四季報は今も就活のバイブルなのか?現状と最新の活用術

四季報は一昔前まで就活における学生のバイブルであり、企業研究に欠かせない本でした。しかし、いろんな情報がインターネットで手に入る現在、存在価値に疑問を持つ就活生が多くいます。『就職四季報』『会社四季報』などを手に取るかどうか迷っている就活生に、四季報を分かりやすく解説します。

四季報は今も就活のバイブルなのか?現状と最新の活用術

四季報は今も就活生のバイブル?

四季報といえば、東洋経済新報社から出版されている分厚い本『会社四季報』や『就職四季報』をまず思い浮かべる人が多いでしょう。なかでも『就職四季報』は「就活生のバイブル」として、長年就活生に信頼されてきました。

インターネットで大抵の情報が手に入れられるようになった現代においても、『就職四季報』は「就活生のバイブル」たる存在であり続けているのか、これまでの利用のされ方と最新の情報をまとめながら解説します。

四季報とは?

本来「四季報」とは出版形態の一つを示す言葉であり、四半期に一度、つまり1年に4回刊行される出版物をあらわしています。定期的に新しいデータや情報を更新するハンドブックのような存在です。

「四季報」という言葉で多くの人に思い浮かべられるほど、東洋経済新報社の『会社四季報』や『就職四季報』は長年読者の信頼を積み重ね、就活生やビジネスマンにとって馴染みのある存在となっています。

これまでの『会社四季報』の活用のされ方

『会社四季報』とはどのような出版物なのか、従来どのような読者にどのような目的と方法で活用されてきたのかをまとめました。

『会社四季報』とは

『会社四季報』は1936年に東洋経済新報社より創刊されて以来、戦時中の休刊期間を除き3ヵ月に1回の年4回刊行されつづけている出版物です。日本の主な株式上場企業の事業内容や業績動向、財務内容などをコンパクトにまとめた雑誌であり、主に株式投資家に愛読されてきました。高度経済成長下の株式ブームで急激に部数を伸ばしました。

東京株式市場と会社四季報

掲載されている企業は約3,600社です。掲載されている企業のすべて株式は、一般投資家の誰でも売買できる状態となっています。株式上場企業は、投資家のために財政状況などの企業の情報を細かく開示することが義務付けられているので、いずれの企業も平等に同じ項目を公開しています。掲載項目は時代にあわせて積極的に変更が加えられ、誌面の改善が行われてきたことも、読者の支持を得て部数を伸ばしてきた理由の1つといえるでしょう。

『会社四季報』の活用のされ方

グラフを見ながら業績を分析する記者

『会社四季報』は全部で約2,000ページにも及び、一般人には難しい経済用語や株式用語が並んでいます。小さい文字や数字がびっしりと並んだ紙面は、一見するととっつきにくい印象を与えるでしょうが、読み方と活用方法のコツを少し知っておくだけで「読まず嫌い」の苦手意識が消えてその便利さを実感できるでしょう。

誌面において同じ条件で各企業の情報が公開されているという一覧性が、『会社四季報』の1番の特徴であり強みです。また、100人以上の業界専門記者を擁し、公開情報の公平性を保ちながら各記者独自の視点が加えられていることも、読み物としての魅力の1つといえます。

各企業の設立年度から始まり、詳細なプロフィールも紹介されています。2期先まで公表されている業績予想を、株式投資の決断の大きな要素としている投資家も多いです。企業の特色は約40字でわかりやすくまとめられており、投資家だけでなく就活生にとっても有益な情報として重宝されています。

これまでの『就職四季報』の活用のされ方

『就職四季報』とはどのような出版物なのか、従来どのような読者にどのような目的と方法で活用されてきたのかをまとめました。

『就職四季報』とは

『就職四季報』は多角的かつ専門的な視点から企業を研究し、就活生に情報を提供することを目的として1983年に創刊されました。約6,000社に及ぶ企業に独自調査を実施し、掲載料をとらないことで中立かつ客観的な採用情報の掲載を可能にしています。企業が求める人材像をはじめ、採用数や実績校、入社後の給与、離職率まで掲載しています。また、記者の独自コメントは、客観的に各企業の真理をついていると評判です。

