内定承諾書が届いたら速やかに返送するのが礼儀
企業から内定通知書(採用通知書)を受け取ったら、同封されている内定承諾書に署名・捺印をして返送する必要があります。内定承諾書は「入社の意思を企業に正式に伝える書類」であり、採用担当者から見ると未返送や返送の遅れは入社意欲が低いと受け取られることがあります。
入社の意志が固まっている場合は、提出期日にかかわらず速やかに送りましょう。万が一、他の企業の選考結果を待ちたいなど承諾を保留したい事情がある場合は、期日前に採用担当者へ相談することが誠実な対応です。
内定承諾書を返送する時は添え状を同封することを忘れない
内定承諾書を郵送する際には、添え状(送付状・送り状・カバーレターとも呼ばれる)を同封するのがビジネスマナーです。書類を送る場面では必ず添え状を添えるのが社会人の基本であり、内定承諾書の返送は採用担当者が就活生のビジネスマナーを最初に確認する機会でもあります。
内定承諾書の添え状は「必要か・不要か」
「企業から返信用封筒が同封されていた場合、添え状はいらないのでは?」と考える就活生は少なくありません。手続き上、添え状がなくても問題はありません。企業によっては「ペーパーレス化を推進しているため添え状は不要」と明示するケースもあります。
ただし、そのような案内がない限り、添え状を同封するほうが採用担当者へ丁寧な印象を与えます。内定承諾書のような重要書類を送付する際に添え状を付けることは、「誰が・何を・どのような目的で送付したのか」を明確に伝えるだけでなく、入社前から社会人としての配慮ができることを示すことにもなります。
採用担当者から見ると、添え状が同封されているだけで「基本的なビジネスマナーを身につけている人」という印象が生まれます。逆に添え状のない内定承諾書だけが届いた場合、書類の確認に戸惑いを感じる担当者も実際にいます。よほど指定がない限りは添え状を同封することをおすすめします。
内定承諾書と添え状は届いたらすぐ出すようにする
内定承諾書と添え状を出すタイミングは、内定の意思が固まったらできるだけ早く出すのがベストです。企業は採用計画の管理上、入社予定者の確認を早めに行いたいと考えています。遅くとも提出期限の2〜3日前には必ず返送しましょう。
承諾書の提出を延期してもらっている場合は、お礼と遅れていることへのお詫びも添え状に添えることを忘れないでください。
添え状に書く内容と各項目の書き方
添え状には決まった形式があります。パソコン作成(横書き)と手書き(縦書き)で順番が一部異なりますが、盛り込む内容は共通です。
| 項目 | 書き方のポイント |
|---|---|
| 日付 | 発送する当日の日付を記入。西暦・和暦どちらでも可。手書き縦書きの場合は和暦が一般的 |
| 宛名 | 会社名は株式会社を略さず正式名称で。担当者名がわかる場合は「様」、部署宛なら「御中」を使用 |
| 差出人情報 | 氏名・住所・電話番号・メールアドレスを記載。就活生の場合は大学名・学部名も記入する |
| 件名 | 「書類送付のお知らせ」と中央揃えで記入 |
| 頭語・結語 | 「拝啓」で始まり「敬具」で締めるのが最も一般的なセット。頭語・結語は必ず対で使う |
| 時候の挨拶 | 頭語の直後に続ける。季節を問わず使えるのは「時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」 |
| お礼・抱負 | 内定へのお礼と入社後の意欲を1〜2行で簡潔に。くどくなるほど書かない |
| 記書き | 「記」と中央に書き、同封書類名と部数を箇条書き。最後は右下に「以上」と記す |
パソコン作成と手書きの選び方
添え状はパソコン・手書きどちらで作成しても問題ありません。近年は企業側もパソコン作成を前提としており、特にビジネスシーンではパソコンで作成した横書きの添え状が主流になっています。
手書きの場合は縦書きで作成するのが基本で、丁寧さや誠意が伝わりやすいメリットがあります。ただし誤字の場合は修正液が使えず書き直しになるため、時間的な余裕が必要です。急いでいる場合や不安な場合はパソコン作成を選ぶほうが無難です。フォントは明朝体を使用するのが一般的です。
月別の時候の挨拶の例
時候の挨拶はどの月でも使える定型句「時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」を使えば問題ありません。季節感を出したい場合は以下を参考にしてください。
| 月 | 時候の挨拶の例 |
|---|---|
