一両日中は明日まで?ビジネスで使いたくない意味とは

一両日中という表現を耳にしたことがある人も多いと思いますが、ビジネスシーンではこの言葉に対する解釈の違いからトラブルが生じることもあります。一両日中の意味や使用例、解釈の違いが生じる理由について解説しています。

一両日中は明日まで?ビジネスで使いたくない意味とは

「一両日中」はビジネスシーンでトラブルになりやすい言葉

ビジネスで強く意識されることの多い納期ですが、この納期を示す際に認識が曖昧な言葉を使うとトラブルになりやすいのは当然のこととも言えます。

テレビのニュースなどで時々耳にする「一両日中」という表現もトラブルを生じるリスクの高い言葉です。いつを意味しているのかが正確に伝わらず、相手の期待に合わないタイミングを自己中心的に考えてしまわないように注意が必要ですし、誤解なく伝える必要があります。

しかし、もしも自分が「一両日中にお返事します」などと言われた時のためにも、この言葉について正確に理解しておきましょう。

「一両日中」の意味するところは1~2日の間

スケジュールを確認する会社員

「一両日中」は「いちりょうじつちゅう」と読みますが、その意味するところは「1~2日の間で」という意味です。

しかし、この1~2日が「今日~明日」なのか、「明日~明後日」なのかで意見が分かれることがあります。辞書でも、どちらの解釈も正しいとしているため、正解がハッキリしない言葉でもあり、その解釈の違いがビジネスでは大きな違いを生むことになってしまいます。

日本語らしい曖昧な言い方であることが、ビジネスではマイナスになることもあります。ビジネスシーンでは可能な限り正確に日時を伝えることが望ましいです。

「一両日中」は、コミュニケーションにおいて曖昧さを残しておいても大丈夫な場面なのか、それとも正確性が求められる場面なのかをきちんと区別して使う必要がある言葉です。

「一両日中」には類義語がある

「一両日中」の意味が分かれば、類義語を探して言い換えることは難しくありません。むしろ、類義語を正しく使った方が意味の誤解が少なく、期待するような情報の伝達ができるようになります。慣例的に「一両日中」を使っている人などは一度よく考えてみましょう。

誤解されることが少ない今日明日中・明日明後日中

カレンダーの日付を持つ女性

「この書類は今日明日中には郵送いたしますので」のように使うことができる「今日明日中」といった表現は、一両日中の代わりに使うことができ、いつなのかについて誤解が少ないために使いやすい表現です。

「明日明後日中」という表現も、今日明日中から1日スライドした表現ですが、これも一両日中の代わりの表現として使うことができます。どちらの表現をする場合も、相手側がその期間中なら問題ないのかをよく考えながら使いましょう。

今明(こんみょう)は無理に使わなくてもいい

現在はあまり使われることのない表現ですが、「今明のうちに書類をお届けします」というように使える表現で、これも字が示す通り「今日もしくは明日」を意味します。若い人だと見たことも聞いたこともない人も多いため、無理に使うことはありません。

近日中(数日中)は正確を求める時には使わない

「近日中(数日中)に見積りをお出しできると思いますので」というような使い方がされることは多いですが、一両日中と同様に、その解釈が人によって様々であり、結局いつなのかが正確に伝わりません。一両日中よりも日数の幅を広く取ることもできる表現ですので、これも納期を正確にしたい場合にはおすすめできません。

1~2日以内には分かりやすい表現

「1~2日以内に修正した提案書を再送させていただきます」という使い方をしたことがある人も多いと思いますが、一両日中を使うよりもずっとシンプルで伝わりやすい表現です。ビジネスマナーとしては重厚感のある表現よりもわかりやすい明快な表現がより良い表現ですので、臆せず使いましょう。

「一両日中」でぼかしてしまうとトラブルになることもある

明後日だと遅いと危惧するビジネスマン

「一両日中」という表現が間違って使われるケースでは、使用上の間違いよりも、受け取り手に対する配慮不足が多く見られます。

「一両日中に商品を発送します」と使うのは間違いではありませんが、その意図が正しく伝わらないためにトラブルが生じます。何かが届くのを待つ時は、1日違うだけでも大きく違うものですが、一両日中が意図しているのが明日中なのか明後日中なのかがわからないと困るのです。

「開封後は一両日中にお召し上がりください」という食品も多いですが、これもその日のうちに食べるべきなのか、1日2日は大丈夫なのかなど意見が分かれますし、それがもとになってトラブルが発生する可能性が無いとも言えません。