就職活動がスタートした若者の多くがとりあえず購入する「就活生のバイブル」として長年信頼を得つづけてきた出版物です。

『就職四季報』の活用のされ方

無人の教室と就職四季報

掲載情報は毎年改善を加えられていますが、大きく分けて下記の4つから構成されています。

『就職四季報』の構成

  1. 最新採用実績校や採用人数などの基本的な「選考データ」
  2. 平均年収や初任給、昇給、海外赴任情報といった「待遇・働きがい」
  3. 新卒3年後離職率や全従業員の離職率、有休消化状況、残業時間といった「働きやすさ」
  4. 特色・記者評価、今後力を入れる事業といった「企業の今とこれから」

掲載企業すべてに平等に設けられている項目であり、各企業ホームページの会社案内に載っていないことも多い貴重な情報です。共通の情報が一冊にまとめられていることで、就活生の企業研究や各社比較の際の大きな助力となっています。

近年は大手上場企業だけでなく、優良・中堅企業に絞った版やインターンシップ版、女子版など特色を打ち出した各種『就職四季報』が刊行されています。求めている情報によって使い分けることで、より的確な情報を得られるでしょう。

最近の四季報の活用方法

現在に至るまで『会社四季報』と『就職四季報』が株式投資家や就活生から信頼を得て活用されてきたことが、よくおわかりいただけたでしょう。

しかし近年は就活生をはじめとする若年層やシニアなど、世代を問わず、インターネットから最新情報を入手することが常識となっています。特に就職活動において、インターネットやSNSで企業やその他の誰かが発信した情報を気軽に素早く得られるようになりました。インターネットを最大限に活用するのは、就職活動をスムーズに進めるうえでも必要なことです。

この項では分厚い出版物である『会社四季報』『就職四季報』が、現在も以前と変わらず価値を保ちつづけているのか、それとも時代に取り残された産物となり果てているのかを検証していきましょう。

オンラインサイトの活用

ラップトップを片手に持って考える女性

時代の流れに順応するべく「会社四季報オンライン」が2013年にオープンしました。日々更新されている最新データの提供に加えて、文書検索や過去の四季報閲覧機能などを擁し、新たな「四季報」の活用のされ方が広がってきています。

オンラインサイトの活用により情報やデータの速報性が上がり、また過去の情報を気軽に閲覧できることで継続的に企業情報を追って判断ができるようになりました。

積極的な情報入手で企業の健全性を判断

近年、誰もがその名を知る大手上場企業においても、経営判断ミスなどのさまざまな要因の積み重ねから財政状況が悪化する事態が多発しています。企業の名前だけで安心して就職できる時代ではなくなったことは確実です。

今こそ多角的な視点から導き出された情報を収集し、それらのデータをもとに就活生自らが各企業の健全性や将来性を判断し、就職活動に臨むことが不可欠となっているのです。そのための判断材料の一つとして、四季報はこれまで以上に活用の幅が広がっているといっても過言ではないでしょう。

社会人にも役立つ四季報

ラップトップで最新情報を見るビジネスマン

『会社四季報』と『就職四季報』の需要は株式投資家や就活生にのみに限られたものではなく、証券会社に勤める人にとっては、経済新聞に加えて四季報を活用することは不可欠でしょう。ただ株価をチェックするだけではなく、専門記者によって入念に調査された株式情報は、証券ビジネスパーソンにとって何より得難い情報となっています。

さらに四季報には、毎日60分ごとに更新される株式情報の速報サービスをはじめとした、企業やビジネスパーソン向けの情報公開があります。取引先の株式動向を逐一確認したり、顧客を分析したりすることができます。各企業のタイムリーな財政の傾向や今後の見通しを確認することは、マーケティング業務などにおいても不可欠です。

四季報をうまく活用して就活を制そう

四季報に開示されている情報を読み込み、各社を比較し、考えてもいなかった企業の存在を知ったり、読み解いたデータをもとに自ら企業を判断したりすることで、他の就活生とは一線を画した深い企業研究ができることでしょう。そしてこれらのデータを読み解き、思考する経験は、一人の人間としてのスキルアップにもつながります。社会人になる練習を、周りの就活生よりも一歩早く始めることになるのです。

企業が発信した会社案内をもとに面接で志望理由を並べるよりも、自然と独自の観点から意見を述べることができ、その態度は採用担当者の目にもきっと届くはずです。インターネットの情報を組み合わせて、今こそ四季報をうまく活用し、厳しい就活戦線を有利に進めてはいかがでしょうか。

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