出版社の志望動機の書き方は損得勘定を抜きにした強い熱意を示すのがコツ

出版社の志望動機は、「本が好き」というアピールが多いですが、趣味ではなく仕事の動機としてはややアピール不足です。どうして出版を仕事にしたいのか、突き詰めて考え、熱意をもってアピールする必要があります。出版社の志望動機作成のコツについて紹介します。

出版社の志望動機の書き方は損得勘定を抜きにした強い熱意を示すのがコツ

人気の出版社への就活は、志望動機も手が抜けない

出版社は、身近に触れる様々な書籍や雑誌を作っている会社で、企画から製本、最近は書店ではなくインターネットを通しての直販まで、様々な仕事を行っています。本が好きという人の中には、出版社への関心を高くもっており、就職を希望する人も多いです。

出版社を好む層は、知的好奇心が高く、また能力ある人が多く、文章も上手な人が多いです。そのため、エントリーシートや面接で語られる志望動機は、しっかり作成しなければライバルに差をつけられてしまいます。逆にライバルに差をつける、出版社に響く、しっかりした志望動機の作り方を学びましょう。

出版社が志望動機を問うのは応募者と企業とのマッチングのため

出版社で働く社員が応募者をチェック

出版社の志望動機の作り方に入る前に、まず「どうして企業は志望動機を問うのか」という根本的なことをしっかり考えておきましょう。

その答えは、「応募者と企業のマッチングのため」に他なりません。企業には欲しい人材について明確なニーズをもっていますが、応募者がそれにマッチしているかはわかりません。志望動機を問う中で、企業は応募者が企業の求める人材かどうかを見抜こうとしています。志望動機だけを見ているのではなく、志望動機の中に現れる個人の行動特性や思想・哲学、また実際の面接などから伺える印象などから総合的に判断しています。

別の言い方をするなら、どんなに優秀な人材だとしても、企業側に「ウチには合わない」と思われれば内定をもらうことはできません。採用してくれる企業があってこその就活ですから、自分のアピールだけでなく、対象企業についてしっかり調べて理解する必要があります。

志望動機作成のために知っておきたい出版業界の基本的なこと

出版社ごとに状況は多少違いますが、出版業界の基本的なことは理解しておくと企業分析や志望動機の作成のために役立ちます。

出版社の編集打ち合わせ

出版業界の概況

出版不況と言われて久しいですが、各社はより特徴を強く打ち出したり、電子出版への参入、メディアミックス展開などの戦略を通して新たなビジネスモデルの確立を目指している所です。大手出版社と言われる企業は、講談社、集英社、小学館などがあり、KADOKAWAや新潮、宝島社などがそれに次ぐ準大手グループとなっています。

出版社の職種

出版社の職種には、編集や企画、営業、製本、管理スタッフなど様々な職種があります。総合職という形で募集している場合もあれば、職種別採用を実施している場合もあります。それぞれの職種の特徴を理解して志望動機に反映することが必要です。

アイデア・体力・コミュニケーション能力が特に重要

出版社の仕事は、書籍や雑誌という知的なメディアを扱うイメージとは裏腹に体力が求められます。締切に間に合わせることが大前提の仕事であるため、朝早くから夜遅くまで休み無く動かざるを得ない日もあります。また、コンテンツの発掘やプロモーションのためには様々なアイデアが求められますので、知力だけでは難しい業界です。加えて、限られた中で、多くの人と一緒に仕事を行い、様々な調整を行うことになりますので、コミュニケーション能力も重要視されています。

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出版社の志望動機の例文

出版社への志望動機を、例文で見てみましょう。

出版社への志望動機の例文1

私が貴社を志望するのは、本が好きで出版に携わる仕事がしたいからです。

小学生の頃から、読書好きだった父の影響を受けて、本をたくさん読んでいました。本の中にはたくさんの知識や情報があり、また感性を刺激する様々な言葉が脳を刺激してくれます。若者の活字離れと言われて久しいですが、私は活字が好きなので、活字の文化が絶えないようにしっかり守っていきたいです。

