退職時の有給消化を円満に進める6つのポイント

退職する時には有給を全て消化してから辞めたいと考えている人は多いでしょう。実際に有給を全て消化して退職することはできるのか、退職時の有休消化のポイントについてまとめました。

退職時の有給消化を円満に進める6つのポイント

退職時に有給消化をするためのポイントを覚えておこう

退職する時は、残っている有給休暇は全て消化してから退職したいものです。有給消化を会社から了承してもらいつつ円満に退職を進めるためには、いくつか気をつけた方がいいことがあります。これから退職をしようと考えている人のために、退職する時の有給消化を円満に進めるためのポイントを紹介していきます。

退職する時、残っている有給は全て消化できる

本来、有給休暇の使用は従業員が持つ権利です。会社側は従業員が有給を取得しようとする時に、これを拒否してはいけないということが法律で定められています。この点を踏まえると、退職時に残っている有給を全て消化すること自体は本来可能なのです。

有給は退職すると消滅してしまうので、会社の状況的に取得が難しいということがなければ、残っているものは全て使い切ってしまった方がいいでしょう。

退職時にまとまって有給を消化できれば、例えば長期の旅行に行ってリフレッシュすることもできます。次の転職先が決まっていたり、退職後に起業したりする場合は、有給消化はいい気分転換にもなるはずです。

退職時の有給消化を円満にすすめるためのポイント

「今日退職願を出して30日後に退職したいです」といきなり会社に言っても必ず受理されるとは限りません。突然辞められては、会社も業務に支障が出て困るからです。急に転居しなければならなくなった、などのやむを得ない事情を除き、就業規則を盾にして無理に自分の希望を通そうとするのは、会社側に大きな負担がかかりますので避けた方がいいでしょう。有給消化することを前提にして円満に退職を進めるためには、会社の状況も踏まえて退職日を決めるようにしましょう。

1.引き継ぎ期間を考える

引継ぎをする女性社員

あなたが会社を辞めた後、誰かがその業務を引き継がなくてはなりません。後任の人への引き継ぎが完了するのにどれくらいの時間が必要かを考え、そこから退職日を算出するようにしましょう。引き継ぎが完了すれば、自分がいなくても業務が回せるということになりますので、退職日の区切りとしては折り合いをつけやすいでしょう。

2.有給を消化しつつ円満に退職をしたい場合は擦り合わせをする

いくら有給取得が従業員の権利とはいえ、有給消化しつつ退職する場合は権利だけを主張するのは良くありません。有給消化を円満に行うためには、会社の状況とうまく擦り合わせしながら退職日を算出するのがいいでしょう。

例えば、会社には年間を通じて業務が集中する時期や、売上が大きく伸びる繁忙期があります。こうした忙しい時期を避けて退職日を決めると、それだけで有給消化がしやすくなります。忙しい時期ではないので物理的に休みを取りやすいですし、できる限り会社に配慮して退職しようとしているということを伝えれば、会社側も退職前の有給消化について好意的に捉えてくれるようになるからです。

もちろん、退職の申し入れから退職日までの期間に余裕を持たせることも必要です。いくら退職する時期を考慮したとしても、時間に余裕がなければそれだけ有給は消化しづらくなるからです。

3.普段から有給を使わせてくれない会社なら配慮をしてみる

普段の有給取得を渋る会社であったとしても、最後くらいはきれいに消化させてほしいということで思い切って申請してみましょう。引継ぎや退職までの日数に余裕を持たせるなど配慮をした上で申し入れをすれば、こちらとしては有利に話を進めやすくなるはずです。この場合は、できれば全て有給消化ができる形で退職日を設定したいものです。

4.退職時の有給消化はできないと拒否されたら歩み寄る

繁忙期の社内

本来は、会社側は従業員の有給取得を拒否することはできませんので、申請すれば有給は消化できるはずですが、会社側の事情により有給消化を自粛するように言われてしまうことがあるかも知れません。

退職日まであまり日数がなく、どうしても業務に穴が出てしまうので引き継ぎに専念してほしい、など会社側も止むを得ない事情で従業員にお願いするような場合は、こちらも有給の消化日数を調整するなど歩み寄った方がいいかもしれません。

ただ、有給申請しないように上司から脅された、など明らかに会社側の態度に問題がある場合は、直属の上司のさらに上席の人や、会社の人事・総務部門に直接相談をしてみましょう。もし、それでも解決しなかった、または相談できる人がいない、という場合は労働基準監督署に相談してみましょう。

5.退職時の有給は買い取り・買い上げもあり

お札で目隠しする会社員

有給の買い取りや買い上げは原則法律では認められてはいません。ですから、本来はきちんと有給休暇として消化すべきですが、退職日までに消化が難しいなどの止むを得ない事情がある場合は、会社と合意の上であれば買い取り・買い上げはしてもらうことができます。

ただし、買い取り金額は会社が定めたものになりますので注意が必要です。有給休暇の買い取りについて就業規則に記載している会社もありますので、事前に確認しておくといいでしょう。

