「謹んで」の意味・使い方・例文・類語表現

「謹んで」はビジネスの様々なシーンで使われる表現で、相手に対する敬意を示す働きをします。普段のやり取りの中にうまく組み込むことで丁寧な印象を与え、また時にはコミュニケーションを円滑にする効果も期待できます。「謹んで」の意味や用法、注意を例文と共に紹介します。

「謹んで」の意味・使い方・例文・類語表現

「謹んで」は大事な場面で使われるので失敗が許されない言葉

社会人になれば、様々な状況にある人に対して連絡をすることが出てきます。その時に使われる言葉は、一歩選択を間違ってしまうと非常に印象を悪くすることがあるので注意が必要です。

「謹んで」は特に改まった場面や文書で使われる言葉ですが、正しい使い方をしないと失礼にあたってしまうこともありますので、気をつけて使う必要があります。「謹んで」の意味や使い方、使用上の注意などについて学習しましょう。

「謹んで」の持っている意味

「謹んで」は「謹んでお詫び申し上げます」「謹んでご報告いたします」などと使いますが、基本的に言動を表す言葉(敬語表現が多い)と一緒に使います。「謹んで」には「うやまって、かしこまって、うやうやしく」という意味があり、相手に対して非常に強い敬意を示す意がこめられているからです。「謹んであっち行こう」と口語の平文では用いることはありません。

ちなみに、「つつしんで」を漢字に変換すると「謹しんで」も出てきますが、間違った送り仮名になりますので注意してください。

「謹んで」は、動詞「謹む」に助詞「で」で成り立っており、「謹んだ状態で」という意味になります。何かの行動をする時に、相手に対して深い敬意を持っていることを示す言葉だと考えると良いでしょう。

「謹んで」と間違えやすいのは「慎んで」

慎んでの意味

「つつしんで」という字を変換すると、「謹んで」だけではなく「慎んで」も出てきますが、この二つの単語は意味や用法に違いがあります。

「慎んで」は「気をつける、控える、抑える」という意味が基本です。「口を慎む」などと言いますが、この場合は「下手な発言をしないように(自分で)気をつける」ということです。

「慎んで」も「謹んで」と同様に「うやうやしく、畏まる」という意味がありますが、相手への敬意を示すというよりも自分を抑える、粗相がないように注意するというニュアンスが強くなります。そのため、慶事や弔事などの際の文書で「慎んで~」と挨拶文に使うことはありません。

「謹んで」が使える主なシーンと例文

「謹んで」がどのような場面で使えるのかを例文と共に確認してみましょう。「謹んで」が使えるシーンは主に4つあります。

慶事での「謹んで」

花束を持って慶事の挨拶する男性

慶事とは「めでたいこと」で、お正月や誕生日、お祝い事などを意味します。謹んでは、相手に敬意を払いつつ慶事の挨拶をする際によく用いられています。「謹賀新年」という字にも「謹」の字が入っていますが、これも「謹んで」の意味です。

  • 「謹んで新年のお慶びを申し上げます」
  • 「謹んでお祝い申し上げます」
  • 「健康食品品質コンクールで金賞を受賞できましたことを、謹んでご報告いたします」

お詫び・お悔やみでの「謹んで」

お詫び・お悔やみでの「謹んで」

慶事に使うことができる「謹んで」ですが、お悔やみの場面や、謝罪の際のお詫びの文にも用いることができます。相手への敬意を示すことが「謹んで」の役割ですので、その前後の内容がより重要です。

  • 「この度の事故で被害に遭われた皆様には、謹んでお悔やみ申し上げます」
  • 「この度発覚した不祥事につきまして、謹んでお詫び申し上げます」

何かをもらう・了承する際の「謹んで」

何かをもらう・了承する際の「謹んで」

賞を受賞したり、出世して役職をもらったり、芸能の世界で師匠から襲名したり、そういった何かをもらい、受け取る際に「謹んで」を使うことがあります。この場合は、「自分には恐れ多い大きなものである」と謙遜しながら受け取っているニュアンスになります。

