面接で「えー」「あのー」が出てしまう原因と改善策 フィラー癖診断つき

「えー」「あのー」「そうですね」といったつなぎ言葉(フィラー)が面接で与える印象と、4つの具体的な改善方法を採用担当者の視点で解説。自己チェック診断つき。

面接で「えー」「あのー」が出てしまう原因と改善策 フィラー癖診断つき

面接で「えー」「あのー」「そうですね」が与える印象とは

「えー」「あのー」「えーと」「そうですね……」といった、回答の直前や途中に自然に出てしまうつなぎ言葉を「フィラー(Filler)」または「有声休止」と呼びます。「Fill(詰める)」に由来する英語で、話し手が意識せずに発してしまう無意味な言葉の総称です。

採用現場では、このフィラーが面接官の評価に直接影響することがあります。面接官の立場から見ると、フィラーが多い応募者は「話の内容よりもフィラーの回数しか記憶に残らない」という状況になりやすく、どれほど優れた経験やエピソードを持っていても、それが印象として届かなくなります。

頼りない・自信がなさそうに見える

「えー」「あのー」を大きな声でハキハキと発する人はいません。フィラーはほぼ必ず、弱々しく迷いのある声色で出てきます。声が小さくなること自体もマイナス評価につながりますが、さらにその「間」で発せられる無意味な言葉が、面接官の集中を分散させます。採用担当者の立場では、将来的に社外の顧客や取引先と折衝できる人材かどうかを同時に判断しているため、フィラーの多さは自信のなさとして評価に反映されます。

優柔不断・判断が遅いと受け取られる

面接はキャッチボールです。毎回の質問に「えー……」「そうですね……」と間を置いてから答えると、面接官は「すぐに判断できない人」「考えがまとまっていない人」という印象を持ちます。すべての質問にすらすら答える必要はありませんが、フィラーが癖として定着していると、難しくない質問に対しても「頭の回転が遅い」と見られてしまいます。

不誠実・本音でない印象を与えることもある

フィラーが多い人は、「本心ではないのではないか」「言葉を選んで誤魔化そうとしているのではないか」という疑念を持たれることがあります。特に志望動機や自己PRなど、重要な回答でフィラーが増えると、面接官はその言葉の信頼度を無意識に下げます。話の内容がどれほど良くても、フィラーが多ければ「説得力が薄まる」という結果になりがちです。

面接で「えー」「あのー」が出てしまう3つの原因

フィラーをなくすには、まず自分が「なぜ出してしまうのか」を把握することが先決です。原因によって有効な対策がまったく変わります。

原因1:過度の緊張

フィラーが増える最も多い原因が、緊張です。「良い印象を与えなければ」という意識が強くなるほど、頭が真っ白になりやすく、言葉が出てくる前に「えー」で時間を埋めようとします。普段はスムーズに話せる人が、模擬面接では問題なくても本番でフィラーが急増するのも、この緊張の影響が大半です。

採用担当者から見ると、緊張自体はマイナスではありません。問題はその緊張をフィラーとして表面化させてしまうことです。緊張すると呼吸が浅くなり、声量が落ち、フィラーが出やすい状態が連鎖します。意識的に深呼吸し、声量を確保することが、緊張由来のフィラー対策として有効です。

原因2:回答までの時間稼ぎ

予想していなかった質問や、答えに困る質問が来たとき、無意識に「えー」「そうですね……」と発して間を作ろうとします。質問が聞き取りにくかったり、意図がつかめなかったりする場合も同様です。

面接官の質問を一度で聞き取れなかったからといって評価が下がることはありません。採用現場でも、ビジネスの商談で相手の意図が伝わりにくいことはよくあります。「えー」「あのー」で曖昧につなごうとするよりも、「恐れ入りますが、もう一度ご質問いただけますでしょうか」とはっきり聞き返すほうが、「正確に把握してから話せる人」として好印象になります。

原因3:普段からの口癖

何を話すときにも「えー」「あのー」から始めないと話し出せない癖がついている人がいます。この場合は緊張や準備不足が原因ではなく、日常会話そのものにフィラーが組み込まれているため、面接直前に意識したところで咄嗟には出てきません。深層心理として「えー」と言わなければ面接官の注目を集められないのではという不安があるとも言われますが、実際は逆で、ワンクッションなしにハキハキと話し始めるほうが聞き手は集中して聞いてくれます。

採用担当者が実際に口にする言葉として「面接での話し方は普段の話し方がそのまま出る」があります。就活開始前から口癖に向き合うほど改善効果が出やすく、本番直前に意識し始めても修正が追いつかないことが多いのはこのためです。

あなたのフィラー癖タイプを確認しよう

フィラーが出やすいパターンは人によって異なります。自分のタイプを知ることで、優先すべき対策が明確になります。以下のチェックで確認してみてください。

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フィラー癖 自己チェック診断
5つの質問に答えて、あなたの「えー」癖のタイプを確認します
質問 1 / 5
普段の会話でも「えー」「あのー」がよく出ますか?

