コツを掴めば誰でも書ける!就職試験の作文の書き方と手順
就職試験で課される作文は、エントリーシートや面接と並んで重要な選考ステップのひとつです。「何を書けばいいかわからない」「苦手だから後回しにしてしまう」という就活生は少なくありませんが、採用担当者の立場からすると、作文には面接では見えにくい候補者の素の部分が現れると言われています。
実は、就職試験の作文には評価される「型」と「コツ」があります。この型を身につけてしまえば、テーマが何であれ一定以上の質の作文を時間内に書けるようになります。このページでは、採用現場で実際に評価される作文の書き方を、手順と例文を交えて解説します。
就職試験の作文テーマ・企業が出題しやすい内容とは
就職試験の作文テーマは、大きく「仕事への考え方を問うもの」と「人間性・価値観を問うもの」の2系統に分かれます。どちらのテーマが出ても対応できるよう、事前に両方の書き方を準備しておくことが重要です。
仕事に対する意欲・考えを問うテーマ
- 「自分にとって働くとは」
- 「○年後の自分とは」
- 「私の夢・目標」
- 「これからの企業に必要なこと」
採用担当者がこの系統のテーマで確認したいのは、「仕事に対してどんな考えを持っているか」だけではなく、「自社が求める人物像と価値観が近いかどうか」という点です。テーマに答えつつ、自分が企業の仕事にどう貢献できるかを意識して書くと評価が上がります。
人間性・価値観を問うテーマ
- 「学生時代の思い出・頑張ったこと」
- 「家族・友人について」
- 「最近気になったニュース」
一見プライベートな内容に見えるテーマでも、採用担当者はその人の価値観・思考の深さ・表現力を見ています。「家族について書いてください」というテーマで、家族の紹介で終わっている作文は評価されにくい傾向があります。エピソードから得た気づきや、それが仕事にどう活かせるかという視点まで展開することが大切です。
企業が就職試験に作文を課す目的
採用担当者がESや面接とは別に作文を課す理由は、主に以下の3点です。
- 文章力・論理的思考力の確認:仕事では提案書・報告書・メールなど文章で伝える場面が多く、論理的にまとめる能力は実務直結のスキルとして評価されます。
- 価値観・人柄の確認:ESで書いた内容とは別軸で、その人の思考パターンや価値観を見るために作文が使われます。特に手書き作文の場合は、字の丁寧さや文章の熱量からも人柄が伝わります。
- 社風とのマッチング確認:どんな価値観を持った人かを把握し、企業とのミスマッチを防ぐ目的もあります。入社後に「思っていた社風と違った」というミスマッチを減らすため、作文を通じて候補者の本音を読み取ろうとしています。
テーマに沿った就職試験の作文を書くときの3つのポイント
1.一般論ではなく自分の考え・意見を盛り込む
作文が苦手な人が陥りやすいのが、「正しいことを書こうとして、誰でも書けそうな内容になってしまう」パターンです。採用現場では、「どこかで読んだような内容」「新聞の社説みたいな文章」と評される作文は印象に残りにくい、とされています。
採用担当者が読みたいのは、あなた自身の経験・体験・考えに基づいた言葉です。多少拙くても「この人の言葉だな」と感じる作文の方が、評価を得やすいのが採用現場の実態です。
2.立場をはっきりさせる
誰からも好かれようとして「一方ではAという考えもありますが、Bという考えも否定はできません」というような両論並列の文章は、読み手に「自分の意見がない人」という印象を与えます。根拠のある意見であれば、明確に主張を打ち出す方が評価されます。
もちろん「自分と反対の意見があることは承知のうえで、私はこう考える」という構成は問題ありません。大切なのは、最終的に自分の立場と根拠がはっきり伝わることです。
3.どんなテーマでも「仕事」に繋げて締めくくる
就職試験の作文である以上、テーマがどれだけプライベートな内容であっても、結論は「仕事」「働く」「入社後にどう活かすか」という方向性で締めくくるのが基本です。「家族について」というテーマなら、家族から学んだことが今後の仕事にどう影響するかを語る、という着地点を意識しましょう。
就職試験の作文・実際に書いてみよう!例文と解説付き
就職試験の作文には、評価される構成の「型」があります。代表的なのが「序論・本論・結論」の三段構成と「PREP法」の2種類です。文字数や自分の書きやすさに合わせて使い分けましょう。
基本構成①:序論・本論・結論の三段構成
600字以上の作文に向いた構成です。読み手を徐々に引き込みながら、テーマに対する自分の考えを深く伝えられます。
序論:テーマに対する自分の立場・定義を示す