  • 「この度の辞令、謹んでお受けいたします」
  • 「三代目○○○○を襲名することになりますが、謹んでお受けしたいと思います」

また、先方の意見や提案に対して了承する際にも「謹んで」を使うと丁寧な返事になります。

  • 「謹んでお受けいたします」
  • 「お誘いありがとうございます。謹んで出席させていただきます」

断る時の「謹んで」

「謹んで」は相手の申し出や提案を断る際にも使うことができます。相手を気遣いながら丁寧にお断りをするニュアンスになりますので、覚えておきたい使い方です。

  • 「誠に残念ではございますが、謹んで辞退させていただきます」
  • 「大変うれしく思ってはおりますが、都合がつかず、謹んでお断り申し上げます」

依頼・お願いする時の「謹んで」

依頼や頼み事をお願いする時にも「謹んでお願い申し上げます」と表現することができます。この表現は堅い印象を与えてしまいますので、重大な仕事をお願いする場合や、頼みづらいお願いをする場合に用いるようにしましょう。

  • 「ご面倒かとは存じますが、社内の士気高揚のためにも参加の程を謹んでお願い申し上げます」
  • 「旧年中は大変お世話になりました。今後もご協力を賜りたく、謹んでお願い申し上げます」

覚えておくと便利な「謹んで」を使った挨拶文

手紙や公的な文書、スピーチでは、冒頭に様々な挨拶文を入れることがあります。その他にも、「謹んで」を使った定型的な表現も多いので、色々と覚えておくと良いでしょう。

  • 「謹んで新春のお慶びを申し上げます」
  • 「謹んで新年のご祝詞を申し上げます」
  • 「謹んで新年をお祝いいたします」
  • 「謹んで初春のお慶びを申し上げます」
  • 「謹んでお悔やみ申し上げます」
  • 「謹んでご冥福をお祈りいたします」
  • 「謹んで衷心より弔意を表します」
  • 「謹んで哀悼の意を捧げます」
  • 「謹んで故人の安らかな眠りをお祈り申します」
  • 「謹んでお礼申し上げます」
  • 「謹んでお祝いの言葉を述べさせていただきます」
  • 「謹んでお願い申し上げます」
  • 「謹んでお受けいたします」
  • 「謹んでご報告申し上げます」

「謹んで」を使った例文

「謹んで」を使った例文で、細かい部分を確認しましょう。例文は4つ、それぞれのシーンで考えてみてください。

「謹んで」を使った例文1

「謹んで」を使った例文1

お世話になっております。

先日は打ち合わせでのご支援、誠にありがとうございました。
無事に案件を受注できました。

先週お願いさせていただきました、A社への提出資料の進捗はいかがでしょうか?
納期が先週末となっておりましたが、まだ受け取りできておりません。

ご多忙の中大変恐縮ですが、明日までに一度ご連絡をいただけますよう、謹んでお願い申し上げます。

お辞儀しながら頼む女性

社内のメールなどのやり取りで、「謹んで~申し上げます」が使われる場合があります。この例文では「謹んでお願い申し上げます」となっています。

この場合の使い方は、基本的に言いにくいこと、お願いしにくいことを頼む時に、相手へ気を遣っていることを示しつつ依頼する時に使います。こういったメッセージは、受け取る側も気を遣っていることがわかりますので、対応せざるを得ないという気持ちになります。

もしも、自分が普段やり取りをしている人から「謹んで」と依頼のメッセージが来た場合には、相手に気を遣わせてしまっていることを考えて、しっかり対応しましょう。

「謹んで」を使った例文2

「謹んで」を使った例文2

社員の皆様、日々のお仕事大変お疲れ様でございます。

先日、B社主催の「秘書が選ぶお土産スイーツランキング」におきまして、当社の「豆乳ティラミスプリン詰め合わせ」が第一位となりましたことを、謹んでご報告申し上げます。

今後、問い合わせの増加やメディア対応などが増えると予想されます。販路拡大・売上増加を目指し、社員の皆様には是非ともご協力を宜しくお願い申し上げます。

全社に向けての報告

社内で回る連絡文を例にしてみました。

不特定多数に向けて送られるメッセージの中では、基本的にどのような立場・役職の人だとしても敬語を用います。ここでは全社に向けての報告ということで、「謹んで」報告をしています。

最後の一文も、「謹んでご協力を宜しくお願い申し上げます」とできなくはありませんが、「謹んで」を同じ文書の中で何度も使うと軽薄な感じがしてしまいますので、最も力点を置きたい内容に絞って使うのが良いでしょう。

こうした報告文の中での「謹んで」は、非常に丁寧な気持ちのこもった表現であり、発信者が報告内容について非常に価値があると考えていることがわかります。社内の報告・広告ひとつもどのような言葉を用いるかで、社内の雰囲気に違いが生じますのでより良い表現を目指す意識を持ちましょう。

