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オプトメトリストの仕事内容は?眼科医との違いは何?

オプトメトリストは欧米諸国、特にアメリカでは専門職としての歴史が長く、大学院にてオプトメトリーについて学べます。しかし日本では一般的ではなく、目の健康を守る仕事いえば眼科医のほうが有名です。オプトメトリストは手術等に頼らずに見る力や目の働きを向上させることを目的としています。

これから活躍が期待されるオプトメトリストを知っておこう

目の健康はいくつになっても大事にしておきたいものですが、近年は老いによる衰え以外にもブルーライトなどで目を酷使することによって視力が低下したり病気になりやすくなったりしています。目に負荷をかけすぎて機能が衰え、運動機能も衰えてしまう方もいます。目の機能というのは「動体視力」という言葉があるように運動に関して重要な働きをしてくれる器官です。

単純に筋肉を鍛えたり食事を気にするだけでは健康になれません。目を治療するだけではなく、健康管理・傷病予防してくれる専門家オプトメトリストが必要です。

オプトメトリストは快適な視力を守ってくれるスペシャリスト

メガネやコンタクトレンズを装着しますが、実は視力の矯正の為だけでなく目の運動機能を補助するためでもあります。しかし、眼科医の中には眼科学と呼ばれる、眼球とその周囲の筋力を学ぶ医学中心にしか学んでいない方もいます。

オプトメトリストは眼科学と光学の総合学科であるオプトメトリーを修めた方を指し、欧米をはじめとする世界45か国ではオプトメトリーは医師免許に匹敵する資格であり大変重宝されています。しかし日本ではオプトメトリストはおろか、オプトメトリーという学問自体あまり認知されいません。

オプトメトリストと眼科医の違いは?

オプトメトリストは普通の眼科医とは異なり目を健康にするとともに2つの点に注意しています。目の健康の上に成り立つ2つの注意点というのは

オプトメトリストが注意する2点

  • 両目をしっかりと使えているか
  • 見るべきものを脳で把握できているか

目が良く見えるというのは、スポーツや勉学でも有利に働きます。体力や四肢に異常はなく、むしろ優れているにもかかわらずスポーツが苦手な子や、知能はいいのに学習面で困難を抱えている子の中には上記の2点がうまくできていない可能性があります。

オプトメトリストはこのような問題点を自然治癒によって回復させることを目的としています。手術や薬で目という器官を治す眼科医の方とは違いあくまでも成長過程における阻害要因にならないほか、身体への負担をかけずに「見る力」の養成に努めています。

オプトメトリストの仕事内容

オプトメトリストは目を健康にするという点においては眼科医と同じですが、健康を回復するために手術や投薬はしません。「ビジョンセラピー」や「ビジョントレーニング」といわれる訓練を患者に課すことで目の健康を養成することが主な仕事内容となります。

「ビジョンセラピー」や「ビジョントレーニング」には専門の矯正器具を使うこともあるため、通常の眼科医同様に眼科学の知識を身につけていなければなりません。また「見る力」を高めるために患者の生活習慣に関してもアドバイスを行う立場にいますので、食生活や運動などから目の健康に関する知識を問われることになります。

オプトメトリストの仕事は眼科医とは違って眼に光を与えることが重要になる

当然のことながら目という器官は外界の光を受け取り、光の反射や種類を脳が判断してビジョンを作り上げる過程を要します。つまり光を目にどのようにして与えるのか、また目に届いた光を脳はどのように処理するのかということがきわめて重要になります。

眼科学を主に学んできた眼科医だけでなく、光学も併せて学ぶオプトメトリーを学んだオプトメトリストでなければちゃんと診られないため、この仕事が必要なのです。光をどのようにして受け取るにはどうすれば良いか、考えて適切なアドバイスを与えるのがオプトメトリストの仕事だと言えます。

視力を守る専門家オプトメトリストになるにはどうすればいい?