ダラダラと状況説明をするのではなく、「このテーマについて、私はこう考える」という立場を冒頭で明確にします。採用担当者が最初の一文で「続きを読みたい」と思えるような書き出しを目指しましょう。言い切り型の一文(例:「〜だと、私は考えます」)が効果的です。
本論:序論の根拠となる経験・エピソードを展開する
序論で示した考えの根拠を、具体的な経験や事実をもとに書きます。単なる事実の羅列ではなく、その経験を通じて自分が感じたこと・学んだことまで書くと採用担当者の記憶に残りやすくなります。
結論:本論の内容をまとめ、仕事への繋がりで締める
本論で述べた内容を踏まえ、最終的な自分の考えと「入社後にどう活かすか」「どんな社会人を目指すか」という仕事への繋がりで締めます。序論の言葉を受け取って発展させると、まとまりのある作文になります。
基本構成②:PREP法(結論から始める書き方)
300〜500字程度の短い作文や、限られた時間の中で素早く組み立てたい場合に特に有効な構成です。
- P(Point)結論:最初にテーマに対する答えを一文で示す
- R(Reason)理由:なぜそう考えるのか理由を述べる
- E(Example)具体例:理由を裏付ける経験・事例を書く
- P(Point)結論:最初の結論を受けて、仕事への繋がりで締める
採用担当者の立場からすると、PREP法で書かれた作文は「何を言いたいか」が一目でわかるため、読みやすさの点で高く評価される傾向があります。特にESと作文を同時に評価する場合、結論から読み進められる構成は担当者の負担を下げる配慮でもあります。
例文:テーマ「仕事とは」/文字数:600字
序論
1.「仕事とは家族や社会に貢献すること」と、私は父から教わりました。
2.もちろん自分の生活のため、自立するため、お金を稼ぐため、人によって様々な目標があると思います。
3.しかし、「働くこと」を突き詰めていった時、そこには自分だけでは終わらないもっと広い世界との繋がりがあるのではないでしょうか。
本論
4.私の父は小さな製鉄所で長年職人として腕をふるうと同時に、不景気の中、小さな職場を守るために自ら営業や接待を重ね、人脈を広げながら働いてきました。
5.子供の頃の私はそんな父の姿を見て「仕事の奴隷のようだ」と感じていました。
6.しかし今なら、父が家族を守るために職人としてのプライドを持ちながら、より良い製品を多くの人に届けようとしていたことが理解できます。
結論
7.私にとって仕事とは、父が見せてくれた「自分の働き方が、最終的に家族や社会へと繋がること」が何よりも理想の形です。
8.ただやみくもに働くのではなく、自分の仕事が少しでも多くの人の生活に影響を与えられる働き方を目指したいと考えています。
9.入社後も、自分の仕事の先にいる人を意識しながら、真摯に取り組んでいくことが私の目標です。
採用担当者から見たこの例文のポイント
①父親の具体的なエピソードを使っているため、「誰でも書けそうな一般論」になっていない。②子供の頃と今の自分の対比を入れることで、思考の成長が伝わる。③結論で「入社後の自分」に繋げており、単なる感想文で終わっていない。この3点が、採用担当者の記憶に残る作文の条件を満たしています。
このように「仕事とは」という抽象的なテーマでも、自分の身近な人物・体験を軸にすることで、他の候補者と異なる個性的な作文になります。父親でなくても、恩師・先輩・アルバイト先の先輩など、自分が実際に「働く姿」を見た人物であれば誰でも構いません。
就職試験の作文でやってしまいがちなNGパターン
採用現場で「惜しい」と判断される作文には、共通したパターンがあります。以下を確認しておくことで、同じ失敗を防げます。
| NGパターン | 採用担当者が感じること |
|---|---|
| 一般論のみで個人の体験・意見がない | 「誰でも書ける内容」「印象に残らない」 |
| ですます調とだである調が混在している | 「丁寧さが足りない」「完成度が低い」 |
| 指定文字数の半分以下しか書いていない | 「準備不足」「志望度が低い」 |
| 仕事への繋がりが一切ない | 「感想文と変わらない」「就活の場と認識できていない」 |
| 誤字・脱字がある | 「注意力不足」「見直しをしていない」 |
特に「文体の混在」は、書き慣れていない人に多いミスです。採用担当者の視点では、内容よりも先に「読みづらさ」として目に付くため、見直しの際に必ず確認しましょう。就職試験の作文では「だである調(常体)」が一般的ですが、企業の雰囲気や指定があれば「ですます調(敬体)」でも問題ありません。
文字数の使い方:指定の8割以上を埋める意識
