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消防士の志望動機は憧れではなく周囲への貢献意欲を書こう

消防士の志望動機では、地方公務員という特性上、周囲に対する貢献意欲を前面に出したアピールにすることが大切です。消防士の仕事をよく理解して、誠実な気持ちで取り組もうとしていることが伝われば良い志望動機を作ることができます。

消防士の志望動機はその人の本気度を示すものにしたい

消防士と言えば、誰でも知っているように火災などの災害現場に駆けつけて脱出が遅れた人を救出したり鎮火などに当たる仕事です。テレビドラマやマンガなどの題材になることも多く、人気の高い仕事で、その消防士をかっこいいと感じて、幼い頃から憧れていたという人も多いです。

しかし、仕事としての消防士は憧れだけでは務まりません。志望動機は自分独自のしっかりとしたものがなければ、その本気度が疑われてしまいかねません。消防士の志望動機の書き方について具体的に考えてみましょう。

消防士の仕事を把握しよう

消防士の仕事というと、火災などの現場に消防車で駆けつけて救出作業や消火作業にあたるものとばかり考えられており、何もない日は特に仕事がないと考えている人も少なくありません。

消防士は平時も消防車両や設備の点検、また緊急時に備えての体力的・技術的な訓練、地域への消防・防災活動の普及や啓蒙、またそれらに伴う様々な事務作業など多くの仕事を抱えています。あくまでメインは消火活動や救急活動ではありますが、多くの仕事によってメインの仕事が支えられているのです。

体力が必要な仕事というのは良く言われていますが、勤務体系も特殊なシフトが組まれたり、署内での寝泊まりなども多くなりますし、過酷な災害の現場などに飛び込む必要があるなど、体力だけではなく精神的にもタフネスが要求される仕事です。甘い気持ちでやり遂げられる仕事ではないことを覚悟し、しっかりした志望動機を作る必要があります。

消防士の志望動機は憧れだけではいけない

危険を顧みず、果敢に火災現場に飛び込んで救出作業にあたる消防士に憧れる人は多いです。実際、そのような姿を見て消防士を志す人は少なくありません。しかし、消防士の志望動機として「憧れ」は非常に危険です。

消防士は地方公務員であることからもわかるように、地域住民に「貢献」することが求められています。「ヒーローに憧れて、自分もヒーローになりたいと思った」というような自分本位の姿勢では認識が甘く、責任感を持って大事な仕事をやり遂げる姿勢が必要なのです。

たとえ志望したきっかけは憧れであっても、それを本気にするためには消防士の仕事についてよく調べ、高い次元での志望動機を作る必要があります。

同様に、「体力に自信があるので」という志望理由も貢献に対する意識がないため落ちてしまう可能性が高まります。

消防士はあくまで「公務員」ですから、公共に利するという姿勢が必要で、実際そこにやりがいを感じている人も多いことを覚えておいてください。

消防士の志望動機の例文

消防士の志望動機の4つの例文を見ながら、細かい点について確認してみましょう。

消防士の志望動機の例文1

私が消防士になりたいと考えたのは、災害で困った人を助けたいと思ったからです。

私が中学生の頃、自宅が火事になったことがありました。私はその時、自室でテレビゲームに興じていて気がつかず、気づいたときには出入口が火で塞がれ、ベランダで震えながら一人救助を待ちました。消防士が駆けつけて救助してくれ、その後手際よく消火活動が行われていくのを見て、どれほど勇気と訓練が必要なのだろうと思いました。それから、私も災害で困った人々を助けたいと思い、志望するようになりました。

事件以降、柔道やハンドボールなどの部活動で体を鍛えてきたので体力には自信があります。よろしくお願いします。

消防士の志望動機の例文1です。

消防士の志望動機では「困った人を助けたい」という内容が多いですが、他の志望者と差をつけようと奇をてらう必要はありません。消防士は人を助ける仕事であり、そのための動機として適切だからです。

具体的に火災で救助された経験から消防士を目指すようになったエピソードが語られていますが、「勇気や訓練」という要素ではなく、「救助されたことによって自分が安心できた」という内容の方が良いでしょう。「困った人を助けたい」動機であるのに「勇気や訓練に感心した」ことがキッカケなのは少しブレがあるからです。