アメリカやカナダ、ヨーロッパ諸国ではオプトメトリストの存在が公的に認知されている一方で、日本では公的なオプトメトリストの資格はまだありません。日本でオプトメトリストになるには日本オプトメトリック協会(JOA)が実施する、オプトメトリスト認定試験を受験し認定を受けることが必要となります。

資格取得後は眼鏡・コンタクトレンズ専門店やメーカー、眼科病院に就職して顧客と相対する臨床業務が一般的になります。その中で「見る力」の養成に努めることになります。

オプトメトリストはアメリカでは一般的に活躍している

アメリカでは100年以上の歴史を持つ職業であり、大学にも専攻学科があります。アメリカでは通常の医科大学並みに開けているため数多くのオプトメトリストを輩出しており、眼科医を探すとなると一般的にはオプトメトリストを探すことになります。

単にメガネやコンタクトレンズを着用するのではなく、どのような矯正器具が良いのかを理論的かつ生活に関わった形で伝えることを目的としています。アメリカには研究機関も多く存在していますが、日本では医療機器メーカーに就職するか狭き門である研究所へ進むしかありません。

オプトメトリストとして活躍するのなら資格を取ろう

オプトメトリストの資格の中には、アメリカなどの国の大学で学位として授与されるドクター・オブ・オプトメトリストがあります。現時点では、ドクター・オブ・オプトメトリストが一番信頼のおける資格です。オプトメトリストは眼科のコンシェルジュになるべく設定されている専門職ですので、海外で働きたいと考えているならドクター・オブ・オプトメトリストを取得すべきでしょう。

日本でもオプトメトリストの資格を取ることができる

日本でオプトメトリストになりたいのであれば、日本オプトメトリック協会(JOA)が実施するオプトメトリスト認定試験があります。日本のオプトメトリスト資格の中でも信頼度の高い資格であり、取得難易度も高くなっています。しかし、日本でオプトメトリストとして活躍するならば取得しておきたい資格です。

オプトメトリスト認定試験以外にも(社)日本眼鏡技術者協会による認定眼鏡士制度があります。専門学校等で規定の学科を修了した方に与えられるもので、修業年度と専門知識、実績を鑑みてS~SSS級に分類される仕組みとなっています。なお、最高ランクのSSS級は、オプトメトリスト認定試験合格後に授与されます。

オプトメトリストの給与と活躍できる場所は

オプトメトリストであるから高給になるわけではなく、基本的には月給20万円~25万円程度が多くなります。もちろんオプトメトリストとしてのランク、目に見えて分かりやすいものだと認定眼鏡士のS級~SSS級といった資格や実績を鑑みて、給料に反映されることがあります。

メガネやコンタクトレンズ専門店に就職するケースが多いと考えられますが、一般的にはメーカー勤務の方が昇給・待遇ともに厚くなる傾向があります。研究職として就く場合ではメーカー勤務よりも若干高めの年収が得られるほか研究成果自体で昇給が望めます。大学や専門学校を経て研究職につく方も多くいます。

オプトメトリストはマネジメントもしなければならないことがある

オプトメトリストとして就業する場合、基本的に決められた時間内に仕事が終わるので、残業はなく出張もごくわずかとなっています。メガネやコンタクトレンズの専門店勤務の場合はシフト制ですので土日出勤もあり得ますが、メーカー勤務の場合はそのケースが少なくなっています。

ただし、正社員として勤務する場合や研究職として従事する場合はその限りではありません。オプトメトリストとして企業内における立ち位置確保のためマネジメントにも参加しなければならないためです。

オプトメトリストは専門職であるがゆえに外から干渉することが難しく当事者による判断の比重が重くなることから独立して業務にあたることも多いです。特に研究職の場合は日本では発展途上の技術であるため、日夜研究に没頭することになるでしょう。

大切な目の機能を維持するオプトメトリストの仕事は重職

眼は人間の五感の一つである視覚を司り、対象への感じ方へ大きく作用します。すなわち何かをしようとするときに目というのは重要な部分であり続けるということです。

オプトメトリストは目を守る以外にも治療し、健康にし続けるための専門家です。日本では遅れながらもこの専門家が増えており、いつかは「眼科医=オプトメトリスト」になる日が来るでしょう。