ビジネスリーダーに必要なものは時代の変化とともに変わっていく

ビジネスリーダーとは、ビジネスにおけるリーダーのことで、組織の数だけリーダーがいることになります。組織の規模やビジネス環境によって求められるものも様々ですが、何が必要でどのようにするとビジネスリーダーになれるのか紹介します。

ビジネスリーダーに必要なものは時代の変化とともに変わっていく

日本には真のビジネスリーダーが足りない

日本と言えば世界の中でも経済大国であり、ビジネスのレベルが高い国であると考えている人も多いのですが、実はビジネスリーダーが不足しているとも言われています。実際、国際的な大企業になると、海外からCEOを招くことも増えてきており、大きくなったビジネスの舵取りを適切にできるリーダーの不足が懸念されます。

大学生の酒井君は、ビジネスリーダーになるにはどういった人物を目指せばよいのか、経営コンサルタントのK・エーイ氏に尋ねてみることにしました。

「ビジネスリーダー」イコール「経営者」ではない

―エーイさん、いつもスミマセン。今日は「ビジネスリーダー」についてお伺いしたいんですけども。

ビジネスリーダーですね。わかりました。また難題を持ってきましたね。

―ええっ、難題なんですか?全くそんなことは考えもしませんでした。ビジネスリーダーってどういう人のことを言うのか、まず教えていただいてよろしいでしょうか?

わかりました。じゃあ、心して聞いてくださいね(笑)。酒井君は、ビジネスリーダーと言って思いつくのはどんな人ですか?

―はい。イメージとしては企業の社長ですね。

うん、そう考える人は多いですよね。でも、「ビジネスリーダー」イコール「経営者」とは限りません。組織の数だけリーダーが必要ですし、ビジネスというのはプロジェクトの数だけ組織が作られるのが普通です。ですから、ビジネスリーダーは無数に存在するんです。

ビジネスリーダーと経営者の対比イラスト

―え?じゃあ、ビジネスリーダーが足りないなんてことはないんじゃないですか?

形の上ではそうですね。でも、実際にはビジネスリーダーとして十分な能力や資質をもった人は少なく、それが日本の競争力が今ひとつ伸びない原因と言われているんです。

ビジネスリーダーに求められる能力・資質

―ビジネスリーダーに十分な能力や資質を持った人が少ないということは、つまりは求められるものが決まっているということですよね?

鋭いですね。その通りで、ビジネスリーダーに求められている能力や資質というのは「ある程度は」決まっています。「ある程度」と断っているのは、時代によって求められているものが変わってくるからです。

―どういう能力が必要なんでしょうか?

様々なものが必要とは言われるのですが、順を追っていくならまずは「ビジネススキル」そのものでしょうね。その分野における仕事のスキルや基本的なビジネススキルが無ければ、人もビジネスも動かせません。

―それはよくわかります。でも、「順を追っていく」というのはどういうことでしょう?

はい。これがつまり時代の流れのことですね。ビジネススキルだけで人がついてくるわけではなく、リーダーになるためには「ビジョン」や「リーダーシップ」も必要だと言われるようになっていきます。つまり、単独で仕事ができるだけでなく、人を巻き込んで組織を動かす能力です。

リーダーに必要な資質・能力のイラスト

―なるほど。確かに言われてみるとその通りですね。ビジネスが大きくなれば、一人では到底回らないですし、目も届きませんね。

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しかし、これだけでは足りず、より大きな組織を動かし、様々な問題に対して正しく判断するためには、「経営に関する様々な知識」が必要ということになっていきます。これを体系的にまとめたのが「MBA(経営学修士)」と呼ばれるもので、一時期はこれを学び、MBAを取得するのがビジネスリーダーの条件とも言われていました。

―何だかすごそうですね。MBAって何を学んでいるんですか?

主には論理的思考、問題解決、経営戦略、会計、リーダーシップ、組織論、マーケティングなどですね。細かい科目なども含めるともっとたくさんあります。

MBAで学ぶ事柄のイラスト

―うわぁ、聞くだけでも難しそう!経営学修士ってことは大学院ってことですよね。

そうですね。社会人も多く通っているのが特徴で、それだけに内容もハイレベルで実践的なものが多いのが特徴です。しかし、時代の要請は厳しく、今は真のビジネスリーダーにはMBAでもまだ足りないと言われることもあります。

―ええっ!まだあるんですか?

はい。MBAが重要視されたのは主に2000年代初期くらいまでで、その後はインターネットやデバイスの爆発的な普及によって、グローバル化やデジタル化が進んで状況が変わっていきます。

時代の変化がもたらした新しいリーダーに求められるスキル

―社会の様子が変わってきて、ビジネスリーダーに求められるものも変わってきたと?

そうなんです。社会のグローバル化が大きく進んだことによって、多様なバックグラウンドの違う人たちと一緒にビジネスを行うことが増えました。すると、いろんな国の人とコミュニケーションを正しく取ることができないといけないんですね。

―確かに、あちらこちらで外国人の方が働いているのを見るようになりました。

それでも日本は移民などの制限が厳しいですし、島国なので外国人の流入も少ない方です。海外ではもっとそういう状況が進んでいて問題にもなっています。

―そうなんですね。ということは、外国語スキルは必須ですね。

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はい。ただ、外国語ができるというだけではダメです。外国語というのはあくまでコミュニケーションの「手段」でしかなく、伝える「中身」が無いといけません。日本人は「空気を読む」美徳がありますから、正確にはっきり伝えなくても何となく上手く物事が進みますが、多くの外国の人はそうではありません。時には意見の衝突があることを覚悟の上で、伝えるべきことを伝える必要があるのですが、「中身」にこだわってこなかった日本人はちょっと苦手な人が多いようです。

