マザーズハローワークで受けられるサービスとは

マザーズハローワークは子育てをしながら働きたい人を応援する施設です。普通のハローワークとどんな所が違うのか、子育て中の人にとってありがたいポイントを押さえながら、マザーズハローワークの特徴やマザーズハローワークで受けられるサービス、活用方法をご紹介します。

マザーズハローワークで受けられるサービスとは

マザーズハローワークを利用してみよう

女性が結婚や出産後も仕事を辞めずに続けるということが当たり前の世の中になりつつあります。ただ、一度育児に専念するために仕事を辞めてしまうと、復帰したい時に次の仕事を探すのが難しいのが現状です。

マザーズハローワークは、子育てと仕事を両立したい人たちを応援するための施設です。普通のハローワークとどんな違いがあるのか、子育てと仕事の両立を支援するマザーズハローワークがどんなところなのかを見ていきましょう。

マザーズハローワークとは

マザーズハローワークは、子育て中の女性と男性、子育てを予定している女性を対象に就職支援を目的として始まりました。

マザーズという言葉が付いていますから、子供がいる女性しか利用できないのかと思いがちですが、男性でも未婚の人でも子どもがいない人でも利用できます。マザーズハローワークは、子育てと仕事の両立を希望する人であれば、男女を問わず誰でも利用できる公的な施設です。

赤ちゃんを抱いた父親

スタートしたのは平成18年で、実は10年以上前からあるものです。開設当初は全国12ヶ所での展開でしたが、現在は全国21ヶ所のマザーズハローワークと、通常のハローワーク内に開設されたマザーズコーナーが170ヶ所を超える規模にまで拡大されています。

厚生労働省によるマザーズハローワークを利用した全国の求職者の数は平成28年度で約22万人、そのうち就職が決まった人は約7万人にのぼります。マザーズハローワークのきめ細かいサービスが、実績を伸ばす原動力となっています。

マザーズハローワークの特徴

就職支援という点では、マザーズハローワークも普通のハローワークもどちらも同じですが、大きな違いは、子育てと仕事を両立したいという人を支援するための様々な配慮やサービスがあるという点にあります。

担当者制・予約制がある

マザーズハローワークの一番の特徴は、相談に乗ってくれる人がいつも同じであること、あらかじめ予約をとって相談が受けられる専任予約制があることです。

子連れで相談する母親

仕事の選び方や、子育てと仕事を両立させるための環境づくりから、履歴書の書き方や面接の受け方など、あらゆる相談に同じ人が答えてくれるので、同じことを何度も説明する必要がありません。シングルマザーの悩みに寄り添えるアドバイザーもいますので、安心して心の内を話すことができます。

あらかじめ相談をする時間を予約することで、待ち時間がなくなり、浮いた時間を有効に使えることもうれしいポイントです。予約による専任制は、じっくりと話を聞いてほしい、子連れでも安心して相談したい人にとって理想的な制度です。

チャイルドコーナーがある

チャイルドコーナーで遊ぶ幼児

マザーズハローワークには、子連れでも仕事探しがしやすいように、施設内にチャイルドコーナーや授乳室を設けています。周りの目を気にしないで絵本やおもちゃで子どもを安全に遊ばせることができますので、安心して職業相談に集中することができます。相談中に子供を隣に座らせたい場合は、子供用の椅子を準備しているところも多くありますので、尋ねてみるといいでしょう。

マザーズハローワークの利用者が、みんな同じように子育てをしながら仕事探しをしている人ですので、気兼ねなく子どもを連れて利用できますし、利用者どうしでの情報交換もしやすいです。これも普通のハローワークとは違う点といえるでしょう。

マザーズハローワークで受けられるサービス

マザーズハローワークでは、求人情報の提供の他にも、再就職を支援するセミナーなどを積極的に実施しています。パソコンのスキルを学べるセミナーをはじめとして、悩みや不安を解決するひとり親支援セミナー、ビジネスシーンにふさわしいメイクアップセミナーなど、様々な種類があります。

履歴書や職務経歴書を書くのが苦手であれば、面接官の目に留まりやすい自己PRや志望動機の書き方も指導してもらえます。仕事から離れていた期間が長く就職試験に不安があれば、面接のトレーニングもOKです。

ハローワークに行くなら履歴書を持って行こう!

