歓送迎会で挨拶する順番・失礼のない立場別挨拶の例文

歓送迎会の挨拶はとても重要なポイントです。ここでは、自分がどの立場におかれても失礼のない挨拶ができるよう、歓迎する新人と送り出す異動者に向けた心を込めた挨拶の例文をご紹介します。また、司会を任された時にどのような順番で歓送迎会を進めていけばいいのかについても説明します。

歓送迎会で挨拶する順番・失礼のない立場別挨拶の例文

歓送迎会の挨拶は順番に気を配ろう!失礼のない例文もご紹介

新しい社員が入社した時や、転勤や退職で働いている職場を去る人のために開かれる歓送迎会。社会人なら一度は参加したことがあるでしょう。自分が歓送迎会の主役になった時、司会を担当した時、また上司であったら、どのように挨拶したらいいのでしょうか。

今回は、歓送迎会における挨拶の仕方と進め方についてご紹介します。挨拶の文例を紹介しながら歓送迎会の流れを分かりやすく説明します。歓送迎会を前にして挨拶の仕方や主役を紹介する順番がよく分からず、不安な気持ちでいる方はぜひ参考にしてください。

歓送迎会とは単に親睦を深めるためだけの席ではない

歓送迎会で酔っぱらうベテラン社員

歓送迎会とは、歓迎会と送別会を兼ねて行う集まりの事です。主に仕事終わりの平日の夜に、居酒屋やホテル、宴会場を借りて行われます。会社に限って言えば、新入社員や中途採用入社社員、ゼミやサークルなどなら新人を迎え入れる歓迎会の面がある一方で、中途退職者や定年退職者、転勤による異動者などを送り出すための送別会でもあります。

歓迎は、新しく関わる事になる人達を温かく迎えるという気持ちを伝える、また、送別は今までの感謝の気持ちや労いの気持ちを込めて、これからの活躍や健康を願う意味を持っています。

単に親睦を深めるためだけの席ではないという事を心に留めておきましょう。歓迎と送別のバランスが取れるように注意し、その場の雰囲気が悪くならないように気をつける必要があります。

歓送迎会の挨拶の順番と流れ

歓送迎会で見事なスピーチを披露する新入社員

実際に歓送迎会を開く時に気を付けておきたいのは、挨拶の順番です。挨拶は基本的に、今までの付き合いが長く、今後の関わりが薄くなる可能性が高い転任者より、知り合いが少なく、今後付き合いが長くなる新任者を先にしてバランスを取ります。では、実際にどのような順番で、誰に挨拶をしてもらえばいいのか歓送迎会の流れを見ていきましょう。

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司会者は開会の言葉を述べる

歓送迎会は、開会の言葉から始まります。司会者が開会を告げ、自分の軽い自己紹介をします。その後に新人と異動者を紹介しますが、人数が多い場合は省略する事もあります。

最初の挨拶は職場の代表者が述べる

司会者が、自身の簡単な自己紹介と開会を告げたら、最初の挨拶として職場の代表者に歓迎と送別の挨拶をしてもらいます。これは、最も役職が高い人にお願いします。

乾杯をする

最初の挨拶が終わったら続いて乾杯をします。これは、役職が二番目に高い人にお願いしましょう。最初の挨拶を述べてくれた人に、流れを中断させないためにそのままお願いする事もあります。

また、会費以外の心づかいの言葉である御芳志(ごほうし)を頂いた場合は、「○○様からあたたかい御芳志をいただきました」と乾杯の音頭の後に参加者に報告します。複数人から頂いている場合は、役職順に報告していきます。

乾杯が終わったら歓談をはさむ

最初の挨拶と乾杯が終わったら、ここで会食、歓談をはさみます。知り合いが少ない新人が場に馴染めるように積極的に声をかけましょう。また、退職者や異動者には、お礼や感謝の気持ちを忘れずに伝えましょう。

花束・記念品の贈呈

いよいよ最後のイベント、主役に花束や記念品を贈呈します。主役は、花束と記念品を受け取ったら、新人、異動者、退職者の順に挨拶を行います。

最後は締めの挨拶

そして締めの挨拶ですが、これは二番目に役職が高い人にお願いします。挨拶の後に手締めの音頭をとってもらった後、司会者が閉会の言葉を告げ、お開きとなります。二次会の予定がある場合はそのアナウンスをします。

どの挨拶も基本的には役職の高い順にお願いしますが、もしも同じ役職の人が複数人の場合は、年齢が高い順にお願いしましょう。

歓送迎会の挨拶の例文

上司のスピーチに感動する新入社員

ここでは、みんなの前で話す、歓送迎会挨拶の例文をご紹介します。それぞれの立場から話すことが分かるように、挨拶文をまとめました。

歓送迎会での乾杯の挨拶とその例文

乾杯前にグラスを持ったままする挨拶ですので、皆が早く食事をとる事ができるように短めにしましょう。この時、場の人々、特に上司の気分を損ねたり、失礼のないような言葉選びに気をつけてください。歓迎の気持ちや今までのお礼をする気持ちなど、感情を込めて挨拶をします。

実際の例文はこちらです。

歓送迎会での乾杯の挨拶例文

ただいまご紹介にあずかりました○○と申します。僭越(せんえつ)ながら、乾杯の音頭をとらせて頂きます。ご退職される△△さん、長い間お世話になり、誠にありがとうございました。△△さんに教えて頂いた事や助けて頂いた事は決して忘れません。そして□□さん、A社へようこそ。これから仲間として働ける事を嬉しく思います。私達の職場は皆優しくて、心の温かい人達ばかりです。一緒に頑張っていきましょう。それでは皆さん、ご唱和をお願い致します。△△さんのご健勝と□□さんのご活躍をお祈りし、乾杯!

