クロージングとは?営業で契約成功率を上げるテクニック

クロージングは営業マンがぶつかる壁のひとつですが、改善のためのポイントを知り、地道に研究を重ねていけば必ず成功率は上がります。営業職の人が契約につなげるために押さえるべき基本的な手法や考え方をまとめました。自身のクロージングのテクニックを見直す参考にしてみてください。

クロージングとは?営業で契約成功率を上げるテクニック

営業マンが向き合うべき課題「クロージング」

営業マンであれば自社の商品やサービスを販売する必要がありますが、そのためには相手に購入を促す行為が必要です。顧客のニーズと完全に商品やサービスが合致していて、相手側が積極的に「これが欲しい」と言って購入を決定してくれるシチュエーションはそう多くありません。

多くの場合は「少し考えさせて欲しい」などの返答で終わり、そのまま時間の経過と共に熱が冷め、購入が見送られてしまいます。

そのため、営業では積極的に意思決定を促す「クロージング」を行います。デキる営業マンと成績が上がらない営業マンの営業力の違いはクロージングの能力に出てきます。営業成績を伸ばしたいと考えているなら、このクロージングとしっかり向き合って常に技術を磨く必要があります。

クロージングを行う意味や目的とは?

女性営業マンがお客に契約書のサインをさせる

クロージングは販売をするだけでなく、様々な場面で決断を迫るためのテクニックであり、プライベートやビジネス上の様々な決定を動かすための重要な技術です。

「クロージング」は、英語では「closing」と書きます。お店が閉まる際に「CLOSE」と表示しますが、「閉まる、終わる」という意味でもあり、同時に「close」が持つ「近づく」という意味も持っています。

営業においては「商談の終わり」「決断を迫る」という意味で使われる用語で、本質的には「その商談を結論づける」ためのアクションを指します。しかし、実際に使われる場面では、その最後の意志決定に向かわせるための一連の流れをクロージングと呼んでいることが多いです。

クロージングは言葉でわかりやすく言えば「この商品を買ってください」となりますが、それだけで購入を決めてくれることはほとんどありません。周到な準備の上で、意思決定のための最後の一押しを上手に行うことがクロージングなのです。

クロージングを成功させる8つのポイント

クロージングは感覚的に行っている人も多いですが、手法がある程度体系化されてきています。基本的なポイントを押さえることで、成功率は格段に上昇します。

1 装備を整える

クロージングをするためには、そこまでに至る「シナリオ」があると話を進めやすくなります。テレアポなどではシナリオ(スクリプト)に従って話を進めていきます。また、自分の主張の根拠となったり、相手の理解を助ける「データ」や「資料」の出来もまたクロージングの成功率を左右します。営業マンの技術だけでなく、装備をしっかり整えることもクロージングの大事なポイントです。

2 熱を上げる

女性客を運転席に座らせる営業マン

相手の商品やサービスに対する欲求や期待が高まっている状態でクロージングを行うと、営業での成功率が高まります。逆に、それほど熱が上がっていない状態でクロージングをかけても失敗に終わります。この熱を感じること、そして熱を高めるための説明を行い準備することがクロージングのカギです。

3 時間を絞り込む

クロージングにおいて最も警戒が必要なのが、決定を先延ばしにされることです。そのため、様々な方法によって時間を絞り込み、決定を促すことが対策となります。先延ばしになれば、せっかく上げてきた熱も冷めてしまいクロージングが難しくなります。「なぜ今決定しなければならないか」に関してしっかりメリットを提示するとクロージングがしやすくなります。

4 決定を妨げているハードルを取り除く

お客の決定を妨げているハードル

顧客がすぐに決定できない理由は様々です。そのため、営業側は対話の中で決定できない理由をうまく引き出し、ハードルになっているものを取り除く必要があります。予算の問題であれば支払い方法や値引きを提示したり、権限の問題であればより上の人への取り次ぎを求めたり、商品の品質の問題であれば心配を払拭するような情報を与えるなど、その理由に応じた対応が必要です。