採用担当者の側から見ると、指定文字数の半分程度しか書かれていない作文は「準備不足」「テーマに対して考えが浅い」という印象を与えます。指定が「800字以内」であれば640字以上、「600字程度」であれば540〜660字を目安にしましょう。
逆に、指定文字数を超えることは減点対象になる可能性があります。「〜文字以内」と指定がある場合は1文字でもオーバーしないよう、書き終えた後に必ず字数確認をしてください。
文字数を配分する際の目安は、三段構成の場合:序論20%・本論60%・結論20%が読みやすいバランスです。800字なら序論160字・本論480字・結論160字程度が目安になります。
書き出しと締め方のコツ
採用担当者が最初に読む「書き出し」と、最後に印象として残る「締め方」は、作文全体の評価を左右します。
書き出しのコツ:長い前置きは禁物です。「私は〜と思います。なぜなら〜だからです」のように、テーマに対する結論を冒頭の一文で示すのが基本です。「最近、〜ということが多くなっています」といった一般的な状況説明から入る書き出しは、読み手を惹きつけにくい典型的なNGパターンです。
締め方のコツ:作文の最後は「以上のように〜」で内容を繰り返すだけの締めにならないよう注意しましょう。本論で述べた経験・考えを受け取り、「入社後にどう活かすか」「どんな社会人として貢献したいか」という前向きな展望で締めると、採用担当者に前向きな印象を残せます。
就職試験の作文は毎日の練習で文章力を身に付けよう
本を読む:文章の「型」に慣れる
自分の考えをうまく文章にできない人は、必ずしも考えが浅いわけではありません。「文章を書く型」が身についていないケースがほとんどです。まずは自分が興味を持てる内容の本やエッセイを読み、読みやすいと感じる文章の構成・表現を観察することから始めましょう。特に「話し言葉に近い文体」の本は、自分の考えを文章化する際の感覚をつかむのに役立ちます。
日記・メモをつける:書くことへの抵抗をなくす
毎日短くてもよいので、その日の出来事・感じたこと・考えたことをメモする習慣をつけましょう。最初は3行でも構いません。「今日感じたこと→なぜそう感じたか→それはどう仕事に繋がりそうか」という流れで書くと、そのまま作文の練習になります。
出題されそうなテーマで実際に書いてみる
就職試験の作文練習で最も効果があるのは、「実際に手を動かして書くこと」です。「自分にとって働くとは」「学生時代に頑張ったこと」「5年後の自分」など、出題頻度の高いテーマを選んで、時間を計りながら書いてみましょう。
書いた後は必ず読み返し、「文体が統一されているか」「結論は仕事に繋がっているか」「指定文字数の8割以上埋まっているか」の3点を確認する習慣をつけると、短期間でも文章力が上がります。
よくある質問(FAQ)
Q. 作文試験で何も書けなかった場合、選考に影響しますか?
A. 白紙提出は選考上の大きなマイナスになります。時間が足りなくても、書けた部分まで提出することが重要です。完成度よりも「テーマに向き合っている姿勢」が伝わる状態で提出しましょう。事前準備として、複数のテーマで書く練習をしておくことが最大の対策です。
Q. 手書きと PC入力、どちらが有利ですか?
A. 企業の指定に従うのが前提です。手書き指定の場合、採用担当者は文章の内容に加えて、字の丁寧さや書き方にも注目しています。達筆である必要はありませんが、読みやすく丁寧に書くことで「仕事への誠実さ」が伝わります。走り書きにならないよう、ゆっくりとした字を意識しましょう。
Q. ですます調とだである調、どちらで書けばいいですか?
A. 企業から指定がなければ、どちらでも問題ありません。論文・ビジネス寄りの職種では断定的な「だである調」が、接客・コミュニケーション重視の職種では柔らかい「ですます調」が向いていると言われますが、最も大切なのは文章内で統一することです。途中で混在しないよう、書き始める前に文体を決めてください。
Q. ESの内容と作文で同じエピソードを使っていいですか?
A. 基本的には問題ありません。ただし、全く同じ文章をそのまま転用するのは避けましょう。ESはコンパクトに要点をまとめた文章、作文はより深く掘り下げて展開する文章という違いを意識して書き分けると、同じ素材でも内容の厚みが生まれます。
就職試験の作文は、準備なしに臨むと本来の実力が発揮できない選考です。しかし「型」を身につけ、実際に手を動かして練習を積むことで、どんなテーマが出ても一定以上の質の文章を書けるようになります。採用担当者が見ているのは文章の完成度よりも、「自分の言葉で考えを持ち、伝えようとしているか」という点です。まずは自分の言葉で書くことを恐れずに、練習を重ねていきましょう。

















