、基本的には採用する企業側とのコミュニケーションです。コミュニケーションの中で何を知りたいと思っているかを理解しなければ、自己本位なアピールで終わってしまいます。

企業が自己PRを求めているのは、「企業にとって価値のある人材か」を知りたいからです。ここで言う「価値がある」というのは、即戦力ということではありません。「一緒に働きたいと思えるか」「周囲によい刺激を与えてくれそうか」「成長したら企業を支えてくれる人になりそうか」など、様々な側面から学生を見ています。

ですから、企業が求めているものを考え、そこから逆算して自己PRを組み立てていく必要があります。すると当然、自己PRの書き出しも、企業が求めている情報から始めるべきだと理解できるでしょう。

自己PRの書き出しで「思います」「言われます」は厳禁

自己PRの書き出しでは、「私はコミュニケーション能力があると思います」という書き出しや、「私は聞き上手だとよく言われます」という書き出しが多く見られます。

しかし、自己PRの書き出しでは、基本的に「思います」「言われます」は厳禁です。その理由は、「自信が無さそう」だからです。自己PRは自分の長所ですから、言い切るくらいに自信があってほしいというのが企業側の本音です。

もしもあなたが、営業マンから「この商品は年に400万円かかりますが、きっとお役に立つと思いますよ」「この商品は年に400万円かかりますが、よくお役に立つと言われています」と営業されたらどうでしょうか。また、「この商品は年に400万円かかりますが、必ずお役に立ちます」と言われたらどうでしょうか。少しでも自信のありそうな最後の例の方が安心するはずです。

企業にとって、新卒の学生は年間400万円の給料とその他の会社の経費を必要とする非常に高い買い物です。それを「~と思う」「~と言われている」と自信のない売り込み方をしてはいけません。相手が決定に不安を持たないよう、言い切りの形で書き出しましょう。

自己PRの書き出し表現のポイント

自己PRの書き出しには、いくつかポイントがあります。一緒に働きたいと思われるように、自分の長所を力強く言い切って表現してみましょう。

短い言葉で言い切る

自己PRの書き出しは、短い言葉で言い切ることが理想です。「私は判断力があります」のように、簡潔に切り出すのが良いでしょう。

「私は様々な事情を踏まえて、正確な判断を下すことができます」というアピールをするとかっこよく聞こえますが、結局「判断力がある」としか聞き手は思いません。また、「様々な事情を踏まえて正確に」判断しているかは、エピソードから根拠があるかを確認する必要があり、その判断をするのは聞き手です。あれこれと修辞をつけるのは、かえって自分の首を締めたり、採用担当者の情報処理を妨げることになるので避けましょう。

わかりやすい言葉で伝える

語彙や知識を見せようと、自己PRの書き出しを難しい言葉や詩的な言葉で伝えるのはよくありません。「私は周囲への気配りを意識できます」ということが言いたいがために、「私は周囲の人の状況や人格を重んじ、配慮ある対応を意識しています」と言ったり、「常に周りがお花畑のような優しい気持ちになれるように配慮しています」という言い回しをしてはいけません。

相手が理解しやすい言葉を選ぶことはその人のサービス精神の表れです。自分の満足で言葉を選ぶと、サービス精神、周囲への奉仕の気持ちが足りない自己中心的な人だという印象を与えてしまいます。わかりやすい言葉で伝えることを意識しましょう。

インパクトのある表現を考える

自己PRを作成する際、相手の状況も考えてみましょう。自己PRを確認する担当者は学生の数だけの自己PRを目にするという状況があることを必ずイメージするようにしてください。

たくさんの文書や話を聞いていると、同じようなものもたくさんあります。率直に言って、飽きてきます。その中で目を引く、インパクトのあるものがあると「おっ!」と興味を引きやすくなります。

そのためにはインパクトのある表現、キャッチ―な表現を考えてみましょう。「私は外国人の友達がたくさんいます」よりも「私は外国人の友達が100人います」の方がインパクトがあります。数字で表現できるものは数字にすると、具体的でインパクトも強くなります。