貴社は文芸書に強みがあり、多くの人気作品を輩出しています。貴社での出版の仕事を通し、活字文化を再び盛り上げていけたら幸いです。宜しくお願いします。

出版社への志望動機で多く見られるのがこの例文1のような志望動機です。

「本が好きで出版に携わる仕事がしたい」という気持ちをもって門を叩く人は少なくありません。しかし、趣味でなく仕事ですから、出版を通して何をしたいのか、どういう価値を提供したいのかをよく考える必要があります。

読書する本好きの女性

また、エピソードでは、本の効用や活字文化を守りたい旨が語られていますが、いずれも一般的な話であり、本人の熱意がさほど感じられません。「出版の仕事」という表現も、どの仕事を考えているのかが見えず、全体的に曖昧さが目立つ内容となっています。

出版社への志望動機の例文2

私が貴社を志望するのは、若い人にも多くの文芸作品に触れてほしいからです。

私は幼い頃から毎月本を30冊ほど読んでいました。中学生の頃から文芸作品が好きになり、高校では文芸部に所属して自らも小説を書いたほどです。貴社の○○賞からデビューしたAさんの「△△」が私の最高のお気に入りです。

文芸作品は活字が多いために若者は敬遠しがちです。しかし、言語による脳の刺激は、マンガやアニメでは届かないリアルな世界をイメージさせてくれますし、普段は至れない深い思考や感覚の世界に私達を連れて行ってくれます。そんな文芸作品の魅力を、活字離れと言われる若者たちにもっと知ってもらいたいと思っています。

貴社は文芸書に強く、多くの人気作家や人気シリーズを抱えている出版社で、文芸の魅力を伝えるパワーを日本一持っている出版社だと考えています。私は企画を志望していますが、文芸を若者に響くように提案していきたいと思っています。よろしくお願いします。

最初の例文1と、内容の方向性は同じですが、表現などに具体性を持たせたのが例文2の志望動機です。

この出版社の志望動機の例文2では、文芸書に強みのある出版社に向け、文芸作品への関心の高さや、活字の良さを若者に伝えたいという気持ちを強くアピールするようになっています。「好き」という単語を使っていなくても、「本や活字が好き」なことが伝わるのではないでしょうか。

読書する若者

好きな気持ちを伝える上で、具体的な作家や作品の名前を出すことは効果的です。また、「本をたくさん読んだ」よりも「本を毎月30冊読んだ」と数字を出すことで具体性が伝わります。

志望理由を「若い人に文芸に触れてほしい」としていて、そのために企業を選んだことや、企画の仕事を通して若者に文芸を提案していきたいと一貫した理由があるのも良い印象を与えるでしょう。こうした一点集中型のアピールは、熱意を感じさせるために効果的です。

出版社への志望動機の例文3

私が貴社を志望したのは、ITをよりわかりやすく多くの人に知ってほしいからです。

私は大学で情報工学を専門にし、たくさんの技術書にも触れました。IT系の技術書は海外からの翻訳が多く、日本人には馴染まない表現やレイアウトが多いです。貴社の技術書は、いずれも読みやすく、すっきりと受け入れることができました。こうした本がもっとあれば、年齢や学力を問わず、もっと多くの人がITに触れ、活用して生活をもっと豊かにできると思います。

貴社の技術書作りのノウハウは、技術を理解しているライターや編集の仕事があってこそではないかと思います。私も基本的な技術への理解をベースに、貴社ならではの出版ノウハウを身に着けて、多くのわかりやすいITの技術書を世に出していきたいと思っています。よろしくお願いします。

この例文3の志望動機は、企業の特徴だけでなく、自分の特徴や強みを活かしたアピールになっています。出版は文系の仕事であるというイメージがありますが、だからこそ理系であることが武器になることがあります。

ファッション雑誌ならセンスが必要ですし、文芸雑誌なら文章のセンスが必要など、出版物によって求められる能力は異なります。技術書のジャンルでは、技術への理解や、情報を正しく伝えることが求められます。「大学で情報工学を専門にし、たくさんの技術書にも触れました」の一言で、それができる基礎があると暗にアピールすることに成功しています。IT系の出版を強化したい場合には、魅力的な候補者となるでしょう。