| 1〜2月 | 厳冬の候/新春の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます |
| 3〜4月 | 早春の候/春暖の候、貴社のますますご清栄のこととお喜び申し上げます |
| 5〜6月 | 新緑の候/初夏の候、ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます |
| 7〜8月 | 盛夏の候/猛暑の候、皆様におかれましてはご清栄のこととお祈り申し上げます |
| 9〜10月 | 初秋の候/秋冷の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます |
| 11〜12月 | 晩秋の候/初冬の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます |
内定承諾書の添え状の例文
添え状の内容はほぼ定型文です。以下の例文を参考に、宛名や差出人情報を自分のものに差し替えて作成しましょう。
添え状の例文(パソコン作成・横書き)
○年○月○日
○○株式会社 人事部 採用ご担当者様
○○大学○○学部○○学科 ○○○○
〒○○○-○○○○ ○○県○○市○○町○-○
TEL:090-○○○○-○○○○
E-mail:○○○○@○○.jp
書類送付のお知らせ
拝啓
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。入社後は貴社の一員として一日でも早く貢献できるよう精進してまいります。何卒ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
つきましては、以下の書類をお送りいたしますのでご査収くださいますようお願い申し上げます。
敬具
記
内定承諾書 1部
以上
添え状の例文(提出期限を延長してもらった場合)
拝啓
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。また、内定承諾の提出期限につきましてもご配慮をいただき、重ねて御礼申し上げます。入社後は貴社に貢献できるよう、精一杯努めてまいります。何卒ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
つきましては、ご指示の書類を送付いたしますのでご査収くださいますようお願い申し上げます。
敬具
記
内定承諾書 1部
以上
内定承諾書を返送する時は郵送で送る
添え状が完成したら、署名・捺印した内定承諾書と一緒に封筒に入れて郵送します。封筒の選び方から宛名の書き方、書類の入れ方まで一つひとつ確認しておきましょう。
内定承諾書を入れる封筒の選び方
封筒は白の無地を選ぶのが基本です。色は茶封筒でも問題はありませんが、白封筒のほうがビジネス文書として丁寧な印象を与えます。
サイズは内定承諾書の状態によって使い分けましょう。
- 書類を折らずに送りたい場合:A4サイズが折らずに入る「角形2号(角2)」を使用
- 三つ折りで届いた書類を返送する場合:「長形3号(長3)」を使用。内定承諾書と添え状をまとめて三つ折りにして入れる
企業から返信用封筒が同封されている場合はそちらを使いましょう。ただし返信用封筒は一般的に長3サイズのため、書類を三つ折りにする必要があります。
内定承諾書はクリアファイルに入れると雨で濡れた時でも安心
角2封筒を使う場合は、書類をそのまま封筒に入れず、クリアファイルに挟んでから入れましょう。雨などで封筒が濡れた際のダメージを防げるほか、書類の折れや汚れ対策にもなります。三つ折りで返送する場合はクリアファイルは不要で、丁寧に折り目をつけて入れてください。
封筒の表と裏・宛名の書き方
封筒の表(おもて面)の書き方ポイントです。
- 縦書きの場合:右上に郵便番号、その下に住所、中央やや右に会社名・部署名、その下に担当者名と「様」(部署宛なら「御中」)を記入
- 横書きの場合:左上から住所・会社名・担当者名を記入
- 封筒の左下(縦書き)または右下(横書き)に「内定承諾書在中」と赤文字で記入する。これにより開封前から内容がわかり、担当部署への振り分けがスムーズになります
封筒の裏面には次の4点を記入してください。
- 自分の郵便番号
- 住所
- 氏名
- 大学名と学部・学科名
返信用封筒の「行」は必ず書き換える
企業から同封されてくる返信用封筒の宛名には、印刷時の慣例として「○○株式会社 人事部 行」と記されています。この「行」は送り返す前に必ず書き換えましょう。
- 宛名の末尾が部署名の場合(「人事部 行」など):「行」を二重線で消し、横に「御中」と書く
