ToDoリストの作り方のコツ・効率よく仕事が進むタスク管理術

ToDoリストの作り方は何となくわかっているという人も多いですが、実際に役立つToDoリストを作れている人は多くありません。ワンランク上のToDoリストを作るために知っておきたいポイントや作り方、失敗例などを紹介します。

ToDoリストの作り方のコツ・効率よく仕事が進むタスク管理術

ToDoリストをうまく仕事に活用しよう

ToDoリストは、仕事上の様々なタスクをもれなく行うための手法として広く定着しています。しかし、ToDoリストをとりあえず作ったものの、作ったことで満足したり、作っても上手く使えなかったり、やっぱり不要だったのでは……と思ってしまうこともあります。

こうした問題の多くは、ToDoリストそのものについての理解が浅く、自分に合ったToDoリストを作りきれていないことに原因があります。ToDoリストを仕事に活用するために、一段高いレベルで学んでみましょう。

ToDoリストは「やることをまとめたもの」

ToDoリストとはどんなもののかを簡単に言うと、「やること(ToDo)をまとめたリスト」となります。ToDoリストがあることによって、自分の行うべきことが明確になり、それをひたすら実行していくだけで自分のやるべきことを全て行うことができます。

ToDoリストを作る過程で仕事を整理することもできますし、作業に必要な時間なども見積もっていくことも可能です。ToDoリストを作ると仕事についての理解が深まり、改善方法なども見えてきますし、うまく時間管理をして作業の効率化を図れます。

todoリストに最低限必要な項目

ToDoリストには決まった形がありませんが、「やること」「期限」「重要度」「済んだか否か」についての項目があるのが一般的で、この項目を満たせば最低限はToDoリストとしての機能を果たしてくれると考えて良いでしょう。

基本的なToDoリストの作り方

最近は市販のスケジュール帳などにもToDoリストが付いていることがありますが、自分が使いやすいように手作りする人も少なくありません。ここで、ToDoリストの基本的な作り方を確認しておきましょう。

1.ToDoリストに入れる業務を決める

数日後の業務からtodoリストへ入れる

まずは、ToDoリストにどんな業務を入れるか決める必要があります。今すぐ取り掛かろうとしている業務ではなく、計画的な実行を意識するためにも、ToDoリストに入れるのは最低でも数日後に行う仕事を選びましょう。当日行う仕事について、ToDoリストを細かく作るのはあまり適していません。

2.どんな形のToDoリストにするのかを決める

グループウェアを見ながら打ち合わせする社員

仕事内容を決めたら、ToDoリストをどのような形で作るかも決めます。自分で手作りするほか、手帳のフォーマットを使ったり、アプリや複数人で仕事する時の補助ツール「グループウェア」などを使ったりするのも良いでしょう。

3.業務を細かく分ける

やることリストに書くことは具体的な行動レベル

ToDoリストを作成する時、やるべきことを「営業を5件行う」などの抽象的なレベルで設定するのは好ましくありません。より細かく分けて「やるべきことが理解でき、実行できる」レベルにまで落とし込みましょう。

例えば「●●社の営業資料を準備する」「●●社に営業訪問する」など、アクションが明確になる段階まで落とし込みます。やるべき仕事が理解でき実行できるレベルは人によって差がありますので、自分に合ったレベルの落とし込みをする必要があります。

4.分けた仕事をリスト化する

細かく分けた仕事をどんどんリストに入れていきます。この時、納期や重要度もToDoと一緒に記載するようにしましょう。ToDoリストをデジタルデータとして作成している場合には、並び替えも容易にできますので、早めに行うべきことや重要なタスクがわかりやすくなります。

5.済んだタスクに印をつける

タスク終了で進行状況を把握する

作ったToDoリストを実際に使っていきます。済んだタスクは消してしまいたくなりますが、消してしまうと、何の仕事が終わったのかがわかりにくくなるため、一連の業務が終わるまでは「済」などの印をつけて、タスクそのものは残しておきましょう。印をつけておくことで、全体のうちどのくらいの割合のタスクが終了したかもわかるようになります。

ToDoリストがうまく使えない人の共通点

ToDoリストの作り方はさほど難しくありません。しかし、作り方のコツを覚えてさっそく作ってみたものの、実際はうまく使いこなせない人も多いです。実はToDoリストがうまく使えない人には、ある共通点があるのです。その共通点とは一体何なのでしょうか。