最後に自分の体力面についてもアピールしているのは良いと思います。

消防士の志望動機の例文2

私が消防士になりたいと考えたのは、地元の大事な人々を守りたいと思ったからです。

私自身は火災や大きな災害を経験したことはありませんが、去年発生した大地震のあとに被災地のボランティアに参加しました。そこでは目を覆いたくなるような状況があり、その中でお年寄りや子どもたちが特に暗い顔をしているのを見ました。私が話した中では、物が壊れたことよりも、大事な人を失ったことでショックを受けた人が多くいました。

火災や災害から人々を助け守る仕事は、非常時からの救出だけでなく、人々のその後の生活や人生にも大きな影響を与える大事な仕事なのだと考えます。日々の防災活動や、非常時の対応などを担う消防士は人々を守り、笑顔を守る大事な仕事です。責任感を持って取り組みたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

例文2ではボランティア経験からの志望動機となっています。エピソードの中から、人々を守るというのが単純な人命救助だけではないと考えていることも伺え、消防士の仕事内容についても良く考えていることが伺えます。「責任感」というのもよい印象を与えるフレーズです。

全体的に悪くはないですが、自身に何ができ、どのように貢献するかという部分が無いのが少々もったいないです。誠実で良い印象ではありますが、アピールという面からも再度考えてみるとより良い志望動機になるでしょう。

消防士の志望動機の例文3

私が消防を志望したのは、ドラマに出る消防士のような、危険を顧みず誰かを助けるヒーローになりたいと思ったからです。

私の中のヒーローは、いつも現場主義です。司令室で指示を出すだけのヒーローなんで考えられません。私は50歳になっても現場に出て活動できるように、しっかりと心身を管理し、いつでも出動できるようにしっかり自分を管理したいと思っています。

小学生の時からずっと水泳をしてきて、インターハイでは県で3位の成績も収めました。体力面には自信がありますし、特に泳ぎが必要とされる場面には自信があります。待遇面も安定している消防士は、自己管理もよりしやすく、常に高みを目指したい私としては願ってもない環境だと思っています。

例文3の消防士の志望動機ですが、この志望動機では難しいと思われます。本人の能力や資質に大きな問題がないとしても、自分本位で貢献する姿勢が乏しく見えてしまうからです。

「ヒーローになりたい」という表現が良くないわけではありません。そのヒーロー観が周囲に対して貢献するというものなら大丈夫でしょう。しかし、このエピソードで考えられているヒーローはそれとは異なります。

また、最後に待遇面についても触れていますが、公務員としての待遇に魅力を感じている人が少なくないとは言え、仕事そのものとは直接関係がありません。給与や福利厚生が不足しているために火中に飛び込めないという人はそもそも消防士には向かないと言えます。

消防士の仕事や特性について認識が甘いと、自己本位の志望動機になりやすいので注意しましょう

消防士の志望動機の例文4

私が消防士になりたいと思ったのは、大きな安心を与える仕事だと感じ、それに取り組みたいと思ったからです。

小学生の頃に、私の家の隣の8階建てマンションで大きな火事がありました。私は野次馬の一人として現場をずっと見ていたのですが、消防車の到着から10分ほどで全員が救助されました。最後に出てきたのが独り身の高齢の女性だったのですが、そのおばあちゃんに消防士の方が地元の方言で優しく語りかけていたのが印象的でした。生死を左右する緊急時にはもっと切羽詰った雰囲気で言葉もきつくなるものと思っていましたが、柔和で温かい雰囲気で、安心したのかおばあちゃんからも時折笑顔が見られました。

以降、消防士の仕事では被災者のメンタルのケアも大事だと思うようになりました。私は人を救助するだけでなく、気持ちの上でも安心を与えられる消防士になりたいです。個人でカウンセリングやコーチングの勉強もしているので、仕事の中で活かせたらと思います。

例文4では、志望動機として「大きな安心を与える仕事をしたい」ということが伝えられていますが、エピソードを聞くとその内容が具体的にわかるようになっています。

「8階建て」「10分ほど」など数字が入っていて具体性が感じられますし、また消防士が見せた対応に焦点があるのが独自の視点だと言えるでしょう。一貫して「安心」という軸がしっかりした内容で、最後のカウンセリングやコーチングといった勉強も、この軸の中で消防士になるために準備してきたことを伺わせます。