地球の上で競うビジネスマンたちと、その前で「Do you speak English?」と問いかける男性のイラスト

―もう、これだけでリーダーへのハードルが一気に上がった感じがします。

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さらに、今はインターネットによる情報発信がビジネスにとっても重要で、社会的に価値がある働きをするなら広く称賛され、また失敗があれば広く叩かれる時代となりました。何を行い、何を発信するか、それによって自分の予想以上に物事が動くため、ソーシャル時代における感覚も必要になっていると言えます。

日本人にビジネスリーダーが少ない理由は環境が甘いから

―なるほど、ビジネスリーダーは様々な能力や資質が必要だということがわかってきました。難題というのも納得です。でも、どうして日本にはビジネスリーダーは少ないんですか?国際的な企業は多いはずなのに。

理由はたくさんあると思いますが、まずは語学力ですね。学校教育での外国語は基本的に読み書きや日常会話などを目的にしているので、ビジネス向きではありません。リーダーは主張したり、巻き込んだりする必要がありますから、外国語の演説なども学ぶ必要もあるんじゃないでしょうか。

―なるほど。確かにそんな勉強した覚えはほとんどないですね。

また、日本の企業では日本人相手のビジネスを行っているところが多いため、日本語だけでビジネスが成立します。また、日本人は空気(文脈)を読んでくれますから、曖昧なコミュニケーションでもビジネスが進みますし、意見や考えも画一化しやすいです。

日本のリーダーとグローバルなリーダーの対比のイラスト

―それだけ聞くと決して悪いことばかりではないと思うんですが、やっぱりビジネスリーダーを育てるには不向きなんでしょうか?

まあ、甘い環境であることは間違いないですよね。また、最近は少し違ってきているとは言え、企業トップって企業内の生え抜きが多いんです。海外の大企業はプロ社長というか、あちこちの企業でCEOを務めてきたような人が多いんですよ。

―「プロ社長」って、まさにビジネスリーダーって感じですね。そういう人を見てリーダーについて考えるとまた全然違った刺激がありそうですね。

そうです。環境によらずリーダーシップを発揮して結果を出すのですから、プロ中のプロですね。日本の経営者は、ある種甘い環境の中で出てきた人ですから、国際的な感覚のビジネスリーダーとは言い難い。また、日本人は保守的で、新しい技術には疎い人も多く、企業のリーダーでありながらインターネットに無頓着な人もいまだ多いのが実情です。見るべき人が少ないのも日本にビジネスリーダーが育たない理由のひとつでしょうね。

ビジネスリーダーになるためには学び続けることが大切

―ビジネスリーダーになることはとても難しいように感じるんですが、どうやったらなれるんでしょうか?

ビジネスリーダーになりたいと思っても、確実な方法があるわけではありません。ただ、今まで話したような項目について完璧に揃えるというのは、必要不可欠でもありませんし、現実的でもありません。大事なのは「常に学び続けること」じゃないかと思います。

―常に学び続けることが大事、ですか。でも、あまり勉強してリーダーになれるというイメージは無いんですけどね。

そうかもしれませんが、やはりビジネスですから、実力のある人はどこかで評価されます。時代の流れは変わりますし、人の質も変わっていきます。それを前提に常に必要なものを考え、学んで身に着ける姿勢が大事で、そういう努力を継続できる人は、スキル的にも人格的にも自然とリーダーとなっていくでしょう。

―でもリーダーって忙しそうですし、そんな時間は無いんじゃないですか?

言うほど簡単なことじゃないですよね。しかし、一流のビジネスリーダーほど常に学びの機会を作って己を磨いているものです。ビジネスリーダーたちの勉強会なども多く、講義を聞いたり議論する中で様々な学びを得られるそうです。

―なるほど。ビジネスリーダーになるには立候補したりするんじゃなくて、頑張っているうちに自然とリーダーになっていくんですね。足りない部分があっても、頑張って埋めていけばいいってことか!

小さな経験の積み重ねが真のビジネスリーダーを作る

リーダーが育っていく様子のイラスト

あと、リーダーになりたいと思う人は、ぜひ「小さな経験を大事にしてほしい」と思いますね。

―それはどういうことですか?

よく誤解されるんですが、リーダーシップがある人とか、リーダーに向いている人とかって決まってないんです。でも、経験が無いことで自分にはリーダーが向いていないと思う人は多いんです。生徒会長とか、部長とか、そういう経験がない人の方が多いでしょう。

―考えてみるとそうですね。でも、ビジネスのリーダーはプロジェクトの数だけあるって仰ってましたよね。

そうなんです。だから、どこかではリーダーの経験をすることになります。仕事でなくとも、プライベートで家庭を持つようになれば家庭のリーダーでしょう。何かの機会にリーダーになれるなら、なっておいた方がリーダーとしての経験も身に付き、また必要な課題もわかります。

―なるほど。つまり、リーダーになれる時には積極的になっておいた方が良いのですね。

そういうことです。無謀に実力以上のことをするのもよくないですが、仕事内容やメンバーを見て逃げてばかりいては真のビジネスリーダーにはなれません。すべてを学ぶ機会にして、良い経験を積み上げていってほしいと思います。

―私もサークルではリーダーの立場なので、良い経験をさせてもらってるんですね。ビジネスリーダーにもなれるように、これから頑張ってみたいと思います!本日はありがとうございました。

ビジネスリーダーの形は組織の数だけ存在する

ビジネスリーダーは、ビジネスのための組織におけるリーダーで、組織の数だけ存在します。しかし、変化する時代やビジネス環境に適応し、組織や事業を成功に導く真のビジネスリーダーはそう多くはありません。求められるものも多いですが、絶えず自分を磨いて学び続ける中で、真のビジネスリーダーに近づいていきますので、積極的に挑戦してみましょう。