簡単に言えば、一両日中の誤用というのは、「明示できる日数を明示せずにぼかしてしまう」使い方と言って良いでしょう。もともと「一両日中」というのは、不確定要素がある場合に使う言葉なのです。便利だからと何でもぼかして表現しないように気を付けましょう。

「一両日中」の正しい使い方と例文

それでは「一両日中」の正しい使い方を見てみましょう。報道で使われる場合、一般的なビジネスで使う場合、日常的に使う場合に分けて例文を紹介していきます。

報道などで使われる場合の例文

  • 国会で来年度予算の審議が開かれていますが、与野党の意見が分かれ、本日中の決定は成りませんでした。一両日中には決定する見込みと専門家は見ています。
  • ○○の容疑で、一両日中に書類送検される見込みです。

一両日中は、日程について不確定要素がある場合に使われる表現で、報道などでは見込みが高い場合に使われることがあります。不確定ではあるものの、明日くらいには物事が進むと予想される場合に使われていると考えておくと良いでしょう。

ビジネスで使う場合の例文

会社のPCの前でメール文を考える女性

  • 工場に対応可能な数の確認を取りまして、一両日中に再度ご連絡を差し上げます。
  • 今回の面接の結果につきましては、一両日中にいただきましたご連絡先にお知らせさせていただきます。

ビジネスで使われることも多いのですが、できる限り「一両日中」のような不明確な言葉は使わない方がベターです。もしも使う場合は、日程の解釈が多少ズレたとしても大きな問題が出ないケースに限定した方が良いでしょう。

2つ目の例文のような使い方は間違ってはいませんが、面接の結果を心待ちにしている新卒採用の面接での結果通知などではあまり好ましくはありません。

  • 本日のお話を受けまして、提案を修正したものを一両日中に送付いたします。
  • 申し訳ありません、一両日中とは、明日まででしょうか?明後日までということでしょうか?

自分が「一両日中」で納期などを相手側に示された場合には、できる限り確認しておいた方がトラブルが少なくなります。ただし、相手に圧迫感を与えないように配慮することが大切です。急ぐ事情などがある場合には必ずその旨を伝えておかないと、相手にとっても損失になります。

日常的に使う場合の例文

  • こちらの商品は一両日中にお召し上がりください。
  • このキャンペーンでの結果は一両日中にお知らせします。

特別なビジネス用語ということではありませんので、日常の場面でも「一両日中」が使われることがありますが、これもできる限り期限についてシビアな状況では使わないように配慮が必要です。

「一両日中」は「明日まで」と考える人が多い

明日までにと考えるビジネスマン

2006年にNHKの放送文化研究所が昔行った調査では、「一両日中にお返事いたします」という文の解釈についてアンケートを取ったところ、世代によってとらえ方のギャップがありました。そのため、「使うべきでない放送用語」として取り上げています。

具体的には、全体として「明日まで」というとらえ方をした人が過半数となり、男女比では女性の65%、男性が56%という結果になったのです。世代間の認識の違いも大きく、「明日まで」だと解釈した人が60代以降では多くなく、30代では7割に達したという結果が出ています。

こうした結果を踏まえると、そこから10年以上経った今は「一両日中=明日まで」という認識がより強まっていると考えられますが、年配の方とこの表現を使ったやり取りが発生した場合には注意を払っておいた方が良いでしょう。

「一両日中」を英語で言うと

「一両日中に」の英語表現についても覚えておくと良いでしょう。

You will know the result within a couple of days.
(結果は一両日中にわかるでしょう)

I hope you to reply within a few days.
(一両日中には返事をいただきたいです)

「within(以内)」に「a couple of days」「a few days」をつけることで同様の表現となります。ニュアンスとしては「a couple of days」の方が「a few days」と比較して日数に関して解釈の幅が狭いため、誤解を招きにくい表現と言えるでしょう。

英語の方が日本語と比較してあまり日時を曖昧にしない傾向がありますので、日時がハッキリしている場合にはこれらの表現を使わずハッキリわかる表現をするべきです。

「一両日中」は教養として知っておくにとどめる方が良い

ビジネスシーンにおいて語彙が多いことは知性を感じさせるために好ましいことではありますが、「一両日中」のような解釈のズレを引き起こす表現はできるだけ使うべきではありません。

相手が使ってくることもありますので、教養として理解しておくことは必要ですが、自分で積極的に使っていくのは避けた方が良い表現だと考えた方がベターです。

今後、言葉の意味や解釈が固定化されてくるようならともかく、現時点では認識のズレを招き、トラブルのもとになりますので使用には注意深くあるべきです。