歓送迎会での新人の挨拶とその例文

新人として挨拶する時には、笑顔を忘れないようにしましょう。姿勢を正し、会場中に声が聞こえるようにはきはきと大きな声で挨拶をします。視線が泳いでしまう場合は、参加者の顔を見る事を意識すると良いでしょう。この場合も挨拶は短めに抑えます。

フルネームと年齢、出身地や出身大学、趣味や学生時代の部活動の経験など、自分を知ってもらうきっかけになる事を添え、仕事への抱負や意気込みを述べます。終わりに、上司や先輩方に向けての言葉を述べますが、挨拶を通して謙虚さを忘れないように心がけましょう。

これが実際の例文です。

歓送迎会での新人の挨拶例文

ただいまご紹介にあずかりました、○○と申します。本日は私のためにこのような場を設けて頂きまして、本当にありがとうございます。当社のような歴史あるすばらしい企業で皆様と共に社会に貢献できる機会を与えて頂き、大変嬉しく思っております。私は学生時代、テニス部に所属しておりました。部活動で培った粘り強さと、目標に向かって創意工夫する心を忘れず、仕事に打ち込んでいきます。一日も早く戦力となりたいと考えておりますので、ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。

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歓送迎会での上司の挨拶とその例文

歓送迎会の挨拶に緊張する社長

上司として歓迎の言葉を贈る時には、お祝いの言葉と会社の紹介を述べます。この時も長くなり過ぎないように意識しましょう。

以下が実際の歓迎の言葉です。

歓送迎会での上司の挨拶例文:新入社員を迎える時

○○さん、入社おめでとうございます。本日から私達の仲間として共に働く事ができ、本当に嬉しく思っています。当社は今年、創業30周年という節目を迎えます。昨今の厳しい不況の中においても、企業競争に勝ち残ってきた誇りある会社です。入社した皆さんにも、社員としてその誇りを持って仕事に打ち込んでもらいたいと思います。上司や先輩である私達がサポートしますので、何事にも全力で取り込んでください。共に思う存分力を発揮し、活躍しましょう。ぜひ期待に応えるべく頑張ってください。

また、上司として異動者に言葉を贈る時には、以下のように述べます。

歓送迎会での上司の挨拶例文:異動者へ贈る時

△△さん、この度はB支店へのご栄転誠におめでとうございます。△△さんは、当部で私達と共に切磋琢磨し、時にはムードメーカーとして場を和ませてくれたりと、とても感謝しております。B支店での更なるご活躍を期待しております。△△さんとは、今後も当社の大切な仲間として繋がりを持ち続けていきたいと思っておりますので、引き続き宜しくお願い致します。

歓送迎会での異動者の挨拶とその例文

歓送迎会において、異動者も挨拶がだらだらと長引かないように気を付けましょう。今までにお世話になった方々への感謝の気持ちが伝わるように、心を込めて挨拶の言葉を述べます。異動日や異動先、現職場への感謝の言葉、新任地への一言や今後の抱負などを織り込みましょう。

実際の例文がこちらです。

歓送迎会での異動者の挨拶例文

ご紹介いただきました通り、私○○は○月○日付でB支店に移動する事になりました。本日はこのような場を設けて頂きまして、誠にありがとうございます。当部では皆様に助けられ、毎日良い刺激を受けながら仕事に取り組む事ができ、とても感謝しております。B支店においても、当社の一員であるという意識を常に忘れず、今までと変わらず全力で日々邁進していきたいと思います。皆様には○年間本当にお世話になりました。最後になりますが、皆様の今後の更なるご活躍とご健勝をお祈り申し上げます。本当にありがとうございました。

歓送迎会での挨拶は事前準備と短くまとめる事が大切

歓送迎会の挨拶を綿密に計画する課長

挨拶は全体的に短くまとめた方が良いでしょう。長引くと聞いている人達も、何が言いたいのだろう?と真意を掴みにくくなってしまいます。会食などが後に控えている場合は、料理が冷めたり飲み物がぬるくなってしまったりしてしまうので、そこにも注意することをおすすめします。

また、TPOをわきまえる事も心に留めておきたいところです。羽目を外して騒いだり、目上の人の顔を潰すような事は絶対にしないように注意を払ってください。単なる親睦会ではなく、迎え入れる人と送り出す人が主役である場である事を忘れてはいけません。

司会を担当することになったら、挨拶をしてもらう人には、必ず事前にお願いをしておきましょう。当日にいきなり話を振られても、ほとんどの人が焦ってしまい上手く挨拶ができない可能性が高いと言えます。唐突な行動は失礼にあたるので、事前の準備として根回しは忘れないようにしてください。

実際に司会者として歓送迎会を進めていくと、上司や異動者、新人の挨拶の後にお礼を言うのを忘れてしまう事が予想されます。進める事に全て気を持っていかれてしまいがちですが、必ず「ありがとうございました」とお礼を言うようにしましょう。

席次のビジネスマナー覚えておきたいシーン別上座下座のルール

歓送迎会で挨拶する際は歓迎や感謝の気持ちを忘れずに

歓送迎会においては、出席しているすべての人に失礼がないように心配りを忘れないようにしましょう。つつがなく会が進む事が大切ですが、歓迎する人や送り出す人への配慮、気持ちが足りないと、いくら形式通りでも会がぎこちないものになってしまいます。

この会がこの人に会える最後の機会なのだ、この会がこの人を迎え入れる最初の機会なのだというふうに歓送迎会が何のために行われているのかを常に心に留めておきましょう。挨拶をする時は言葉や表情が決して空虚なものにならないように心がけたいところです。

ここで紹介したことを頭に入れつつ、歓送迎会で挨拶をする際には、歓迎や感謝の気持ちを忘れないようにしてください。