面接で「えー」「あのー」をなくす4つの対策

フィラーを完全にゼロにする必要はありません。採用現場においても、会話の自然な流れで一度程度出ることは問題になりません。避けるべきは「回答のたびに必ず入る」「ひとつの回答の中で何度も繰り返す」状態です。以下の対策を自分のタイプに合わせて組み合わせていきましょう。

1.普段の会話から「えー」「あのー」を使わない習慣をつける

面接でフィラーが出る人は、ほぼ例外なく日常会話でも同じ癖を持っています。友人との雑談、ゼミやサークルでの発言、アルバイト中の受け答えなど、あらゆる場面で「えー」「あのー」を使わずに話す意識を持ちましょう。

練習のコツは「まず自分のフィラーの種類を特定する」ことです。「えー」が口癖の人もいれば「あのー」「そうですね」「えーと」とタイプが異なります。自分がどの言葉を使いがちかを把握した上で、その言葉だけを使わないルールを設けると修正しやすくなります。全部を一度に直そうとすると意識が分散して失敗しやすいため、ひとつのフィラーを封じることに集中するのが効果的です。

採用担当者の視点では「就活が本格化してから慌てて直そうとする学生は多いが、短期間での改善は難しい」とされています。フィラー対策は面接解禁の2〜3ヶ月前から始めるのが理想です。

2.模擬面接の様子を録音・録画して客観的に確認する

フィラーを無意識に使っている人は、自覚がないことがほとんどです。自分では流暢に話しているつもりでも、録音を聞き直すと「えー」が頻繁に入っていることがよくあります。スマートフォンのボイスレコーダーで十分なので、一人での練習でも必ず録音を残す習慣をつけましょう。

さらに効果が高いのは、他者に模擬面接を依頼してフィラーの回数をカウントしてもらうことです。採用担当者の立場では「本人が気づいていないフィラーが一番やっかい」です。録音や第三者のフィードバックで初めて自分の癖を認識し、そこから改善がスタートします。

録音を聞くときのポイントは、全体の印象を確認するだけでなく、「1分間に何回フィラーが出ているか」を具体的に数えることです。数を把握することで改善の進捗を測定でき、モチベーションの維持にもつながります。目安として、10分の面接で5回以内であれば印象に残りにくいレベルとされています。

3.沈黙を恐れず、声を発さずに考えをまとめる癖をつける

「沈黙は気まずい」という感覚がフィラーを引き起こす大きな原因のひとつです。しかし、採用現場において2〜3秒の沈黙で評価を下げる面接官はほとんどいません。むしろ、無言のまま落ち着いて考えてから話し出す応募者は「誠実で、考えがまとまっている」という印象を与えます。

実際に感じる沈黙の長さと、面接官が感じる長さは大きく異なります。本人が「4秒間沈黙した」と感じていても、面接官には「1〜2秒」に感じられることが多く、想像するほど目立ちません。フィラーを連発して話し続けるほうが、面接官には「整理されていない話」として聞こえます。

面接官の質問を受けたら、うなずきや「はい」で受け止め、そこから無言で考えをまとめる練習を日頃から積み重ねましょう。声を発さない間は、考えているサインとして面接官に伝わります。

4.面接官の質問を繰り返すか、はっきり聞き返す

「えー」「あのー」の代わりに使える実践的な対応方法として、次の2つがあります。

ひとつは、面接官の質問の核心を自分の言葉で繰り返す方法です。「私の長所についてというと……」「御社を志望した理由についてですが……」のように繰り返すことで、自然に数秒の考える時間が生まれます。ただし毎回同じパターンで繰り返すと機械的に聞こえるため、使い過ぎには注意が必要です。

もうひとつは、はっきり聞き返すことです。質問が聞き取れなかったり、意図がつかめなかったりした場合に「恐れ入りますが、ご質問内容をもう一度お願いできますでしょうか」「つまり、○○というご質問でしょうか」と確認することは、ビジネスシーンとして自然な対応です。採用側の立場では「フィラーで誤魔化しながら的外れな答えを続けるよりも、一度聞き返して正確に答えてくれる人のほうが信頼できる」というのが共通した評価です。質問を聞き返したことで不合格になることは、まずありません。

