「マナーが人を作る」という意識のある人は成功できる

「マナーが人を作る」という言葉は映画「キングスマン」から出た名言ですが、一人の社会人としてマナーを大事に考え、実践しようとする人は成功できる人です。マナーについて考えながら、社会で、職場で、どうして成長につながるのか考えてみましょう。

「マナーが人を作る」という意識のある人は成功できる

映画「キングスマン」の明言「マナーが人を作る」に共感の声多数

こちらに向かって歩いてくるスーツ姿の男女

「キングスマン」という映画をご存知でしょうか。スパイ映画はダークでシリアスな雰囲気になりがちですが、キングスマンはスタイリッシュでユーモラス、それでいて教訓にあふれる画期的な映画だと評価が高い近年の名作です。

そのキングスマンの劇中に登場する台詞に、「マナーが人を作る」という言葉があり、多くの人の共感を呼んでいます。社会人は誰しも最初にビジネスマナーを指導されますが、マナーは縛るもの、面倒なものというだけではありません。「マナーは人を作る」という言葉を念頭に置きつつ、マナーについてよく考えてみましょう。

そもそもマナーがこれほど重んじられる理由は?

そもそもマナーはどうしてあるのでしょうか。

マナーは礼儀とも訳されますが、その目的は「人間関係を円滑にし、その場の時間を最大限に楽しめるようにするため」です。決してぎこちなく縛り付けるためのものではありません。

「テーブルマナー」なら食事をしている人が気持ちよく食事や会話を楽しめるようにするためにありますし、「ビジネスマナー」ならビジネスが円滑に効率的に進められるようにと定められています。交通マナーなら、交通が安全かつスムーズに行われるようにするためです。

握手を交わすビジネスマン

たとえば、名刺を渡す時に相手から見て名前が読める向きで渡すのは、相手がこちらの名前を把握しやすくするためですし、机の上に名刺を置いておくのは名前や役職などをすぐに確認できるようにすることで失礼を無くすためです。「相手のために」という気持ちで行動していけば、マナーの形に落ち着くのですが、私たちは完成された行動を先に学ぶために根本が見失われてしまいがちです。

マナーがどうして存在するのかを考えずに形式ばかり追っても、マナーが人を作ってくれることは決してありません。それは型にはめるだけでしかありません。マナーが人を作るのは、マナーの根本にある考えに共感し、それを自然に実行できるようになるからなのです。

ビジネスマナーの根本は「相手を立てる」こと

ビルの谷間をバックにお辞儀を交わす日本のビジネスマン2人

映画キングスマンでは、自堕落に過ごし無職で過ごしていた青年が、表向きは高級テーラー(洋服の仕立て屋)、裏はスパイ組織という環境で訓練を受け、紳士としても成長していく姿が描かれています。「マナーが人を作る」と教官から繰り返し言われながら青年は精神的に大きな成長を遂げます。低い出自の主人公に対しても、上流階級の人々に接するのと同じように紳士的に接する共感の姿は非常に素敵です。

ビジネスマナーでは形を覚えることはもちろん大事ですが、その根本に流れる「相手を立てる」という考えをしっかり意識することがより大事です。

「相手を立てる」ことこそビジネスマナーの極意

相手の役職や年次によらず、敬意をもって付き合うことが本当にできているのか考えてみましょう。ビジネスマナーが身についた大人がたくさんいるはずの職場でも、相手を軽んじたりする気持ちから、社内での嫌がらせやモラハラなど、職場の困った問題が発生しています。

ちなみに、紳士の精神性は昔の騎士道から出ており、騎士道は「君主や国民のために」という考え方が強いのが特徴です。「相手を立てる」というと難しく考えてしまう人は、まずは自分中心にならず「誰かのため」を行動規範にしてみると良いでしょう。

人が嫌がることをしないのはマナー

ガムを噛みながら不躾な姿勢で足を延ばす男性と嫌がるビジネスマン2名

「人が嫌がることはしない」ということを子供の頃に家庭や学校で教えられた経験がある人は多いものです。しかし、それを常に完全に守っている人はいません。同じように、マナーと呼ばれるものはたくさんありますが、それを常に完全に守っている人は残念ながらいないのです。

たとえば、喫煙のマナーには色々なものがあります。「タバコを吸わない人の前ではなるべく吸わない」であったり、「食事の席では喫煙は控える」だったり、「ポイ捨てはしない」などどこかでは聞いたことがあるはずです。それは「人が嫌がること」だからです。

