完全歩合制(フルコミッション)で働くメリットデメリット

完全歩合制(フルコミッション)とは、報酬の全てが個人の業績や売上高で決定する給与制度です。通常、企業に雇用されると固定給や固定給+歩合給といった給与体系ですが、この制度は成果を上げないと収入を得ることができません。個人の実力次第で給料が決定します。

完全歩合制(フルコミッション)で働くメリットデメリット

完全歩合制とは?歩合制との違いとメリット・デメリット

完全歩合制(フルコミッション)と聞くと、一般的には「固定給がないため成果を上げなければ収入が不安定、無償で働く」といった不安や、電話営業や飛び込みといった新規開拓を行う一般的に敬遠されがちな営業スタイルをイメージする方が多いでしょう。

しかしその反面、完全歩合制では「やればやるだけ稼ぐ」「実績さえ上げればあとは自由に時間を使う」ことが可能です。
完全歩合制の概要、メリットやデメリット、どのような業界や職種があるかを検証します。完全歩合制の職場を転職先の候補としてお考えの方は参考にしてください。

歩合制とは?

減給で落ち込んでいるサラリーマンと昇給で喜んでいるサラリーマンのイラスト

歩合制は、本人の実績と成果によって給料が決定する制度です。良い成績であれば給料が増額されます。一般的にイメージされる給与制度は固定給制で、会社の業績や在籍年数により支給額が決定します。大幅に減額することはほぼないものの、年に1回程度しか見直しはありません。

完全歩合制とは?

歩合制を採用している企業のほとんどは「固定給+歩合給」ですが、完全歩合制の場合は固定給がなく給料は全て歩合給となり、よくも悪くも自分の実績がそのまま反映されます。
完全歩合制で勤務されている方の中には、月に100万円以上の報酬を得る方もいれば、反対に収入がゼロという方もいます。

完全歩合制の勤務形態

完全歩合制の勤務形態は基本的に労働者が個人事業者となり、会社と業務委託契約を結びます。これは労働基準法の第27条において「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない」と決められているからで、最低賃金を保証しないと雇用関係を結べないためです。完全歩合制は、企業に所属せずにフリーランスで勤務するというイメージです。

完全歩合制のメリットとデメリット

完全歩合制のメリットやデメリットにはどんなものがあるのでしょうか。企業に所属し固定給制、もしくは固定給+歩合給制などで勤務する場合と比較しながら、完全歩合制の収入や働き方を説明します。

完全歩合制のメリット

完全歩合制の最大のメリットは、報酬が自身の頑張りや実績、成果に応じてダイレクトに給料に返ってくるということでしょう。

固定給制度では成果を残しても、会社に評価されていても年に数回の賞与や昇給でしか反映されません。さらに、賞与は社内の業績に大きく左右され、個人の業績で金額が決定することはないですし、昇給額も在籍年数や社内のバランスに考慮した上で決定するため、大幅に昇給することはほぼなく緩やかに上昇します。

また、完全歩合制の働き方のメリットとしては、仕事に対するモチベーションを高く持てるということ、自分の裁量で時間を自由に使うことが可能といった点が挙げられます。

ガッツポーズを取る会社員の女性と給料

完全歩合制は結果が全てですので、高いモチベーションを持って真剣に職務に取り組むことになります。営業であれば商品知識をしっかりと把握し、どのような顧客に対してどうアプローチをするのか考え営業活動を実行します。情熱を持って職務に取り組むことは成果にもつながり自身のスキルアップにもなります。

次に「時間」ですが、完全歩合制は自分のペースで仕事をすることが可能です。企業は時間の使い方を個人に任せる事が多く、どう活動を行うかは自分次第です。就業時間内は会社に拘束される固定給制の勤務形態とは異なります。

完全歩合制のデメリット

完全歩合制の収入面のデメリットとして、「不安定である」ことが挙げられます。完全歩合制では、成果を出し続けていても調子が悪かった翌月の収入がゼロということもありますが、固定給制はこのようなことがありません。

企業との契約によっては業務に係る交通費や通信費などを自分で負担しなければならない場合もあります。
完全歩合制は成果がそのまま反映する報酬制度ではあるものの、成果が出なかった時や活動に必要な経費のことを考えて生活をする必要があります。

また、自分のペースで仕事ができ、自由に時間が使えるというのは完全歩合制の大きなメリットですが、営業職の場合、企業に所属する営業は会社から研修制度が用意され、会社が行うマーケティング結果に即した顧客に効率よく営業できます。

疲れた表情で階段を駆け上がる営業マン達

しかし、完全歩合制は純粋な営業活動に加え、商品知識を身に着ける時間や見込み顧客の選定、販売促進といった活動を自分で行わなければなりません。同じ営業でも完全歩合制のほうが業務のボリュームが幅広く、その結果、勤務時間や休日などを全く問わず働き続けている方も多いのです。

完全歩合制の仕事はどのような職種・業界に多い?

