慶弔休暇とは?日数は?結婚式参列や忌引き時に有効利用しよう

慶弔休暇について詳しく知っているという人は少ないのではないでしょうか。あまり馴染みのないものでしょうが、その制度はとても役に立つものなのです。しかし取得するためには条件がありますし、申請方法にも注意が必要です。きちんと確認していきましょう。

慶弔休暇とは?日数は?結婚式参列や忌引き時に有効利用しよう

慶弔休暇を正しく利用できるようになろう

慶弔休暇という制度があることは知っていても、実際にそれを申請したことがないという人や、詳しいことがわからないという人は少なくないでしょう。

慶弔休暇というものがどういったものなのかをきちんと把握しておくことによって、いざ取得の必要に迫られた時に、慌てず落ち着いて申請することができるようになります。言葉だけではなく、その制度の内容についてもしっかりと覚えておきましょう。

慶弔休暇とは近親者の結婚式や葬儀などへの参列にあたり取得できる休暇

慶弔休暇とは、法定外休暇に含まれる休暇のひとつです。近親者の結婚にあたっての結婚式や配偶者の出産、また近親者が亡くなったことや、それに際しての葬儀への参列などのために取得することができる特別な休暇のことを指します。

結婚式に参列

読み方は「けいちょう」で、その文字通りおめでたいこともその反対のことも含んでいるのが慶弔休暇の特徴です。ですから、結婚式でも葬儀でも慶弔休暇を取得することができるのです。

もちろん慶弔休暇の取得申請をせずに会社を休むこともできますが、その場合は「欠勤」扱いとなります。忌引きに関しては予定外の欠勤となり、葬儀などの色々な準備や後始末はどの程度の時間がかかるかわかりません。単なる欠勤として会社を休むことはあまり印象がよくありませんし、仕事面で周囲の人たちに迷惑をかけてしまうことも十分に考えられます。そうならないためにも、慶弔休暇を取って休む方が周囲の理解・協力を得られやすいでしょう。

慶弔休暇を何日取得できるかは会社によって異なる

慶弔休暇を何日取得できるか

慶弔休暇を申請したとして、何日休みを取得することができるのかは会社によってまちまちです。ここでは平均的にどの程度休むことができるのかをいくつかの例を挙げて見ていきましょう。

本人の結婚を理由に慶弔休暇を取る場合

社員本人が結婚する場合は、平均で5日程度の慶弔休暇を取得することができると考えられます。この日数が多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれでしょうが、結婚式を挙げたり身辺の整理をしたりするために有効に使いたい休暇であることは間違いありません。

配偶者の出産を理由に慶弔休暇を取る場合

配偶者の出産に際しては、平均で2日程度の慶弔休暇を取得することが可能です。配偶者の出産に立ち会ったり、出産直後の配偶者のケアをしたりすることなどのために慶弔休暇を使いたいところです。

近親者が亡くなったことを理由に慶弔休暇を取る場合

一親等の関係にある人が亡くなった場合には、およそ5日程度の休暇を取得できることになっています。一親等とは父母や配偶者、自分の子どものことを指します。また、二親等では2日程度が平均的でしょう。二親等とは祖父母や配偶者の父母と兄弟、姉妹のことを指すため、この関係性についてもきちんと把握できるようにしておきましょう。

慶弔休暇についてはきちんと就業規則を確認しておこう

慶弔休暇について口頭で指示され驚く社員

慶弔休暇は会社によって取得可能日数がまちまちですし、有給扱いになるかなどその他のルールも違います。慶弔休暇に関しては会社の就業規則に記載されているので、あらかじめ確認しておきましょう。

自分が今勤務している会社の就業規則において、慶弔休暇がどのように扱われているのかわからないという人は特に気をつけてください。自分の会社は大体こういった感じだろう、と思い込んでいると、いざ慶弔休暇を申請しようとした時に全く違った実態に驚いてしまうということもあり得ます。

慶弔休暇がどのように定義されているのか、休める日数は何日間なのか、何親等までなら許されているのかのほか、そもそも慶弔休暇自体が存在するのかどうかについても調べておかなくてはならないでしょう。会社の就業規則を確認することは普段あまりないでしょうが、これを機にぜひ確認してみてください。