「謹んで」を使った例文3

「謹んで」を使った例文3

新年あけましておめでとうございます。謹んで新年のお慶びを申し上げます。

旧年中は弊社業務に対し、格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。

社員一同、新たな気持ちで皆様のご要望にお応えできるよう精進いたしますので、引き続きご愛顧の程、宜しくお願い申し上げます。

皆様のご多幸をお祈りし、新年のご挨拶とさせていただきます。

目上の上司への年賀状の挨拶

年始の挨拶文などで「謹んで」は見かけることが多いです。「謹んで」は様々な部分に入れることができるものの、新年の挨拶では冒頭の挨拶に入れるのが良いでしょう。

ちなみに、「謹賀新年」は「謹んで新年のお祝いを申し上げます」という意味で使いますので、どちらか片方がある場合は重複に注意しましょう。

ビジネスで使える時候の挨拶1月の文例

こうした言い回しは、基本的に上司などの目上の人への年賀状に使用するのが良いとされています。略式の「賀正」や「迎春」よりも「謹賀新年」の方が目上の方にはふさわしいと覚えておきましょう。

「謹んで」を使った例文4

「謹んで」を使った例文4

○○様

平素から弊社のサービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。

先日ご連絡をいただきましたように、○月○日より、ご利用サービスの一部が正常にご利用になれないトラブルが発生しておりました。社内で原因を調査いたしましたところ、技術者のミスにより、データの不具合が生じていることが判明いたしました。

現在、データを復旧し、正常にご利用いただける状態となっております。ご迷惑をおかけしましたこと誠に申し訳ございません。謹んでお詫び申し上げます。

今後は再発防止へ向けて取り組んで参りますので、ご理解、ご容赦の程をいただけましたら幸いです。

引き続き弊社サービスのご利用を宜しくお願い申し上げます。

謝罪の連絡

謝罪の連絡でも「謹んで」はよく使われます。

謝罪の連絡では「謹んで」を使う位置が大切になります。「謹んでご報告申し上げます」と報告を中心にするか、「謹んでお詫び申し上げます」と謝罪を中心にするかによって、「謹んで」を使う位置を考える必要があります。基本的には謝罪に対して使い、既に謝罪済みで、後から重大なミスなどが見つかった場合などに「謹んでご報告申し上げます」を使った方が良いでしょう。

こういった謝罪の連絡で、誤って「慎んでお詫び申し上げます」としてしまうと、「どうして謝罪を慎む必要があるんだ!」と相手の怒りを買ってしまう場合がありますので注意してください。どんな場合だとしても、謝罪文ではミスがあれば誠意を疑われてしまいますので、細心の注意を払いましょう。

「謹んで」の類語表現

「謹んで」が上手に使えるだけでも良い印象になりますが、類語もいくつか知っていると幅の広い表現ができるようになります。

畏みて(かしこみて)

神社での祈祷の際に「畏みて(かしこみて)」という言葉を聞いたことがある人もいるかと思います。この「畏みて」も「謹んで」と同じような意味を持っています。ただし、やや古い表現で、神仏などが絡んでいる場合に使うことが多い表現です。

恭しく(うやうやしく)

礼儀正しく丁寧な様子を「恭しい(うやうやしい)」と言いますが、「恭しく」とすると「謹んで」と同様に相手に対する礼儀を示す表現になります。「恭しく頭を下げる」などと使いますが、「恭しく」の場合は敬語とセットにする必要はありません。

恐れながら・恐縮ながら

日本語の中には、目上の人や神聖なものに対しては、敬意だけでなく畏れ(おそれ)を抱くという考えがあります。畏れは恐れ(怖れ)であり、相手の気分を害するのを恐れるほど敬意を持っていることになります。そのため、相手への敬意を示す表現として「恐れながら」「恐縮ながら」と言った表現も「謹んで」の代わりに使うことができることもあります。「畏みて」も同じように敬意から怖れを感じていると考えることができます。

「謹んで」を上手に使って丁寧な印象を与えよう

「謹んで」は少し堅い言葉ではありますが、適切に使えば言いにくいことを柔らかく伝えたり、また受ける側から丁寧な印象を持ってもらえるようになります。また、言いにくいことを伝える時にも使える表現です。

使い方も定型文をまず覚えていけばすぐ応用が利くようになるので、さほど難しくありません。同音の「慎んで」と混同しないよう、ニュアンスの違いに気をつけて適切に使っていきましょう。

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