退職金なしの企業は珍しくない!現役引退するまでの備え方

退職金がなしという企業で働いている人も増えてきていますが、将来に対する不安がある人も多いです。しかし、人材が流動化し転職があるのが当然な今、退職金をあてにするよりも、計画的に準備を進める方が大事です。その理由や方法を紹介しています。

退職金なしの企業は珍しくない!現役引退するまでの備え方

退職金なしの人は無策で老後を迎えてはいけない

あなたは自分の勤める会社の就業規則に退職金制度があるかご存じですか?知らない場合は早めに確認し、老後や退職後のことを考える必要があります。

退職金制度は当然にあるものと思っている人も多いのですが、現在採用している企業は減りつつあります。また、年金制度の将来も危ぶまれている中、支給開始年齢の引き上げや支給額の減少などの可能性も少なくありません。将来の老後は、現在の高齢者よりも厳しい生活環境になることが予想されています。

そのため、退職金があったとしても安心はできません。ましてや、退職金が無い中で働いている人であれば、さらに注意深く将来のために準備する必要があります。無策で勤め続けて、引退前になって将来の不安に襲われることがないように、退職金なしの企業にお勤めの方は若いうちから計画的に準備しておきましょう。

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退職金の相場についての基礎知識

退職金なしというのは珍しいことではない?

ビジネス街のビルと円記号

退職金というのは、通常の給与や賞与とは別で退職した労働者に対し支払われるお金のことです。退職手当、退職慰労金など名称は様々にありますが、一般的には勤続年数や役職、給料など会社に貢献した程度によって算出基準が各社にあり、支給金額が決定します。

公務員とは異なり、民間企業についてはこの退職金制度は法律で決まっているものではありません(注1)。あくまで民間企業の自主努力となっていて、今は社会状況の変化の中で徐々に少なくなっています。

法律的には退職金制度を設けている場合には必ず就業規則などで公表することが義務付けられているものの、制度を設けることは義務ではなく、退職金がなしというケースもそう珍しいことではないのです。

4社に1社は退職金なしの企業!

4社に1社は退職金なしの円グラフ

厚生労働省が発表した平成25年就労条件総合条件総合調査の概況から、退職金制度のある会社と無い会社の割合を比較すると、退職金制度がある企業は75.5%、退職金制度のない企業は24.4%となっていて、4社に1社は退職金制度がないという実情がうかがえます(注2)。

加えて、この調査では30人以下の企業が対象となっており、より小さい規模の企業群になれば退職金のない企業の割合はより多くなると考えられます。

また、退職の理由やタイミングによっては、社内規定によって減額されてしまったり支給条件に満たない場合もあり、退職金制度はあれど退職金は出ないということもあります。

退職金なしの会社で働いた時に考えるべきこと

退職金というのは、実は給与や賞与の一部を老後の生活のために積み立てておく制度です。ですから、企業にとってはその退職金分が給料に上乗せされている場合もあり、退職金がない企業が一概に違法であるブラック企業だとも言えません。

とはいえ、実際にはこれは詭弁であり、退職金が支給されないことの言い訳に使われることも少なくありません。

しかし、退職金がない会社で働く場合に考えるべきはそこではありません。むしろ考えるべきは退職金に相当する引退後のお金をどうやって準備するかです。退職金なしの企業では、それに匹敵するだけの貯蓄を作っておく必要があるということになります。

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退職金の平均~中小・上場・公務員で最も有利な勤め先は?

こうした準備もなく、公的年金で生活ができると思ったり、当然退職金は出るだろうと思っていると、いざその場面になって生活に窮するようになってしまいますから気を付けてください。

老後の生活費はどれくらい必要?

手押し車を押して歩く老人

総務省の「家計調査年報2016年」によると、二人以上の世帯の消費支出は60~69歳の世帯で277,283円、70歳以上の世帯で238,650円が必要となるというデータが出ています(注3)。これは夫婦二人の年金のみで賄うには少し厳しい金額です。生活費が不足し、貯金から切り崩しているという家庭は少なくありませんので、こういった生活費をいかに準備するかを考える必要があるでしょう。

借金は早めの返済を

また、引退後にも残るような借金は極力ゼロにしておく必要があります。車のローンや教育ローン、住宅ローンなどの残りがあれば、早めに清算しておくようにしましょう。余計な利息を支払っている余裕はありません。特に住宅ローンは35年で組まれることが多いですが、多くの人は定年までに全額を支払うようなタイミングで住宅購入はできないものです。できるだけ早いタイミングで繰り上げ返済を目指しましょう。