消防士の仕事を表面的に見るだけでなく、より深く理解し、周囲に与える価値に目を向けた内容は高く評価されるでしょう。

消防士の志望動機作成で問われるエピソードの考え方

消防士を生涯の仕事として希望するなら、消防士になりたい気持ちを余すことなく伝えましょう。消防士の志望動機を作る際には、エピソードをよく考える必要があります。

志望動機は消防士になりたい気持ちに沿ったものにする

エピソードの内容は当然ながら志望動機に沿ったものであることが必要です。志望動機が複数浮かぶという人も多いですが、志望動機として伝える場合には1つに絞り込む方が明確になります。複数述べようとすると全体がバラバラになりやすいので注意しましょう。

消防に関する自分にしかない体験談を中心に書く

エピソードにあたる部分に火災や消防活動に関する情報を詰め込む人がいますが、それでは響く志望動機にはなりにくいです。特に消防士は命をかけて危険に飛び込む必要があるなど、自分の覚悟や決心が情報や知識以上に求められる面があります。自分にしかない体験や決心などをしっかり語れるエピソードを伝えましょう。

消防士としての将来の活躍を期待させるような内容にする

本筋ではなくとも、消防士になった際に活躍が期待できるような情報があれば触れておいた方が良いでしょう。「部活でアメフトをしていた」など体力に関わるものでも良いですし「大学で災害の研究をするゼミだった」などでも良いです。自分のウリになる情報はしっかりアピールしましょう。

地元以外での消防士への就職では地域にも触れた志望動機にしておくのがベター

消防士は地方公務員にあたりますので、自治体ごとに採用試験が行われています。自分に縁がある地域の消防職員になるなら問題はないですが、客観的に縁遠いと見られる地域の消防職員を志望する場合にはその理由についても一言触れておくと良いでしょう。

その際、「住んでみたい地域だったから」というような興味本位の理由や、「地元は競争倍率が高いと聞いていたので」というネガティブな理由はNGとなります。あくまで前向きに、地域としての魅力を語ったり、また地域の消防署で特別に組織されている救助隊に入りたいなどの地域の消防活動特有の事情を動機とするのがベターです。

消防士の志望動機の書き方ポイント

消防士の志望動機をより魅力的に語るために気をつけたいことがあります。消防士の志望動機の書き方についてポイントを整理します。

結論を先にする

就職活動での文書や質問への回答は、いずれも結論を先にして伝えます。結論を先にすることで相手にもわかりやすく、またエピソードを作成する際にも軸がぶれにくくなります。

消防に関するエピソードは具体的に表現する

エピソードは文字数の制限の中で、できるだけ具体的に表現することを考えましょう。「ビルで火災があって」と「12階建てのビルで火災があって」では5文字の違いですが、印象がまるで違うはずです。5W1Hを意識しながら具体的に描写することを心がけましょう。

消防士として自分の貢献できるポイントを考える

志望動機では自分が消防士になりたいという気持ちだけでなく、自分が消防士になったらどのような貢献がしたいのかもアピールしましょう。面接官や採用担当者に対して、就職後の活躍イメージを具体的に想像させる効果があります。

消防士の志望動機は誠実さと貢献意欲がポイント

消防士としての仕事は、人々の生命や財産を守るために、常に危険な状況に直面することがあります。そのため、消防士には高い誠実さが求められます。誠実さとは、正直であること、自分自身や周囲の人々に対して責任を持つこと、そして正しい判断力を持って行動することが必要です。

また、消防士になる動機として、周囲への貢献意欲を示すことも重要です。消防士は、緊急時に迅速かつ適切な対応が求められます。そのため、自分自身が周囲の人々の役に立ち、貢献することができる意識が必要です。また、消防士にはチームワークも求められます。消防士は、チームメンバーと協力して、危険な状況に対処することが必要です。そのため、自分自身が周囲の人々やチームに貢献できるという思いが強くなければ、消防士としての仕事を長期間続けることは難しいかもしれません。

以上のように、消防士には誠実さと貢献意欲が求められます。志望動機を述べる際には、この点を重視し、自分がこれらの要素を持ち合わせていることをアピールすることが望ましいでしょう。