履歴書の志望動機で未経験職の場合の書き方を知ろう
労働者の離職率の高さが依然として高い状況が続いていますが、それは業務内容が辛いなどの消極的な理由からではなく、自分がやりたいことを再確認した結果として他の企業に移ることに決めたという積極的な理由のもと、転職を決める方も多いです。そうした方々にとって転職というのは決してマイナスとなることではなくむしろプラスになる行為となるでしょう。
転職するというのは就職活動を再稼働することであって、就職活動には新卒であろうがなかろうが面接を行い企業にとって必要かどうかを見極める試験を受けることになります。その中でも企業が特に気にかけるのが履歴書に書かれる志望動機です。
曖昧な理由をもとに、もしくは仕方なくやっているというという雰囲気で履歴書を書いたり面接に臨んだりしては企業にとっては迷惑なだけです。未経験の仕事に転職する場合は特に大きな難題となりますが、この難題に対してどう対処するかが転職を成功させるためには非常に重要なポイントとなります。
履歴書は自分の歴史の簡易証明書と心得よ
履歴書に書かれている項目を見れば分かるように、自身についての基本情報を書く欄で埋め尽くされています。氏名、生年月日、住所、連絡先はもちろん学歴や職歴、所持している資格などあなたの経緯について詳しい情報を書きます。これはあなたという人物がどういった歴史の中で生きてきたかを証明するものとなります。
志望動機欄は自分の経緯に基づき入社への考えを示すためにある
その中にある志望動機とはいったい何を指すのかといえば、単なる入社への熱意ではなく、今までの経緯を踏まえた入社への考え方を見るための主張として捉えることができます。しかも欄の幅を見る限り、ごく簡単に説明しなければならないことが分かります。
履歴書は簡単に表現したあなたの歴史あるいは証明書です。そのため、志望動機は何らかの裏付けをもって書かれるべきものであって、現状についての説明だけでなく、あなた全体を踏まえてその企業を希望する理由を述べることになります。
未経験職種へ応募する際に気をつけること
転職活動中で、未経験の職種への応募を検討している人もいるでしょう。ここは未経験職種へ応募する際に気をつけたいことを見てみましょう。
未経験職種への応募でもそうでなくても転職理由はきちんと述べよう
転職活動の場合、必ず聞かれるのが転職理由です。これは未経験の職種への転職に限ったことではなく、人材不足が嘆かれる現在において、企業は誰でも歓迎してくれるわけではありません。これがうまく伝えられなければ希望する会社に採用してもらうことは難しくなります。
一方で、未経験者を積極的に応募している企業もあります。中小企業に限らず、どこの会社でも考え方が固まりすぎていた今後の競争に弱気なところがあります。そこで期待されるのが、未経験者ならではの見方や、前職が異業種だからこそできる組み合わせ方です。
未経験可の求人に応募するときは業務内容の確認を忘れてはいけない
最近の求人には「未経験者歓迎」「未経験可」という文字が目立つようになりました。それ自体は求職者にとって非常にありがたいことではあるのですが、未経験というのは職種なのか、それとも業界のことなのかが不明な場合があります。
どっちでも良いと考えている場合もありますが、業界のことを知らない方を雇うということはある種のリスクを負うことになります。異業種の方には通じないやりとりもあり、その業界の常識というものを教えていくために多くの時間がかかるからです。
また、未経験でもできる仕事というのは単純作業のことを指していて、あなたの思い描く希望の仕事は任せてもらえない可能性があります。入社後のミスマッチを防ぐためにも業務内容の確認は丁寧にしておきましょう。
未経験職を目指す人向け・履歴書の志望動機の書き方
志望動機を書く際は、簡単に述べる必要があるとともにわかりやすい言葉で書く必要があります。ここで言う「わかりやすい言葉」というのは、容易な言葉を使うということではなく、読み手が腹の底までストンと落ちるような内容であるということです。
転職の志望動機は過去、現在、未来へと時系列をそろえて書く
転職時の志望動機を述べるコツは、時制を意識することです。過去から未来に至るまでのビジョンを面接官に見せることで論理的な主張をするための枠組みができます。歴史の中身というのは書く本人次第ですが、基本的には仕事の体験談を書くよう意識すると上手くまとまります。
- これまでの経歴と転職に至った理由(過去)
- 志望したのはどういう所にどんなことを思ったからか(現在)
- 入社したらどんなことに力を注いでいきたいのか(未来)
1の経歴と転職の理由の関係性というのはその人の状況を見るための大きな情報となります。どんな職に就いてきて、なぜそのような地位を捨ててまで未経験の職に就こうと思ったのかというのは2で語ることですので簡単に済ませるとよいです。