逆に会社側から有給消化ではなく、最後まで勤務してほしいので買い取りで対応したい、と打診されるケースもあります。こういった場合も、本人が承諾するのであれば、有給消化を譲歩する形で買い取りに応じることは問題ありません。もちろん、買い取りについて承諾できない場合は、拒否して有給消化の申し入れをすることもできます。

6.パートや派遣社員でも退職時の有給消化はできる

もちろん、パートでも派遣社員でも日々の勤務条件を満たしていれば有給は付与されますので、有給消化することは可能です。パートの場合は、有給の付与日数がフルタイムの正社員と異なる場合がありますので、有給の残日数をしっかり確認しておくようにしましょう。

派遣社員が有給取得をする場合には、まず派遣元の会社に取得申請をし、派遣元の会社が派遣先の会社に有給消化の申し入れをすることによって消化できます。派遣社員が就業場所の上長に直接打診をして有給を取得することは、派遣契約上ルール違反になりますので気をつけましょう。

有給消化ができるのは派遣契約期間内のみですので、有給消化をする場合は契約期間をしっかり確認しておくようにしましょう。どうしても有給消化してから派遣契約を終了したい場合は、契約期間を延長するなどの対応が必要になりますので、派遣元の会社に相談して進めるようにしましょう。

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退職の申し入れは就業規則で確認してからにしよう

就業規則

多くの会社では、退職の申し入れをする際に退職願の提出が必要です。30日前までに提出など、会社によって退職についての規定は異なりますので、自分の会社の就業規則は必ず確認しておきましょう。会社によっては、退職願は必須ではなく提出をしなくてもいい場合もあります。

退職願の提出というものは民法上では義務付けられていません。民法では、退職日の14日前までに退職の意思表示をすれば退職できるということになっています。

有給を消化することも含めて、円満に退職をしたい場合は、会社の就業規則に準じて退職の申し入れをし、話を進めた方がいいでしょう。法律で決まっているから、と無理を通すことは会社との間で余計なトラブルを引き起こすことにもなりかねません。

退職申請のタイミングは就業規則で確認しておくこと

就業規則には会社の様々な規定が書かれています。有給取得についての規定はもちろん、退職についての規定も明記されており、会社ごとにその内容も異なります。必ず確認しておくようにしましょう。

退職時の有給消化を考慮する際には、まず退職日を確定させる必要があります。就業規則上、いつまでに退職の申し入れをすればいいのか退職のタイミングを確認しておきましょう。例えば退職日の30日前までに退職願を提出し受理される必要がある場合は、それに合わせて会社に退職の意志を伝えて退職願を提出する必要があります。有給消化して退職する場合は、いつまでに申請すればいいかも併せて確認しておきましょう。

ボーナスの支払い日についても忘れずに確認しましょう。「退職するのにボーナスってもらえるの?」と思う人もいると思いますが、ボーナスの支給条件は一般的には「支給日に会社に在籍していること」と「一定の支給対象期間に在籍していたこと」の2つですので、退職することが確定していても条件を満たせばボーナスはもらえるのです。

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有給の仕組み

有給の仕組み

有給は、正式には「年次有給休暇」といい、労働者の休暇日のうち、雇用者(会社など)から賃金が支払われる有給の休暇日のことを指します。有給休暇は法律で定められたものであり、会社ごとの独自の規定ではありません。

有給休暇が付与されるには条件があります。それは、「雇入れ日から6ヶ月が経過していること」と「期間内の全労働日の8割以上出勤していること」です。

有給は入社6ヶ月後に最初の付与があり、その後は1年ごとに付与されていきます。付与された有給は次年度以降に繰り越すことができますが、2年で消滅してしまいます。つまり、今年の4月1日に付与された有給は、再来年の3月31日に消滅してしまうということです。

常に繰り越されていくので、何もしないでいても有給がゼロになることはありませんが、2年で消滅することを考えると、できる限り定期的に消化した方がいいということです。

有給の残日数の確認方法

会社によって異なりますが、毎月の給与明細や社内の勤怠システムなどを確認すれば、残っている有給休暇の数は把握できるはずです。上司や会社の総務部に問い合わせて確認することもできますが、まだ退職の申し入れをしていない段階で有給残日数の問い合わせをすると、そこから退職を考えていることに気づかれる可能性がありますので避けた方がいいでしょう。

退職が年度内の有給付与時期と重なる場合は、もともと残っていた有給の残日数に新たに有給がプラスされる可能性もあります。有給を全て消化する場合は残日数の変動に気をつけましょう。有給を全て消化して退職する場合、退職日から逆算して最終出勤日を割り出す必要がありますので、残日数は正確に把握しておくようにしてください。

退職時の有給消化で損をしないためにはためらわず申請する

退職時の有給消化で損をしないために大事なことは、まずは有給取得することをためらわないということです。退職した後の準備期間に充てることもできますので、有給は思い切って全て使い切るつもりで申請をするようにしましょう。

自分の希望を通すためには、会社としっかりコミュニケーションを取ることも大事です。事情があって辞めるにせよ、それまでお世話になった会社なのですから、できるだけ負担がかからないように配慮して話を進めれば、会社側も理解をしてくれるはずです。これから退職を考えている方は、円満に退職が進められるように意識して話をしてみてはいかがでしょうか。