クリティカルシンキングとは批判的に物事を見つめる思考法

クリティカルシンキングとは何かと訊かれたとき、ハッキリと説明できる方は意外と少ないでしょう。現在では、多くの企業や団体が問題解決の際に利用しているクリティカルシンキングを紹介していきます。問題や物事に対して客観的に、そして批判的に見つめて本質を見出す思考法について知りましょう。

クリティカルシンキングとは批判的に物事を見つめる思考法

クリティカルシンキングとは論理的思考と違う考え方

クリティカルシンキングとは、同じく思考法の1つであるロジカルシンキングよりも1歩先に行った考え方です。ビジネスだけにとどまらず、人生においても思考法は役立つのは揺るぎない事実です。哲学のようにあらゆるものに対して疑問に思ったり疑ったりしていると前になかなか進めませんが、立ち止まって考えた方がよく見えることもあります。

ビジネスや恋愛などにおいて事態が詰まってしまったり問題が起きたりしたときに、クリティカルシンキングはどう役立つのかを探ってみましょう。

クリティカルシンキングとは何か

クリティカル(critical)は「批判的な、鑑識眼のある」という意味です。「批判」と聞くと、悪い所ばかりをあげつらうようなイメージを持つ方もいますが、正しくは「いい所と悪い所を見分けて評価する」という意味です。つまりクリティカルシンキングとは「物事の良し悪しを見分ける考え方」のことを指します。

主観の雲に頭を包まれた人

物事を客観的に見るためには批判的な考え方、クリティカルシンキングが必要です。会議や意思決定時に求められる「最善の策」を模索するのに、クリティカルシンキングは役立ちます。ビジネスにおいては、目先の利益を求めることが「最善の策」ではなく、途中で多少の損をしても結果的により多くの利益が出るのであれば、それが「最善の策」となります。

クリティカルシンキングのポイント

あまり煩雑なシステムはむしろ思考の邪魔になるので、クリティカルシンキングは非常にシンプルな仕組みになっています。以下の3つのポイントはクリティカルシンキングを行うにあたって重要です。

クリティカルシンキングにおける重要なポイント

  1. 話し合うべき内容の目的
  2. 前提条件
  3. 主観性の排除(批判的思考)

何を話し合うのか意識する

問題あるピースをパズルの中から見つける

「クリティカルシンキングにおいて話し合う議題は何でもいい」という汎用性は、グロービス経営大学院などでクリティカルシンキングが重宝されている理由の1つです。実際、どのような場面においても批判的な考え方は必要です。

問題や物事を考えるためには「何が問題・物事の核なのか」を見極め、見失わないようにするためにクリティカルシンキングによって目的をハッキリさせます。目下の問題をおざなりに解決するのではなく、根っこの部分から決着をつけるためには「物事の本質」を見ることが大切なのです。

何事にも前提条件がある

前提条件

何事にも前提や条件があるのは当たり前のことで、問題解決のために法やルールを破るというのは褒められた行為ではありません。守らなければいけないルールや越えられない制限などを可能な限りピックアップし、自分がいるフレームをハッキリさせましょう。

例えば、新規事業の立ち上げの際には市場の動向や法律による制限の有無、参入障壁、ライバルの存在などをピックアップしていくことが第一に考えられるでしょう。当たり前にあるルールをピックアップして、自分たちのフレームを決めることになります。

当たり前を疑問に思う

扉の隙間から差し込む光

常識や型にはまった考え方は、それはそれで大抵の物事を判断するときの基準になる役立つものです。しかし、「当たり前のことを疑問に思う」ことは批判的思考の第一歩です。当たり前だと思っていることが、案外単なる思い込みで事実じゃないこともありますので、まずは確かめることから始めてみましょう。

フレームが強固になったら、意見を出していきます。意見は最終的に煮詰めていくので、最初の段階はとりあえず思ったことを出し惜しみせず挙げていきましょう。段々と意見をまとめたり見直したりするときに、著しく主観が入ってしまっている考えは除いていきます。クリティカルシンキングはあくまでも客観的に物事を批判する考え方ですので、主観を入れるのは不適当です。