どのような職種や業界で完全歩合制を採用しているのかというと、一般的にイメージされるのは営業職ですが、営業職以外にも様々な完全歩合制の仕事があります。

職種

完全歩合制の仕事として、タクシードライバーや建設関連の職人、美容師、芸能人、セラピストやネイリスト、フリーランスのクリエイターといった職種が挙げられます。
いずれも共通しているのが「職務をこなせば売り上げがあがる」「個人の実力で売り上げが左右される」という点です。その他、テレフォンアポインターやポスティングスタッフといった職種でも完全歩合制を採用しています。

業界

営業職で完全歩合制を採用している主な業界は、基本的には「新規開拓を中心に顧客を獲得する」業界です。さらに商材により2つの傾向に分けられます。

一つの契約が大きな利益が上げられる商材を取り扱う業界

保険や不動産、車、住宅設備(ソーラーパネルなど)、リフォームといった「単価が高い上に利益率が高い」商材を取扱う業界です。

数多くの契約を獲得することによって利益を上げる商材を取り扱う業界

通信回線や食品など、商材の単価は安価なものの、数多くの契約を獲得することによって売上を上げていく商材を取扱う業界です。

完全歩合制の仕事に就く場合の注意点

「成果を上げたらその分の報酬をきちんと受け取りたい」「組織に捉われず自分の力を試してみたい」と考えている方は完全歩合制への就職や転職も選択肢に入っているでしょう。
ただ、デメリットも無視できませんので、入社を希望する企業で完全歩合制を選択するのかどうかは慎重に検討し、判断する必要があります。

1 自分に自信があるのか

握り拳でアピールするサラリーマン

完全歩合制は実績と報酬が直結しますが、組織に保護されることがありません。自分自身の力のみでやっていくという方ではないと、長期にわたり活躍する事は不可能です。
「自信」というのは職務上の強さの面ではもちろんのこと、精神的な強さも必要です。成果を上げられないときやトラブルが発生したときには誰にも頼れませんので、少々のことでへこたれないタフな方でないと成功は難しいでしょう。

2 自分が興味のある商品・サービスなのか

完全歩合制の仕事に就く上で、興味を持てる商材を扱うかどうかは大きなポイントです。営業職においては、お客様に商材を薦めるときには自分がその良さを理解しないと購入いただけません。完全歩合制では一件の契約が非常に大切ですので、商材に対する大きな思い入れが必要となります。

3 自己管理能力があるのか

安全管理のヘルメットを付けている会社員の女性

完全歩合制で生活をするために、時間とお金を管理できるかどうかは大きなポイントです。
完全歩合制の仕事は自己の裁量に任されるため時間の制約はありません。自分で計画を立ててしっかりと実行に移せる方でないと成功できないでしょう。
さらに、実績を残せない時には蓄えを使うこともありますし、仕事にかかわる経費にも考慮する必要があります。

4 信頼できる会社なのか

完全歩合制を採用している企業の中には、いわゆるブラック企業と呼ばれている企業も少なくありません。報酬体系や経費の取扱いや時間的な拘束など、労働基準法に抵触しておらずしっかりと書面で確認できる企業かどうか、入念にチェックしましょう。

完全歩合制はメリットとデメリットの両面を理解しよう

完全歩合制は自分のパフォーマンスに自信をお持ちの方、組織に捉われず自分の実力のみで勝負したいとお考えの方、独立を目指す方、さらにその努力を惜しまない方が向いています。安定を求めている方には向いていません。

ただ、リスクは当然伴います。後悔しないようしっかりとリスクを考慮し、商材やサービスを検討し、納得のいく契約を交わせる企業を選定した上でチャレンジしてみてください。

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