しかし、実際にはこういった「マナー違反」は、往々にして見られます。嫌がらせをしようとしているのではありません。多くの場合「嫌がる人がいる」ことに無頓着になるからマナーが守られないのです。特に顔見知りの人がいない場面や、自分にとって重要でないと考えている人しか周囲にいない時にはマナー違反が起こりやすくなります。

マナーのある振る舞いができる人が一人いるだけでも、周囲にいる人が緊張して自分のあり方を見直すようになります。「人が嫌がることをしない」という社会の基本を意識するだけでも、人間的な魅力がアップするはずです。

差別意識のある人は大成しない

映画「キングスマン」の舞台になっている英国では、上流階級、中流階級、労働者階級といった身分制度が残っており、基本的に出自によって身分が決まります。例外的に特に大きな功績を残した者が上流階級に入ることもありますが、基本的には階級間の溝があり、階級の違いによる差別は度々映画の主題になっています。

日本では身分制度はないものの、残念ながら国籍や学歴、性別、年齢、職業、役職、雇用形態などを見て人を軽んじるケースは少なくありません。こうした意識が普段の言動や態度に出ている人は印象が悪く、評価を下げることになります。

仲違をする多民族のビジネスマン2人と間に挟まれる男性

特に今後は女性や高齢者、外国人労働者が職場においても増え、ダイバーシティが要求されるようになりますので、差別的な考えがどこかに残っている人は変化を求められるようになるでしょう。

マナーの根本をもう一度よく考え、周囲との接し方も見つめ直すことは、今後の労働環境でうまくやっていくためにも必要ではないでしょうか。

身だしなみは礼儀でありセルフブランディング

身だしなみを整る男性と整えた男性

映画の中で主人公は表向きは高級テーラーに勤めることになります。そのため、スーツや身だしなみについても色々な知識や実技を叩き込まれています。

「身だしなみをしっかりする」というのは社会人のビジネスマナーとして当然ですが、その意識が不足しているために損をしている人も少なくありません。

身だしなみひとつでも良い印象を与えたり悪い印象を与えることもありますし、また服装や髪型などは人のファッションセンスだけでなく、意識の高さや考え方などを反映することもあります。身だしなみは、自分がどんな人なのかを発信するセルフブランディングでもあるのです。

セルフブランディングは自分の強みをSNSで語る方法が効果的

「どうせ汚れるし」「どうせすぐに乱れるから」という意識の人は身だしなみも雑になりやすいです。実際、そういった職場もたくさんあると思いますが、「どうせ」という言葉は価値を十分においていないために出てきます。仕事や自分に対して価値を低く感じてしまうと、仕事や自分を大事にできなくなってしまいます。

しっかり身だしなみを整えると、気持ちも入って良い一日を過ごせるようになりますし、また自分を高めようという意識も湧きます。人に見せるための礼儀としてだけでなく、自分のためにも身だしなみに気を遣ってみましょう。

感情を野放しにしないのもマナー

職場に働く社会人といえど、人間ですから何かの際には衝突し、悪感情を抱くことがあります。しかし、その悪感情を野放しにしておいてはいけません。

職場においてメンタルヘルスの問題を引き起こしやすいのは、特定の個人に対して社内で嫌がらせが行われていたり、無視をする、モビング(集団で特定の人を排除する行為)があるといったケースです。

職場で無視をしない、されないためにできること
職場でモビングの被害者、加害者にならないために知っておきたいこと

これらの始まりの多くは、個人的に生じてしまった悪感情です。その悪感情が、様々な行為につながっていき、仕事にも影響を及ぼすようになってしまうのです。また、悪感情ではなかったとしても、個人の気持ちをコントロールできずに自分中心に考え、行うことで発生するモラハラやセクハラなども職場の大きな問題になっています。

社会人たるもの、様々な感情が生じたとしても、それが業務に支障をきたすようではいけません。ビジネスマナーは形が定まっていることによって感情を直接的にぶつけず、心を落ち着ける効果もあるのです。感情的な振る舞いにならないよう、一定のマナーは身に着けておきたいものです。