慶弔休暇の申請方法と注意点

慶弔休暇を取得する際には、その申請方法に注意が必要です。結婚式や披露宴などで慶弔休暇を取る場合、日取りが決まり次第早めに口頭と届出書類の両方で申請をしましょう。

忌引きの場合には、突然のことですから口頭での連絡のみで、後から慶弔休暇届を提出するといった手続きをするべきです。忌引きの場合には、亡くなった人と自分がどういった続柄であるのか、葬儀の日時や場所についても慶弔休暇取得時に会社側へ伝えなければいけません。

さらに、どのように葬儀を執り行うのかも伝える必要があります。身内だけでひっそりと執り行うという場合もあるでしょうし、会社の関係者を呼んで大々的に執り行うという場合もあるでしょうから、そういったことも念のため連絡しておくべきです。葬儀方法によって、慶弔休暇を申請された会社側も対応の仕方が変わってきます。

慶弔休暇の申請時は会社に必要事項をしっかり伝えることが大事

慶弔休暇の申請書

慶弔休暇取得中の連絡先は、緊急時のことを考慮し会社側に必ず伝えておきましょう。また、いつからいつまで慶弔休暇を取得したいのか、その日数についても忘れずに伝えることが大事です。

自分自身が慶弔休暇の取得を急いでいたり、周囲が仕事で慌ただしくしたりしていても、会社にはきちんと必要事項を伝えたうえで申請しなければなりません。後になってから、連絡がつかない、何日から休むのかわからないなどのトラブルが起こると以後、慶弔休暇を満足に取得することができなくなってしまうことも考えられます。

慶弔休暇を申請する時には、過不足なく情報を伝えられるようにあらかじめチェックしておきましょう。そのうえで申請すれば、会社としてもスムーズに対応することができるのです。

慶弔休暇にまつわるQ&A

ここで、慶弔休暇にまつわる様々なことを紹介していきましょう。慶弔休暇に関してわからないことがある人は、疑問解決のために以下のことを参考にしてください。

慶弔休暇は有給休暇扱いになるの?

慶弔休暇はほとんどの会社が有給扱いとしていますが、そもそも慶弔休暇そのものが会社によって一貫した制度ではないため一概には言えません。ただし、有給休暇を消化する社員があまりいない会社においては、慶弔休暇を有給休暇として扱う場合が多い傾向にあります。

慶弔休暇を取得する時には有給休暇だと勝手に思い込んだり、無給だと思い込んだりしないようにしなければいけません。有給休暇として扱われるのかどうかを就業規則でしっかり確かめましょう。有給休暇として扱われるのであれば、慶弔休暇が少し長引いてもあまり必要以上に気にしなくて済むはずです。

自分が有給休暇をどれくらい消化しているのか、慶弔休暇は有給休暇に当てはまるのかなどについては事前に調べておくことをおすすめします。自分が勤めている会社の慶弔休暇制度がどのようになっているかの確認は怠らないようにしましょう。慶弔休暇の取得を当然のように考えてしまうと、有給休暇かどうかを確認することを忘れてしまいがちです。慶弔休暇を取得する前に就業規則を確認するなどして、細かい部分まで把握しておくことが大切です。

企業が慶弔休暇を認めていないのは違法?

慶弔休暇は法律で決められたものではない

慶弔休暇は、法律で定められたものではありません。そのため、企業が慶弔休暇を認めていなかったとしても違法だとして訴えたり抗議したりすることはできません。確かに慶弔休暇は社員にとってはありがたい制度ですが、導入していない会社ももちろんあります。だからといって、そのことに対して法律違反だと声を荒げることはできないのです。

そのほか、慶弔休暇の日数について不満がある場合なども、正式な抗議をすることはできません。慶弔休暇はあくまでも会社側が自由に設定することができる制度ですから、その内容に関しても外部からの介入はできないため、基本的に会社が慶弔休暇を認めていない場合にはその規定が覆ることはないと考えるべきです。

しかし、どうしても慶弔休暇を認めてほしいという場合や、慶弔休暇の日数に不満があるという場合には、一応交渉してみるというのもひとつの手段ではあります。受理されるかどうかはわかりませんが、話だけでも聞いてもらえれば許可される可能性は生まれるかもしれません。

パートやアルバイトも慶弔休暇を取得することができる?

