「借りる」の敬語表現は?ビジネスシーンで使える例文

「借りる」と言う言葉はビジネスでよく利用されますが、敬語が上手く出てこないという人も多いです。借りるという言葉はそれほど表現が多くないので、誤用に注意して基本を表現することが大切です。表現の意味や使い方を紹介しています。

「借りる」の敬語表現は?ビジネスシーンで使える例文

頻繁に使われる「借りる」の敬語表現の基本を押さえよう

ビジネスシーンにおいて敬語を適切に使えることはとても大事なことですが、その中でも使用頻度の高い言葉はしっかり用法を押さえておきたいものです。

ビジネスシーンでは頻繁に「借りる」という言葉が用いられますが、急ぎの際などはついつい普段の習慣から簡単に「貸してください」など簡単に言ってしまいがちです。また、無理矢理に言葉をひねり出そうとすると違和感のある表現にもなりやすい言葉です。

スマートに「借りる」を敬語で表現するには、基本的な表現をしっかり抑えることが大切です。逆に「借りる」については表現パターンも少ないので、例外的な使い方をすることは少ないものだと思っておいて良いでしょう。

「借りる」の尊敬語・謙譲語・丁寧語について

「借りる」の敬語について

敬語には尊敬語、謙譲語、丁寧語があります。「借りる」にもこれらの用法がありますので、まずはこれを覚えることが基本となります。

使用する際には、どちらを主語に置くかが大切で、その上で尊敬語・謙譲語・丁寧語を選択します。実際のビジネスの場面では、口語では丁寧語が使われることが多く、文章上は尊敬語、謙譲語が多くなる傾向が見られますので、状況に応じて使い分けるようにしてください。

特殊な使い方が「借りる」には少ないので、上記をしっかり覚えて使い分けられれば90%以上の場面に対応することができます。

尊敬語

相手が目上の人の場合、相手を立てるようにして敬意を示す用法です。そのため、主語は相手になることに気を付けてください。
「借りる」の場合だと、「借りられる」「お借りになる」となります。

謙譲語

相手が目上の人の場合、自分を低くすることで相手を高め、敬意を示す用法です。そのため、主語は自分になることに気を付けてください。
「借りる」の場合、「お借りする」「拝借する」などの表現になります。

丁寧語

相手の立場によらず、言い回しを丁寧にすることで敬意を示す用法です。主語はどちらでも用いることができます。
「借りる」の場合は「借ります」「お借りします」となります。

「拝借」の意味と使い方

拝借の「拝」の意味を解説

「借りる」の敬語表現である「拝借」という言葉ですが、この時の「拝」は様々な敬語で用いられる表現です。

「拝する」と言うのは「拝む」という意味であり、もともと神仏に対して用いる表現から、尊い人に対しても用いられるようになっています。たとえば、「拝聴」「拝見」「拝読」などは全て「聞く」「見る」「読む」の敬語表現となります。

この時、言葉を丁寧にしようとして「ご拝借」などとすると間違いになります。「拝」がすでに敬語の言い回しになりますので、「ご」をつけると過剰となり、意味をわからずに使用していると思われてしまうため注意しましょう。

また、「拝借」は謙譲語のため、「部長が拝借くださった」というような使い方は誤用となります。「部長から傘を拝借した」と、自分が主語になるように用いるのが正しい方法です。

特殊な意味に注意

「拝借する」という言葉は、用法には少し注意が必要な言葉です。というのも、正式な意味ではありませんが、「拝借する」と言う言葉を「持ち去る」の意で使われる場合があるためです。

同様に「失敬する」などが「立ち去る」「持ち去る」の意で使われたりと、悪いことをする際にもなぜか敬語表現が使われることがあります。間違って覚えている方は正しく使えるようにしっかりと覚えておきましょう。

「モノ」を借りる場合と「知恵」を借りる場合

ビジネスにおける貸し借りには、大きく分けると「モノ」と「知恵」があります。

モノは借りた場合には返すことが基本ですが、知恵は借りた場合には返すことはできませんし、知恵だけでなく相談のための時間も借りていることになります。その敬語表現には違いはありませんが、他の国の言語に変換して表現する場合には注意が必要です。

モノを借りる場合

契約書のサインでお客様からペンを借りるビジネスマン

モノを借りる場合は、例として以下のような表現となります。

  • 「ペンをお借りしてよろしいでしょうか?」
  • 「拝借いたします」

返す場合にはきちんと「お貸しいただきまして、ありがとうございました」とお礼を言うようにしましょう。
ただし、英語の場合はより表現が正確です。車やペンを借りる場合は、借りて車で出かけたりペンで何かを書くことが前提です。

  • "May I use your car?"
  • "May I use this pen?"