面接にふさわしい「えー」を使わない受け答えとは

面接ではハキハキと大きな声で受け答えすることが基本です。答える前にどうしてもワンクッション置きたい場合は、「えー」「あのー」ではなく、大きな声で「はい。私の場合は……」と言うようにしましょう。

面接官の質問に対してハキハキと「はい」と答えることで、印象が悪くなることはありません。むしろ「人の話を落ち着いて聞いて、すぐに受け止められる人」という好印象を持つ面接官も多くいます。理解できない質問や答えがすぐに出てこない質問のときは、はっきりと聞き返すことで「知ったかぶりをしない素直な性格で、問題をすぐに解決しようとする積極的な姿勢のある人物」という評価につながります。

採用担当者から見ると、面接でのコミュニケーション能力は「答えの質だけでなく、答え方のプロセス」でも測られます。フィラーで誤魔化すよりも、はっきりと確認して正確に答えるほうが、採用側が入社後のコミュニケーションを想像したときにもポジティブな印象を与えます。

オンライン面接(Web面接)では特にフィラーに注意が必要

現在、多くの企業が一次・二次面接をオンラインで実施しています。Web面接特有の事情として、フィラーが対面よりも際立って伝わりやすい点があります。

マイクは声のすべてを拾います。対面であれば空間に多少の音が溶け込みますが、Web面接では「えー」「あのー」がスピーカーからダイレクトに相手に届くため、フィラーの存在感が増幅されます。また、通信の微小な遅延によって自分のフィラーが相手の言葉と重なるタイミングが生じやすく、会話のリズムが崩れる原因にもなります。

Web面接を控えている場合は、録音だけでなく動画撮影で音声もあわせて確認しておくことを強くおすすめします。面接官の立場からは「Web面接では声の印象がより重要で、フィラーが多いとそれだけで話の内容への集中が途切れてしまう」という指摘が多く聞かれます。対面以上に音声への意識が必要です。

面接での「えー」対策 よくある質問

Q. 沈黙してしまうと、やる気がないと思われませんか?

A. 2〜3秒程度の沈黙は、やる気のなさとは受け取られません。むしろ「しっかり考えてから話す人」という印象を与えます。採用担当者が気にするのは「何を話しているかわからない状態が続くこと」であり、フィラーを連発しながら話し続ける状態のほうが沈黙よりも評価を下げます。答えに詰まったときは「少し考えさせてください」と一言添えることも選択肢のひとつです。

Q. 一度も「えー」を言わないほうがいいですか?

A. 完全にゼロにする必要はありません。想定外の質問が来たとき、自然な流れで一度出る程度は問題になりません。採用担当者が問題視するのは「毎回の回答前に必ず入る」「ひとつの回答の中で何度も繰り返す」状態です。目安として、10分の面接全体で5回以内であれば印象として残りにくいとされています。

Q. 口癖を直すのにどのくらいの期間が必要ですか?

A. 個人差がありますが、日常会話から意識的に取り組んだ場合、2〜4週間で変化を実感できることが多いとされています。本番面接の1〜2ヶ月前から練習を始めることが理想です。週に一度録音チェックをしてフィラーの回数が減っているかを確認しながら進めると、進捗が見えてモチベーションを保ちやすくなります。

Q. 緊張で頭が真っ白になったときはどうすればいいですか?

A. まず深呼吸して声量を確保することが有効です。呼吸が整うと落ち着きが生まれ、フィラーが出にくい状態になります。それでも答えが出てこない場合は「少し考えさせてください」と正直に一言置くことが、フィラーを連発して答え続けるよりも誠実な印象を与えます。また事前に想定質問をいくつか準備し、回答の最初のひと言だけでも決めておくと、緊張下でも言葉が出やすくなります。

面接でハキハキ答えるには日頃から「えー」を使わない習慣をつけよう

「えー」「あのー」「そうですね」といったフィラーは、話の内容がどれほど優れていても面接官への印象を大きく損ないます。頼りなさ・優柔不断・準備不足として映りやすく、選考結果に影響することがあります。Web面接が定着した現在では、声のクセへの対策はこれまで以上に重要です。

改善のステップは、まず録音で自分のフィラーの種類と頻度を把握すること、次に日常会話から意識して減らすこと、そして沈黙を恐れず必要なら聞き返す習慣を身につけることです。本番直前に慌てて対策するのではなく、面接解禁の2〜3ヶ月前から日常レベルで取り組むことが最も効果的です。フィラーが自然と出なくなったとき、話の内容が面接官にしっかりと届くようになります。