2の部分が志望動機のメインとなります。結局のところ、自分たちの会社になぜ志望したのかというのが面接官の関心事ですので、現在の情報というのはとりわけ具体的に書くことが重要です。
なお、未経験職に転職する際は、未来の事柄についての内容が魅力的でなければなりません。ここでは決して分かったようなことは言わず、仕事への熱意が感じられるように書き、基礎から学んでいこうという謙虚さをアピールできるとプラス評価につながります。
未経験でも将来を期待させることを志望動機に盛り込みたい
未経験職への転職は企業から求められていることでもあります。それは単なる人材不足からくる苦し紛れの言い訳ではなく、既存事業に新しい見方をしてもらい、改善するか異業種との提携を可能にすることで新しい利益を生み出せる可能性があるからです。
未経験でも社会人としての経験を持っているのであれば、新しい見方ができる可能性は高いでしょう。今まで習慣的に行ってきたことに質問がされるというのは意表を突かれることも多く、そこに新しいビジネスのヒントが眠っている可能性があります。
未経験職への志望動機の書き方例文
今回は製薬会社の営業職からシステムエンジニアに転職することを例に志望動機を考えていきます。まずは悪い例について見ておきましょう。
悪い例
私は以前、製薬会社の営業職に就いており社内のおける業績は大変良かったと自負しております。しかし、医師やお客様のお話を聞いているうちにプログラムを作る重要性に気が付きました。プログラムを作ることに関しては素人の私ですが、貴社のプログラマー教育の制度が募集要項に書いてあり大変驚きました。その教育制度を使い一刻も早く貴社の役に立つプログラマーになりたいと思っております。何卒、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
この志望動機には、なぜ未経験職に挑戦しようと思ったのかということが書かれていません。転職をしなければ達成できなかったことではなく、教育制度ありきで話を進めているだけであり、企業によっては「私たちを踏み台にするつもりなのか」と捉えられることもあります。また未経験職から来たことを武器にして頑張るといった文言が無く、受け身の文章に取られてしまうでしょう。
さらに、この文章からは時系列はできているものの各時制で求められていることが違うため中途半端な文章になっています。まずはその点を改善するところから始めた方が良いでしょう。
良い例
私は製薬会社の営業職に就いておりましたが、医師の方やお客様と話しているうちにプログラムを組む必要性が出てきました。しかし以前勤めていた会社ではプログラムを扱える方がおらず、自身が学ばなくてはなりませんでした。それは今も続いており、JavaやPHPを習得中です。そんな中で見つけた御社の求人広告には、充実した教育制度について書いてあり志望した次第です。また、御社の実績を見たところ大変興味を惹かれる内容があり、是非とも挑戦したいと思いました。前職で50以上の会社とコミュニケーションをとってきた力も取り入れて、御社のプログラマーとして努めたいと考えております。どうかよろしくお願いいたします。
上記の例文は短いながらも内容に一貫性があります。製薬会社ではできなかったことが未経験職ではできる上、教育制度も充実しているし、魅力的な会社がそこにあるから志望したといったというのが見て取れます。さらに、教育制度に甘んじることなく自ら勉強しようという積極性や心構えがあり、成長スピードが速いことが見込まれます。
未経験職への志望動機には、転職理由の中に自発的に動いていく理由や事実があると効果的です。会社が決めてから動くのではなく、自分から何が必要なのかを見つけていくことが成長する鍵になるからです。
履歴書の志望動機は未経験であっても魅力的に書ける
履歴書において、志望動機はとても重要な要素の一つです。志望する企業に対して自分自身の魅力をアピールし、なぜその企業で働きたいのかを伝えることが求められます。未経験の場合でも、志望動機を魅力的に書くことができます。
未経験でも、その企業が持つ魅力や自分自身がその企業で働くことで得られるものを考え、志望動機を綿密に作成することが大切です。また、自分自身の経験やスキルを活かすことができるという点も強調すると良いでしょう。企業にとって、新しい人材を採用することは将来に向けた投資です。未経験でも、自分自身の魅力を伝えることで、企業にとって魅力的な候補者となることができます。
志望動機を魅力的に書くためには、その企業に対するリサーチをしっかり行い、企業のビジョンや事業内容、社風などを理解することが大切です。また、自分自身の将来のビジョンや目標とリンクさせることも、志望動機を魅力的に書くためのポイントです。未経験でも、熱意とアピール力を持って志望動機を書くことで、採用担当者の心をつかむことができます。