モノを借りる場合の英語表現では、このように「use」を使う場面が多く、「borrow」「lend」などの文字通りの「借りる」を示す単語はあまり使われません。

知恵を借りる場合

仕事で先輩からアドバイスをもらうOL

知恵を借りる場合は以下のような表現となります。

  • 「お知恵を拝借できませんでしょうか?」
  • 「知恵をお借りできませんでしょうか?」

なお、実際の意味は「アドバイスをもらえませんか?」「少し時間をいただけますか?」という意味ですので、英語表現になると以下の表現が適しています。

  • "Could you give some me advice?"
  • "Could I have a minute of your time?"

また、お祝い事などで皆で拍子を打つことがありますが、その際に使われる「お手を拝借」という言い回しは、「お手を拝借させてください」という依頼の意味になります。
この時も借りているのは手だけではなく、時間や意識も含まれます。そのため、英語だと以下の表現となるのが一般的です。

  • "Could I have attention please, and lend me your hands."
  • "Now, everyone, please ready to clap your hands."

2番目の文における「clap」は「手を叩く、拍手する」という意味の単語で、「手を叩く準備をしましょう」の意となります。

「お金を借りる」場合

一万円札のイラスト

お金を「借りる」場合、敬語の使い方にも少し注意が必要です。

「借り入れる」は敬語ではなく、「借金なさる」「借金させていただく」という表現の仕方もありませんが、現実には見られることもあります。

また、「部長がお金を借りられたそうだ」というような言い回しは、お金を借りることができたのか、敬語表現なのかわかりにくい表現です。特に資金繰りなどのために活動している場合には慎重に言葉を選ぶ必要があります。

自分がお金を借りる際には、「先日、部長から飲み代を拝借いたしまして」と言うような言い回しをすると窃盗のような印象を与えてしまいかねません。

  • 「部長がお金をお借りになられたそうだ」
  • 「先日、部長から飲み代をお借りいたしまして…」

この場合、上記のように「お借りになる」「お借りする」の表現を使った方が誤解されるリスクを防ぐことができます。お金に関しては特にこうした表現の印象が強くなりますので注意が必要です。

その他の「お金を借りる」敬語表現

一応、お金を借りる際の特殊な敬語表現として、「借り上げる(目上の者が目下の者から金品を借りること)」や「借り下す(目下の人が目上の人のものを借りる)」という表現もあります。しかし、これらは一般に用いられることはほとんどありません。

多いのは「立て替える」ケースで、この場合は「立て替えてくださる」「立て替えいただく」という表現が使えると良いでしょう。先日は「立て替えていただきありがとうございました」などと使います。

また「用立てる」という表現もありますが、これはある目的のための資金を(借りることも含めて)準備することを言い、「お金を借りる」ことより「準備し集める」ことを主題にする言葉です。少しニュアンスが違うため使い方に気を付けてください。

「貸す」場合の敬語表現

「借りる」と一緒に「貸す」場合についての敬語も覚えておきましょう。「お貸しになられる」「お貸しする」と言った表現が基本となります。以下のような表現ができれば大丈夫です。

  • 「部長が私にランチ代をお貸しになられた(お貸しくださった)」
  • 「私が部長にランチ代をお貸しした」

無理矢理言葉をひねり出そうとして「貸付させていただいた」などと言う言い方をしないように気を付けましょう。

「借りる」の敬語を正しく使ってビジネスをスムーズに

ビジネスにおいて貸し借りは頻繁に発生するもので、これが上手にできるとビジネスも円滑に進むようになります。

貸し借りは他人の持つ資源やお金、時間、能力を使うことですから、マナーが悪い場合には非常に悪い印象を与えてしまいかねませんし、貸し借りをそれ以上続けたくなくなるものです。

逆に良い印象が続くと、自分の持っていないものも利用することができるため、ビジネスがどんどん活発になっていきます。「借りる」を敬語で表す場合は下手に難しい言葉を使おうとせず、基本的な表現を覚えて使うことがポイントです。

「助かります」の正しい敬語表現
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