反抗的な態度をとる部下と思われないように注意すべきこと

自分の言葉に責任を持つ人になる

現代の社会人は、特に自分の言葉に責任を持つ必要があると言えます。普段の対話はもちろん、SNSなどを通してやり取りされるメッセージにも注意を払う必要があります。

ネクタイを掴み詰め寄る女生と詰め寄られて弱っている男性

普段からの話はもちろん、SNSという公共の場でやり取りされるメッセージに、本来は口にするべきではない不適切なものがあり、それを知られてはいけない人に知られてしまうと、自分や周囲の人、会社にも大きな迷惑となってしまうことがあります。

SNSで会社の人の悪口を言うべきでない理由と持つべきマナー

また、職場におけるダブルバインド(矛盾した指示や言動によって相手を縛りつけてしまう)も多く見られる問題であり、一貫した姿勢がなくその場の気分で言葉や態度を决めてしまうことで周囲に不要なストレスを与えてしまっていることがあります。

ダブルバインドとは?上司の矛盾した指示に影響されないには?

軽率な発言は、トラブルの原因になることが多いです。その場その場で適切に言葉を選び、言葉を慎む人はその発言にも重みが出てくるものです。丁寧な言葉遣いを心がけることはもちろん、TPOを考えて発言することこそ「言葉に責任を持つ」ことであり、ビジネスマナーにおける最も大切なことなのです。

学び続ける人は成長する

勉強をし続けるスーツ姿の男性のイメージ

映画「キングスマン」の中の台詞で、「人は生まれた家柄で紳士になるんじゃない。学んで紳士になるんだ」というものがあります。

紳士といえば上流階級で、礼儀作法や教養を身に着けた立派な人であることは容易に想像できますが、そのためには「学ぶ」ことが必要であると言っています。特に身分差が明確には存在しない日本においては、立派な人、成功する人になるためには、学ぶことが重要です。

社会人になれば誰でもそこそこ働き、そこそこ出世するという時代ではありません。常に学び、成長し、組織のために貢献するという姿勢を続けてこそ、実力も評価も報酬もついてくるようになります。同じ時間を過ごしても、学ぶ意識のある人、働く意識のある人とそうでない人はパフォーマンスも異なります。

また、学ぶというのは勉学や職業訓練だけではありません。人についても常に学ぶ必要があります。自分が理解している相手だとしても、常に成長してアップデートされていますから、相手に興味を持ち、定期的に相手を学ぶようにしてこそ良好な人間関係を作ることができます。

学ぶ意識を高くもって、自分の会社や組織に貢献することは社会人として当然のマナーですし、成功する人に共通している特性です。

親しき仲にも礼儀ありという考え方は大切

スーツ姿の男女

親しい人の間では、ついつい礼儀を崩してしまうことがあります。それを互いに不愉快に思わず、許し合えるからこそですが、ビジネスシーンでは周囲にその他の人がいる場合もあることを忘れてはなりません。その時に気を許して出てしまった「失礼」が自分や親しい人の評価を下げることもあるのです。

また、親しい間柄だからと言って、相手を立てる気持ちを忘れてしまって自分本位の態度を取ってしまうと、相手が発しているメッセージに気づくことができなかったり、知らないうちに相手を傷つけてしまっていることもあります。

「親しき仲にも礼儀あり」というのは、敬語を使ったり様々な作法を守るという、難しいことを要求しているわけではありません。たとえば家族の間で挨拶をされたらちゃんと挨拶を返しているのか、ちょっと困っている様子があれば助けてあげようとしているのか、そういった基本的な礼儀をしっかりしようということです。

こうした基本的なことができていてこそ、会社に慣れた後も、周囲のメンバーとも良好な関係が継続的に続き、評価されるようになるはずです。親しき仲で礼儀を損なっているところが無いか、時々点検してみることが大切です。

「マナーが人を作る」を信じて実践してみよう

「マナーが人を作る」は映画の台詞ではありますが、実際に自分や他の人を理想的に作っていくために効果的な言葉であると言えます。ただし、本当にマナーが人を作るためには、マナーの根本的な考え方を知って行う必要があり、ただ作法や振る舞いを覚えるだけでは人格や能力の形成には至りません。

マナーに苦手意識がある人は、逆に考えればマナーを身につけることによる伸びしろが大きい人です。「マナーが人を作る」と信じて、ぜひ実際にマナーを意識する生活を実践してみてください。職場において抱えている様々な悩みも、少しずつ解決していくはずです。