注意と留意の言葉の意味から考える使い分け

「注意・留意」の使い分けができると、特にビジネスシーンでは一目置かれるようになります。普段はあまり意識をしない意味や使い分けを考えることで、言葉遣いに厳しい方からの印象も良くなるでしょう。今回は、注意と留意の意味、使い分け方、使い分けるときのポイントを紹介します。

注意と留意の言葉の意味から考える使い分け

ビジネスシーンで知っておきたい「注意」と「留意」の使い分け

普段の会話ではあまり使われない言葉が、ビジネスシーンでは当たり前のように使われていることがよくあります。そんな言葉の1つに「留意」があります。似た意味の言葉には普段の会話でもよく使われる「注意」もありますが、何か違いはあるのでしょうか?

注意・留意という言葉は、マニュアルやプレゼンテーションで使われる資料などによく使われており、どちらも同じ意味だと思われがちですが、厳密には意味も使われ方も違うのです。上司や取引相手など、言葉遣いや日本語の正誤に厳しい方は身の周りに1人はいますから、明確に違いが分かるように勉強しておきましょう。

ビジネス文書や手紙・メールなどを書く際に限らず、対面で話す際にも役立ちますので知っておいて損はありません。「注意」と「留意」の意味の違いや使い分けを知って、ビジネスマンとしてレベルアップを目指しましょう。

改めて知る「注意」の意味

「注意」の意味を黒板に書く教師

注意という単語は普段から「段差に注意」「取扱い注意」「猛犬注意」「子供の飛び出し注意」など、色々なところで目にします。ビジネスだけで使われる単語ではないことが分かります。

「注意」そのものの意味は「気をつけること」「警戒すること」「忠告すること」「ある一つの対象を明瞭にしようとして意識を集中する心的活動」となります。これらの意味から考えると、対象の物事に対して意識を集中させて挑むという意味合いがあることが分かります。

「段差に注意」「子供の飛び出し注意」という使われ方から考えると、瞬間的に気持ちを引き締める、意識を集中させるイメージです。

「留意」という単語の意味は?

黒板に書かれた「留意」の意味を説明する教師

「留意」という言葉は普段の生活の中で目にすることが少なく、どちらかといえば仕事上の資料やメールなど、文章の中でよく見るでしょう。逆に、この言葉を上手に使えると、相手からも一段上に見てもらえることもあり得ます。

「留意」の意味は「ある事柄に心を留めて気をつけること」「注目・傾聴すること」となります。つまり注意とは違ってその時だけ意識を集中させるのではなく、特定の物事に関して心に留めておくという意味合いがあると分かるでしょう。

注意と比較すると時間的な流れも、ある程度連続した時間であるとイメージできます。その点から考えると、不測の事態はそれほど迫ってきてはいない状況とも言えますし、伝える方としても柔らかく諭しておくといった意味合いになるます。

「注意」と「留意」の違いはどんなところ?

「注意」と「留意」の違い

「注意」と「留意」にはどちらにも「気を付けること」という意味があります。実際「注意」と「留意」を英単語に置き換えると、どちらもattention(アテンション)という単語になります。しかし、日本語独特の微妙なニュアンスや表現の違いからみると、そこには明らかな違いがあり、きちんとした使い分けがなされています。

この二つの言葉における意味の違いは、どこまで集中しておかなければいけないかの違いという事ができます。

「注意」は対象となるものや事象にしっかり心や意識を集中させ、危険から身を遠ざけるよう警戒するという意味があり、一方の「留意」は危険性はそれほど高くないが、一応対象となる物事に心や意識を向けておいたほうが望ましいと意味になるため、危険性や頻度の高さと、「すべき」と「望ましい」の違いがあると言えます。

「注意」と「留意」の使い分け

プレゼンテーションの資料を確認するビジネスマン

「注意」と「留意」はそのニュアンスの違いから、使い分けを知っておくことも大切です。特に、記録として残るビジネス文書やメール・手紙などの場合は気をつけるようにします。

使い分け例1

「注意」と「留意」の使い分けとして分かりやすい例は「健康に注意」と「健康に留意」の用いられ方の違いがあげられます。例えば健康診断を受けたあと、結果通知が送られてきた際に「健康に注意してください」と書かれていた場合と「健康に留意してください」と書かれていた場合では受け取り方が変わってきます。

何か文章を読むときはもちろん、自分が書く文章の中に「注意」や「留意」といった表現を使う場合は、背景にある危険性や向ける意識の強さなど、発信する側の思い・考えをしっかり意識することが、正確な使い分けをするポイントとなります。

「健康に注意してください」と書かれていた場合

「検査結果から何か病気が疑われるので、早めに精密検査を受けたり、病院を受診したりしてください」という緊急性を感じる人が多いでしょう。

「すでに病気が疑われる、あるいは病気が発症する可能性がある」という危険が根拠を持って存在しており、そうならないよう(そういう事態を避けるよう)対策を打つことを強く促しています。

「健康に留意してください」と書かれていた場合

「特別悪いという訳ではないが決して万全の結果とも言い難いので、長い目で見て日常生活に気を付けてください」と、やんわりと健康に気を配ることを指示されていると感じる人が多いでしょう。

「既に罹患している、あるいは病気が発症直前という程の危機が差し迫ってはいないが、危機的状況にならないように心がけてください」という配慮の言葉といえます。

使い分け例2

ビジネス上で見かける「注意」と「留意」の使い分けがハッキリしている文章は、パソコン等のマニュアルです。例えば「操作する際は、順番に注意してください」と書かれていた場合と「順番に留意してください」と書かれていた場合では、意味合いが違います。マニュアル等の文章が多いものになると細かい部分を読み飛ばしがちですが、しっかり読んでおきましょう。

「順番に注意してください」と書かれていた場合

「順番を間違えてしまうと故障など、機械自体や機械を動かすためのシステムが壊れてしまう危険性があるので、操作する際は気を抜かずに集中してください」という、強い危険を含んでいます。

「順番に留意してください」と書かれていた場合

「操作の順番を間違えても壊れるようなことはないが、システム等に不具合が起きることも考えられるため、気を付けてください」といった程度になります。

「注意・留意」の使い分け注意点

会社のパソコンで上司に送るメールを書いているビジネスマン

「注意・留意」を同僚や後輩に使ったり、プレゼンテーションの資料に使ったりする場合、ニュアンスや「注意/留意する事柄」の背景を理解していれば、使い分けに迷う事はないでしょう。しかし、上司や取引相手といった目上の人への手紙やメールなどの文章で使う場合は少々違ってきます。

例えば手紙の中で「くれぐれも健康にはご注意ください」と書いたとします。相手の健康を心配して、じゅうぶんに気を付けてほしいという心配りから書かれた文章ですが、この場合に「注意」を使うと命令的に感じられますので、特に手紙を送る対象が目上の人に書く文章にはあまり適しません。

上記のような場合には留意を用いて「くれぐれも健康にはご留意ください」とします。「留意」を使うと印象が柔らかくなるので、目上の方に対しても使える表現です。

もちろん、健康診断結果を病院から郵送する際に添付するような文章であったり、背景を考えた場合にしっかりとした意識付けを促したい場合は、「注意」を用いて構いません。

ビジネスでの「注意・留意」の違い

「注意・留意」が近い意味であることは何となく分かりますが、「意味の違い」や「使い分け」を聞かれた場合に正確に答えられる人は多くありません。しかしビジネスで使う資料やメールなどを書く際に、違いを理解したうえで使い分けられると、相手からの印象をより良いものに出来るでしょう。

「注意」と「留意」の意味を知り、しっかり使い分けていきましょう。

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