年を重ねるほど医療費はかさむ

退職金が出ないことを考えると注意したいのが医療費です。年齢を重ねるにつれて体は衰えますので、病気やケガが増えてきます。そうなった時には臨時の支出が増えることになりますし、家族にも多大な迷惑をかけることになります。そう考えると、健康づくりというのは若いうちからの確実な投資になります。飲酒や喫煙などの習慣はできるだけ控えて、その分の支出は老後資金に、時間は健康作りのために運動などに当てましょう。

退職金がないことに不安を感じる人が準備すべきこと

貯蓄額の減少に沿って歩く夫婦

もしも退職金なしの会社で働いているのなら、退職金が出る会社に転職してしまうのもひとつの方法です。今の会社で働くことにこだわりがないのなら検討に値する内容でしょう。

また、いかにそのお金を準備するべきかについて、一度ファイナンシャルプランナーに相談してみることをおすすめします。現在の生活状況や将来的なライフプランを一緒に考えながら、必要な月々の貯金や生活上のやりくりについて適切なアドバイスをもらえるはずです。

投資などを早いうちから初めておいて将来に備えるのも良いことです。若いうち、定収入があるうちはリスクも取りやすいので、給料の一部を投資用の資金に充てていくことは老後になって急に知らない投資を始めるよりもずっとやりやすく、またノウハウも身につくので将来に備える方法としてふさわしいです。

確定拠出年金や個人年金はどのくらいアテになる?

老後に備えての厚生年金、国民年金、確定拠出年金や個人年金は絶対的に備えておくべき生活のベースです。特に国民年金は投資の利率で言えば非常に効率の良いと投資になりますから、納めておいて損はありません。多くの場合は自力運用よりも良い結果となるでしょう。

ただし、これらの年金によって老後の生活資金が賄えるとは言い切れません。あくまでこれらは生活費のベースとなってくれますが、十分ではありません。それにプラスして自分で資産を運用してお金を増やすなり、もしくは頑張って節約して生活費を減らす必要があります。

年金は基本的に納付することができる金額が決まっていますが、未納や免除があればそれを後からでも納付することで年金額が上がる場合があります。

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確定拠出年金の詳しい仕組み・メリットとデメリット

退職金は「なし」を基本に考えるべき

若いうちから貯蓄計画と資産運用が必要

退職金制度は社員にとって非常にありがたい制度ではありますが、そもそも登場したのは日本経済が右肩上がりで人材採用が課題になっていたとき、終身雇用制度の中で登場した制度です。

すでに終身雇用慣行は崩壊し、企業の寿命は上場企業でも20年前後という厳しい時代になっています。そのため、退職金制度があったとしてもそれは保証されるものではありません。企業が倒産した際に退職金の請求は可能ですが、満額の支払いができるかはわからないのです。

そう考えるなら、給与の後払いとしての退職金ではなく、確実に毎月現金をもらっておく方がずっといいという考え方もできます。退職金がなくなってしまうリスクもあるということを考えると、いかに普段もらっている給与の中から将来に備えて貯蓄したり運用していくかが重要であると考えられます。

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財テクを活用した初心者でもできる貯蓄方法

事実、退職金制度を設けている企業数は減ってきており、今後はさらに減っていくことも予想されます。引退後の生活については運用しての準備が主流になっていくことでしょう。若いうちから資産形成、資産運用について学ぶ必要性が高まっていると言えます。

退職金は「もらえなかった」と考えても後のまつりですから、最初から「ない」という考えを基本にして、お金の準備をしておくことをおすすめします。

退職金なしの企業でも計画的に準備しておけば大丈夫

人材がどんどん流動する中、退職金制度については「時代遅れ」という声も増えており、労働者が期待する一方でこの制度を採用する企業は減り続けています。今後もこの流れは止まることはないでしょう。その中では、退職金を頼りにした引退後の生活設計では上手くいきません。できるだけ早いうちから老後のことまで見越して生活資金を準備しておく必要があります。

退職金はあれば当然助かりますが、現在の社会環境下では、制度はあっても満額もらえるかは不確定な要素が多く、ゼロになってしまうことも少なくありません。アテにするのではなく、あれば臨時のボーナスが入ったという程度に考えておくのが確実です。計画的に準備しておけば、必ずしも退職金がなくとも慌てることはありません。事前にしっかり準備しておきましょう。

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