クリティカルシンキングでは疑問→主観性の排除→実践的アイデアへの昇格といった手順を踏みます。3ステップで単なるアイデアを実践的に使えるようにしていきましょう。

ロジカルシンキングとの違い

ロジカルシンキングは論理的に、クリティカルシンキングは批判的に考える為の方法です。どちらもビジネスにおいてはもちろんのこと、恋愛や問題解決など、人生の様々な場面で役立つ思考法ですが、2つの違いは一体何なのでしょうか。例を出してロジカルシンキングとクリティカルシンキングを比べてみましょう。

ロジカルシンキングの場合

ロジカルシンキングは因果関係を見つける

ロジカルシンキングとは演繹法や帰納法、背理法といった倫理の授業で学んだような方法を使って、筋道を立てて論理的に考える方法です。重要視するのは道筋がきちんと成り立っているかです。

ロジカルシンキングは情報や状況を整理・分析し、フレーム内で情報同士を繋げていきます。ロジカルシンキングは因果関係を見つけたり見えなかった関係性をはっきりさせたりする点ではとても役に立ちます。小説家は論理的思考力がないと、矛盾のないストーリーを紡げません。

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ロジカルシンキングとは?論理的思考力が身に付く考え方

クリティカルシンキングの場合

クリティカルシンキングでは本当に正しいか、あるいは納得できるかというのが重要です。ロジカルシンキング同様に演繹法や帰納法などを使いますが、クリティカルシンキングではただ事実を並べて繋げていくのではなく、状況を踏まえたうえで目的(問題解決や意思決定など)を達成するための方法を考えます。

クリティカルシンキングによるメリット

クリティカルシンキングをすることで得られるメリットは主に3つです。

メリット3つ

  1. 潜在的可能性の顕在化
  2. 主観性の排除
  3. コーチングの効率化

フレームを決めて話を掘り下げていくことで見えていなかったものが見えるようになります。顕在化が達成される過程で必然的に主観性は薄れていき説得性を増すこともできます。さらに、シンプルな解が残ることが多く部下へ伝達・助言する際に曖昧さを回避できる点でクリティカルシンキングは優れています。

批判的に捉えることの欠点

主観性の強いテーマに向かない

ただし、クリティカルシンキングを行う時はどこまで掘り下げればよいのか、また主観性の強いテーマを考えるには向かないという欠点があります。ゆえにテーマに関しては何でも良いものの主観性が強いテーマには弱いということを覚えておいてください。

加えて、批判的に物事をとらえるということは真実を確認する術としては優秀ですが、真実が必ずしも利益をもたらすわけではありません。場合によっては企業理念や横のつながりを断ってしまうものになることもあります。すなわち、導き出された解や策が、必ずしも現状に合っているかどうかは改めて検討しないといけないのです。

クリティカルシンキングの実例

グロービス経営大学院は学生の大半が社会人で、現実に起こっている問題をメインに議論を繰り広げています。日本国内最大規模でクリティカルシンキングを行っているので有名で、手法が採用されているのは有用であるほかにMBAにおいても批判的思考が用いられていることも挙げられます。

クリティカルシンキングを利用した例は数えきれません。もはや当たり前の考え方になっており切り離すことが難しいのです。それだけに意識しなければデメリットに気づくこともできません。そこにもまたクリティカルシンキングをする余地が出てくるのです。

クリティカルシンキングとは確実性を高める考え方

クリティカルシンキングは世界各国で利用され、意思決定に至るまでの道筋を作ってくれます。「解決できること」とメリットから分かるように主観性というものを排除して実際に使えるように使えるアイデアにすることで意思決定をするうえでの強力な選択肢の一つになるからです。また、主観性を排除していくことで内容の確実性を高めることができ、他者に納得性を与えることにもつながります。

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