表現に具体性を補完することを考える

「私は協調性があります」というフレーズでの書き出しは比較的多く見られます。その分、インパクトに欠ける内容になりますので、表現に工夫した方が良いでしょう。また、協調性が意味する所は人によってイメージが違いますので具体性を補完しましょう。

たとえば「私は協調性があり、あだ名が「秘書」です。」なら、協調性のあり方もイメージしやすいのではないでしょうか。上手く相手をサポートしつつ、良い関係を築いてくれそうです。

また、「私はゴマスリの達人です」と切り出すなら、どんな人なんだろうかと気になります。協調性という面でも、周囲の悪口や批判をしないという特性をよく覚えてもらえるでしょう。

自己PRの書き出しの例文

自己PRの書き出しについて例文を示してみます。よくある例文を見ながら、一緒に働きたいと思える人かどうか、受ける印象を考えてみましょう。

例文1.私は忍耐力があります

「私は忍耐力があります」というのもよく使われる言い回しです。「忍耐力」も色々と連想できますので、「最後までやり遂げる力があります」など具体的でわかりやすくすることが大切です。

物事をコツコツと頑張れると言いたい場合は「私は粘り強さに自信があります」の方が伝わりやすいのではないでしょうか。エピソードを伝える際は、伝えたい結論と一貫性があるように気をつけてください。

時折、「私は根性に自信があります」という人もいます。「根性」は「忍耐力」以上にわかりにくい概念ですので、具体性のある書き出しを工夫しましょう。

自己PRで忍耐力をアピールするときの注意点4つと参考例文

例文2.私は笑顔に自信があります

「私は笑顔に自信があります」という切り出しは、女性の自己PRで比較的多く見られるのですが、伝えたいことがどこにあるのかわかりにくいです。一歩間違えば「私は美人です」というアピールにも捉えられかねないので気をつけましょう。就職活動はアイドルやモデルのオーディションではありません。

「笑顔に自信があります」ではなく、「周囲を明るくするために常に笑顔を心がけています」というアピールであれば、献身的な印象を与えることができますし、「相手が気分よく話せるよう笑顔で対応することを意識しています」とアピールするとコミュニケーションが上手な印象を与えることができます。

この例のように、一見、仕事と関係なさそうな自己PRの切り出しをする場合は「一言理由を添える」ようにするとスムーズに伝わるようになります。

自己PRで笑顔が良いことを効果的にアピールする方法

例文3.私は○○の資格を持っています

「私は○○の資格を持っています」という書き出しも多く見られますが、この書き出しの場合はアピールに注意が必要です。「TOEICで○○点を取得しました」も同様です。

NGになるのは、その資格の有用性や価値をアピールする内容です。業務に直接的に関係するような資格だとしても、企業は即戦力を新卒に求めているわけではありませんし、資格についての講釈を求めているのでもありません。「応募者がどんな人か」を知りたいため、アピールの方向がズレています。

アピールの正解は、資格の取得に関する経緯や、その中での苦労などをどのように乗り越えてきたかというプロセスを語ることです。目的をもって努力し、問題を解決していく過程を通して、企業の中で働くイメージが持ちやすいからです。

資格アピールの書き出しでは、あまり工夫の余地がありません。資格の種類によって興味を引けたり、また逆に印象を悪くすることもありますので注意してください。

自己PRの資格アピールは取得だけで満足していないことを示そう

例文4.私は素直だとよく言われます

「私は素直だとよく言われます」という書き出しも多いですが、「言われます」と表現しているのでちょっと頼りない印象を与えてしまいます。

自分の性格上の特徴をアピールする際、客観性をもたせようとして「言われます」を使う場合がありますが、その場合は、「私の強みは素直さです。友人や先生方からもよく素直だと言われます」と分けてアピールしましょう。こうすることで、自分でも自信があり、かつ周囲も認めていることを印象づけることができます。