- 宛名の末尾が担当者名の場合(「○○様 行」など):「行」を二重線で消し、横に「様」と書く
この書き換えを忘れると、採用担当者に「基本的なビジネスマナーを知らない」という印象を与えてしまうことがあります。内定承諾後の最初のやり取りですので、細かい部分まで丁寧に対応しましょう。
書類を封筒に入れる時は向きと順番を合わせる
書類を封筒に入れる時は、封筒の表側と書類の文字が書いてある面が同じ向きになるようにします。上下が逆にならないよう注意し、順番は「添え状が一番上(表側)、内定承諾書がその下」の順にします。
メールで内定承諾書を提出する場合の注意点
企業によってはメールでの提出を指定するケースがあります。その場合は企業から案内されたフォーマット(PDFやWord)に従って書類を作成しましょう。直筆の署名や捺印が必要な場合は、スキャンしてデータ化します。自宅にスキャナーがなければコンビニのマルチコピー機を活用できます。
メール送信時はファイル名を「内定承諾書_氏名.pdf」のように「誰の・何の書類か」が一目でわかる名前にしましょう。また、送信前に正しいファイルが添付されているか必ず確認してください。
メール本文の件名は「内定承諾書のご送付 ○○大学 ○○○○」のように、氏名と書類名がわかる形式が適切です。本文には簡潔なお礼と書類を添付した旨を記載します。
添え状を忘れて内定承諾書を送ってしまった場合の対処法
「内定承諾書を送ったあとで添え状を忘れたことに気づいた」という場合も、あわてる必要はありません。
まず電話で採用担当者に連絡を入れ、「内定承諾書を本日送付いたしましたが、添え状の同封を失念してしまいました。大変失礼いたしました」と正直に伝えましょう。その上で「改めて添え状のみをお送りしてもよろしいでしょうか」と確認します。担当者の指示に従って対応してください。
採用担当者から見ると、気づいた時点で誠実に連絡してくれる就活生の印象は悪くありません。ミスへの対応の仕方もビジネスマナーの一部です。放置するよりも必ず連絡する姿勢を見せましょう。
内定承諾書・添え状に関するよくある質問
内定承諾書を提出した後でも辞退できますか?
法的には、内定承諾書を提出した後でも辞退は可能です。内定承諾書は労働契約の成立を意味しますが、入社前の段階では損害賠償が認められるケースは極めて限定的とされています。ただし、採用担当者の立場から見ると、承諾後の辞退は採用計画や内定枠の調整に大きな影響を与えます。辞退せざるを得ない場合は、できるだけ早く・誠実に連絡することが最低限のマナーです。
添え状は手書きとパソコン、どちらがいいですか?
どちらでも問題ありません。現在のビジネスシーンではパソコン作成のほうが主流です。手書きの場合は縦書きで、誠意が伝わりやすいというメリットがありますが、誤字の際に書き直しが必要で時間がかかります。特に急いでいる場合や不安な場合はパソコンで作成するほうが無難です。
担当者の名前がわからない場合、宛名はどう書きますか?
採用担当者の名前がわからない場合は「採用ご担当者様」と記入するのが無難です。部署がわかっている場合は「人事部 採用ご担当者様」と書きましょう。「御中」は部署や会社名そのものを宛先にする場合に使い、「様」は個人名の後に使います。両方を同時に使う(「人事部 御中 ○○様」)のは誤りです。
内定承諾書に保証人欄がある場合はどうすればいいですか?
保証人欄がある場合は、指定された条件に合う人物(多くの場合は保護者・配偶者などの身近な人)にお願いします。企業によって保証人の要件や必要書類が異なるため、内定通知書や案内書類に記載された指示に従いましょう。不明な点は採用担当者に確認してください。
「内定承諾書在中」はスタンプでも問題ありませんか?
問題ありません。市販の「在中」スタンプを使用しても丁寧な印象を与えられます。ただしスタンプを使う場合も必ず赤色で記入することがマナーです。手書きの場合は定規を使って囲み線を引くと見栄えが整います。
内定承諾書はマナーを守って返信しよう
内定承諾書を送るタイミングから、すでに採用担当者との正式なビジネスコミュニケーションが始まっています。添え状の同封・封筒の書き方・返信用封筒の「行」の書き換え・クリアファイルへの封入など、一つひとつは小さな対応ですが、それらの積み重ねが入社前の第一印象を作ります。
本記事で紹介したチェックリストを活用し、書類を送り出す前に漏れがないかを確認することをおすすめします。入社後も円滑な関係を築くためにも、丁寧なやり取りを心がけてください。




