慶弔休暇を取得できるのは、正社員だけではありません。パートタイムやアルバイトで働く人たちにも、慶弔休暇が認められる場合があります。正社員と同じように慶弔休暇を取得しているパートやアルバイトの人は実際に大勢いるため、正社員ではないからといって慶弔休暇が取得できないだろうと諦める必要はありません。まずは勤め先に聞いてみましょう。適切な日数の慶弔休暇を取得することができる可能性は十分に考えられます。

非正規雇用者を正規雇用者と同等に扱う動きが活発化しているため、パートタイムやアルバイトスタッフが極端に差別されるようなこともほとんどなくなっていますから、慶弔休暇も絶対に取得できないと突っぱねられることも考えにくいでしょう。

正社員以外の人も慶弔休暇を取得することができるかどうかは会社によりますし、それは大手企業であることや中小企業であることなどは関係ありません。その会社が慶弔休暇に関してどういった規則を定めているかということのみが肝心ですから、しっかりと確認しておきましょう。

慶弔休暇を取得する際に仕事の引き継ぎは必要?

慶弔休暇を取得する際には、必ず仕事の引き継ぎをしておきましょう。忌引きのように突然休暇を取得しなければならなくなってしまった場合でも、仕事の引き継ぎについて口頭で伝えられることは全て伝えておくべきです。そうしないと、残された人たちがどのように作業を進めていけばいいかわからず、仕事が滞ってしまうことも考えられます。

結婚式などの慶事による休暇の場合には、前もって慶弔休暇をとることがわかっているわけですから、しっかりと落ち着いて引き継ぎをすることができるでしょう。緊急時の連絡先を教えておくとはいえ、自分がいつでもその連絡を受けることができるとは限りませんから、自分がいない時にどうすればいいかといった指示や、仕事の進め方について周囲に詳しく話しておく必要があります。

仕事を引き継ぐ際は、「自分が残された側の立場だったらどうしてほしいだろうか」ということを考えて行動するのが望ましいと言えます。

慶弔休暇明けには職場の人に謝罪とお礼を忘れずに伝えよう

休暇明けで上司と話す社員

慶弔休暇が明けたら、まずは職場の上司や先輩、同僚などに謝罪とお礼を忘れずに伝えるようにしましょう。自分が会社を休んでいたことによって迷惑をかけてしまったという謝罪と、仕事を代わりにやってもらったことへの感謝を述べる必要があります。

慶弔休暇は正当な理由による休暇とはいえ、仕事に穴をあけてしまったことに変わりはありません。場合によって少し長く休んでしまったという場合もあるでしょうから、その点に関してきちんと慶弔休暇明けの挨拶の中で、謝罪と感謝の気持ちを言葉に表しましょう。

自分の代わりに仕事をしてくれた人に対しては、特にしっかりとお礼を述べておくことが大切です。慶弔休暇だったのだから休んで当然だっただろう、といった態度を取ってはいけません。あくまでも職場の人たちの厚意があってこそ、慶弔休暇が取得できたのだということを忘れないようにしましょう。

慶弔休暇明けは手土産を持参すると尚良い

慶弔休暇明けには挨拶するだけでも構いませんが、手土産を持参するとより好印象を与えることができます。「休暇中はお世話になりました」という気持ちを込めて、職場で皆がつまめるような個包装のクッキーなどを差し入れするのが好ましいでしょう。

慶弔休暇の扱いについては会社の就業規則を確認しておこう

ここでは、慶弔休暇がどのようなものであるかや、その申請方法について紹介してきました。自分がいつ慶弔休暇を取ることになるか分かりませんから、その時に備えて事前に会社の就業規則を確認することを忘れないようにしてください。

就業規則によって、慶弔休暇の詳細は大きく異なります。確認することなく勝手な思い込みだけで行動しないようにすることが大切です。また、慶弔休暇の取得を申請する際には、会社側から聞かれる前に、自分から必要事項を全て伝えることができるようにするのが望ましいと言えます。きちんとマナーを守って取得した慶弔休暇を有効的に利用しましょう。