ただし、こういったアピールは注意が必要です。すでに良質な専門書を出している以上、その分野には十分な人材が確保されており、新規に増員する必要はないと考えているかもしれません。ここでは十分な情報はありませんが、企業の方向性や現在注力している分野などは十分に把握してからアピールするのが良いでしょう。

出版社の志望動機作成のポイント

出版社の志望動機作成のポイント

求める人材と思ってもらうためには企業が欲しいと考える応募者であることを示す必要があります。出版社の志望動機作成のポイントについて紹介します。

志望動機はターゲットの出版社ごとに作る

出版社と言っても、企業によって社風や得意ジャンルには違いがありますので、ターゲット企業に合わせた志望動機の作成が求められます。大手は幅広いジャンルを行っていますので、その中から好きな方面で志望動機を作れますが、中堅出版社以下になるとジャンルを絞り込んでいますので、そのジャンルに対する興味や展望を示す必要があります。

志望動機では熱意が重要

出版不況と言われるように、出版社を取り巻く状況は決して良いとは言えません。その中で、ハードな仕事をこなし、コンテンツを世に提供し続けるのは簡単なことではありません。損得勘定を抜きにした、強い熱意が現場では求められています。そのため、志望動機では出版に対する熱意をしっかり示していく必要があります。

出版社の職種をイメージした具体的な志望動機を書く

出版社ではたくさんの職種がありますが、自分がどのような職種に就きたいと考えているのか、そしてその仕事を通して何を成したいのかを明確に伝えましょう。仕事への理解不足や曖昧なビジョンは、熱意の不足と受け取られてしまいます。内容を具体的にするためにも、自分の経験や体験からエピソードを語るのが望ましいです。

出版社の志望動機作成の際に必ず盛り込むこと

志望動機は、自分の思いを伝えるだけではなく、必ず盛り込むべき内容がありますので、忘れずに盛り込むようにしてください。

どうしてその出版社を選んだのか

志望動機で「それなら他の出版社でもできる」ような動機を語る人は多いものです。こうした印象を採用する側が持つと、「他の出版社の選考も受けているんだろうな」と就職への熱意を疑われてしまいます。そのため、どうしてその出版社を選んでいるのか、他の出版社ではダメだという理由を合わせて伝える必要があります。出版物や社風、ポリシーなどから差別化しましょう。

その出版社の仕事を通しての展望

出版社の志望動機は「本が好きなので出版に関わる仕事がしたい」という程度では内定を得るのは難しいです。「出版に関わる」のをゴールにせず、「出版の仕事を通して成したい」ゴールをしっかり考えていく必要があります。現場で仕事をする上でのモチベーションに関わることですので、企業側もこの点について注目しています。

出版社の志望動機の構成

出版社の志望動機の構成

志望動機を作る時は、定番の構成があります。型に従って書くことで、わかりやすい内容になり、情報の抜け漏れも防ぐことができます。

最初に志望動機の核心を答える

ビジネスシーンでは、質問をされたらその質問に答えるのが基本です。志望動機を問われていますから、簡潔に志望動機を回答しましょう。この時、詳細な説明は省き、核心的な部分だけ伝えて大丈夫です。

次にエピソードを伝えて冒頭の捕捉をする

続けて、エピソードを伝えて冒頭の内容を捕捉していきます。出版社の志望動機では自分の熱意を示すことが大切ですので、できるだけ自分を主語にしたエピソードを伝えましょう。一般的な情報はあくまで捕捉的に使うだけにとどめてください。

最後に「まとめ」と「意気込み」を伝える

エピソードを伝えたら、最後に志望動機となる内容をもう一度まとめて、加えて入社後の意気込みなどをアピールしましょう。自分の特技などを活かしたアピールは、戦力として期待してもらうためにも効果的です。

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出版社の志望動機は熱意の方向性が大切

出版社は人気のある就職先ですが、一方で採用人数は少ない「狭き門」です。能力のある人が集まるために選考も激戦になりますし、また内定を得ても現場の仕事は激務であるため、選考の段階から出版業でやっていくという「熱意」を示し続ける必要があります。

「本が好き」という熱意だけではなく、企業の特性に合わせて「出版を通しどのような価値を提供したいのか」を考え、その方向に熱意を強く感じさせる志望動機を作りましょう。