「確認してください」という敬語はビジネスに相応しくない

「確認してください」という敬語は日本語としては正しいですが、ビジネスの場では相応しくありません。敬語が得意だと自信満々に言える方が少ないのに比例して、間違った敬語が横行しています。今回はビジネス敬語における「確認してください」の言い方と使い方、言い換えについて紹介します。

「確認してください」という敬語はビジネスに相応しくない

「確認してください」は正しい敬語なのか

会社で仕事をしていると、作成した資料や書類を上司や先輩に見せて、問題が無いか確認する場面が多々あります。新人の頃はもちろんのこと、中堅以降でも取引相手に書類を見てもらう場面があります。その際、単純に「書類を確認してください」と言っても問題ないのでしょうか?

敬語が正しく使えていなければ違和感を覚えますが、最近よく聞くようになった「さ入れ言葉」や「ら抜き言葉」のように間違ったまま気付かずに使い続けてしまうこともあります。「確認してください」という敬語が正しい日本語なのかを解説します。

「確認してください」は正しいか?

上司に書類を提出する女性社員

結論からいうと、上司や目上の方に対して「確認してください」と使うのはふさわしくありません。「ください」と使っているので何も問題ない敬語のように聞こえるでしょうが、「~してください」は敬語の区分の中でも尊敬語に分類されます。尊敬語は目上の方に使う敬語なので問題ないように思えますが、同僚や親しい仕事相手以外に使うと命令されているように聞こえてしまうことがあります。

さらに丁寧に表現しようと考えて「ご確認してください」とつけるのは、日本語として間違っています。名詞の頭に付く「ご」は丁寧語ですが、「ご~する」という使い方になると謙譲語となります。そのため「ご確認してください」という使い方は尊敬語と謙譲語が混在する、とてもおかしな日本語になるのです。

使う相手に命令っぽく聞こえないように、そして正しい日本語となるように表現する場合「ご確認ください」が適切な敬語です。

「ご確認ください」の使用例

ノートパソコンからクライアントにメールを送信している会社員の女性

同僚や上司、クライアントなど、相手に書類や商品を確認してほしい時は、仕事をしている限り必ず訪れます。以下、例文と使い方です。

  • 添付いたしましたファイルをご確認ください。
    「ご確認ください」は最もポピュラーに使われる表現で、ビジネスの場にて使われる敬語としても問題ありません。
  • 書類をご確認なさってください。
    「ご確認なさってください」は「ご確認ください」よりも少々丁寧な表現になっただけですので、同じように使用して構いません。
  • ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
    「ご確認のほど」は他の2例よりも「ほど」が付いている分、柔らかい印象を相手に与えます。使う場面や相手を鑑みて、いずれの表現を使うかを考えましょう。
  • 枚数をよくご確認のうえ、改めてご連絡ください。
    「~のうえ」は「~した後」「~した結果」という意味があるので、「ご確認のうえ」は確認した後に何か動作や反応をお願いする文章が続くのが普通です。

間違いやすい敬語

以下の会話例文にはおかしな点が2つあります。どこが間違えているのか、どう直せばいいのかを考えながら読んでみてください。

上司:○○くん、例の書類はどうなっている?
○○:はい、もうすぐ出来上がるかと思います
上司:どのくらいで持ってこられる?
○○:10分後には出来上がりますので、ご確認していただけますか?

上記の例文のおかしな部分1つ目は「もうすぐで出来上がるかと思います」で、正しくは「もうすぐ出来上がります」です。そしてもう1つが「ご確認していただけますか」で、「ご確認お願いします」が正しい敬語です。

目を通してほしいときの敬語表現

日本語には1つの事柄に対しても様々な言い方があり、それぞれに適切な使用場面があります。それはもちろん敬語も例外ではなく、「ご確認ください」にも言い換え表現が存在します。

言い換え表現を知っておくことで、丁寧さが足りないのではないかと詰め込んだ結果「ご確認してください」という間違った日本語を使うことになったり、逆に敬語を削り過ぎて礼を欠くことになったりといった、不自然な敬語を使う可能性が低くなります。働く社会人として、正しい日本語を使うことは信用を得るための第一歩です。

「ご確認ください」の類義語として「ご一読」「ご査収」「お目通し」「ご高覧」の4つがあります。いずれも、相手に何かを確認してほしい時に使いますが、微妙に確認する対象や見る厳しさが違います。

ご確認ください言い換え:ご一読

同僚から渡された資料を確認している女性社員

「ご一読」は、相手に資料をザッと見ておいてほしいときに使う言葉です。「一読」は文字通りひととおり読むことを指し、一般的には「ご一読ください」「ご一読願います」「ご一読いただきますよう、お願いいたします」のように用います。審査をしたり、細かくチェックしなければならないものに対しては適しません。あくまでも、大まかに確認する際に使います。

ご確認ください言い換え:ご査収

「ご査収」は書類や金品の確認に用いる言葉です。「ご一読」は文字通り文章をアバウトに確認してもらう際に使いますが、「ご査収」は書類以外の物品を確認する際にも使え、細かく目を通して欲しい時に用います。「ご査収ください」と使われることがほとんどです。

ご確認ください言い換え:お目通し

部下から書類を受け取る上司

「お目通し」は、目上の方が書類や物品を全体的に確認することに使います。「ご査収」は目下の方に使えますが「お目通し」は目上の方にしか使えません。通常「お目通しお願い申し上げます」「お目通しいただけますでしょうか」と使います。

ご確認ください言い換え:ご高覧

「ご高覧」は「見てもらう」を丁寧にした言葉で、「ご覧になる」よりも丁寧な表現です。目上の方やクライアントに対して書類や物品を見てほしいときに使います。「ご高覧ください」「ご高覧いただければ幸いです」「ご高覧いただきありがとうございます」と使うのが普通です。

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「見てください」の敬語でありがちな失敗と正しい表現方法

二重敬語には目を光らせよう

敬語における陥りやすい間違いといえば「二重敬語」です。古典であれば相手が天皇に限り二重敬語でも問題ありませんが、天皇を相手に話すシーンはなかなかないシチュエーションですし、何より現在は平安時代でもありません。「ご確認してください」は二重敬語ともいえない変な日本語でしたが、二重敬語自体は意外と世の中に溢れています。

ありがちな二重敬語といえば、例えば言うの尊敬語「おっしゃる」と尊敬の助動詞「~られる」が一緒に使われている「おっしゃられた」や、尊敬表現の接頭語「ご」と尊敬の助動詞「~られる」が用いられている「ご覧になられますか」など、一見すると問題なさそうな誤用が多いです。

上に挙げた二重敬語の例文は、それぞれ正しくは「おっしゃった」と「ご覧になりますか」です。また、役職名に敬称を付けるのも二重敬語の1種ですので、くれぐれも「社長様」や「部長殿」と使わないようにしましょう。

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「確認してください」の正しい敬語表現を押さえる

「確認してください」だけでなく、ビジネスにおいてふさわしいとは言えない敬語が横行しています。ビジネスの場においてTPOを弁えた言葉遣いをすることは、取引相手や上司から「しっかりした人」「信用のおける人」という評価に繋がります。

また、ビジネスにおいて考えや信念が曖昧な方は敬遠されます。考えが不明瞭な方は、他の点においても漠然としか考えていなかったり理解していなかったりするものです。もちろん、それは言葉においても同様で、敬語の使い方があやふやだったために相手に失礼を働く可能性がないとは限りません。正しい日本語や敬語を使って話し合いを持ったりや文書を作成したりして、円満な関係づくりに努めましょう。

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