分類が中途半端or細かすぎる

ToDoリストを作成する際に、やるべきことの分類が中途半端で、何をすべきかがハッキリしなかったり、タスクが細かすぎるために項目ばかりが多くなってしまったりすることがあります。これらはどちらも、いざ行動しようと思った時に実行しにくくなる原因です。実行できる程度を意識して、やるべきことの分類をしましょう。

ToDoリストを見ない

作り方を覚えてせっかく作ったToDoリストを見ることをせず、終わってしまう人も少なくありません。使うためにToDoリストを作っているので、作ったことに満足してしまわないようにしましょう。

スケジューリングをうまくできない

スケジューリングに失敗してタスクが集中してしまう社員

ToDoリストは、期限や重要度などを書き込むことで優先順位をつけていくことができますが、タスクをこなしていくためのスケジューリングをうまくできない人もいます。スケジューリングがうまくできないと、納期の直前にタスクが集中してしまうこともあります。すると、予定のタスクを消化できなくなり、ToDoリストがただの備忘録になってしまいます。

思いついたタスクすべてをリスト化する

ToDoリスト作りの初心者にありがちなのが、「思いついたタスクすべてをリスト化する」ことです。ToDoリストを作る時には、必ずそのタスク内容について考えてみてください。よく考えてみると、「必ずしもやらなくとも良い仕事」があったりするものです。そのような仕事をひとつでも見つけることができたら、その積み重ねが業務改善に繋がっていきます。

ToDoリストをひとつにまとめてしまう

todoリストを一つにまとめると進行状況が分かりずらくなる

ToDoリストは、自分が行うべきことをまとめたリストです。そのため、ひとつにまとめておいた方が使いやすいと思うかもしれませんが、これは失敗のもとです。

パソコンのデスクトップにあるファイルをすべてひとつにまとめても便利にはならないのと同様、ToDoリストも業務ごとに作ったり、その日のタスクごとに整理したりして使うことが大切です。そうすることで、行うべきことがより明確になり、タスク消化に必要な時間や達成度なども把握しやすくなります。アプリなどToDoリストをデジタルデータで管理できるツールは、こうした分割がしやすいメリットがあります。

自分に合わないToDoリストの作り方をしている

どんなに流行していて便利なToDoリストだったとしても、自分のスタイルに合わなければ使いにくく、時間を浪費するだけです。いろんなToDoリストを試しに使ってみて、一番自分の使いやすいものを選ぶようにしましょう。色々使っているうちに、自分に必要な機能がわかってくるようになります。

使えるToDoリストにするためのテクニック5選

ここで、ToDoリストを使いやすく効果的なものになるためのテクニックを紹介します。ToDoリストを取り入れて、仕事の効率化を図りたいと考えている人や、作ったToDoリストを効果的に使えていないと感じている人はぜひ参考にしてください。

1.やらない仕事を決めてリストから消す

todoリストから不要の仕事を外す社員

タスクの量が多すぎて、ToDoリストを見るのも嫌になるという人もいます。タスクの量が多い場合は、業務量が超過しているか、もしくは必要のないタスクまで取り込んでいる可能性があります。ToDoリストの中で、あまり成果に直結しない作業は思い切ってやめてしまいましょう。リストもすっきりしますし、業務量も格段に削減できます。

2.週単位や一日単位などにやるべき仕事を分割する

すべてのToDoリストをひとつにまとめることはせず、週単位や一日単位に分割しても使いやすいでしょうし、プロジェクト単位に分割するのも良いでしょう。行うべき仕事がわかりやすくなり、達成度も把握しやすくなります。

3.見える化する

ToDoリストは、やるべきことが多く並ぶほど目を通すのに時間もかかりますし、頭に入れるのが難しくなってきます。わかりやすく見える化することによって、タスクを把握しやすくなり、少し目を向けただけでも多くのことが頭の中に入ってくるようになります。

メモ付箋を透明ボードに貼って整理する女性社員

見える化の具体的な方法としては、単純なリスト型にせず、重要度と緊急度を軸にしたマトリックスを作る、重要度やプロジェクトごとに文字の色を変えるという方法があります。また、デジタルデータであれば達成度が自動で計算され、パーセンテージが棒グラフ状に表示されるようなシステムのものを利用すると見える化できます。

4.タスクの書き方を変える

ToDoリストは「営業資料を作る」「●●社に訪問する」など、無味乾燥なタスクが並んでしまいがちです。特に「やらなければならない」と重圧を感じる人ほど、タスクを見てゲンナリしてしまうものです。