5 了解を取り付ける

どんなことでも、いきなり最終決定を促すのは難しいものです。最終的な決定を促すために、ひとつひとつステップを作り、そこに関して同意や了解を取り付けていくことが有効です。了解を取り付けつつ話を進めることによって「断る理由がない」状態を作り出します。決定は多くの場合は感情(印象)によって決まりますが、それを補完するための「理性的な」判断を強化してあげることです。

6 他の事例を話す

クロージングをする際、営業される側の情報不足により判断ができない場合があります。この場合、情報をしっかり与えるのがベストですが、情報を与えて判断できるかは相手次第です。効果的な情報のひとつが、「実際に商品やサービスを導入したところはどのような課題があり、何を考え決定し、どのような成果を得たのか」といった他の事例を話すことです。

その事例と問題点がマッチしていればハードルを取り除くことになりますし、対抗心や安心感からも意思決定がしやすくなります。

7 決断を迫る

お客に問いかける営業マン

クロージングをするときは、お願いをするのではなく自信をもって「問いかける」ことです。相手に「判断を促す」迫り方をしましょう。

8 テストクロージング

最終的な決定ではないとしても、ポイントごとに仮のクロージングを入れることで、相手の現在の反応度合いをつかむことができます。「~ということなのですが、ここまで聞いたところで、どのような印象をお持ちですか?」など、直接的なクロージングとは多少表現を変えつつ、相手の購入に対する熱を探ります。ベテランの営業マンにはテストクロージングを上手にできる人が多く、テストクロージングの結果次第で急速に話が進む場合もあります。

クロージングの際に気を付けること

クロージングは商談の場では当然発生するものですが、やはりビジネスですので最低限のマナーがあります。

1 「押し売り」にならないようにする

年寄り夫婦に説明する営業マン

クロージングとは相手に決断を迫るために行うものですが、「押し売り」にならないように注意が必要です。引き際をしっかり見極めて引くこと、また力関係などを利用して相手に選択権を与えないことがないよう注意する必要があります。タイミングが適切でない場合も、相手に強引なセールスという印象を与えるので注意しましょう。

2 相手に考えさせる

相手に考えさせる営業マン

クロージングは相手に判断をさせることであり、自分の考えを押し付けることではありません。相手に考える時間を与えることが大切です。先延ばしは困りますが、その場で考え、決定できるように間をしっかり与えましょう。沈黙が気まずいからとあれこれ話すのは、相手の考える時間を邪魔してしまいかねません。

3 表情や声などに注意する

クロージングは相手に決断を迫りますが、誰しもが重要な決定をすぐにできるわけではなく、しっかり考えた上で判断したいと考えるのが普通です。それでは困るためにクロージングをするのですが、表情や声のトーンに苛立ちがあったり、またクロージングをする際に恐る恐る自信なくクロージングをするのはNGです。相手の決定を後押しする安心感を与えるような態度でのクロージングを心がけましょう。

クロージングは研究の産物

クロージングのノウハウは様々に研究されていますが、これらを全て吸収し実践すれば必ず成功するかと言えば答えは「ノー」です。

クロージングに必要な条件はケースバイケースであり、また同じテクニックを使ったとしても行う人の個性や能力によって結果は大きく違ってきます。あくまでクロージングのノウハウは成功に近づけるための視点であり、常に自分のクロージングの形を見直して研究していく必要があります。

自分に合ったクロージング方法やパターンは、研究することで徐々に形作られ「名人芸」となっていきます。周囲でクロージングの上手な人がいれば、上手な部分を取り入れたり、また自分のクロージングまでのシナリオや振る舞いなどを見直して改善を続けていきましょう。

クロージングを意識して商談を進めよう

営業をしていて、多くの人と盛り上がって話をすることはできても、契約に結び付かないというケースは往々にしてあります。その場合、クロージングが意識できていない可能性があります。雑談も必要な場合もありますが、できるだけクロージングに結びつけることを考えて商談の中の対話を整理していくと良いでしょう。

クロージングはポイントを押さえて準備をしていくことで、契約成立に至る確率が格段に上がります。最後の一言をいかに言うべきかも大事ではありますが、商談の中でクロージングのための準備をしっかり進めていくことがより大切だと覚えておきましょう。

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