規模の大きなマザーズハローワークでは、セミナー中に子供を預かってくれる託児サービスを設けているところもありますので、利用する際は聞いてみるとよいでしょう。

マザーズハローワークにはどんな求人があるの

マザーズハローワークの求人構成

マザーズハローワークで扱っているのは、全国の通常のハローワークで扱っている求人と、マザーズハローワークで受理した求人です。中でもマザーズハローワークで受理した求人には、子育てをしている人に配慮した求人が揃っていますので、こうした求人を探すことができるのは、マザーズハローワークを利用する大きなメリットと言えるでしょう。

正社員だけでなくパートの求人も扱っていますので、以下のようなフルタイムで仕事をすることが難しいという人でも働きやすい求人を探すことができます。

  • 託児所があるなど、子育てと仕事を両立させやすい施設がある
  • 残業がない、もしくは少ない、休日出勤がない
  • 学校行事や子どもの急な体調不良などの理由で休むことに理解がある
  • パソコンを使用した一般事務職

子育て中の方も含めて人材の採用をしたいと考えている企業側は、こうした要因も頭に入れる必要がありそうです。

マザーズハローワークを利用した人の感想

マザーズハローワークを実際に利用した人は、「アドバイスを受けられたので安心して仕事探しを進められた」「自分の状況や希望に寄り添いながら相談に乗ってくれたので、満足のいく仕事探しができた」といったプラスの声が多いです。

最も多い声は、「子供連れで気軽に職業相談ができる」です。保育士がいる時間であれば子供を見てもらっている間に相談や手続きができるので、スムーズに事が運びます。子連れを想定した環境を整えていることから、マザーズハローワークを強い味方と考える人が多いのでしょう。

マザーズハローワークに行く前に準備しておくこと

マザーズハローワークに行くときは、仕事中に子供をどこに預けるのかを考えておくようにしてください。子育てをしながら仕事をするなら、子どもを預ける場所を確保することが必ず求められます。保育園に預けるのか、近所の実家に預けるのか、決めてから相談すると就職までの道が開きやすいです。

託児所で絵本を見る幼児

子どもが小さいうちは急に熱を出してしまったりなど、突発的に仕事を休んだりしなければならない、ということが頻繁に起こります。そういった場合、誰が子供を迎えに行くのかも家族で話し合っておくといいでしょう。

採用する会社側も、何かあった時に周囲のサポートが受けられる人の方を優先したくなるものです。子育てをしながらの仕事を実現させるには、こうした環境を整えることが必要です。

相談に乗ってもらいながらスムーズに仕事探しを進めたいのであれば、勤務可能な条件や、どんな仕事がしたいのかなどの自分の希望をはっきりさせておくことが大切です。相談するだけでなく、これだけは譲れないという軸をしっかり持っておくようにしてください。

マザーズハローワークに行く段階では、こうした環境を完全に整えておくことは難しいかもしれませんが、頭の片隅で意識しておくのがいいでしょう。

マザーズハローワークの利用の仕方

ベビーカーを押してマザーズハローワークへ行く女性

マザーズハローワークの利用可能時間は、平日の10時から18時で、土日祝日はお休みです。基本的な利用の仕方は普通のハローワークと同じで、事前予約もいりません。求人を探す場合は検索用パソコンを使い、興味のある求人が見つかったから窓口で応募します。

求人検索コーナーはベビーカーを横に置けるようにゆったりとしたスペースが取られていますので、気兼ねなく求人を探すことができます。

マザーズハローワークは子育てと仕事を両立する強い味方

子育てと仕事の両立には、周囲からのサポートが欠かせません。仕事を探す時はもちろん、仕事を続けていく時も同じです。自分たちだけでは実現させることが難しかったり、負担が大きすぎたりすることがあるでしょう。

大事なことは、いざという時に頼れる存在を作っておくことです。マザーズハローワークもその一つと考えてみてはどうでしょうか。まだ利用したことがない人は、気軽に利用してみてください。