また、「素直」というのも少し抽象的な言葉です。具体性のある言い方にすることで、興味を引きつけることができます。たとえば、「私は自分が悪い時には迷わず謝ることができます」なら、担当者としても「しっかりした人だ」と好印象を持つでしょう。また、「私は素直さが強みです。教えてもらったことは、まず自分の考えを入れずに実行します」なら、教え甲斐のある人だという印象になるでしょう。

具体性がない表現を使う場合には、言い換えたり、一言添えて方向性や具体性を与えることで、相手にその言わんとすることが正確に伝わるようになります。

自己PRを作成する手順と書き出しとの関係

自己PRの書き出しの受ける印象をより良くするために、自己PRを作成する手順と、書き出しとの関係についても確認しておきましょう。

1.自己分析をする

就職活動における自己分析では、まずは自分の興味関心などからどういう仕事がしたいのか、どの業界で働きたいのかを考えます。

2.企業研究をする

自己分析によって絞り込んだ業界から、自分の働きたい企業を探します。企業の仕事内容や待遇だけでなく、どのような人材を求めているかを考えて、自己PRをするならどういう方向でアピールするのが効果的かよく考えましょう。

3.自己分析をし直す

企業研究で得られた情報を元に、自分をどのようにアピールすると効果的かを良く考えてみます。今度の自己分析では、自己PRにつながるエピソードを自分の経験などから発掘しましょう。

企業によって求める人材像は違いますから、同じ自己PRを使い回すのはできるだけ避けてください。相手に合わせて上手に提案できる人であってこそ、ビジネスマンとしてもポテンシャルが高い人です。

4.自己PRを文章化し校正する

たとえ面接で自己PRが必要になった場合だとしても、まずは一度自分の考えている自己PRの内容を文章化するようにしましょう。文章にすることで、構成上の修正点も見えますし、論理的でないところも見えてきます。

自己PRの場合、構成の基本的なパターンは、「書き出し(結論)」「エピソード(根拠)」「まとめ」の順で伝えていくことです。「まとめ」部分は、内容をまとめて「結論になるアピールを印象づける」と共に、「企業に入ってからのビジョン」を伝えるようにします。

校正をする時は、誤字脱字だけでなく、論理性にも注意します。「書き出し」と「エピソード」までは話が繋がっていても、「まとめ」が飛躍する人もいますし、「書き出し」と「エピソード」の内容が合わないという人もいます。書いたばかりの時は、多少論理性が不足していても頭の中で補完してしまいますので、少し時間を置いてから確認するようにしましょう。

自己PRでは書き出しを含めてネガティブワードは使わない

自己PRの内容に、ネガティブな内容が入っている人もいますが、これは避けるべきです。

自分の良さを売りこむ時に、あえてネガティブな内容を入れる必要はありません。謙虚な人であるほど手放しで自分をアピールすることに違和感を覚えるものですが、自己PRでは謙虚さが自信の無さに見えてしまうことがあり、損にしかなりません。

よく見られるのが、「私は人前で話すのは苦手ですが、話を聞くのは得意です」のような内容です。ここで「人前で話すのは苦手」という内容は、あえて触れる必要がありません。

ネガティブな内容が許されるのは、変化してより良い現状がある場合だけです。

「以前は不摂生によって体重が98kgありましたが、大学4年間を通して68kg、BMIで22にまで下げることができました」というような場合です。ネガティブな状態を先に示すことで、その後の努力や変化した姿がより魅力的に伝わるなら使ってOKです。

ネガティブな内容が入っている場合は、それが何のためにあるのかを必ず自問自答してみてください。その上で、特別な効果がないなら外した方が全体もスッキリしてアピールも効果的になります。

自己PRの書き出しは印象を大きく左右する

自己PRの書き出しは、印象を大きく左右する非常に重要な要素の1つです。最初の数秒でリーダーの注意を引くために、自己PRの書き出しは簡潔で明確である必要があります。自己PRの書き出しは、あなたが誰であり、どのようなスキルや経験を持っているかを伝えるための貴重な機会です。適切な書き出しを行うことで、あなたのプロフェッショナリズムや信頼性をアピールし、求職者としての価値を高めることができます。