タスクの内容は自分が理解できればいいので、理解ができる範囲で書き方を変えてToDoリストを見た時にモチベーションが上がるようにしてみましょう。例えば「営業資料をカッコよくする」「●●社の△△さんに笑ってもらえる土産話を用意して笑わせる」などのように、書き方を少し変えるだけで仕事が楽しくなり、モチベーションも向上します。

5.タスクを毎日確認して修正する

予定変更に合わせてtodoの優先度を変える

ToDoリストは、一度作成したからと言ってそのまま使ってはいけません。タスクの抜け漏れがあったり、仕事をしているうちに新たにタスクが発生したりすることがあります。そのため、毎日仕事を始める前にタスクを確認して修正するようにしましょう。ToDoリストは最初に丁寧な作り方をしておけば、確認や修正にかかる時間はそれほど必要としませんので、負担になることはありません。

ToDoリスト用アプリにも多くの便利機能がある

ToDoリストは、紙媒体を利用した作り方だけではありません。ToDoリスト用のスマホアプリなども非常にたくさん提供されています。無料のものから有料のものまで様々ですが、自分に合ったToDoリストアプリを使うことが一番大切です。

ここで、アプリで提供されることの多い機能を紹介します。アプリの様々な機能をうまく活用することで、ToDoリストの作成や活用がずっと楽になります。

ソート機能

ソートして重要度の高いタスカから並べ直す

ソート機能は、たくさんのタスクをソート(並び替え)することができる機能です。一度タスクの情報を入力してしまえば、期限や重要度、プロジェクトなどに基づきソートして見やすくすることができます。とりあえずタスクを入力しておいて、後から使いやすい形にできるので便利です。

入力補助機能

入力補助機能は、ToDoリスト作成の中でも面倒な入力作業を補助するための機能です。メールやSNSのメッセージからタスクと思われる部分を数クリックでタスク化する、音声入力によるタスク作成、過去のタスクに同様のものがあればコピペするなどということができます。

スケジューラー機能

スケジューラー機能は、タスクの期限や実行予定日などに基づきカレンダーに自動で転記してくれたり、重要度が高いタスクが残っている場合にアラート発信をしてくれたりする機能です。スケジューリングが苦手な人におすすめです。

見える化機能

見える化機能は、達成度がグラフ表示される、案件の重要度によって文字や背景の色を分けてくれる、タスクの表示位置を見えやすいよう工夫してくれるというものです。このような見える化機能付きのToDoアプリは多くあります。情報の整理が苦手な人ほど、便利に感じる機能と言えるでしょう。

ポイント付与機能

ToDoリスト用アプリの中にはタスクごとにポイントを付与し、自分のタスクの遂行によってポイントが加算される仕組みになっているものもあります。何ポイント貯まったら自分へのご褒美を買うと決めておいたり、仲間内で競争したりしながら楽しくタスクを遂行できるでしょう。

一度使ったToDoリストは業務改善や新しいリスト作りに役立つ

手帳のtodoリストを見ながらメモる男性

ToDoリストを作って使うだけでなく、使った後の扱いも大事にしなければいけません。ToDoリストには、様々な業務別に「やるべきこと」のデータが蓄積されています。そのデータを分析してみることで、自分にとっての業務改善の方向性が見えることがあるのです。

また、使用済みToDoリストの情報が残っていれば、過去のデータを基にして次に同様の業務を行う際に再利用して、新しい仕事内容になったこと変わった部分だけを修正するだけで済むようになり、新たにToDoリストを作成するための時間を大幅にカットすることができます。

ToDoリストは作り方のコツを知り、実際に使ってみることによって、様々なメリットがあることに気づきます。ToDoリストを作成する中で「業務を俯瞰できる」というとても有用なビジネススキルを身につけることができます。後々にどのような活用ができるかまでしっかり考えてToDoリストを作っておくと、そのメリットを大きく受けることができるようになり、ビジネス上での財産になり得ます。

ToDoリストは自分に合った作り方をすると、仕事にうまく活用できる

ToDoリストはよく知られたタスクの管理手法で、多くの人が実際に使っています。しかし、本当にToDoリストをうまく活用している人は、自分自身についてよく理解していて、かつToDoリストをどのように仕事に役立てるべきかをきちんとわかった上で、自分に合うよう使いやすく作成しています。

作り方は見様見真似でも最初は良いですが、ToDoリストの目的や使用感を考えてみて、自分に合ったToDoリストになるよう改善を重ねながら作っていきましょう。